コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- パシリが主人に恋をする。
- 日時: 2010/12/26 14:46
- 名前: 優 (ID: AsGC03V/)
クリックありがとーぅ♪
初めて書きます!!
かなり未熟ですが、見てやってください(*・ω・)ノ
アドバイス、喝なんでもコメントしていただけたらうれしいです。
よろぴこです。
- Re: パシリが主人に恋をする。 ( No.12 )
- 日時: 2010/12/26 14:04
- 名前: 優 (ID: AsGC03V/)
−続−
そこにいたのは、確かに滝沢悠也だ。
でもなにかが違う。
小柄な身体、大きな瞳、黒い髪。
ぜんぶ変わらないけど、優しい笑顔の王子様はいなかった。
つかつかと歩く滝沢悠也の背後にはぴっちりと後を歩く男5人の姿がみえた。
「おい、ついてくんなって言ってんだろ。ぶっ殺されてぇのか?」
え・・・・
そんな。あの王子様はどこへ行ったの?
「しっ、、しかし、代表。これは社長からのご命令であります——」
舌打ちして、虫を追い払うかのように手をひらひらさせた。
「っるせーなぁ。お前は誰の部下だ?うん?」
問いかけられた男は黙りこくってしまった。
「こんなんで怖気づくようじゃ、ボディーガードの意味ねぇなぁ」
ボディーガード?
代表?
一体何のことなの?
あたしはボーっと突っ立ったまま、角からそれを見ていた。
- Re: パシリが主人に恋をする。 ( No.13 )
- 日時: 2010/12/26 14:05
- 名前: 優 (ID: AsGC03V/)
—続—
あっ、やばい!こっち来る!
逃げ場のないネズミを追いつめるかのように、滝沢悠也が角を曲がろうとした。もちろんそこにあたしがいることには気づいていないんだろうけど。
どうしよ・・・
まっすぐ走っても、ばれるに決まってる。
「あっ」
もう終わりだ。ガン見されてる。
「な・・・なつ・・みっ」
「あ、あああ、ああ、悠也君。んじゃねーっ」
もう、こうなったら逃げるが勝ちだ!
と、思ったけど、
「ちょっ、待った!」
うわーー、捕まったよ////
「見てない見てない!」
「えっ・・なにを?やっぱ、見てたの・・・」
あ・・・
どうしよ。
焦りがにじみ出た滝沢悠也の顔が、だんだんと冷静になっていった。
そして、見たことのない恐ろしい表情になり・・
「おい、今見たことを誰かにパクったら、ぶっ殺すぞ。」
「え・・・ちょ・・」
それは王子様なんかじゃない。
これが滝沢悠也の本当の姿なのだろうか。
さっきから、社長とか、代表とか、ボディーガードとか、意味分かんない。
「代表、どうしますか。口封じしますか。」
「ああ。そうしろ。まぁ、ガキだから、簡単にしておけよ。」
口封じっ!?
これって、時代劇かなんかでやる・・・
あたし、殺されちゃうの!?
- Re: パシリが主人に恋をする。 ( No.14 )
- 日時: 2010/12/26 14:05
- 名前: 優 (ID: AsGC03V/)
—続—
もう、人生終わったんだぁ・・
ろくに恋もできないまま。
どうしよ、このまま全速力で走って逃げる?
でも、このオッサンたち足速そう。
「俺はこのまま行くから、藤堂、おまえがこいつを連れて行け。」
「ご案内いたしますので、こちらへどうぞ。」
ん?
あたし、どこつれてかれるんだろうか。
変なボディーガードたちに挟まれて、少し歩いたところに、高級な車が止まっていた。なんて言うんだけっけ?なんだかよくわからないカタカナの外車。
ボディーガードが車のドアを開けた。
乗れってこと?
「お乗りください。」
うわっ。あたし、殺されるわけじゃなさそう。
まるでお姫様扱いだもん。
車の中は広くて、1つの個室みたいな作りだった。
「お飲み物は、ジンジャエールでよろしいですか。」
「あ、はい・・」
くもりひとつないグラスに、きらきらした炭酸がそそがれ、あたしの手元に。
ソファーはふかふか。ちっとも揺れないし。
あたしはすっかりイイ気分になった。
それから5分ほどすると、車は大きなビルの前で停車した。
すぐにドアが開いて、さっきのオッサンが案内を始めた。
「こちらでお待ちください。代表がいらっしゃいますので。」
「どうも・・」
連れて行かれたのは、ビルの最上階。広い部屋だった。
シャンデリアが輝き、沢山のフラワーアレンジメントが優雅に飾ってある。窓からの眺めなんて、もう最高。
こんなにすごい所、初めてきた。
あたしはすっかり、自分の状況を忘れていた。
- Re: パシリが主人に恋をする。 ( No.15 )
- 日時: 2010/12/26 14:06
- 名前: 優 (ID: AsGC03V/)
—続—
パーティーが開けそうなほど大きい部屋を、あたしはグルグル見て回った。
奥にはベッドがあった。薄いベールに包まれた寝室は、男モノだと思う。
大画面の液晶とパソコンも3台ほどあった。
前方にある机に、興味深々で近づいた時・・・・
「触るな!!」
びくっとした。怒声が耳を突き抜ける。
振り返るとそこには、あの滝沢悠也が立っていた。
「触って・・ない・・よ」
ふっと鼻で笑われた。
「なぁ、驚いただろ。俺がこんなやつだったって知ってさ。」
言葉が出ない。
「まぁ無理もないか。俺はここの会社の代表なんだよ。本当の自分と全く違う人格で学校に通うってのが、父親から与えられた課題だったんだ。それが、お前のせいで・・」
ぎろりとにらまれた。う・・・
「この課題に失敗したってことは、代表役を降りるってことな訳。だから、誰にも俺がこの会社の跡取りだって、言うなよ。もししゃべったら、俺はお前をぶっ殺す。」
「あ・・あ・あああ・・・」
「なんとか言えよ。」
いっきに情報が流れ込んだせいで、混乱していた。
だって、中学生がこんなに大きな会社の代表役?
ありえない。でも・・どうも本当のことっぽい。
「うん。誰にも言わないけど・・」
「けど、なんだよ?」
うぅ・・怖い。
「いや、特になにもないけどさ。その、どうしてそんな変な課題なの・・・?」
「なんでお前に話す必要があんの?てか、俺もそんなこと知らねーし。親父の考えてることは、わかんね。」
「あ・・・そう・・」
「とりあえず、お前なんか信用できないから、ほしい物やるよ。それなら文句ないだろ?」
はぁ!?出たよ!金持ちパターン!
まぁ、くれるっていうんだし、何もらおうかな・・・?
「金か?いくらだ?」
金って。
「そうだな・・」
「言っとくけど・・」
急に滝沢悠也はニヤニヤし始めた。
「んんん・・何・・?」
- Re: パシリが主人に恋をする。 ( No.16 )
- 日時: 2010/12/26 14:06
- 名前: 優 (ID: AsGC03V/)
—続—
「俺と付き合えなんて、言うなよ。」
「・・・・・」
「はぁぁぁ!?」
王子様との出会いからこの時点に来て初めて、あたしはこいつの本性を知る。
ケラケラ笑ってる目の前の悪魔に、言葉がでなかった。
「知ってんだぞ。おまえ、俺のこと好きだろ。」
「なっ・・」
どうして?誰にも言ってないのに!
「そっ、そんなことないけど。だいたい、だれがそんなことを——」
「みてりゃわかる。毎日じろじろ見てたら気づかれるってわかんないの?うける〜」
そんなぁぁぁぁ
立っているのに血が頭の方に上っていく。沸騰しすぎた水は理性を失い、こぼれおちる。
「えっ、えっそんなっ!なんの根拠もないのに・・!ていうか、今はぜんぜん好きじゃないし!何言ってんの!」
「ってことは、さっきまで好きだったんだ」
あぁ〜!もうだめだ。しゃべっちゃだめ。
落ち着け、夏海。
「ガキだねぇ。ほんのちょっと話しただけなのに、すっかり俺の魅力にはまっちゃって。」
しばらくモゴモゴしていたが、この悪魔には勝てないと悟り、落ち着きを取り戻しつつ・・・
「あんただって、本当はその、代表とかなんとかって、嘘なんでしょ。だいたい、三舟区に住んでるって言ったじゃんか。」
ヘラヘラしてる。あたしは、こんなやつに恋してたんだ!勝手に王子様を想像して!
「あ〜、そんなのウソに決まってんじゃん。俺は学校側もだましてるんだから、住所もそれらしくしなきゃだめだろ?」
「んんんっ・・・・」
「とにかく、お前は俺の将来に関わる秘密を知ったんだ。このことをバラそうものなら、俺もお前の弱みをクラスのやつらに暴露する。いいな?」
「えっ・・弱みって何・・?」
聞くまでもなかったのかもしれない。あたしがこいつを好きだなんてバラされたら、学校中の笑い物だ。それだけはいや!
「わかった・・なんにも言わない。黙っとくから。それを言うのだけは・・」
「あ〜、やっぱり認めんのね。俺も、モテるなぁ」
「なっ!それはちがっ——」
「はいはい。わかったら静かに退場。お子チャマは、早く家にかえりましょーね。」
くっ・・・・
なんてやつなの?最低。
いや、
あたしが勝手に、
勘違いしてただけなのかも。
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