コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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Voice of the devil〜悪魔の声〜20話更新 
日時: 2011/04/25 15:51
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: p81XYxhw)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

こんにちは。初めましての方は、初めまして。
棋理という者です。この小説はシリアスダークで書かせていただいていましたが、
コメントで「コメディで書いた方が良い」というものをもらったので、こちらにお引っ越ししました。
駄作&駄文ですが、どうぞ宜しくお願いします^^

—————————注意事項—————————

1 荒らし、チェンメはお断り
2 駄文です。駄作です。それでも良いですか?
4 アドバイスとかはエネルギーになります!
5 アドバイスといえど、中傷っぽいアドバイス
  はお断りです。
  

—————————注意事項—————————


—————目次—————

目次>>0
登場人物>>1
プロローグ>>2

01>>3   11>>22
02>>4   12>>23
03>>5   13>>24
04>>7   14>>25
05>>11   15>>26
06>>12   16>>27
07>>14   17>>28
08>>15   18>>29
09>>19   19>>30
10>>20   20>>33
—————目次—————



—————書いている小説—————

コメディ・ライト
【オタクな生徒会長は絶好調?】

—————書いている小説—————


—————お知らせ—————
4/13……コメディにお引っ越し
      1話更新
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      19話更新
4/25……20話更新

—————お知らせ—————

—————お客様—————
・nata様(なっちゃん)
・初心者様
—————お客様—————
この小説は、1人の悪魔と契約した少年がどうやって世界を変えるのか。
自分が望む世界とはなんなのかを探していく、ストーリーです^^

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Re: Voice of the devil〜悪魔の声〜10話更新  ( No.22 )
日時: 2011/04/22 14:09
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: p81XYxhw)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

11

「まったく…。いちいち細かいことにこだわる男ですわね」

いや、これは全く細かくない。
旅行用鞄4つ、何故か風呂敷に包まれた荷物が1つ、アタッシュケースが3つ。
それから細々としたバッグが6つ。合計14個のバッグが俺の部屋を埋め尽くしている。
残ったスペースには何故か粗大ゴミが置かれている。

「やはり来る前に荷物を減らしたつもりですが、多かったですわね」
「これで減らしたのか!?」
「女は何かと持ち物が多いんですのよ」

そういえばそういう言葉は香里が言っていた気がする。
それにしても、どうしてこう女というのは荷物が多いのだろう。
永遠の謎だ……。

「……じゃあ何故俺の部屋に粗大ゴミがあるのだ」
「ああ、それはあなたのお母様が私の部屋を掃除するのに邪魔な物ですわ。
 ゴミ達にはこんな部屋が十分ですから」

——それは俺がゴミというのか?
いちいちかんに障ることを言うな、こいつは。

「まぁ、詳しい説明はお母様から聞くのでしょう?あたくしが言うことではありませんわ」
「いや、お前が言うことだろ」
「……ま、良いですわ。それより、他に何か聞きたいことはありますの?」
「ありすぎて困るくらいだ!!」

くそっ。こいつ…、本当にむかつく。

「まず、お前が来た悪魔界のことだ。もっと詳しく聞きたい」
「詳しく?たとえばどんな?」
「たとえば……今の悪魔界は人間界を滅ぼしてどうするんだ?」

一番気になるのはここだろう。
悪魔界が人間界を滅ぼすと言うことに関しては納得した。……いや、納得はしてはいけないと思うけど。
納得はしてはいけない気がする。

「あら、そこはまだ説明してなかったわね」

そう言うと、ローズは俺のベッドに腰掛けた。
そして、またドラマ口調のように話し始めたのだ——。

新悪魔界の長——ブラッドはそれはそれは人間界を憎んでいました。
自分たちが生きていく上で人間達がとても大事な者だというのは、ブラッドも十分に承知の上でした。が、それでいてブラッドは気にくわなかったのです。
『人間のぶんさいで生きているなんて鬱陶しい。世界というものは我々悪魔界だけで十分だ』
これがブラッドの持論でした。

「つまり——。ブラッドは世界をすべて自分の手中に収めようとしています。
 まずは自分が気にくわない人間界から…と言うことです。分かりましたか?」

——うん。全く分からないや。
俺の頭が悪いのか。それともこの状況が悪いのか。
絶対後者であって欲しいな……。

「ちょっと、理解できましたの?そのすっくない脳みそで」
「酷い…。俺は酷い扱いだ…」

ここは俺の部屋なのに、我が物顔で居座っているこの女……。俺をなんだと思っているんだ。

「え?あたくしの契約者と思っていますけど?」
「だから、俺は契約した覚えは——って、ん?俺は何も言っていないが……」
「……ま、それは置いといて」

置いとくのかよ!
ここは置いてはいけない気がする。まさか読心術?俺の心はすべてお見通しと言うことか?
こいつにはまだまだ謎が多いな……。

「これからもよろしくお願い致しますわ。居候する身として——“契約者”として」

Re: Voice of the devil〜悪魔の声〜10話更新  ( No.23 )
日時: 2011/04/22 14:10
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: p81XYxhw)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

12

「「いっただきま〜す」」
「…………いただきます」

くっ。何という屈辱…。
お袋が帰ってきたのは6時半。ガスボンベを取り出して、今日は鍋だという。
しかし…。しかしだな…。

「どうして俺だけ別のテーブルなんだぁぁああ!!」
「うるさいよ良介!」
「そうよぉ。今日は女の子だけの鍋パーティーよぉ」
「乙女同士の会話に割ってはいるなんて、どこまで無粋な男なのかしら」

……もう突っ込む気力さえ失せてしまった。
たしか、今の時代って「男女平等」じゃなかったか?
え?なに。それって俺の中だけだった?今の時代のブームは「男子が奴隷」の時代なのか?

「ま、飯があるだけマシというか……」
「良ちゃん、ビール持ってきてくれる?」
「あ、私ジンジャーエール」
「あたくしは日本茶でもいただきましょうかしら」
「俺の事はもはやしもべとしか見てないよなぁ?!」

酷い……。酷い扱いだ……。
まさか、白飯と梅干しとたくあんだけの食事が出てくるとは思っても居なかった。

「……悲しみを通り越して、自分の小ささを実感するな」
「あら、やっと理解しましたの?」
「鼻で笑ってあげる」

……………………。

「そうですよ、どうせ俺はここにいてはいけない存在なのだな。
 これは切腹だ。お殿様、我はいまから切腹してお詫び致します。
 ここに生まれてきた故に、他の者に不快な思いをさせてしまった由」
「良ちゃん?せっかくのご飯が冷めちゃうわよ?」
「………………いただきます」

俺はじゃっかん堅いご飯をもそもそと食べる。時間を掛けてゆっくりと。何でって?
だって少しくらいみんなと一緒に食べていたいじゃないか。……たとえメニューが違ってても。



「はぁ。今日はさんざんな日だったな」

一日が終わっていないのに、何故か今日一日で三日間ぐらいの体力を使っている気がする。

「……複雑だな」

ついこの間…いや、今日の朝まではこの退屈な日常が嫌で嫌でたまらなかった。のに、今目の前に現れた非日常的な事を突きつけられて。いきなり人間界を滅ぼすとか言われて。俺はこの世界から逃げ出したくなった。

「……望んでいた世界なのに…な」

先ほどまで粗大ゴミが置かれていて少しほこりっぽいベッドに倒れ込む。
なんだか急に世界が広くなった気がした。

「人間界に悪魔界……」

実は言うと、小さい頃は憧れていた。
この世には人間だけが住むには広すぎると。こんな広いのだから悪魔や死に神、ましてや妖精なんかも住んでいるのではないかと。
しかし、大きくなって受験に成功して。平凡な高校生活を思うと、なんだか急に世界が狭くなっていった。俺が身体的にも成長したせいもあるのかもしれない。幼い頃に比べて目線が高くなり、大人の考えていることが自然と分かってしまって——。

「……いったいいつから、俺は大人になったのだろう…」

…………。
いくら探しても答えは出てこない。嫌気がさした俺は、そのまま枕に顔を埋めた。
こういうときは何も考えずに寝るのが一番だ。

「……仕方ない」

起きてしまったことは仕方ない。今は目の前のことを見つめるだけ。
いつの間にか、俺は深い眠りへと落ちていったのだった。

Re: Voice of the devil〜悪魔の声〜12話更新  ( No.24 )
日時: 2011/04/22 14:14
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: p81XYxhw)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

13

「……はよ」
「おはよう、良ちゃん」
「さっさとご飯食べてよね」

いつも通りの朝の風景。しかし、平凡的な台所に異様な人物が居る。

「ふふっ。あたくしの手料理を食べられるなんて、贅沢ですわね。あなたは」
「……全然似合ってないな」

コーヒーの匂いが漂うリビングに、ピンクのエプロンをつけたローズがにっこり笑う。
……はっ。似合わないな。
日常的な朝の風景に、異様なほどの美人な女が朝食を作っている。
考えても見ろ。笑い話だぞ。

「似合わないって…。あなた、そんな言葉を女性にかけるなんて最低ですわ」
「ほんと、さいてー」
「…………」

口うるさい妹が加わったため、俺の敗北は決まった。

「ほら。みんな早く食べて。学校遅れちゃうわよ」
「「「はーい」」」





「今日はなんと、このクラスに転校生が来ています!!」

朝倉先生の一言で、一気にクラス中が騒がしくなった。
うるーせよ。しかも、前の席から何倍も煩い奴が話しかけてくるし。

「なーなー。女子かな?男子かな?」
「知るか」

1人思い当たる奴が居るがな。自称悪魔の美人が。性格悪魔の美人さんが。

「……なぁ良介。お前昨日一日で老けたな」
「失礼な。やつれたと言え」

ま、どっちも同じなんだがな。

「はいはい、静かに!では、入ってきてくださーい」

ガラガラ…

扉が開く音がしたかと思うと、男子の下品なざわめきが俺の耳に入ってきた。
……やっぱりこいつか。

「ローズ・ウィンディです。よろしくお願い致しますわ」

教壇の前には、自称悪魔、性格悪魔の女が立っていた。
特上のスマイルを手土産に。

「ローズさんの席はねぇ。……佐々山さんの後ろ!」
「えー?」
「そりゃないぜぇ。あんな変人の後ろなんて」
「馬鹿がうつりますよ、先生」

……本人が目の前にいるのに、よくぼろくそ言えるなぁテメーら。

「良介、ぼろくそ言われてるな」
「黙れ。俺はお前よりもすぐれてると自負して居るぞ、次郎」
「ひどっ!」

ふんっ。
そう言っている間もブーイングは止まらない。
あーうざい。やっぱり平凡な生活というのはつまらないんだな。

「……凡人よりは多少変人で居た方が、人生得するからな。
 俺はお前たちより勝ってると自負している」
「なっ!?」
「ちょっと時代劇オタク!!なんて言ったぁ?!」
「時代錯誤野郎のくせに何言ってんのよ!!」

俺は正直に言っただけだ。それの何が悪い。

「……先生、あたくしの席はあたくしの同居人の後ろで良いのですね?」
「そ、そうね。ちょっと変わっているけど、面白い人よ?」

そんなやりとりが前から聞こえてきたが、無視だ無視!!

Re: Voice of the devil〜悪魔の声〜12話更新  ( No.25 )
日時: 2011/04/22 14:15
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: p81XYxhw)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

4

「ねぇねぇ。ローズって可愛い名前だね!」
「どこか外国の人?」
「すっごく美人だよね!」
「羨ましいー」

休み時間になるたびに俺の席の後ろで人だかりが出来ていた。
……訂正。俺は邪魔だと言われて、次郎の席へと避難している。

「すごい人気だな、転校生」
「べーつにー」
「可愛いよなぁ」
「べーつにー」

どうせ最初だけだ。後からあいつの本性を知ったら、驚くぞ。

「部活とかどうするの?」
「運動得意?」
「演劇部おいでよ!綺麗だから、それだけで人気出るよ!!」

あ、埃臭い部活には来たがらないぞ。
掃除は手伝ってくれるが、埃臭いところはやめたほうがいいな。
つまり、文芸部には入らないと言うことだ。
なんて、心の中で忠告していると——。

「いえ。あたくしは、すでに文芸部に入部届を提出してきましたので」
「ちょっと待てぇええええ!!!」

待て!!ストップ!!そんなさわやかな笑顔で言われても困る!!

「なんですの?良介さん」
「お前がいつ文芸部に入部届出したのだ!?俺は受け取っては居ないぞ!」

そう言うと、ローズは俺の頬に細長い綺麗な手を伸ばすと……。

「いでででっ!!」
「このあたくしがあの埃臭い部に入って差し上げるのよ?何か文句でも?」

何様のつもりだ!!そんな傲慢な態度な奴はこっちから願い下げだ!!
…なんて、こんな人が大勢居るところでは言えず。

「……は、入ってくださるのですか?ローズさん」
「ふふっ。ええ。もちろんですわ♪」

くっ。……人生最大の屈辱!!



——文芸部部室——
「これで良いか…?」
「えぇ。満足ですわ♪」

体育館に放置されていた、なるべく綺麗な机と椅子を持ってくると、俺は自分の椅子に座った。

「つ、疲れた……」
「お疲れ様ですわ」
「いったい体育館から部室までどれくらいあると思ってるのだ!!」

今俺の膝は尋常じゃないくらい震えているぜ。
ついでにこの女の傍若無人ぶりに、顔の筋肉すべてが引きつっている。
マジでキレる3秒前だ!!

「それにしても。あなた、昨日の今日なのにずいぶんと落ち着いていますのね」
「なんのことだ?」
「いえ。たいていの人間は、人間界征服するために力を貸してくれなんて言われたら、
こんなのこのこと学校になんか来られませんわよ?」

ああ。なんだ、そのことか。

「起きてしまったことは仕方がない。だったら、何も起きていない今を楽しむしかないだろう」

俺の言葉が意外だったのか、ローズはしばらく黙っていた。
そして、口元に妖艶な笑みを浮かべる。

「……果たして、本当に何も起きていないのでしょうかね?」
「……はぁ?」


Re: Voice of the devil〜悪魔の声〜12話更新  ( No.26 )
日時: 2011/04/22 14:16
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: p81XYxhw)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

15

「それは…。どういう意味だ」
「今日あなたのクラスを見た限りですと——、私たちが解決しなければならない問題が見つかりましたわ」
「も、問題?」

あり得ないな。あの教室はいつ見ても凡人ばかりのつまらない集い。
お前のような非日常的なやっかい事なんて、あるわけがない。

「…あら、誰が非日常的なやっかいごとなんですの?」
「だからどうして俺の考える事が分かるんだよ!!」
「……ごほん。それはまぁ置いといて。
 近頃、あなたのクラスで欠席者が増えていますね?あたくしが見たところ、半数以上が居なかったですわ」

待て。待て待て待て。
あれはただの欠席だろ?ちゃんと何日かすれば復帰してる。

「その復帰した者に変わったところとかはありませんの?」
「……いや、それは分からん」

なんせあまり人と係わらないからな……。
俺は教室では孤高の浮き雲と称されている。

「威張って言うことではありませんわよ、それ」
「ふん。とにかく、これと言っては変わったところはない。俺が見る限りはな」
「じゃあ信用なりませんわね」

…くッ。信用ゼロの男って…。これは好感度ががた落ちじゃないのか?

「別にあなたの好感度なんてプラマイゼロですから安心してくださる?
 これからも好感度は下がる一方ですので」
「それは男としてどうなのだー!!」
「こほん。話を戻しますわよ。復帰した者は今どこにいるんですの?」

何処と言われても……。今の時間帯なら部活動じゃないか?
もしくは帰宅してるとか…。

「それでは調べようがありませんわね。
 仕方ありません、ここ何ヶ月間でかなり長い日数を欠席している者を調べてください」「し、調べるって…。どうやって」
「それはあなたの考える事ですわ。あたくしはあくまでもあなたのサポート。
 契約者を馬車馬のようにこき使うだけですわ」
「酷い!!今初めて契約者になって後悔したぞ!」

性格悪魔だな…。いや、本当に悪魔だけど。
どうやら神様には、平穏な生活をさせてくれる気はなさそうだ。


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