コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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straight★kiss~
日時: 2011/07/23 12:58
名前: 緑月華 ◆em16.cyoPM (ID: aza868x/)
参照: http://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode=view&no=5420

暇になったので
小説でも書こうかと思ったしだいであります

もし気があったら……
少しでも ほんの少しでも!
読んでいただけると嬉しいです

よし,ファンタジーにしよう★

読むのはちょっと……というお方は
↑の感想,宣伝をどうぞ!!
かざやsが書いてくださいました♪

>>19にも載せています((キリリッ

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Re: sky blue☆空に浮かぶ雲をみれば ( No.8 )
日時: 2011/06/25 09:14
名前: 緑月華 ◆em16.cyoPM (ID: aza868x/)

「こら,カリン!! なんてこと……」
 いつもは冷静で,ノンビリとした姉。が,その姉が今は青ざめた表情を浮かべている。なんとも珍しいことである。
 そんな姉の態度から何かを感じ取ったカリン。冷汗が頬を伝う。
「ジョゼ……? ジョゼなのか?」
 大男は,カリンの姉の名を知っていたようだった。
「も,申し訳ありません……!! うちの妹が無礼な真似をっ」
「いやなに。威勢がよくていいじゃないか。それよりジョゼ,君に話があるんだよ。ずっと探していたんだ」
 ジョゼの頬が微かに染まったのを,カレンは見逃さなかった。
「あらやだ,わたしったら邪魔なのね」
 そそくさと立ち去ろうとするカリン。二人とも気には留めなかった。
「バラデュールさま,よくぞご無事で……」
「俺が大切なジョゼをのこして,逝けるわけないだろう?」
 立ち去る直前,聞こえてきた会話。
 ジョゼお姉さまとあの男,何か関係がありそうね。
「面白そうだわ……って,ちょっと待って」
 誰が急かしたわけでもなく,カリンは一人で慌てた。それもそのはず,警備員がいつの間にかいなくなっていたのだ。
「あいつ……逃げたのね」

Re: sky blue☆空に浮かぶ雲をみれば ( No.9 )
日時: 2011/06/27 12:57
名前: 緑月華 ◆em16.cyoPM (ID: aza868x/)

街道をそれた細い路地。
随分と寂れた商店街が立ち並んでいる。
見あげれば空は太陽を失い,夜空の番月と星が果てしなく埋め尽くしていた。
「パレード,もう始まったかしら」
小道の真ん中で,少女が呟いた。
淡い緑がかったブロンドに,高貴な顔立ち。女神も顔負けの美貌だ。
そんな貴族の少女,カリンが,胡散臭げな居酒屋の扉に手をかけた。
チリン—
店内の全ての視線が,少女へと注がれる。
入り口付近に座っていた酔っ払いのジジイが,少女に声をかけた。
「お? 貴族のお嬢さんかえ? ここはお嬢さん来るようなとこじゃないでな。回れ右が正解だろうよ」
店内の客がどっと笑った。
「こらジジイ! なに侮辱してるのよ。吹き飛ばされたいの?」
「おやおや,気が短いのは関心せんな」
その言葉を聞いた瞬間,カリンの毛が逆立ち始めた。
「こんのぉ……くそジジイィィィィィ」
店内がものすごい熱気に包まれ,柱に炎が宿った。
「ま,まった! 気がはやくはないですか!!」
店主が涙ぐみながら訴えた。
「もう遅いわよ! あんたの店の客は無礼だわ! ブラッサンスを貶したのよ? 店ごとみんな吹き飛ばしてやるんだから!」
吹き荒れる火の粉の混じった爆風。
「サラマンド・グレ・ラ・ファイストーガム……」
読み上げられる呪文にあわせ,一層激しさをます爆風と熱気。
「た,助け……!」
店主もろとも巻き上げる熱竜巻。
「ウォン・ド・イーヌン……」
静に聞こえてくる呪文。
これは……サラマンドストームの対抗呪詛……!
カリンが目をやるとそこに,昼間の大男がいた。
たしかあの人は……。
呪文を唱えていた,カリンの声が止まる。

Re: sky blue☆空に浮かぶ雲をみれば ( No.10 )
日時: 2011/06/25 10:57
名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)

 どうも〜!ここでは初めまして!私コーダと申します!

 おっと……なかなかのはちゃめちゃお嬢様ですね。お嬢様=清楚でおとなしいという常識を覆すその意外性……大好きですよ!

 そしてまさかの魔法使い……意外性にまた付加価値をつけてさらに魅力が増しますね。

 本当にそういう意外性は私は大好物で、新たなネタとして脳内に保存できて楽しいです。

 それではこれからも更新がんばってください!応援しています!

Re: sky blue☆空に浮かぶ雲をみれば ( No.11 )
日時: 2011/06/25 11:00
名前: 緑月華 ◆em16.cyoPM (ID: aza868x/)

お……コーダsだww

コメありがとうございます!

すこしずづ頑張ってくw

Re: sky blue☆空に浮かぶ雲をみれば ( No.12 )
日時: 2011/07/18 10:54
名前: 緑月華 ◆em16.cyoPM (ID: aza868x/)

「ば,バラデュール!?」
カリンは目を見開いた。
平民とばかり思っていた男が,魔法を使おうとしている。
平民が魔法を使えるなんて,聞いたことないし……。
彼女の唱えていた呪文が止まったので,バラデュールも唱えるのを止める。
「たしか……カリン,だったかな。目上のわたくしにも敬語も敬意もありやしない。そこの客よりも無礼だぞ」
そう言ってバラデュールは,床の上で蒸し焼きになった男を顎でしゃくった。
「き……貴族だったのあんた!?」
「人を見た目で判断するとは,ブラッサンスも堕ちたものだな。生憎だが,わたくしはカリンよりも上位に着いている者でね」
そう言われてもまだ,カリンは偉大さを感じられなかった。
というより,呼び捨てにされたことに何かがひかかってモヤモヤとする。
だけど,腹が立ったわけではないみたいだった。
「わたしよりも上ですって? なんの仕事してるのよ」
カリンは両親が国2番の領主なだけあって,負けん気が強かった。
自分より地位が高い人なんて,王室の者か国一番の領主のところだけだった。
「仕事? 今はなにもしていない」
「ふん,地位も何もない者が偉そうな口たたいてんじゃないわよ。わたしが頭を下げるのはね,女王さまとバラデュ……」
そこまで言いかけて,カリンはハッとした。
このバラデュールという名の男,国1番の領主の息子だ。
「俺がどうかしたのか?」
自分の名前が聞こえた気がした,とバラデュールは言った。
「い,いえ……!」
カリンは骨の入ったタコのように硬くなった。
「ま……まさか,バラデュールさま!?」
カリンの中の,埋もれた記憶がよみがえる。
「やっと思い出したのか,カリン? 他人のフリをするのも,案外きつかったんだぞ」
安心したように,フッと微笑んだバラデュール。
しかしその微笑も安堵の表情も,モジャモジャとした髪に埋もれて,見えることはなかった。
「わ,わたしったら……とんだご無礼をっ」
「いや,いいさ。俺とカリンの仲じゃないか」
バラデュールが,自分のことを俺と言った。
しかしなにより問題なのが,この言葉。
“俺とカリンの仲じゃないか”
怪しいにも程があるといったものだ。
「そんな,わたしとバラデュールさまの仲と言えど……や,それ以前の問題です! 二人の仲などと言っては,お姉さまがっ……!」
「ジョゼのことか? かまわないだろう。きっと大丈夫だ」


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