コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 【オリジナル短編集】赤い糸を結び直して【キャラ投票受付中】
- 日時: 2011/08/25 17:56
- 名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
- 参照: 赤い糸を結び直して、またキミとの関係をつなごうとする
クリックありがとうございます。
初めまして、の方が多いと思います。普段はリク・依頼受付板で活動しているpeachといいます。
ここには、過去に書いた短編を載せていきたいと思います。
コンセプトは、≪疑似体験できる≫、≪普通の恋≫です。
どうぞ主人公に自分を重ねて読んで行ってください。
「「感想・アドバイスなど大歓迎です!!
お待ちしています!!」」
ただ、荒らし・中傷はやめてください。
短編
**1** 「空が見える傘」>>01 >>02 >>03 >>04 >>05 >>06 >>07
**2** 「タイムリミットはあと少し!」>>08 >>09 >>10 >>11 >>12
**3** 「光の中で君と一緒に」>>13 >>14
**4** 「love×3」 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19
中編
**「赤い糸を結び直して」**
序章 >>22 キャラ紹介 >>23
*投票について*
今まで載せた短編の中から好きな話とキャラを、下の用紙に沿って書いてください。
一番投票が多かったキャラたちで、ひとつ短編を書きます。その後、みたいな感じで。
好きな話と、好きなキャラは、キャラがその話に出ていなくても大丈夫です。キャラは複数選択おkです。
‾‾‾‾‾‾‾‾‾
【自分の名前】
【好きな短編】
【好きなキャラ】
【理由(無くてもおk)】
【何かあれば】
‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
- Re: 【オリジナル短編】赤い糸を結び直して ( No.14 )
- 日時: 2011/08/09 21:52
- 名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
- 参照: 赤い糸ってさ、絶対俺にはつながってないよ
※微エロ注意(ぜっんぜん無いけど、まぁ一応です)
「光の中で君と一緒に」1/1
「〜〜〜つ・・・・お」
自分の名前を呼んでいる声がする。
保健室で目が覚めると、一番最初に見えたのは会田の顔だった。
「あれ、なんで会田がいるの?ていうかなんで私ここに・・・」
「さすがバ勝尾! 倒れたことも覚えてないんだな」
会田に言われて、脳の端っこにあった記憶が、また頭によみがえる。
「・・・そっか。 私、休み時間にボールが頭にぶつかって・・・って、それ、会田が当てたんじゃん!」
「そこを忘れて欲しかった!」
保健の先生はいないのか、いつも座っている椅子にはオレンジに変わった光が代わりにいるだけだった。
頭をあげてみると、確かに右のほうで傷が唸っている。
いたた・・・と小さくつぶやくと、横に立っていた会田がベッドに座ってくる。
体重が軽いので大してきしむこともないけれど、なんだかいつもより距離が近い。近すぎる。
「何、お前、俺が来てドキドキしてるわけ?」
「そ、そんなわけ・・・っ」
二ヤリと笑いながらもっと距離を縮めてくる。準備が良くて上履きはもう脱いであったのか、伸ばした足の上に乗ろうとする。
「いいよ、足はそのままで。大丈夫、寝転がって」
「え、ていうかなんで上に」
「いいから」
いつになく真剣な声だった。
仕方なく寝ると、私の体の上に会田は乗る。
「別に重くないだろ?」
「重くはないけど、なんでこんなこと、ていうかここ保健室だし学校だし先生来るかもそれに先輩が」
「大丈夫、今ってお前が思ってるほど早い時間じゃないから。今日先生出張だし。」
「それが本当だったらなんで鍵が空いてるの?」
「そんなのこの会田様がどうにかしたにきまってるだろ!」
広がる静寂に、また君は笑ってから。
「なんで俺がここにいると思う?いや、違うな。俺がここにいて、勝尾は俺に何してほしい?」
私に乗った掛け布団を少し抑えて、また距離が近くなっていく。
少し長い会田の前髪が、私の目に入るくらいの距離。
「俺、とっくに気付いてたから。お前が俺に惚れてること。
今頃知らないフリしたって無駄だぜ?」
「そ、そんなこと、ないって!
だ、だって、そんなこと、アンタがわかるわけ・・・」
「知らないフリしたって無駄って言ったろ?
・・・まぁ百歩譲って惚れてなかったとしても。
今、俺が好きって言わせてやる」
「覚悟しとけよ?」
- Re: 【オリジナル短編】赤い糸を結び直して ( No.15 )
- 日時: 2011/08/16 14:40
- 名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
- 参照: 僕は僕の唄をうたうから、そこで聴いてて
「love×3」
主人公 森口美樹(もりぐち みき)
テニス部。次期生徒会長。
学級委員もやっていて、生徒会にも入っている才色兼備で文武両道なうごい人。顔も可愛く、男子にはモテる。
相手役 萩原慎也(はぎわら しんや)
野球部でピッチャー。次期部長。放送委員。
容姿は上の中以上。だけど口が悪く女子とはあまり話さないが、隠れファンが数人いるらしい。
得意科目は数学と社会。身体能力も並み以上。
主人公のライバル役 下神胡桃(したがみ くるみ)
テニス部次期部長。保健委員。
少し優柔不断なところが目立つが、勉強も運動も顔も良い子。
男子とはあまり話さない。
体育の授業ではいつも見本役となり、マラソン大会ではいつも一位。
- Re: 【オリジナル短編】赤い糸を結び直して ( No.16 )
- 日時: 2011/08/16 15:44
- 名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
- 参照: 何も言わなくていいから
「love×3」1/3
by森口美樹
今日は生徒会の日だった。
いつも決まった日にやる委員会と違って、いきなり先生に呼びつけられてしまった。別に嫌でやってるわけじゃないから別に良いけれど、読みたい本があったから少し残念。
日常的に歩いているこの坂を今日もまた歩いて、家へ帰る。
色あせた店の文字。掠れた道路の止マレの文字。薄く光る電灯。
小さいころは何もかもが新鮮に見えたのに、今ではそんなのは少しも感じることがなくなってしまった。
変化が、私の周りで少なくなりつつある。中学にも慣れてしまったし、友達関係も、恋愛関係も、何もかも。
道路を渡り三歩歩くと、後ろに誰かがいる気配がした。
「森口?」
振り向くと、萩原が居た。
いつも男子のことを君づけで呼んでいるのは、印象を良くするため。
何かからかわれても、意地悪されても、あいまいに微笑むのも印象を良くするため。
でも、そう作為的にやっていることが萩澤にばれてしまった。今までは全然話すこともなかったのに、今だとそのことばかり、顔を合わせるごとに言ってくる。
「学校の帰りだろ? 今日何か宿題あったじゃん、早く帰ってそれを済ませるとかそういうことは、やっぱり良い子じゃなかった森口はやらないんだろうな」
「うるさいよ…」
いつもだったら何も言わずに顔を赤らめて首を左右に振るだけだけれど、いつもの相手じゃないのでそれをやる必要はない。
それに、やったってきっと萩原には好きな人がいるようなそぶりがあるし、意味がないだろうから。
「人にそんなこと言ってないで、自分も早く帰って宿題やったら? いつも忘れてるでしょ、萩原君」
「俺はもう授業中に終わらせたし。 ていうかまだ俺にも君、つけるんだ」
「癖になっちゃってるから。 とったほうがいいならとるけど?」
そういうと、なぜか萩原は少し顔を赤くして下を向き、「いいよ別に」と小さく言った。
「…じゃあ俺は帰るから。 夕飯食ってねえし」
言って、そのまま家の方に歩きだす。
あいさつも何もないのかと思ったけれど、そのまま私も足を踏み出そうとすると。
急に後ろを振り返って、萩原手を振る。小さい声だけれど、じゃあな、と聞こえた気がした。
私も、ちっちゃくだけれど手を振り返した。
分からないけれど、心の隙間が少しキュンとした。
by下神杏那
美樹ちゃんと、萩原が、一緒に居た。
制服姿で、バッグを持って。
なんで?なんで?なんで?
萩原のことは、胡桃が一番好きなハズなのに。
*
いつもびくびくして、人の機嫌を伺っていた自分。
怖がりで、嫌われてしまう自分。
そんな自分が嫌だった。
教室では、何も気にせずに自分の意見をちゃんと言う、萩原が居た。
なんで好きなのか、そんな明確な理由なんてないけれど、やっぱり胡桃は萩原が好きなんだなって、やっと自覚してきた頃。
今思いつく言葉なんて、
「なんで?」しかないよ?
きっと二人は付き合ってる。
美樹ちゃんは成績もいいし、可愛いし、やっぱり恋人にしたいだろう。男子は。
性格も、良いと思う。
美樹ちゃんだから、≪怒り≫って気持ちよりも≪悔しい≫って気持ちよりも感じたのは先の見えない絶望、だった。
- Re: 【オリジナル短編】赤い糸を結び直して ( No.17 )
- 日時: 2011/08/16 15:41
- 名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
- 参照: 観覧車から見える景色は、すごく綺麗なはずなのに
「love×3」2/4
朝、布団の中で目を覚ますと、不覚にも萩原の顔が瞼の裏によみがえった。
(昨日のことが尾ひれを引いてる)
いつもとは違う萩原の顔、声。学校に居る萩原なら、絶対に挨拶なんてしないし手も振らない。
それが私にいつもとは違う特異として脳に記憶されているのか・・・
通常自分の心の中では誰かを気にしたりもしないから、少し自分の変化が怖くなった。
***
「美樹ちゃん、おはよ!」
待ち合わせ場所でまず最初に挨拶される。
隣のクラスの由里子ちゃん。自分の中では女子Dになっている。ちなみに名前の表記も正直これで合っているのか不安なくらい。
毎日毎日同じ人と学校に行って、同じ友達と一緒に話したり遊んだり勉強したり、周りにいるのはそんなことをしている女子ばかりだ。
純粋で馬鹿で親が嫌いで好きな男子が一人はいるような、そんな培養された女の子。
そしてまた、今日もいつもと何も変わらない一日が始まってしまう。
教室に入ると、まず始めに女子の軍団が目に付いた。
いつもなら敵同士のあの人達も、今日は顔を突き合わせて笑顔で話している。
何かあったのかと考えたが私に分かるはずもないのでとりあえずカバンを席に置くと。
「美樹ちゃん! あ、あのさ、ちょっと関係ないかもしれないけど…聞いてもいいかな?」
さっきの女子の軍団に話しかけられた。もしかして、と昨日のことが頭をよぎる。
案の定、そのことだった。
「昨日の夕方にね、美樹ちゃんの家の近くで萩原と美樹ちゃんが仲良さそうに話してるところを見た子が居るんだって!
それって本当?
ていうか美樹ちゃんって…萩原と付き合ってるの?」
もっと長い文章で言われたけれど事情で省略。
あんな短い会話で遠い距離で、どこが仲良さそうに話しているように見えたのだろう。私としてはそっちのほうが不思議である。
「うん、帰り道で偶然会ったの。
付き合ってないよ、ほんとに、話してただけ」
いつものように顔を赤らめて。
首を振り横で結んだツインテールを揺らして、私は返事をする。
そうだよね、と安堵の表情を浮かべる女子は確か萩原のことが好きな子だったような気がして、意地悪で「付き合ってるよ」と返事したくもなった。
だけどそんなことはしない。
(本当は、出来ないんでしょ)
心の中で誰かが言う。
(この変化のない、普通の日常から出るのが怖いんでしょ)
その言葉を否定できずに、私はまた曖昧に笑って。
新しい女子の話題についていこうと下ろしていた腰を立たせようとする。
何も変わらないのはつまらない。
だけどただの日常に慣れてしまったら
新しい刺激を探すことがとても怖くなってしまって
今はただぬるいお湯に浸かっているような
そんな状態
- Re: 【オリジナル短編】赤い糸を結び直して ( No.18 )
- 日時: 2011/08/16 15:39
- 名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
- 参照: 黙って聞いててよ、お願いだから
「love×3」3/4
その日の放課後も生徒会があった。
生徒会で発行している新聞をパソコンで打つ作業で、大してパソコンに触らない私には酷なものである。
先輩三人と二年生三人。皆成績優秀で顔も別に悪くない。でもそこも私にはただ同じ人がいるようなもので、個性が欠けている。
・・・他の人の目にも、私は同じように映っている?
***
仕事が終わり生徒会のメンバーで帰ろうとすると、教室に数学一式を忘れてきたことに気がついた。
今日は塾の日で、先生に授業を先取りして教えてもらうためにも教科書は必要なものである。
だから途中で皆と別れ、教室に戻った。
戻ろうとした。
階段を上り、教室のドアを開けようとする。すると、中から人の話し声が聞こえたような気がした。
いけないことだと思いながらも、聞いてしまう。
小さくて鈴が鳴るような声が一気に何かを言い、20秒くらい間があった後、それと対照的な低い声がボソボソと何か言う。
それから1分くらいは静かなときが訪れて、私がどうしようかと迷うと。
目の前でドアが勢い良く開き、泣いた女の子が現れた。
同級生の下神胡桃。足が速くて勉強もそこそこに出来て顔もいい。私と同じ部活に入っていて、たぶん仲も良いのだろう。
「どいて!」
耳をつんざくような高い声で叫ばれて、反射的にドアを離れる。
それからやっぱり速い足で、廊下を走り階段を下りていく。
・・・何があったの?
おそるおそる教室の中を見てみると、そこに居たのは萩原だった。
***
窓から外を見ていた萩原は、足音で私に気付きこちらを向く。
「森口か。
今の見てた?」
「いや見てないけど。
何があったの?」
すると萩原は心底驚いたような顔をして、苦笑いをして答える。
「お前・・・何回もこんな状況に遭ってるくせにわかんないの?
告白だよ、告白」
「胡桃が・・・萩原に?」
「それ以外にありえるか?
机に告白されたりして」
泣いていたことから推測して、萩原は胡桃の告白を断った。
それだけならまだ、友達の失恋話として、慰めることですべて終わるのに。
「なあ、俺がなんで下神の告白断ったか分かるか?」
「・・・知るわけないじゃん」
「お前のことが好きだから。
だから断った」
友達が好きな人に告白されるとか。
「下神にも言っておいたよ、
『お前とは付き合えない、俺は森口が好きだから』って。
そしたら良いタイミングで森口が教室に来るからさ、下神は何て思っただろうなあ・・・」
しかも最悪なタイミングで自分がその現場に立ち会わせてしまうとか。
望んでもいないのに、私の平和な日々は崩された。
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