コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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【オリジナル短編集】赤い糸を結び直して【キャラ投票受付中】
日時: 2011/08/25 17:56
名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
参照: 赤い糸を結び直して、またキミとの関係をつなごうとする

クリックありがとうございます。
初めまして、の方が多いと思います。普段はリク・依頼受付板で活動しているpeachといいます。

ここには、過去に書いた短編を載せていきたいと思います。
コンセプトは、≪疑似体験できる≫、≪普通の恋≫です。
どうぞ主人公に自分を重ねて読んで行ってください。



「「感想・アドバイスなど大歓迎です!!
お待ちしています!!」」


ただ、荒らし・中傷はやめてください。

短編


**1** 「空が見える傘」>>01 >>02 >>03 >>04 >>05 >>06 >>07

**2** 「タイムリミットはあと少し!」>>08 >>09 >>10 >>11 >>12

**3** 「光の中で君と一緒に」>>13 >>14

**4** 「love×3」 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19


中編

**「赤い糸を結び直して」** 

序章 >>22 キャラ紹介 >>23

*投票について*

今まで載せた短編の中から好きな話とキャラを、下の用紙に沿って書いてください。
一番投票が多かったキャラたちで、ひとつ短編を書きます。その後、みたいな感じで。

好きな話と、好きなキャラは、キャラがその話に出ていなくても大丈夫です。キャラは複数選択おkです。

‾‾‾‾‾‾‾‾‾

【自分の名前】

【好きな短編】

【好きなキャラ】

【理由(無くてもおk)】

【何かあれば】

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

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Re: 【オリジナル短編】赤い糸を結び直して ( No.9 )
日時: 2011/08/09 11:18
名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
参照: 最初で最後の僕の恋(恋した記憶はこれで十分です)


「タイムリミットはあと少し!」 1/4




「肩の骨、折れてますね」
そう私が病院で診断されたのはつい昨日のことだ。
第一の原因は、自転車で派手に転んだ時打ったということ。二つ目はそれから一週間くらい放っておいたことにある気がする。

まあそういうわけで、所属しているバドミントンの試合に、私は出られない。

普通に考えて、怪我をした部員は休日の練習になんて駆り出されない。
スポーツドリンクづくりも、試合の日程を書いたプリントを作るようなマネっぽい仕事もしない。

だから私は、もう、この暑い体育館でつらい練習をしなくて済むなんて嬉しく思って学校に来たのだけれど。

「あ、じゃあこれからはマネージャーってことで練習に来てくれるかしら?」
「え、で、でもいつもならこんなことしない…ですよね、普通に考えて」
「あら、情熱的に考えなさい? チームメイトがこんなに暑い中で練習しているのにあなたはクーラーのきいた家でアイスでも食べて涼んでるつもり? そんなことを2年がして、1年が真似しないかしら?」
「……わか、りました」


そんな感じで私は今日も明日も来週の今日も学校に来てマネージャーっぽい仕事をしなくちゃならない。


部員全員の水筒を抱えて、入口の冷水機に向かう。
重いし暑い。しかも肩が痛くて片手しか使えないから何回も往復しなくちゃならない。

その前にっと。

ポケットからくちゃくちゃになったハンカチを取り出し、それを冷水機の水につける。
普通の水道水だと、この熱い空気で熱せられていて生温かいから。鋭い冷たさの水を使いたい。
でも、この水は飲料水だから見つかったら怒られる。ていうか目の前に≪顔を洗ったり布につけたりして飲む以外に使うのはやめましょう≫って張り紙がしてあるし。

それに夢中になっていて、外から来る人に気付かなかった。
乱暴にドアが開く音がした。

「邪魔なんだけど。
どいてくんない?」

「あ、ごめん」

普通に謝って、場所を譲る。
顔をあげてみてみると、その人物は同じクラスで野球部の瀬戸だった。
良く考えたら、ハンカチに水をつけてたこと見られてたけど、それについては何も言われなかった。

「肩、骨折でもしてんの?
ギプスはめてあるけど」

水を飲み終わったのか顔をあげて、スイッチを押していた足をどける。

「ああ、まあね。
ちょっと自転車で転んじゃって」

「だっさ!」

言葉にしては教室でみることのできない可愛い笑顔で言われて、こっちも怒る気持ちになれない。
少し胸がキュンとする。

そういえば、野球部なのに加瀬のユニフォームは何も汚れていなくて、少し不思議に思った。

「瀬戸、野球してないの?
瀬戸もどこか痛いとか?」

聞いてみると、瀬戸はいきなり怒った表情になって、

「関係ないだろ!」

乱暴に言い残し、外に出て行った。


ポカンとしている私の耳に、休憩のアラームが聞こえてきて焦るしかなかった。 


             

Re: 【オリジナル短編】赤い糸を結び直して ( No.10 )
日時: 2011/08/09 20:57
名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
参照: 大丈夫だよ、ほら、笑えてるでしょ?


「タイムリミットはあと少し!」 2/4



まだ大会一週間前なので、今日もまた体育館で練習がある。

例のごとく私も練習に行かなきゃならないし、スポーツドリンクも作らきゃならない。


そしてまた、先週のあの場所で水をくむ。



外は本日も晴天なり。
梅雨はもう明けたのか、ここ一週間は晴れた日が続いている。
気温も右肩上がりで、土埃を巻き上げながら練習している野球部は、しきりに手で汗をぬぐっているのが見て取れる。
瀬戸は、木の影で涼しい校庭の隅に居た。
水を水筒に入れながら、透明のドアを透かして加瀬を見る。
ここからじゃ、声なんてかけられない。見ててもバレないっていう利点はあるけれど、そんなのよりも、話したい。

悲しそうな表情で練習を見ているのが見て取れる。太陽の光を浴びて練習している部員とは違い汗もたれていない顔。
それが全部、私に何か訴えてきて、何かを込みあがらせた。

ここから眺めてたって、何も、それこそ何も変わらないから。
だから、だから、だから————





瀬戸が自分から、こっちに歩いてきた。
先週と同じように。
だるそうだけど、少し赤い顔をして。

棒立ちになっている私を瀬戸は横目で見て、出しっぱなしの水を私の足をどけて止めた。

「いい加減、目ぇ覚ませし。
 つーか水の無駄だから。馬鹿か」

それから目を背けて。

「べ、別に俺、練習見てるだけで体動かせねーし暇だから。
 お前も練習できないなら、別に、は、話せる、し…さ」

それでもポカンとしている私に。

「だから!
 練習抜けられんなら抜けて、一緒に話すかって言ってんの!」


いつの間にか近くにあった瀬戸の顔が真っ赤だ。
丸い目が、今はまっすぐこっちを見ていた。
隣にある冷水機がうなり声を上げる。めずらしく、道路を車が通る音が聞こえる。

勇気なんか、私はまだ全然出せないけれど。
今日は瀬戸に、少し甘えて。
大切なことは、またこれから言えばいいから。

「…うん。
 先生に言って、練習抜けてくる!」

「おお。
 じゃあ俺も抜けるから。
 ……坂の途中の公園で待ってて」


あわてて持った水筒の中で、水が揺れる音が聞こえた。                               

Re: 【オリジナル短編】赤い糸を結び直して ( No.11 )
日時: 2011/08/09 21:11
名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
参照: 五月蠅いな、そんなこと、僕が一番わかってる。

「タイムリミットはあと少し!」3/4


先生は何かを察したのかすぐに首を縦に振ってくれ(真剣な顔だったから?)、部長は何も詮索しなかった。友達には練習中だったから何も言えなかったけど、何かを思ったのか二人ともニヤニヤ笑った顔が見えた。



公園のベンチにはもう、加瀬がうつむいて座っていた。
私が入口から入ると、顔を上げる。手招きも何もなかったので、私はそのまま加瀬の隣に座った。
上で鳥が鳴いている。蝉はまだ、登場していなかった。
どちらも口を開かずに、一分くらい間が訪れる。

話すこと、それは私自身が良く分かってるはずだけれど、簡単に口に出せない。
瀬戸も、私が見つめていたから誘っていたんだろうか。だから話し始めないのか。
すると。

「あのさぁ、
なんで何も言わないわけ?
何か言葉発しろよ」

瀬戸が目線を上に向け、言葉を紡ぐ。
その勢いで立ち、近くの自動販売機でコーラを二つ買って、持ってきた。

「おごってやるから、飲めよ」

うなずき、差し出されたコーラを受け取る。日差しが痛いけれど、コーラの冷たさが喉を冷やす。

「今から話すこと、バド部の奴らとか他の奴には言わないで欲しい。
学校中に広まると、いろいろと面倒だから」

「じゃあ、なんで私なんかに話してくれるの?」
疑問に思う。私なんて、そんな瀬戸にとって重要な存在じゃあないはずなのに。

「・・・なんでだろうな?
今までクラスに居ても、お前なんかクラスメートの一人としてしか見てなかった。
でも、何かが・・・変えたんだよ」

そして瀬戸は、顔を私のほうに向けた。

「うまく話せないかもしれない。
良く分からないかもしれない。
でも、ちゃんと金澤に聞いて欲しいんだ。
…大事な、ことだから」

「分かった。
ちゃんと聞くよ。そのかわり、私もちゃんと話すから」

目を見てはっきり答えた。
決意と、感謝をこめて。

「最初に謝っておくけど、俺は明後日の今頃にはこの世界に居ないかもしれない。
ていうのは、まあ病気だからなんだけど」
そう言い、左の胸に手を当てる。
「心臓の、病気っていう感じ。
医者が一生懸命病気について説明してくれたけど、そんなの聞いてなかったよ。いいや、聞けなかった。
これから自分はどうなるのか。留年してしまうくらい、入院生活が続くかも。その前に、死ぬかも、ってね。
それまで自分には特に大切なものも生きていたい理由もなかったけれど、やっぱり死ぬのは怖かった。
それで、考えてみたんだ。
外を見て、この景色を見られるのは今しかないかもしれない。
もうすぐ自分は居なくなるかも知れない。そしたらそのあとのこの世界に何が残るのか。自分は何かを変えられたのか。自分が居なくなった後には何かが変わるのか。
心臓は痛むし、いきなり目の前が真っ暗になって倒れてしまうこともある。
だけど。
自分の命以上に、野球も好きだったから。仲間が大切だったから。
顧問の先生には自分のことを話してあったけど、見学は許可してくれた。皆は何もしらないよ、俺の体のことなんて。
…誰かに、話したかった。
自分のこと。皆が夏休み明けに登校してきて、俺の席には俺が居なくて、皆は自分の顔なんて覚えてないのにもうこの世にはいないとか。
そんなの嫌だって思ったんだよ。
……重い話でゴメンな、俺から連れ出したのに、ずっと黙ってて、それもごめん」

そこで、言葉を切って。

「金澤には、俺が居なくなった後でも、俺のことを覚えていて欲しい。
ただ、それだけだから。
これからも、このままで学校に行って、そのまま大人になって」

上を向いた顔が涙をこらえているのが分かって、私も泣きだしてしまいそうだった。
それに、ただ、私は何もしていない瀬戸に訳を聞きたかっただけなのに、それがすごく大変な理由だった。
私にできることなんて、全然、ないじゃないか。
瀬戸のその願いはかなえてあげられるけれど。
瀬戸がこれからも必ず生きていけるようになんて、私にはできなさすぎて。

「聞いてくれて、ありがとう。
でも俺、もう病院行かなくちゃならないからさ。
じゃあ」

それだけ言って、走って公園を出て行った。
私は何も言えなかった。
ただうなずくことしかできなかった。



なんで私じゃなくて、
瀬戸が病気にならなくちゃいけないの?

私には



何が、できる?

Re: 【オリジナル短編】赤い糸を結び直して ( No.12 )
日時: 2011/08/09 21:29
名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
参照: もういなくなればいいよ、バイバイ


「タイムリミットはあと少し!」4/4

昨日のことで頭がいっぱいだった。
今まで何をしていたのかさえ、覚えてられないほど、瀬戸のことしか考えられない。
制服に着替えて通いなれた道を歩き、学校へ向かう。
教室へ入るとやはり瀬戸の席には何も居なかった。居たのは朝の薄い光だけ。

このままじゃ、授業を受けたって頭に何も入らない。
でも、学校に来た以上このまま外に行ったって叱られるだけだ。

今まで私は何も一生懸命にしてきていない。
せめて、この思いは、無視したくないから。

職員室に走り、ドアを開く。
担任の先生を呼ぶ。
先生にわけを話し、瀬戸の病院の場所と手術の時間を聞く。
先生の驚く表情と、安堵の表情。
手術の時間は、今日の午後5時からだった。

(その時間なら、授業を受けてからでも間に合う)





部活はあったけれど休んで、チャイムが鳴ると同時に教室を飛び出した。
皆には悪いけれど、今日掃除できない。ゴメンね。心で手を合わせる。
急いで発車直前のバスに乗り、病院へ向かう。
息は苦しいけれど、加瀬の痛みなんてこんなもんじゃない。それが、私を走らせた。

その中で、気付く。
私は本当に、瀬戸が好きなんだなって。
大切に思ってるって。
幼稚園の頃の初恋も、小学校の時の片思いも。
ずっと何もできなかった私だけど。
今回だけは、相手が居なくなっちゃうかも知れないから。
その時まで、私の気持ちを知っていて欲しいから。

病院に到着する。
受付で瀬戸の病室の番号を聞き、お礼を言って、エレベーターに乗り込んだ。
小児科の病棟では、明日の七夕のためのお願いの短冊を書いている子たちが居た。
飾ってあった笹の中に、瀬戸の願いごとを見つける。

『まだ、生きられますように』




病室の中で、瀬戸はベッドに静かに居た。
点滴のパックも、もうなくなりそうだ。時計を見ると、今は4時。

「良くここが分かったな。
まあ先生に聞けば教えてくれるか。あの先生だし」

私のほうを見ないまま、そう言う。
少し自嘲的な笑みを浮かべて。

「まだ、何か俺に言うことあるの?
昨日は、何も言わなかったくせに」

昨日は勇気が出せなかっただけなのに。
今更そんな厳しいこと言わなくてもいいのに。

ベッドの横に歩を進める。
できるだけ、瀬戸との距離を縮めたい。

「昨日は、何も言えなくてゴメンね」

前置き、長くなっちゃうかも知れないけど、ちゃんと聞いてね。
私が聞いてあげたように。

「瀬戸はきっと、私が瀬戸を見つめてたから公園に呼んでくれたんだよね?
私、何もできなかった。うなずくことしかできなかった。
ずっと分かってたのに。
言う勇気が出せなかった。
こんな時だけど、ごめん」

学校と同じ色の黄色のカーテンを風が揺らして。

「私、瀬戸が好きだよ」

一瞬瀬戸は、驚いた顔をしたけれど。

「今俺、金澤に言われたこと嬉しいって思ってる。
これって、俺も金澤のこと・・・好き、ってことだ」

それからベッドの中から瀬戸が動いて、スリッパを履き、立った。
いつの間にか、顔の隣に瀬戸の顔があって、背中には手の感触があって、え、手?
温かさを感じる。抱きしめてくる、力も感じる。死んだら、こんなこと、できなくなる。

「俺、頑張るよ。
これから金澤といろいろしたいことがいっぱい浮かんできた。
一緒にキャッチボールもしたい。プールで一緒に泳ぎたい。夏も秋も冬も春も、一緒に過ごしたい。
祈って、待ってて。
絶対生きるから」

耳元で声が聞こえて、少しびっくりするけれど、力を抜いた。

「私、ずっと待ってる。
瀬戸がまた野球してるとこ、絶対見るから」




金澤へ

医者の話を聞かなかったせいで、少し勘違いしてた。
俺は確かに病気だったけど、そんなに重いものでもなかった。
手術で失敗しても、死ぬ確率なんて10%もなかった。
でも約束したおかげで、これからは一生懸命生きる気力が湧いたから、それは病気に感謝。

無駄な涙を流させちゃって悪かった。
(お前が泣いたって思ってるっていうのは自意識過剰?)

二週間後位には退院できると思うから、学校で待ってて。

瀬戸より


あの日の後に、先生からこんな手紙をもらった。
適当な字がある紙には私の涙の染みが見えて、少し恥ずかしくなる。

でも、良かった。
二週間後には、また、瀬戸に会える。


おとといのコーラ、ありがたく受け取ったけど、あの後の学校で瀬戸が全然お金を持ってないことを聞いた。
一時期何かにお金を全部使ってしまって、100円だって大事にしていたそう。


これから何か飲む時は、一つのコーラを二人で飲もうと言ってくれるだろうか。


                                                  HAPPY・END?

Re: 【オリジナル短編】赤い糸を結び直して ( No.13 )
日時: 2011/08/09 21:43
名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
参照: 好きって何だよ、今更言われたって…もう、わけわかんない


「光の中で君と一緒に」

キャラ紹介

勝尾杏 (かつお あん)

剣道部主将。
少し気が弱い。だけど、会田が好き。
気が弱いので、恋愛経験は無し。
ただ純粋に会田が好き。


会田賢介 (あいだ けんすけ)

陸上部。(サボってるけども)
気が強い、S系男子。肉食系ともいう。
美人が好きという噂が多いが、本当はどうなのかは誰も知らない。


世界観

保健室の入り口のカギは、普段はしまっている。
カギは職員室に行かないと開かない。
また、保健室には大きな窓があり、その窓からは体育館の入り口とその横にある更衣室が見える。


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