コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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広報部の青春な日々
日時: 2013/04/20 16:41
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: eVCTiC43)

初めまして、瑞咲と申します(^^)/

この小説はギャグ多めの青春系学園コメディです。

以前、二次小説を制作していましたが、コメディ・ライトは初めてです。
文才はありませんが…精進しますorz

こんな奴ですがよろしくお願いします。
あと、来てくださった方、是非ぜひコメを!!


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★登場人物……>>1 >>12 >>18

 01「どういう意味ですか!?」>>2
 02「私も手伝うよ」>>3
 03「作業を始めるぞ」>>5
 04「お兄ちゃんが幸せならボクも幸せ」>>7
 05「こっそり入ってきちゃいましたぁ!」>>9
 06「じゃんじゃん行きましょう!」>>11
 07「だから俺たちは仲間なんだ」>>15
 08「なんかムカついたから」>>15
 09「弟なのか」>>17
 10「おれたちの青春の結晶だからな」>>19
 11「足の速い人が出るのでいいですね?」>>20
 12「清掃委員も大変だな」>>21
 13「どうもこんばんわ!広報部よ!」>>22
 14「オレたち一位になっちゃいましたね」>>24

 番外編01「お前ら俺の言うこと聞けええええええ!!!!」>>16
 番外編02「せっかく登場したんだから、少しは出番よこせ、出番。」>>23

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Re: 広報部の青春な日々 ( No.7 )
日時: 2013/04/10 17:37
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: eVCTiC43)

04「お兄ちゃんが幸せならボクも幸せ」



午後六時頃、俺は叔父夫婦の家を訪れていた。
「すみません、昨日部活に入部したので…」
辰巳高校は五時三十分までが部活の時間だ。そのため、リクの迎えに来る時間はだいたいこのくらいになる。もう叔父が仕事から帰っている時間だ。

この世の誰よりも親切な人だと思える叔父夫婦は、頭を下げる俺に優しく言った。
「謝る必要なんてないわよ。キョウ君が充実した学校生活を送っていることが、私たちの支えになっているのだから」
「そうだぞキョウ君!青春は今しか楽しめないぞ!」
叔父夫婦には子供がいないため、二人にとって俺とリクは実の子供のような存在なのだ。

そう思うと、不思議と心が温かくなる。

「そういえば、どんな部活に入ったんだい?」
「広報部です。その…勧誘してくれた先輩が熱心だったので」
強制入部させられました〜、なんて言えない。あはははは…。

「おお、文化部かぁ!キョウ君今まで運動部だったから、路線を変えてみるのもいいと思うよ!」
「やっぱり文化部も熱心に活動しているのねぇ」
二人は全く怪しまない。なんていい人なんだ…。

「お兄ちゃんおまたせ!」
家の中から、荷物の整理をしていたリクが出てきた。
「じゃあ、失礼します。ありがとうございました」
夫婦は微笑んで手を振った。
「気をつけてねー」
「何かあったら電話するんだよ〜!」
「さよならー!」
リクと共に手を振り返した。


右手で自転車を押し、左手でリクと手を繋ぎ、薄暗くなった空の下を歩く。
「リク、俺、これから毎日迎えに来るの今くらいだけど…大丈夫か?」
うん、と大きくうなずくリク。
「ボクは大丈夫だよ。おじさんとおばさんがいるからね。…ねぇお兄ちゃん」
今度はリクが質問してきた。

「何だ?」
「お兄ちゃんは、学校たのしい?行ってて幸せ?」
「ああ、楽しいし、幸せだよ」
「よかったぁ」
リクは安心したように言うと、にっこりと微笑んだ。

「お兄ちゃんが幸せなら、ボクも幸せだよ」

何気無く呟いたのであろうその言葉は、俺の胸に深く響いた。
「…そうか。ありがと」
そう頭を撫でると、誰よりも大切な弟は嬉しそうな表情を見せた。


六時五分ころ、俺たちは家に着いた。
「さて、夕飯作るか!」
「洗濯物取り込んでくる!」
「ああ、頼んだぞ」
帰ってきたら、俺が夕飯作り、リクが洗濯物取り込みすることになっているのだ。

手を洗い、エプロンを身に付けようとすると、家のチャイムが鳴り、声が聞こえた。
「キョウくーん!私だよー!」
やはりメグミだ。今日は事前に来ると言っていたのだ。

急いで玄関に駆けつけ、扉を開ける。そこには私服に着替えたメグミが立っていた。
「ちょうどいいタイミングだったな。今帰ってきたところだ」
「ほんと?よかったぁ。じゃ、お邪魔しまーす」

家に上がったメグミは、持ってきた鞄からエプロンを取り出した。
「よーし、今日は久しぶりに三人前だから張り切っていくよー!」
「確かに久しぶりだよな。春休み中はほぼ毎日二人だったし」

そう、今日は俺とリクとメグミの三人での夕食なのだ。週にだいたい二日、メグミが手伝いに来たついでに夕食をとって自宅に帰る日がある。
リクと二人での食事もいいけど、メグミがいると更に生き生きとした空気になる。リクも楽しそうだし。そして料理中も楽しい。

「さあ、じゃんじゃん作るよー!」
「でも作りすぎるなよ!」
メグミはピーラーを持って明るく笑った。


食事中、俺は部活の時に考えていたことを思い出していた。
あの時思い浮かべていた人物はメグミとミレイだ。この二人なら、頼めば快く引き受けてくれそうだし、ユイトともすぐに馴染めるだろう。
しかし、中三の二人には、今年大きなイベントがあった。高校受験だ。

もし広報部の仕事をしていたのが原因で二人が受験に失敗したら大変なことになる。でも、二人がいたら部活がより楽しくなるだろう。俺とユイトの負担も減るし…。でも受験が…。

「…キョウ君?」
不意にメグミが俺の顔を覗き込んだ。
「うぇ!?ど、どうした!?」
「キョウ君、何か悩んでる?」
メグミが心配そうな顔をしている。図星だ。メグミは昔からかなり鋭い。

「い、いや…何でもない」
「ホントに?」
「…ああ」
何もかも見抜きそうな目で見られると、返事がしづらくなる。

メグミはしばらく俺をじっと見ていたが、やがてふっと微笑んだ。
「何もないならいいけど…悩み事があったら相談しなきゃダメだからね」
その笑顔に、嘘をついている胸がズキッと痛んだ。

「リク君、おいしい?」
「うん!とっても!」
メグミにこのことを伝えたかったけど、我慢した。

Re: 広報部の青春な日々 ( No.8 )
日時: 2013/04/10 17:51
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: eVCTiC43)

学校についての詳細です。



★県立辰巳高校(けんりつたつみこうこう)

 生徒数:840人(一学年280人ずつ)
 男女共学
 普通科設置・進学校
 創立約70年

 制服は男女ともブレザー
 男子はチャコールグレーの上着、黒い無地のズボン、紺色のネクタイ
 女子はチャコールグレーの上着、黒い無地のスカート、赤いリボン、白いベスト

 校舎は七年前に建て替えたばかり
 教室中心の南校舎、実習室が並ぶ北校舎、部室中心の西校舎で成り立っている
 すべて四階建て

Re: 広報部の青春な日々 ( No.9 )
日時: 2013/04/10 21:50
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: 7foclzLM)  

05「こっそり入ってきちゃいましたぁ!」



入部してから一週間が経った。
先輩から制作の仕方などを教わった俺たちは、早速広報作りに取りかかっていた。

辰巳タイムスは毎月最終日に配布をしている(終業式がある月はその日)
。配布のおよそ約三週間前から前の広報を作り終えてからの出来事をまとめ始めるのだ。
また、顧問の東先生をはじめとする教員たちが写真を提供してくれるので、それをパソコンに取り込み、記事に添付する作業も行っている。

配布日の五日前に編集を締め切り、ミスがないかチェックする。
そして記事を印刷し、綴じ込みをして完成だ。

今日は四月十八日。締め切りの約二週間前だ。
ちなみに、今部室にいるのは俺とユイトの二人だけ。三年生は今日、進路関係の行事があるため、遅れて来るそうだ。

部室に二つあるうちの片方のデスクトップパソコンをいじりながら、ユイトが呟く。
「やっぱり、誰も入部してこないなぁ…」

俺はメイ先輩が今月の出来事をまとめた紙を見ながら返す。
「広報部って、何か堅苦しいイメージがあるんじゃないかな?」
「あー、『取締役』みたいな?」
「そうそう」
確かに、とユイトがうなずく。と、その時、

コンコンコン

部室のドアがノックされた。
「ん、誰だ?」
二人して首をかしげる。トモ先輩とメイ先輩がノックするとは思えない。
「まあいいや。どうぞー」
すると、ドアが勢いよく開いた。

「こんにちはー!!」
「見学させてくださーい!!」

現れたのは、元気のよい二人の女子。辰巳市にある中学校の制服を着ている。
それを見て…俺は唖然とした。

「め…メグミ!?それにミレイ!?」

そう、俺の幼馴染みとその親友だった。
「お、お前らどうしてここに!?」
「え?キョウの知り合い?」
ユイトは一人ぽかんとしている。

「初めまして!キョウ君の幼馴染みの四ツ橋恵です!」
「メグの親友の葉鹿美玲です!」
「って待て待て!」

俺は二人に問い詰める。
「二人とも何でここに来たんだよ!?どうやって入ってきたの!?あと部活は!?」
「まあまあ、これには色々とワケがあるんだよ」
メグミのその言葉に、何故だか深い意味があるように思えた。

「えっと…キョウの幼馴染みと知り合いが、何の前触れもなく、いきなり広報部の部室に来たってことでいいのかな?」
頭にハテナマークを浮かべているユイトにうなずく。
「ああ、そういうことだ。…とりあえず話を聞かせてもらおうか」
メグミとミレイに席をすすめた。

「じゃあ、一つ一つ説明するね」
トモ先輩の席に座ったメグミがきりだす。

「今日の部活はお休みって決まってたんだ。で、暇だからどうしようかと思っていたら、キョウ君のことを思い出してね」
その言葉に、俺ははっとした。
「キョウ君、部活に入ってから悩んでいたからさ。その原因をつきとめるために来たんだよ」

ああ…やっぱり嘘ばれてていたんだ。これだからメグミには敵わない。
「わたしはメグについてきました!何だか楽しそうだったから」

そこで、ユイトが口を挟んだ。
「そういえば、どうやって高校に入ってきたの?」
教員に見学要請したのかな?なんて思っていると、当の本人たちはこう答えた。

「潜入です!」
「こっそり入ってきちゃいましたぁ!」

「「ええええええええっ!?」」

受験の年だというのに何やってんだ、こいつらは!?
「こ、これまた度胸があるんだね…」
ユイトも苦笑いしている。

「事前に調べておいたんです。辰巳高校の西校舎に防犯カメラがあるか。そしたら一つもないことが判明したので、非常用階段から登ってきたんです」
出た、メグミの情報収集力!これには毎度驚いてしまう。
「おお…さすがメグミ」

ユイトも感心していた。
「へぇ、すげー!どうやって情報手に入れてんの?パソコンとか?」
「はい、私、パソコンいじりが好きなんで!ワープロとかも得意ですよ」
「じゃあ、広報部に入ってくれたら心強いだろうな〜」
その言葉で、俺は悩み事を思い出した。

嘘をついているのは…隠し事をしているのはもう嫌だ。

俺は意を決して、口を開いた。
「メグミ…言うよ、俺の悩み事」
メグミは俺を見て、しっかりうなずいた。

広報部の現状、夏場からは人手不足になること、手伝ってくれる人がいたらと思ったこと、そこでメグミとミレイのことが思い浮かんだが二人は受験があるから駄目であろうことを話した。

「でも、二人に手伝ってもらいたい気は捨てられないんだ。お前らがいれば、その場が明るくなるからな。だけど受験があるし…」
ユイトもうなずく。
「二人なら明るく手伝ってくれそうな気がするよ。でも受験があるのか…」

と、その時、メグミが口を開いた。
「なんだ、そんなことかぁ。その仕事、引き受けさせてもらうよ!」
「「…え?」」
ミレイも立ち上がって言う。
「わたしも手伝わせてもらいます!」
二人は明るく微笑んでいる。

「で、でも受験が…」
俺の言葉はそこで遮られた。
「キョウ先輩、わたしたちの学力をなめないでくださいよ。わたしもメグも、偏差値六十七以上はありますから!」
「第一志望であるこの学校の合格率は安全圏だからね!」

…はい?
「おぉすげー!頭いいんだ!」
感心しているユイトはおいておくことにする。

「だけど油断は禁物だし…」
またも遮られた。
「まあそうだけど、四六時中勉強するわけにはいかないし、気分転換に手伝うのもいいじゃん!」
「気分転換かぁ!いいね!」

俺は悩み悩み…改めて尋ねた。
「…手伝ってくれるのか?」

二人は声を揃えて言った。
「「もちろん!」」

その返事を聴いて、俺は自然と微笑んでいた。
この二人は結構凄い奴等だ。
…だから、いつでも信用していなくちゃな。

「決定だな!オレはキョウと同じクラスの石田結人だ。よろしく!」
「よろしくお願いしますユイト先輩!」
「わたしたちのことは名前で呼んでくださいね!」
「おっけー、メグミとミレイだな」
二人は早速ユイトと仲良くなっていた。

今日、広報部に元気な助っ人が誕生したのだった。

Re: 広報部の青春な日々 ( No.10 )
日時: 2013/04/11 20:48
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: j69UoPP8)  

無事、メグミとミレイが仲間入りしたので、これからギャグ多めになっていきます!

Re: 広報部の青春な日々 ( No.11 )
日時: 2013/04/14 17:35
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: eVCTiC43)

 06「じゃんじゃん行きましょう!」



 メグミとミレイが辰巳高に潜入し、助っ人宣言をして少し経った後、メイ先輩とトモ先輩が部室に来た。
 二人の中学生をぽかーんとして見ている先輩たちに、俺はさっきまでの出来事と助っ人の件を伝えた。すると、

「へえ、いいじゃない!よかったよかった!」
「二人が大丈夫なら異論はないな」
「「よろしくお願いしまーす!!」」
 と、二人とも大賛成してくれ、助っ人の件は無事確定した。


 …で、今日はその四日後の土曜日、午前九時。早速、学校外での宣伝紙の配布を行うことになった。これは俺とユイトにとっても初めての仕事となる。
 俺たち六人は制服という格好(メグミとミレイはもちろん藍川中のセーラー服)で、辰巳高校の正門前に集合していた。

「じゃあ、本日の仕事について説明するわね。今日は教員が二ヶ月くらいに一回制作している『辰巳高校通信 校外編』の配布を行うわ。配布といっても、これをフリーペーパーとして配ってください、って頼む作業だけどね」
「配布しに行くところは、辰巳市役所、図書館、市内の駅、市内の中学校などだ。移動はバスだ。いつも基本は全員で一緒に回っているから、いつも通りで行くぞ」
「「「「はーい」」」」
 思っていたより大変そうな仕事が始まった。


 最初の配布場所、辰巳高最寄り駅である辰巳駅。

 辰巳市役所。
「辰巳高校通信です。今月もよろしくお願いします」
「はい、わかりました」

 そのすぐ近くにある辰巳図書館。
「今月の通信です」
「はーい、いつもご苦労様」

 市内のいくつかの中学校。
「辰巳高校です。よろしくお願いします」
「ご苦労様でーす」
「生徒に配っておきますね」


 …と午前中でかなりの数を回っていき、ようやく昼食タイムが来た。
「四人ともお疲れ様〜。どうだった?」
「バス移動でも結構疲れますね…」
「先輩たち、配布先の人ともう顔見知りなんですね」
「そうだな。かなりの頻度顔を合わせているからな」

 いつもコンビニでおにぎりやパンを買い、近くの公園で食べているらしい。
「ちょっと疲れたけど楽しいね〜」
「そうだね!みんな一緒だし」
 メグミとミレイはやっぱり楽しそうだ。

「もう半分以上は回ったから…四時前には終わりそうだな」
「四時ですか。了解です」
「思ったより早いですね」
「おお!じゃあ見たいアニメ見れる!」
「よし、じゃんじゃん行きましょう!」
 おー、と手を突き上げたその時、

「あー!メイ先輩!トモ先輩!」

 よく通る男子生徒の声がした。
 聞こえてきたほうを振り向くと、四人の男女が歩いてくるのが見えた。

    


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