コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 放課後友人倶楽部
- 日時: 2014/03/13 01:02
- 名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)
これは以前、他の小説投稿サイトで
別の名前で執筆して、未完になっていた作品です。
今回、こちらで完結させようと思い
投稿させていただきます。
まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いいたします。
感想、批判、挿絵、リクエスト、何でもお待ちしております。
(この作品にはパロディネタやメタネタが含まれています。)
※筆者はウィキペディアを利用しています。
利用者名はバーミンガム・プディングです。
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- Re: 放課後4時間目 フレンチ・ハッスル ( No.14 )
- 日時: 2014/03/10 16:17
- 名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)
さおりはカミーユと学長とともに
足跡を追っていった。
昨日は大雨だったこともあり、地面は泥だらけだった。
そしてその足跡は、駐車場に止められていた
白いプジョー・404(フランスの自動車メーカー
プジョーが製造していた中型セダン)のトランクの前で
途切れていた。
「これは私の愛車なんだけど……」
カミーユはそう言うと、トランクのキーの部分を
指差した。
「これは針金でこじ開けられた跡よ、
この車のキーで開けられたものではないわ」
そう言いながらカミーユがトランクを開けた。
すると、そこにはあの絵画がしまわれていた。
「きっとあなたは私に罪を着せようと思って
いたんでしょうね、でも私の推理の前には
通用しなかったわ」
「ち、違う、私がやったんじゃない」
さおりが必死に反論する。
「失望したよ、君はこの絵画のために
私に付きまとっていたのか?」
学長が怒りをあらわにしている。
「ち、違う!」
そう言うと、さおりは駐車場を走って逃げていった。
数分後、さおりは「ワルシャワ」のカウンターに逃げ込んでいた。
そこでは、壮吉と絹恵とキャロルが
ホットケーキを食べていた。
「頼む、私を助けてほしいんだ」
突然さおりが頭を下げ始めた。
「どうしたの?」
絹恵がさおりに尋ねる。
「実は今私は無実の罪に追われているんだ」
さおりは一部始終を話した。
壮吉は一言だけ答えた。
「分かった、オレたちでどうにかしてみよう」
「その話、オレも協力させてもらうぜ」
話を聞いていたマスターの誠一も加わってくれた。
「店の倉庫に隠れていろよ」
匿ってくれるようだ。
嬉しさのあまり、さおりは泣き出した。
「うぅ、みんなすまない……」
壮吉たちは学長室に忍び込んだ。
幸い学長とカミーユはいなかった。
壮吉たちは学校を隈なく調べ始めた。
すると、学長とカミーユが戻って来ていた。
「おい君たち、ここは立ち入り禁止だぞ」
学長が壮吉たちを見つけると、注意を始めた。
すると絹恵はこう答えた。
「只今より、世紀の推理ショーをお届けいたします」
キャロルが続ける。
「学長さんの絵画が無くなったって事件ですが、
絵画ならまだ存在していますよ」
「何を言っているんだ?」
学長が不思議がる。
「学長はこの教室から何かが無くなったと
思いませんか?」
壮吉が続ける。
「そういえば、応接室のテーブルクロスが
無くなっているような気がするな」
すると、絵画が飾られていた壁の前に立った
絹恵が指を鳴らした。
すると、壁に張られていたテーブルクロスが剥がれ落ち、
盗まれたはずの絵画が現れた。
「ど、どういうことだ?」
学長は我が目を疑った。
- Re: 放課後4時間目 フレンチ・ハッスル ( No.15 )
- 日時: 2014/03/10 23:19
- 名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)
「あれっ、絵画ならカミーユが持っているはずだが……」
学長が驚いた表情を見せる。
確かに、もう一枚の絵画はカミーユが
持っていたからだ。
「おそらく、学長がいなくなるのを待って
取りに来ようと思っていたんだよね、カミーユさん?」
キャロルがニッと笑顔を見せる。
「バカを言うのはやめにしてもらえないかしら?」
カミーユが壮吉たちをにらむ。
「この絵を貸してもらえないかしら?」
絹恵がカミーユから絵画を奪う。
絵画を見つめたキャロルが答えた。
「これはあなたが用意した贋作でしょ?」
キャロルがカミーユに尋ねた。
「何を根拠に?」
カミーユが白を切る。
「この絵の右隅にある作者のサインが少し本物と比べて
違うんじゃないですか?」
カミーユが学長にサインを見せる。
「本当だ、こんなに筆圧が強くなかったぞ」
いつも絵画を見ている学長にとって
サインの見分け方なんて簡単だった。
「そしてあの時計だけど、今は5時をさしていますね?」
壮吉が時計を指差した。
すると、絹恵が部室から借りてきたラジオのスイッチを入れた。
ラジオから、こんなニュースが聞こえた。
「只今より、4時のニュースをお知らせします」
絹恵が呟いた。
「おかしいなぁ、犯行時刻は4時だったと思うんだけど?」
カミーユの顔から冷や汗が見えた。
「つまりトリックはこういうことだ、
私達を眠らせた後でお前は私の靴をはいて
自分の車のトランクに贋作を入れた、
私に罪を着せるために、
そして私が罪をかぶっている間に部屋から絵画を盗もうと
していただろ?」
さおりが学長室に入ってきた。
「私を犯行現場から遠ざけるために足音を収録したマイクを
廊下の数箇所に仕掛けていただろ?」
さおりがポケットから小型マイクを取り出して再生する。
あの足音が聞こえた。
「あぁそうよ、私が絵画を盗んだのよ」
カミーユが力なく崩れ落ちた。
外からはパトカーのサイレンが聞こえてきた。
翌日、新聞を読む学長がさおりに話しかける。
「実はあのカミーユの家からは去年盗まれた
三億円やマルセルの絵画が出てきたそうだ、
彼女がインターポールの警部の娘というのも
噓だったそうだ」
さおりが得意げに答える。
「私の実力、分かりましたか?」
「疑って悪かったよ、これからも私の右腕として
働いてくれるかい?」
「もちろん!」
さおりは即答した。
一方、新聞の隅には壮吉たちの写真が
小さく掲載されていた。
今回の活躍により警察に表彰されたからだ。
壮吉はこんなコメントを残している。
「真実は、いつも一つ」と。
- Re: 放課後5時間目 エレクトロニック・ロジャー ( No.16 )
- 日時: 2014/03/11 14:49
- 名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)
「よーし、かっ飛ばせ中嶋!」
壮吉が「放課後友人倶楽部」の部室のテレビに
食いついている。
「くたばれタイタンズ!」
小さな傘を持って幸雄と昌弘がテレビに叫ぶ。
現在、テレビではプロ野球の「東京タイタンズVS
東京アストン・コンドルズ」の試合が
中継されていた。
タイタンズファンの壮吉と
コンドルズファンの幸雄と壮吉が必死に
応援合戦を繰り広げている。
一方、部室の後ろでは健二が漫画を読んでいる隣で
絹恵たちがガールズトークを繰り広げていた。
「本当にカッコいいよね、このザ・ロータスって
私はベースのデイビッドが一番好き」
千恵子が音楽雑誌を絹恵たちと読んでいる。
ザ・ロータスとは千恵子が溺愛するグループサウンズのバンドだ。
「そうだ、今日4時のワイドショーに
ロータスが出るんだった」
千恵子が思い出す。
「あれっ、もう4時になるよ」
キャロルが忠告する。
すると、絹恵が壮吉に話しかける。
「ちょっと、ワイドショーが見たいんだけど」
壮吉が反論する。
「野球中継が終わってないぞ」
「まぁ待てよ、続きはワルシャワで見ようよ
絹江ちゃんたち、見ていいよ」
幸雄がテレビから離れる。
「ふざけんな、コンドルズが負けちまうぞ」
昌弘が幸男の胸倉をつかむ。
「まぁ待ってよ、ワルシャワのご飯おごってやるから」
「そうか、じゃあいいか」
壮吉も昌弘も妙に納得した表情で受け入れた。
翌日、健二を除く放課後友人倶楽部の一同が
テレビの前に集合していた。
「早く始まらないかな」
壮吉がわくわくした様子で呟く。
すると、テレビに黒いマントに黒の上下のスーツ、
黒いマスクで目を隠した男が現れた。
「キャー、カッコいいー!」
絹恵が叫ぶ。
すると、横から健二が
壮吉に話しかけた。
「なぁ、アニメ見たいんだけど……」
すると、一気に健二への集中砲火が行われた。
壮吉「ダメだよ、今見てるじゃん」
絹恵「そうだよ、空気が読めないな」
千恵子「本当その年でアニメなんて気持ち悪いな、
絶対チャンネル変えさせないから」
キャロル「加藤君、今私たち集中してるからさ」
昌弘「なめたこと言ってんじゃねぇぞ」
幸雄「ワルシャワで見て来いよ」
耐え切れなくなった健二は部室を飛び出して
ワルシャワまで自転車を飛ばした。
ワルシャワの横にはさおりのバイクが停まっていた。
ワルシャワに入るなり、健二が叫ぶ。
「ちょっと、アニメ見せてくれ」
しかし、健二の主張を聞くものは店にいなかった。
店のカウンターにはさおりと誠一がテレビに見入っていた。
「今日こそミシェルの仇を討ってやるぜ」
壮吉たちが見ていたあの番組だった。
「くそっ」
チャンネルを変えようと、健二がダイヤルをいじろうとすると
健二の顔の横に包丁が飛んできた。
「おじさん、これ見てるんだけどなぁ」
投げたのは誠一だった。
- Re: 放課後5時間目 エレクトロニック・ロジャー ( No.17 )
- 日時: 2014/03/11 22:49
- 名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)
誠一がさらに続ける。
「おじさんは毎週この番組を見るために
頑張っているのになぁ……」
さらに、さおりがあんみつを食べながら
健二に言い放つ。
「私だってロジャーの影響で
正義に目覚めたんだぞ」
これらを聞いた健二は力なく店を出て行った。
「もういいや……」
壮吉たちが食い入るように見ていたのは
現在、世界中で人気を博している
アメリカのヒーロードラマである
「エレクトロニック・ロジャー」という番組だった。
デトロイト出身の大学生のロジャーはある日、
ヒーローだった父からその使命を受け継ぎ、
世界平和の為に悪と戦い続けているというストーリーだ。
一週間後、壮吉と幸雄がいつものように学校に行くと、
国際部の教室が人だかりで溢れていた。
その中に絹恵の姿を見つけた壮吉は尋ねた。
「ねぇ、この人だかりはどうしたの?」
「あれ見てよ」
絹恵が指差した先には、あのロジャーそっくりの学生が
教室にいたからだ。
「ロジャーだ!」
幸雄が驚きの声を上げると、学生に走り寄った。
「エレクトロニック・ロジャーだよね?」
学生が答える。
「ロジャー? そんな奴知らねーよ
オレはデイモンっていうんだ」
デイモン(CV:岡本信彦さん)という名前を聞いた幸雄は
少しがっかりした。
「そうか……」
その様子を見ていた壮吉は一つの仮説を立てていた。
あいつは本物のロジャーではないのかと。
その日の夜、壮吉はワルシャワの三階で必死に縫い物をしていた。
「よし、完成したぞ」
壮吉が作っているのはロジャーのあのスーツだった。
マントやマスクまでも再現する、力作だった。
「どうです? ロジャー参上!」
壮吉は早速誠一に見せてみた。
「なんか、お前痛いな」
誠一はそう答えた。
その日の夜中、壮吉はロジャーのコスプレで
公園を歩いていた。
すると、一人の女性がチンピラに絡まれていた。
「その手を離せ!」
壮吉が酔っ払いに怒鳴る。
「うるせぇぞクソガキ!」
壮吉が顔を殴られた。
壮吉はロジャーのようには強くは無かった。
「ひぃぃ、助けて」
壮吉はチンピラから必死に逃げていた。
すると、一人の男ガチンピラに
ドロップキックをかました。
チンピラが倒れこむ。
男の正体はデイモンだった。
「大丈夫か?」
デイモンが壮吉に手を貸した。
「あ、ありがとう」
壮吉とデイモンは公園のベンチに座って
コーラを飲んでいた。
「全く、ロジャーのコスプレか?
弱いくせにこんなことするなよ」
デイモンが壮吉を注意した。
「すまねぇ、でもオレロジャーみたいな
強い男になりたくて……」
壮吉がうなだれた。
すると、デイモンは壮吉の肩を叩いた。
「まぁロジャーがカッコいいってのは
オレも思うさ、気をつけて帰れよ」
そう言うと、デイモンは帰っていった。
- Re: 放課後5時間目 エレクトロニック・ロジャー ( No.18 )
- 日時: 2014/03/12 00:01
- 名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)
翌日、壮吉は懲りもせずに
ロジャーの衣装を持って来ていた。
やっぱりあの姿をみんなにも見せたかったのだ。
ロジャーの衣装で壮吉は部室に入り込んだ。
「うわっ、本物のロジャーなの?」
絹恵が驚きの表情を見せる。
「すごい、サインお願いします」
千恵子も握手しながら壮吉に近寄る。
「てめーのせいでこないだのアニメ見逃したんだぞ、
責任取れ!」
健二が殴りかかろうとするのを、昌弘が止めた。
「バカ、てめぇのせいでロジャーが怪我したらどうする?
こいつの無礼をどうか許してくれよ」
昌弘が壮吉と握手した。
「じゃじゃーん、オレでした」
壮吉がマスクを取ると、一同はがっかりした表情で
壮吉を罵倒した。
幸雄「今すぐ脱げよ、汚らわしいな」
昌弘「よし健二、こいつ殴っていいぞ」
絹恵「悪ふざけもいいとこだね、笑えないよ」
壮吉は少し涙目で、部屋を出て行った。
その後、トイレで私服に着替えると、
みんなの怒りも大分治まった。
その後、家に帰ろうと支度をしていると、
壮吉は衣装を忘れていたのを思い出した。
やっぱり、忘れると清掃の人にも迷惑になると思った
壮吉は、取りに行くことにした。
すると、国際部の教室の前にあのスーツが落ちているのを見つけた。
「あれ? こんなとこに置いたっけ?
確かデイモンはこの教室だっけ……」
壮吉は不審に思いながらも、衣装をカバンにしまった。
廊下を歩いていると、デイモンが何か探している
そぶりを見せていた。
「どうしたの?」
壮吉が尋ねると、デイモンは答えた。
「何でもねーよ、あっち行け」
壮吉を遠ざけようとしていた。
一方、大学の前には黒いトヨタ・クラウンが止まっており、
中には昨日のチンピラが乗っていた。
「たしかにここにロジャーがいるんだろ?」
後部座席の男がチンピラに尋ねる。
「間違いございません、奴をおびき出すチャンスです」
そう言うと、チンピラは部下二人と校舎内に入っていった。
廊下内には絹恵が千恵子とキャロルと歩いていた。
「お嬢ちゃん、ちょっといいかい?」
チンピラが千恵子に話しかける。
「はい、なんですか?」
千恵子が振り返ろうとした途端、チンピラたちが三人を
後ろから殴り、気絶させた。
翌日、大学の入り口前に人だかりが出来ていた。
「おい大変だぞ」
壮吉と幸雄を見つけた昌弘が必死に二人を呼び止める。
「どうしたんだ?」
壮吉が尋ねると、昌弘は指を指した。
そこには「エレクトロニック・ロジャーへ
この大学の赤塚絹恵、奥村千恵子、キャロル・バーキンの
三人を人質に取った、
返してほしければ港近くの科学工場跡地まで来い
ジョー・モントゴメリーより」という
張り紙が張られていた。
その張り紙を見たデイモンは、「ちくしょう!
モントゴメリーめ」と叫び
駐車場のフォード・マスタングに飛び乗ると
走り去ってしまった。
「おっさん、化学工場まで乗せてくれ」と
壮吉も昌弘に頼み込んだ。
壮吉は幸雄、昌弘とともに
昌弘の愛車、ボルボ・アマゾンで工場へ向かった。
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