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放課後友人倶楽部
日時: 2014/03/13 01:02
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

これは以前、他の小説投稿サイトで
別の名前で執筆して、未完になっていた作品です。

今回、こちらで完結させようと思い
投稿させていただきます。

まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いいたします。

感想、批判、挿絵、リクエスト、何でもお待ちしております。

(この作品にはパロディネタやメタネタが含まれています。)

※筆者はウィキペディアを利用しています。
利用者名はバーミンガム・プディングです。

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Re: 放課後3時間目 パベルの仮面 ( No.9 )
日時: 2014/03/09 13:09
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

「おまけにパベルはスポーツの経験も豊富でな、
かつてサッカーソ連代表の候補にも挙げられていた
ことがあったんだ、
おまけに顔立ちもかなりハンサムでね、当然女子生徒たちからも
圧倒的人気者だったのさ」
「その人がどうしたの?」
絹恵が尋ねる。
昌弘が話を続ける。
「しかし彼はある日突然顔に硫酸をかけられたんだ、
今でも犯人は分かっていないんだが、
一説によると彼の人気に嫉妬したモテない一人の
生徒が犯人とも言われている」
「ちょっと健二、随分酷いことしてくれたね」
千恵子が突然健二に話しかける。
「硫酸なんて酷すぎだよ、
こっちに来ないで、私たちにもかける気でしょ?」
キャロルが怯える。
「ふざけんな、なんでオレが犯人なんだよ
オレまだ大学生じゃなかったし」
必死に健二が反論する。

「まぁいいや、話を続けるぞ」
昌弘が話を続ける。
「パベルは一命こそ取り留めたものの、
顔は酷いやけどが残ってしまったんだ
そして数ヵ月後、彼は再び教授として復帰したんだが
その顔にはガスマスクがされていたという
まるでその顔を隠すみたいにな、
どんなときもパベルは人前でガスマスクを外さなかったんだ、
そして一ヵ月後、パベルは美術室で首を吊って自殺したんだ
その後、この学校には今もパベルの怨念が残っていて
毎晩色々な怪奇現象を起こしているんだ」
「ちょっと、かわいそうな人だね……」
壮吉が呟いた。
「壮吉君も思った?
私も少しパベルが気の毒に思えたの」
絹恵も賛同した。

同じ頃、学長室にてさおりが学長と話をしていた。
「パベルの仮面ですか……」
さおりも同じ話を学長から聞かされていた。
「そうなんだ、こないだも用務員さんがパベルの亡霊を見たって
言ってきたんだ
どうせ誰かのイタズラだろうから、今夜調べてほしいんだ」
学長が命令する。
「頼むよ、これでどうだ?」
学長がさおりに一万円を手渡した。
「わ、分かりました……」
さおりが嫌そうに答えた。

その日の夜、誰もいない静まり返った大学内を
さおりは懐中電灯を持って歩いていた。
「たしか美術室は四階だったよね……」
二階を歩いていると、突然廊下の蛍光灯が
点いたり消えたりを繰り返した。
「うわぁ! パベルの怪異か?」
さおりが腰を抜かした。

同じ頃、一階では壮吉が蛍光灯のスイッチを
何度も押していた。
「おかしいなー、何で点かないんだ?」
「あぁ、それは二階のスイッチだよ」
幸雄が隣のスイッチを押すと、
一階が明るくなった。
「よし、行こう」
絹恵が壮吉たちを引き連れた。
実はあの話を聞いた壮吉たちはパベルを成仏させようと
思っていたのだった。

Re: 放課後3時間目 パベルの仮面 ( No.10 )
日時: 2014/03/09 23:59
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

さおりはたった一人で美術室へと歩いていた。
「うぅ、やっぱり怖いなぁ」
いつも強気なさおりが少し怯えている。

一方、壮吉たちも美術室へと向かって進んでいた。
「それにしても、オレたちだけで成仏なんて出来るかな?」
壮吉が絹恵に尋ねる。
「大丈夫、キャロルだっているんだし、
成仏できないのは何かワケがあるはず
それに、いつまでも彷徨っているなんてかわいそうだもん」
絹恵は答えた。

そして、壮吉たちが美術室のドアの前に立った。
「壮吉、開けてみろ」
幸雄が壮吉に命令する。
「ふざけんな、なんでオレが開けなきゃダメなんだ?
そういうお前がやれ」
壮吉が幸雄に反論する。
「バカ、今はドアを開けるなって医者に言われてるんだよ」
幸雄が反論する。
少し怯えた声だった。
「千恵子ちゃん、開けてみる気はないか?」
幸雄が絹恵に尋ねる。
「やだよ、やっぱ怖いもん」
千恵子が答える。

こうして、誰がドアを開けるか議論をしていると、
さおりがドアの前に現れた。
「おいお前ら、何してんだ?」
さおりが尋ねると、キャロルは答えた。
「パベルの亡霊を成仏させに来たの」
「パベルなんているわけ無いだろ、バカを言うな」
そう言うと、さおりは美術室のドアを開いた。
すると、さおりの顔の真横に
彫刻刀が飛んできて、壁に刺さった。
「うわぁ!」
さおりが腰を抜かした。
「帰れ!」
どこからか声が聞こえたかと思いきや、突然
壮吉たちに筆やキャンバスが飛んできた。
「ここはお前たちの来る場所じゃない」
声がだんだん大きくなっていく。
「やめて、私達はあなたを排除しに来たんじゃないわ」
キャロルが声を荒げる。
「ずっと一人で寂しかったでしょ?
少しでいいの、話を聞かせて」
すると、筆などが飛んでくるのが納まった。

幸雄がそっと美術室の明かりをつけると、
美術室の中央にガスマスクをつけた一人の男が
宙に浮いていた。
「お前が、パベルだな?」
壮吉が尋ねた。
「いかにも、オレがこの学校の亡霊であるパベル様さ」
パベル(CV:三木眞一郎さん)は答えた。
「これまでの幽霊騒ぎはアンタの仕業なの?」
千恵子がパベルに尋ねる。
「そうさ、誰一人としてオレの話を聞いてくれる奴はいないんだ
だからその腹いせに暴れているのさ」
「一つだけでいいから教えて、
あなたはきっとこの世界に未練を持っていて
死ぬに死に切れないんでしょ?」
キャロルが尋ねると、パベルは呟いた。
「未練なら一つだけあるさ」
「教えて、私達が解決してあげるわ」
絹恵が優しく問いかけた。

Re: 放課後友人倶楽部 ( No.11 )
日時: 2014/03/10 00:31
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

「あれはオレがこの学校に尋ねてきたときのことだ、
初めて来る日本はオレにとって何もかもが分からなかったんだ、
すると、一人の日本人の女がオレに優しくしてくれた、
彼女の名前は美智子、この大学の生徒だった」
パベルが語り始める。
「彼女はオレに美味いレストランを紹介してくれたり、
日本語を教えてくれたりと、オレに親身になってくれた
オレは彼女を溺愛していた」
「彼女があなたの未練なの?」
キャロルが尋ねる。
「まあな、でもあの事件がオレの人生を変えた
オレはある晩、彼女とともにレストランに行こうと思い
裏通りを歩いていたんだ、
すると突然数人の男たちが彼女を囲んで、ちょっかいをかけてきた
彼女が拒んだ途端、彼女は男に殴られた
オレはもちろん男を殴ろうとしたが、その途端に
後頭部を殴られて気を失ってしまった、
そして目覚めると、彼女は傷だらけで路上で泣いていた」
パベルが寂しげに続ける。
「その後、彼女は再び学校に通うことになったんだが
オレは彼女に顔を合わせることが出来なかった、
だからガスマスクで顔を隠すようになったんだ」
「ほらな、オレが犯人じゃないだろ?」
健二が勝ち誇った表情で壮吉たちに言い放つ。
「その後、彼女は病に侵されて寝たきりになってしまった、
これはきっとオレの責任だ、その責任を取って
オレは首を吊った、これがオレの未練さ」

「彼女はどこの家にいるか知ってる?」
絹恵が尋ねる。
「あぁ、知っているけど……」
パベルが呟くと、絹恵は答えた。
「彼女はあなたを責めてないはず、会って話を聞いてみたら?」

数分後、壮吉たちは彼女の家の前にいた。
「よし、思いを伝えてくるがいい」
さおりがパベルの肩を叩こうとすると、
すり抜けて転びそうになった。
パベルが彼女の部屋へと向かっていった。

部屋のベッドには美しい女が本を読んでいた。
「かわいいなぁ」
千恵子が呟いた。
壮吉たちは部屋の窓から様子を覗いていた。
彼女の枕元にパベルが立った。
「ひさしぶりだな、美智子」
「あなたは、パベルなの?」
彼女が驚いた表情を見せる。
「あぁそうさ、オレのせいでお前はこんな
不憫な思いを続けているんだろ、
その償いをしにあの世から来たんだ」
そう言うと、彼女は口を開いた。
「違う、あなたのせいじゃない
だからあなたは自分を責めることは無いわ」
「オレを許してくれるのか?」
すると、パベルの体が少しずつ透明になっていった。
「未練が消えて、成仏しそうになっているんだ」
キャロルが解説した。
「もう時間だ、お前には二度と会えないようだけど、
オレは一生お前を忘れない、それだけは忘れるな」
「お願い、最後にもう一度その顔を見せて」
彼女の願いを聞き入れたパベルがガスマスクを脱いだ。
その素顔はとても端整だった。
「かっこいい……」
さおりが呟いた。
「お前のおかげで楽しかったよ、
ありがとう」
パベルは彼女の体を抱きしめながら、消えていった。
「よかったね、これで彼も自由さ」
幸雄が呟いた。

翌日から、パベルの姿は現れなくなった。
「パベルは実在したということか?」
学長室で学長がさおりの前で驚いている。
「そうか、そんな悲しい話だったとは……」
さおりの話を聞いたらしく、少し悲しい表情を見せた。
そしてすぐに、学長は口を開いた。
「そういえば式場君、今夜は暇かね?」
「はい、何でしょう?」
学長が口を開いた。
「今度は医学室にある人体模型が夜ごと動き回るらしいんだが……」

Re: 放課後4時間目 フレンチ・ハッスル ( No.12 )
日時: 2014/03/10 15:06
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

アミティエ大学の学長室には
一枚の絵画が飾られている。
学長はいつもその絵を大切そうにしており、
たとえ誰であろうと触れるのを許していなかった。

ある日、さおりはこんな質問をしてみた。
「学長、いつもその絵画を大切そうにしておりますが
その絵はどのような価値があるのですか?」
学長がコーヒーを飲みながら答える。
「これは私の父にして以前の学長が残してくれたんだ、
聞いて驚くなよ、この絵の価値は5000万円だよ」
「うわぁ! それはすごいですね」
さおりが驚く。

同じ頃、大学の南校舎の三階の空き教室に
「ブーヴェの探偵事務所」なる張り紙がされていた。
ここは国際部三年生のフランス出身の
カミーユ・ブーヴェ(CV:斎藤千和さん)が
たった一人で運営していた。
カミーユの父親は探偵学校の学長であり、
カミーユも洞察力や推理力など様々なスキルに
長けている人物だった。

その日、探偵事務所にはキャロルが訪れていた。
「私のペットであるティムを探して欲しいんです、
三日前からいなくなっちゃって……」
ティムはキャロルが飼っているブルテリアだ。
キャロルが写真を差し出す。
「かわいらしい子ね、必ず探し出して見せるから
安心して」
カミーユが写真を受け取る。
カミーユは生徒や教授のペット探しや素行調査などを
千円で請け負っており、その正確な仕事率は
評判だった。
「ありがとうございます」
キャロルが頭を下げた。

すると突然、さおりが事務所に乱入して来た。
「大変だ、少し来てくれないか?」
さおりはカミーユの手を握ると
事務所から連れ出してしまった。
「あぁ、ちょっと!」
キャロルが止めようとしたが、さおりは
走り去ってしまった。

学長室にさおりとカミーユが通される。
「やぁ、君がカミーユ・ブーヴェだね
噂は聞いている」
学長が応接室にカミーユを座らせる。
「紅茶でもどうかね?」
学長が紅茶を差し出す。
「ありがとうございます」
カミーユが頭を下げる。
「ところで、君を呼んだのは他でもないんだ
これを見て欲しい」
学長が一枚の紙切れをカミーユに見せる。
そこにはこう記されていた。
「本日午後4時、学長室の絵画を
いただきに参上する」

「これがたった今届いたんだ、
差出人は不明だ、きっと誰かのイタズラだろうけど
心配になってな」
学長が呟く。
「そこで、君にこの絵画を守って欲しいんだ」
学長がカミーユに尋ねた。
「待ってくださいよ、そんなことなら
私一人でもできるはずです」
さおりが学長に直談判する。
「君にはこの仕事は難しそうだからね」
学長の答えは無慈悲なものだった。

Re: 放課後4時間目 フレンチ・ハッスル ( No.13 )
日時: 2014/03/10 15:43
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

「そんなはずはありません、こんな奴に頼らなくても
解決できるはずです」
さおりが反論する。
「この事件は非常に危険な仕事になるわ、
去年日本は今でも解決されていない
二つの事件があるでしょ?
三億円事件とマルセル盗難事件(1968年12月に
ロートレックの絵画、マルセルが盗まれた事件)の
二つよ、
日本人の防犯力などその程度のもの、
元インターポール(国際刑事警察機構)の
警部の過去を持つ父の娘である私は
犯罪には精通している自身があるわ」
カミーユが言い放つ。
「くっ……」
さおりが何も言えなくなる。
悔しさのあまり、さおりは近く似合った紅茶を
飲み干した。

次の瞬間、部屋にガラスの瓶が投げ込まれ
それが割れた途端、部屋が煙に包まれた。
「催眠ガスよ、気をつけて!」
カミーユが叫ぶ。
ガスは充満していき、さおりと学長が床に倒れた。

さおりが目を覚ますと、学長とカミーユはすでに
目を覚ましていた。
時計を見ると、時間は3時58分を示していた。
「ずっと眠っていたのよ、やっと気づいたのね」
カミーユがさおりを気遣う。
「絵画は無事か?」
さおりが尋ねると、絵画はまだ額縁に収まっていた。
「あと一分か……
それにしても式場君、その靴はどうした?」
学長がさおりの靴を指差す。
「うわっ、どうしたんだろう」
さおりの靴は泥だらけになっていた。

そして、4時になった途端、学長室が煙で充満していった。
煙に包まれたさおりと学長が咳き込みながら
床に倒れこむ。
カミーユが窓を開けて、煙を外に逃がす。
煙が外に逃げた途端、さおりが叫んだ。
「絵画が!」
壁にかけられていた絵画がなくなっていた。
すると廊下から、足音が聞こえてきた。
「まて!」
さおりが足音を追って走る。
しかし、足音は学校の外へ出た途端に
聞こえなくなった。

すごすごと学長室に戻ったさおりを
カミーユと学長が連れ出した。
「ちょっと来てもらえないかしら?」
カミーユがさおりを引き連れて駐車場へと向かった。
すると、駐車場に止められてたさおりの
バイクの横に、絵画の額縁が置かれていた。
「これはあなたのバイクかしら?」
カミーユが尋ねる。
「そうだけど、この額縁のことは知らないぞ」
さおりが答えると、カミーユは足元を指差した。
「靴が随分泥だらけね、靴の裏を見せてもらえないかしら?」
さおりが靴の裏を見せる。
「これはあなたの靴跡じゃないかしら?」
カミーユがバイクの近くの足跡を指差した。
その足跡はさおりの靴と同じだった。
「し、知らないぞ」
さおりが慌てる。


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