コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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放課後友人倶楽部
日時: 2014/03/13 01:02
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

これは以前、他の小説投稿サイトで
別の名前で執筆して、未完になっていた作品です。

今回、こちらで完結させようと思い
投稿させていただきます。

まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いいたします。

感想、批判、挿絵、リクエスト、何でもお待ちしております。

(この作品にはパロディネタやメタネタが含まれています。)

※筆者はウィキペディアを利用しています。
利用者名はバーミンガム・プディングです。

放課後1時間目 唯一の友達 >>01 >>02 >>03

放課後2時間目 新たな友人達 >>04 >>05 >>06
               >>07

放課後3時間目 パベルの仮面  >>08 >>09 >>10
                >>11

放課後4時間目 フレンチ・ハッスル >>12 >>13 >>14 >>15

放課後5時間目 エレクトロニック・ロジャー  >>16 >>17 >>18 >>19 >>20

放課後6時間目 Sweden Area >>21 >>22

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Re: 放課後2時間目 新たな友人たち ( No.4 )
日時: 2014/03/05 01:06
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

その日の授業が終わり、壮吉は
「放課後友人倶楽部」への入部届けを書いていた。
「おい、それって入部届けだろ
どこの部活に入るんだ?」
昌弘がわかば(日本製のタバコ)を吸いながら
壮吉に話しかける。
「お前、放課後友人倶楽部なんて入部するのか?」
昌弘が意外そうな表情を見せた。
「なんだよおっさん、文句あるのか?」
「いいや、いいんじゃないか
お前みたいな友達のいない奴にはぴったりさ」
「うわっ、その言い方腹立つ!」
「ハハハ、冗談だ」
昌弘が大笑いする。

入部届けを持って壮吉は倶楽部の部室がある
北校舎の三階まで歩いていた。
「失礼しまーす」
壮吉が部室の戸を開けると、
幸雄がふかふかのソファに座って出迎えた。
「よく来てくれたな」

部室の中は広々とした中に豪華な部室だった。
ふかふかのソファに大きなカラーテレビ、
大きなステレオに冷蔵庫、首だけの鹿の剥製に
大きな本棚などが並んでおり、
そこはまるで大富豪の家そのものだった。
「すごいな、これ全部お前が用意したのか?」
「当たり前だろ、これも部長の責任さ」
ここの部長である幸雄が自慢げに答えた。

「なぁ、このツイスターゲームって何だ?」
壮吉が幸雄に尋ねる。
「それは女の子とやらないとつまらないぞ」
幸雄が即答した。
こんな会話をしていると、部室の扉が開いて
一人の女の子が入ってきた。
「久しぶりだな、絹恵ちゃん」
幸雄が女の子に手を振る。
「紹介するよ、この倶楽部の副部長にして
調理部の二年生、赤塚絹恵ちゃんだ」
幸雄が紹介すると、絹恵は壮吉に頭を下げた。
「赤塚絹恵です、昨日20歳になりました
よろしくお願いします」
「よ、よろしく」
女の子とあまり話をしたことの無い壮吉は
顔を真っ赤にしている。
赤塚絹恵(CV:堀江結衣さん)がこの部活の
副部長である。
「新入りの長谷部壮吉です、よろしくお願いいたします」
壮吉が必死に頭を下げる。
「そんな固い挨拶いらないよ、
だって私達は友達じゃない」
絹恵が笑った。
「他のみんなもそろそろ来ると思うからさ、
みんなでテレビでも見ようぜ」
幸雄がテレビのスイッチを入れる。

その頃、大学の学長室ではこの大学の学長である
田宮清志、50歳(CV:大塚芳忠さん)が
一人の女子生徒と話をしていた。
「それで、今日も行くのかね?」
「はい、この学校の風紀を乱す奴らに
正義の鉄槌を下してみせます」
少し強気なこの女に学長が二千円を手渡した。
「これからもがんばってくれよ」

Re: 放課後2時間目 新たな友人たち ( No.5 )
日時: 2014/03/06 01:20
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

しばらくすると、一人の男が
部室に挨拶もせずに入ってくると、
部室の奥のベンチに座って
鞄から漫画を取り出して読み始めた。

壮吉が男に近寄り、自己紹介をした。
「はじめまして、オレは」
「うるせぇ」
男は一言だけ言い放つと、あっち行けの
ジェスチャーをする。
よく見ると、男が読んでいるのはかわいらしい絵柄の
少女漫画だった。
「うわっ、気持ち悪い……
それに、なんか嫌だなこの人……」
そう思った壮吉はそっと席を離れた。

「ごめんね、なんかとっつきにくい人だったでしょ」
ソファに戻った壮吉に絹恵が苦笑いしながら言った。
「彼は加藤健二君、この学校の美術部二年生だよ」
加藤健二20歳(CV:杉田智和さん)は
将来の夢は漫画家だという。
「なぁ幸雄、あいつもうちの部員か?」
壮吉が小声で幸雄に問いかける。
「一応入部届けも出されているんだけどさ、
オレは正直あまり関わっていないんだ、
ほら、何かほっといてくれってオーラ出てるじゃん」
確かに、健二にはそのようなオーラが
ゴゴゴゴという音を立てながら出ていた。

すると、また一人のかわいらしい女の子が入ってきた。
「ヤッホー、みんな元気?」
「千恵子ちゃん、久しぶりだね」
幸雄と絹江が挨拶をした。
「彼女は奥村千恵子ちゃん、ここの服飾部二年生だよ」
奥村千恵子(CV:喜多村英梨さん)が絹恵に話しかける。
「絹恵、今日のそのカルダン・ルック(60年代に流行した
女性用ブランド)似合ってるよ、
かわいい」
「ありがとう、千恵子ちゃん」
「あぁそうだ、君が新しく入った壮吉君だっけ?
幸雄君から聞いたよ、友達がいないんだって?」
「は、はい……」
千恵子が壮吉の服装を見渡す。
「今日の服装はvan(男性用アパレルブランド)の
アイビーでしょ、そしてその髪はMG5(男性用整髪料)で
スカッと決めてるね、いいと思う」
千恵子が壮吉の服装を褒めてくれた。
少し壮吉は嬉しく思った。

すると、再び部室のドアが開く。
「みんな、久しぶりだね」
白人の女の子が入ってきた。
肩まで伸びた美しい金髪に青い瞳の
ファッションモデルのような女の子だ。
「はじめまして、国際部二年生のキャロル・バーキンです」
キャロル・バーキン(CV:花澤香菜さん)が壮吉に
自己紹介をした。
「私はイングランドのニューキャッスル出身だよ、
あなたは神奈川県出身だよね、長谷部壮吉君」
「あれっ、君とは初対面だよね」
壮吉が目を丸くした。
「長谷部壮吉君、1949年7月11日神奈川県出身、
アミティエ大学工業部二年生、将来の夢は発明家、
得意科目は現代文、苦手科目は数学と物理、
好きな食べ物はワルシャワのカレーライスとハンバーグ、
嫌いな食べ物はグリーンピースとしいたけ、
趣味は釣りと発明、妄想
好きな野球チームは東京タイタンズだよね?」
キャロルはさらっとこれらの状況を言い放った。
「すごい、全部当たってる……」
呆然とする壮吉に絹恵が話す。
「キャロルは魔法少女なんだよ、
色々な魔法を使えるんだって」
「マジかよ、すげー」
壮吉が興奮している。

Re: 放課後2時間目 新たな友人たち ( No.6 )
日時: 2014/03/06 22:23
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

その後もキャロルは壮吉に様々な魔法を見せてくれた。
ジュースの空き瓶に入れた水を一瞬でオレンジジュースに変えたり、
壮吉が思い浮かべた国の名前を言い当てたりした。
「すげー、当たってるよ!」
大はしゃぎする壮吉の横で幸雄や絹恵、千恵子は全く表情を変えずに
いた。
「ホグワーツとか入ろうと思わなかった?
あれっ、みんなは凄いと思わないのか?
なぁ幸雄」
浮かれる壮吉の横で幸雄は冷静に答えた。
「キャロルはこの春からこの倶楽部に入っていてね、
これも毎日見てるから慣れたんだよ」
「あっそ……」

「そうだ、もっと面白い話してあげようか?」
千恵子が口を開いた。
「あそこで漫画読んでる加藤っているでしょ?
実はあいつさぁ、フフッ」
千恵子が笑いをこらえながら語る。
「おい、その話やめろよ、アハハ」
幸雄が笑う。
千恵子が続けた。
「あいつって漫画のキャラクターを二次元とか言ってるんだよ、
しかもあいつ、二次元しか興味ないんだって、アハハハ」
千恵子が大笑いする。
「ちょっと千恵子ちゃん、健二君に失礼だよ
アハハハハ」
絹恵が大笑いした。
「どうかしちゃってるよね、気持ち悪いったらありゃしない」
楽しそうに千恵子が話す。
「そういうことは言っちゃダメだよ、
傷ついてるかもしれないじゃない、アハハハ」
キャロルも大笑いする。
すると、そこに健二が現れた。
「おいてめーら、静かにしろよ……」
その声は少し怒りに震えていた。

「おいおい、そんなに怒るなよ」
幸雄が少し口調を強くする。
「そうだよ、許してやれよ冗談だろ」
壮吉が絹恵たちをかばう。
「だってさ、二次元に恋とか……
頭おかしいとしか思えないもん……
ダメだ笑っちまう、アハハハ」
壮吉も笑いをこらえられずに大笑いした。

次の瞬間、壮吉の顔面は健二の拳で
殴り飛ばされてしまった。
「うおぉぉ」
壮吉が倒れる。
「やっぱり二次元はクズばっかりだ、
男も女もな」
そう言うと、健二は部室を走り去ってしまった。
絹恵たちが唖然として見送る。
「まぁいつものことだし、気にしなくていいよね」
千恵子が笑う。
「どうせまた明日には来るよね」
絹恵も笑った。

すると突然、部室のドアが思いっきり開いた。
「今日こそはお前らの悪事、成敗してくれる!」
そこには先程まで学長と話をしていた女の子が立っていた。
「えー、また来たの?」
絹恵がうっとおしそうな表情をする。

Re: 放課後2時間目 新たな友人たち ( No.7 )
日時: 2014/03/07 00:50
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

「だ、誰?」
壮吉が絹恵に尋ねた。
「なんかうちの部活を潰そうとしている変な人なの」
絹恵が壮吉に答えると、女の子は語り始めた。
「私はアミティエ大学法学部二年生の式場(しきば)さおり、
20歳、現在お友達募集中、将来の夢は正義のヒーロー
よって、この学校の風紀を乱すお前らに今日こそ鉄槌を
下してやるわ!」
式場さおり(CV:井上麻理奈さん)はまるでミュージカルのごとく
大きなアクションをしながら答えた。
「おおっ、そこのお前は新入りか?
正義の心があるならこんな部活はやめたまえ」
さおりが壮吉に指差した。
「そういうあんたのその服装は何?」
絹恵がさおりを注意した。
たしかに、さおりの服装は短いスカートに金髪、
その風貌は真面目なイメージのある法学部とは
程遠かった。
「ふざけるな、正義に見た目など関係ない!」
さおりが必死に反論する。

千恵子も絹恵に加勢してきた。
「それにあんた、学校にカミナリ族(暴走族の俗語)みたいな
バイクで通学してなかった?
あれは法的にダメだと思うよ」
「バカ、あの250A1(日本のバイクメーカーカワサキのバイク)は
私の魂を吹き込んだ私の唯一の最高の相棒だぞ、
最高の咆哮を聞けるように改造したんだぞ、
それに公道ではスピードは出していないし、
ヘルメットもしてるんだぞ」
顔を真っ赤にしながらさおりが反論する。
少し涙を浮かべているようにも見える。

「わかった、あなたはきっとここに入りたいからいつも
ここに訪れているのね?」
キャロルが笑っている。
「キャロルは何でもお見通しなんだぜ」
幸雄が笑いながらさおりに話しかけた。
「入部届けさえ出せば入れてあげるよ、
君みたいなカワイコちゃんは大歓迎さ」
「そうだよ、歓迎するって」とは千恵子だ。
「素直になればいいのに」
絹恵が優しく微笑みかける。
「う、う、うるさーい」
ついにさおりは泣き出してしまった。
「今日はこれで勘弁してやる、
覚えていろよ!」
さおりは部室を飛び出してしまった。
「あれって完全に悪役のセリフだよな」
幸雄がさおりの後姿を見て呟いた。
壮吉はどこか彼女に同情を感じてしまった。

しばらくすると、部室内に昌弘が入ってきた。
「お、おっさん、どうした?」
壮吉が尋ねると、昌弘はだるそうに答えた。
「この部活の顧問はオレだぞ、
まさかお前が入るなんて思わなかったよ」
昌弘が一升瓶の酒を飲んだ。
「あっ、そうなんだ……」

その日の夜、壮吉はワルシャワの厨房で
枝豆をゆでていた。
「で、部活はどうだったんだ?」
誠一が壮吉に尋ねる。
「変わり者ばっかりで疲れましたよ……」
「なんだよ、まだ二話だぞ
これから作者の気が続く限り
話は続くんだぞ」
誠一が壮吉の肩をたたく。
「でも、楽しかったんだろ?」
「はい……
また行きたいっす」
壮吉は照れながら答えた。

Re: 放課後3時間目 パベルの仮面 ( No.8 )
日時: 2014/03/09 12:36
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

「なぁ幸雄、この百物語ってのは
どんな番組かな?」
壮吉が新聞の番組表を指差した。
「簡単だよ、あの青春怪異ドラマの
新作だろ?」
幸雄が答える。
「違うよ、怖い話をする番組のことでしょ、
生沢君、きちんとしなさい」
絹恵が幸雄にツッコむ。
「へぇ、面白そうじゃん
見てみようよ、もう始まるでしょ?」
千恵子がテレビのスイッチを入れる。

「その後、彼らの姿を見たものは
誰ひとりいなかったそうです」
テレビで、語り手のタレントが百話目を話し、
最後のろうそくを消した途端、番組は終了した。
「なんだ、全然怖くなかったじゃん
そうだよな、幸雄」
壮吉が少し震えながら幸雄に話しかける。
冷蔵庫から取り出していたファンタオレンジの瓶を持っていた
幸雄も答える。
「何言ってんだ、お前随分身震いしてたじゃねぇか」
そう言う壮吉が手に持っているファンタが
少し揺れていた。
「情けねぇなお前らは」
健二が二人をあざ笑った。
「健二君、何を布団に包まりながら言っているの?
そんな布団、ここには元々無かったでしょ?」
絹恵が怪しんでいる。

「私は結構怖かったけどね、
あれ、キャロルはそうでもなかったの?」
千恵子がキャロルを見つめた。
確かに、キャロルは番組中もずっと怯えた様子を
見せていなかった。
「うん、平気だったよ
私は霊界にもコネクションがあるから
こんな話は慣れっこなんだよ」
キャロルが笑顔で答えた。
「そ、そうなんだ……
さすがは魔法少女、もう何も怖くないんだね」
千恵子が笑う。

すると、昌弘がゴールデンバット(日本のブランドのタバコ、
芥川龍之介や太宰治も愛用していた)を吸いながら
呟いた。
「まったく、お前らはどうしようもない腰抜けだな、
そんなんじゃオレの話ではショック死するんじゃないか?」
「えっ、おっさんも怖い話を知ってるの?」
壮吉が食いついた。
「まぁな、このアミティエ大学七不思議の中でも
とびっきり怖い話があるんだ」
「へぇ、ちょっと聞かせてよ」
キャロルが興味津々に尋ねる。
「いいぜ、お前らはパベルって奴を
知っているか?」
昌弘が真剣な表情をして話を始めた。
「いや、知らないな」
幸雄が答えた。
昌弘が語り始めた。
「実はな、今から十年前にこの学校に
パベルっていうソ連人の教授がやってきたんだよ
年齢は当時30歳、ソ連科学アカデミー
(当時ソ連に存在した最高科学機関)でもトップの成績だった
インテリだったんだ、
この話の主人公はそいつさ」


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