コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 学校帰りの勇者 【プレイヤーキャラ募集中】
- 日時: 2014/12/14 10:05
- 名前: 南 (ID: vl1Udskn)
こんにちは!
受験が終わって、ようやくネットが解禁されました。
…で、本来なら前の小説をかきあげるところなんですが、なんと
前の話を完っ全に忘れてしまいまして…。
とりあえず、新しい話を書きつつ、思い出したら前のをかこうと思います。
今回は、RPGの世界に中学生が迷い込むお話です。
週1くらいのペースで更新していこうと思うのでよろしくお願いします!
2014年、12月14日追記
ゲームに参加しているプレイヤーキャラの募集を開始しました!
詳しくはNo.23をご覧ください。
- Re: 学校帰りの勇者 ( No.15 )
- 日時: 2014/07/21 10:31
- 名前: 南 (ID: vl1Udskn)
女の子が言っていたお花畑は意外と近場にあり、幸い大切な物らしきものを手にゲラゲラ笑っているクソ野郎達もそこに居座っていた。
「さて、あいつらをどうやってボコボコにするか・・・・・・」
「あ、ボコボコにするのは確定なんだ」
「当然だろ」
真昼の声に大きくうなずく。
目的の連中は、いかつい顔をした男三人組。
あんな顔で迫られたら、小さい子が泣くのも無理はない。
と、俺が考えている横で真昼がボソッと呟いた。
「えっと、ヤンキー風ブサイク?」
不覚にも笑ってしまった。
『だ、誰だ!?』
笑い声に気がついたのか、男三人はキョロキョロと辺りを見回した。
「き、聞かれちゃいましたよ!?」
「ゴメン。今のはあたしが悪かった」
半泣きの姫に真昼は珍しく謝った。
「ま、しょうがないな。小細工は無しでそのまま突撃するか」
自分のことをさらっと棚にあげて、俺は目の前の連中を睨んだ。
「うん。じゃ、あたしが不意打ちを狙ってみるから、二人は後から来て」
真昼はそう言うとタイミングを見てダッシュした。
『なんだ、気のせいか・・・・・・ってグハアッッ!?』
『い、いきなりなんだコイツ!?』
「・・・・・・」
「・・・・・・」
あいつ、ヤンキーにいきなりビンタしやがった。
「で、でもすごいですね真昼ちゃん。
もう男の人のHP半分減ってます」
「ビンタで半分!?あいつ剣いらねえだろ!!」
真昼に聞きたい。何故職業を格闘家にしなかったのか、と。
「っと、言ってる場合じゃ無かったな。
姫、俺達もいくぞ」
「は、はいっ」
姫を連れて、俺達も敵に突撃する。
そして、対ヤンキー(ブサイク)との戦いが始まった。
- Re: 学校帰りの勇者 【参照100突破感謝です!!】 ( No.16 )
- 日時: 2014/07/23 01:21
- 名前: 南 (ID: vl1Udskn)
ヤンキー1『てめえ・・・・・・さっきはよくもやってくれたな・・・・・・!!』
ヤンキー2『無事に帰れると思うなよ!!』
「なんか死亡フラグに聞こえるのはあたしだけ?」
「真昼、頼むからもう笑わせるな」
緊張感皆無の会話をしながらも、ヤンキー(ブサイク)の迫力に少しだけたじろぐ。
真昼の不意打ちビンタでヤンキー1のHPは半分減っているので、まずはそいつから倒すのが賢明だろう。
と、考えているうちにバトルが始まり、真昼のターンがやってきた。
「えいっ!!」
『マヒルの攻撃!』
真昼は俺と同じことを考えたらしく、攻撃したのはヤンキー1だった。
すると、見たことのないメッセージが表示された。
『ラッキーアタックだ!
ヤンキー1に50のダメージ!』
「ラッキーアタック?何それ?」
真昼が首をかしげていると、姫がメッセージを見ながら言った。
「恐らく、運が良いと通常よりも多くダメージを与えることができるのだと思います」
なるほど、確かにモンスターと戦った時の倍近くのダメージを与えられている。
この辺りの運の良さは、流石真昼といったところだ。
『ヤンキー1は倒れた!』
この調子なら、意外と楽に勝てるかもしれない。
できれば、俺もラッキーアタックを出したいところだが・・・・・・。
『セイヤの攻撃!ごく普通の攻撃だ!
ヤンキー2に18のダメージ!』
・・・・・・今なんか、余計なメッセージが入らなかったか?
「あ、もしかして・・・・・・」
突然、姫が何かに気がついた様に目を光らせた。
『姫は“サンダー”を唱えた!ラッキーアタックだ!
ヤンキー2に80のダメージ!』
「やっぱり!星也、分かりましたよ!」
姫は楽々とラッキーアタックを出したかと思うと、嬉しそうに振り返った。
「分かったって、何がだ?」
「ラッキーアタックの出し方です!」
姫は、珍しく自信満々に答えた。
- Re: 学校帰りの勇者 ( No.17 )
- 日時: 2014/07/23 22:24
- 名前: 南 (ID: vl1Udskn)
「多分ですけど、首・・・・・・つまり、急所を狙って攻撃すれば確率は上がります」
姫が言うと、真昼は剣を構えた。
「そっか!よーしっ!!」
「まだ敵の攻撃終わってねーぞ」
俺が突っ込むと、真昼は勢い余って地面をスライディングし、HPを少し削った。
「それを先に言ってよ!!」
そのままゴロゴロと転がり、敵の攻撃をなんとかかわした真昼は、ヤンキー2の喉元を狙って剣を降り下ろした。
『マヒルの攻撃!ラッキーアタックだ!
ヤンキー2に48のダメージ!』
すると、難なくラッキーアタックを繰り出すことができた。
「いける!これなら星也も出せるよ、ラッキーアタック!!」
真昼の声に自然と期待が高まる。
俺も剣を構え、敵に向かって飛び込んでいった。
『セイヤの攻撃!ごく普通の攻撃だ!
ヤンキー2に20ダメージ!』
次のターン。
『セイヤの攻撃!ありふれた攻撃だ!
ヤンキー2に17のダメージ!』
その次のターン。
『セイヤの攻撃!何の変哲もない攻撃だ!
ヤンキー2に19ダメージ!』
「何でだ!?」
俺はガクリ、と地面に膝をついて嘆いた。
気のせいか、表示されるメッセージがだんだん辛辣になっている様に見える。
「まあ、あくまで確率が上がるだけだし・・・・・・」
「星也は昔から、運は良くありませんでしたよね・・・・・・」
真昼と姫が憐れみに満ちた顔で俺を見てくるのがすごく悲しかった。
しかし、その間も繰り返し攻撃したおかげか、遂にヤンキー2も倒すことができた。
とはいえ、敵はまだ全滅したわけではない。・・・・・・むしろ、
「敵、増えてない?」
非常に嫌そうな顔をする真昼の視線の先には、ヤンキーが更に三人も(しかも選りすぐりのブサイクが)出現していた。
「・・・・・・昔やったオンラインゲームのラスボスって、最初にこんな風にザコキャラが出てきたよな?」
「そうそう。で、真のボスが現れるまで無限に出てくるんだよね」
俺と真昼はこの時、死んだ魚の目をしていたと思う。
「そ、そんなあ・・・・・・」
姫は泣きそうな顔になった。
ヤンキー3,4,5(ブサイク)を前に、俺はため息をついた。
「・・・・・・マジかよ」
- Re: 学校帰りの勇者 ( No.18 )
- 日時: 2014/07/26 21:39
- 名前: 南 (ID: vl1Udskn)
ヤンキー16『おいおい、もう降参かァ?』
ヤンキー17『情けねえな!!』
お前らが無限に出てくるからだよ、という悪態を心の中に押し込む。
五人目が出てきた時点で嫌な予感がし、八人目辺りでその予感は確信に変わり、二桁に突入するころにはブサイクしか出てこねえんだな……というどうでもいい思考に逃避していた。
「これ、いつになったら終わるの!」
真昼が疲れ切ったように剣を振り回す。
姫はとっくの昔にMPを使い切ってしまい、あとはひたすら杖でヤンキーをポカポカ叩いている。
姫の持つ杖は見たところ木製なのに、なぜかヤンキーに当たるたびにゴシャッッ!! という凄まじい破壊音を響かせていた。
そうやって倒しても倒しても、依然としてヤンキーは増殖していた。
「ああもう!いい加減にラスボス出てきてよっ!」
真昼は投げやりぎみに剣を振り、ヤンキー20を倒す。
すると突然、残っていたヤンキー達が左右にさっと分かれ、道をつくった。
その奥からは、新たな敵らしき人物が歩いてきている。
しかし、いままでのヤンキー(ブサイク)とは明らかに格が違っていた。
「もしかして、ラスボス来ちゃった感じ?」
「ほ、本当ですか?」
真昼と姫は、期待に満ちた表情で歩いてくる人物を見る。
俺もようやく本格的なバトルが始まるのかと剣を持つ手に力をこめた。
そして、ついにその人物が姿を現した。
ヤンキー21『隊長だ!隊長が来てくれたぞ!!』
隊長というからにはやはりラスボスなのだろうその人物、いやその男は……イケメンだった。
「最後の最後でイケメンだと!?」
俺と真昼は同時に叫んだ。
どうでもいいことなのだろうが、言わせてくれ。
ここまできてそれはないだろッ!?
隊長『お前たち、俺の仲間に手を出したらしいじゃないか。
ここからは俺が代わりに相手してやるよ』
「セリフまでイケメンじゃねえかっ……!!」
「学校でのあだ名が『残念』になっている星也とは格が違うね」
「うるせえよ!」
俺と真昼が言い合っているのをよそに、イケメンの隊長は日本刀らしき刀を構えた。
風に金髪をなびかせ、ピアスをチャラチャラと揺らす彼は、無駄にかっこいい。
「あの……二人とも、戦わないのですか?」
奥歯をギリ、と噛みしめている俺に姫がおそるおそる声をかける。
俺は、気を取り直して剣を握りなおした。
- Re: 学校帰りの勇者 ( No.19 )
- 日時: 2014/11/26 15:33
- 名前: 南 (ID: vl1Udskn)
『ボスの 隊長 が現れた!』
メッセージを見る限り、このイケメンを倒せば戦闘は終わりそうだ。
「よし、とりあえずアイツに集中攻撃だ。
ヤンキー(ブサイク)は一旦無視な」
「おっけーっ。それより星也、顔怖いよ」
「・・・・・・」
男の嫉妬にいちいち突っ込まないでほしい。
隊長『かかって来ないのか?
・・・・・・なら、こっちから行くぜ!!』
隊長とやらは刀を構えると、俺に素早く切りかかってきた。
「うおっ!?」
紙一重でかわすと、切れた俺の髪がハラリ、と落ちる。
ゲームのはずなのに、思わず鳥肌がたった。
「っと、隙あり!!」
隊長が体勢を立て直すわずかな隙をついて、真昼は剣を振るった。
『マヒルの攻撃!隊長に27のダメージ!』
流石にラッキーアタックは出なかったが、少しだけ効いたらしい。
隊長は、少しよろめきながら爽やかに言った。
隊長『くっ、やはり強いな・・・・・・。
でも、悪いが負けられないんだ。仲間たちのためにも!!』
「なんだか、どっちが悪者か分からなくなってきました・・・・・・」
「言うな」
女の子の話さえなければ、どう見ても隊長が主人公の青春漫画だ。なんとも居心地が悪い。
しかし、そんな中でも躊躇というものを知らない真昼のおかげで、隊長のHPも残りあと少しまで削れた。
ステータスを見る限り、敵う相手じゃなかった気がするのだが、本当に真昼は底が知れない。悪い意味で。
隊長『ぐっ・・・・・・』
「お?」
隊長の様子が変わったのに気づいたのか、真昼は攻撃の手を止める。
すると、隊長はムカつくくらい綺麗な動きで膝をつく。
それと同時に、メッセージが表示された。
『ボスの 隊長 に勝利した!』
メッセージが消えると、真昼の目の前が一瞬激しく光り、かわいらしい箱が出現した。
あのヤンキーたちが持っていたものだ。
どうやら、大切なものは手に入ったらしかった。
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