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未来視少女【キャラ募集中】
日時: 2014/12/23 15:34
名前: フォルテ (ID: nWEjYf1F)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=8461

生まれつきなのかな。それとも、後天的に身についたのかな。
私は何でか知らないけど——

——少し先の未来を視ることが出来る。


   ◇  ◇  ◇


※現在、リク依頼の板にてキャラの募集を行っています。
上記URLより、専用のスレッドへ飛ぶことが出来ます。


〜目次〜

キャラ一覧>>10

零話〜視えた未来と結末〜
>>1 >>2 >>5 >>6

一話〜傷跡〜
>>9 >>13

Page:1 2 3 4



Re: 未来視少女【キャラ募集中】 ( No.16 )
日時: 2014/12/24 21:11
名前: フォルテ (ID: nWEjYf1F)

 おかゆは、美味しかったの一言だった。
 中身は醤油味の卵粥で、ごはんも柔らかくて食べやすい。これならたとえ食欲がなくても、胃腸風邪とかで辛いときも食べ切れるだろう。それも義隆君が作ったって言うから、ある意味尊敬する。
 因みにその時聞いた話だけど、私はどうやら丸1日ずっと寝ていたらしい。
 通りで日付感覚が狂ったわけだ。私は1人で納得して、それを見ていた義隆君は首を傾げていたけど、内緒にしておいた。

 その後。義隆君は用事があるからって、すぐに家を出て行ってしまった。
 そういえば昨日の夜も、家を出て行く頃合だった気がする。バイトでもしてるのかな。

 ——とりあえず、義隆君の両親に挨拶しておこう。
 あれから一回もお礼言えてなかったし、ここは礼儀として言っておくべきだろう。
 幸いにもお粥のお陰で少し元気が出てきている。階下へ降りよう。


    ◇  ◇  ◇


「あのぅ……」

 リビングへと続く扉を開けて、私はその台詞と共に中に入った。
 昔、小さい頃にやってきたときと全然変わっていなくて、何となく懐かしい。

 しかし、誰もいない。
 おかしいな、義隆君の親は共働きじゃなかったはずだけど。

「……何?」

 すると、小さく涼やかな声が私の鼓膜を揺らした。
 聞き覚えのない声である。そう思いながらリビングを見渡し、視界に入った人物は——

「あ……」

 ——この上なく美人な女性だった。

 とても上品だけど、どこか可憐さも残る雰囲気。
 すらっとしてて、それでいてある程度のスタイルを保てている良いトコ取りの肢体。
 まるで水流のような長い黒髪。曇りのない瞳。まるで砂糖のように白く儚い肌。整った小顔。消え入るような声——
 まるでこの世にある全ての美が1つに集約されたみたいで、同姓だというのに不覚にもドキッとしてしまった。

 その女性はソファに座って本を読んでいたみたいで、手に本を持ったまま顔だけを私に向けていた。
 組まれた脚が何とも色っぽい。っていうか、この人誰だ。

「ええっと、あの……」

 まずい、声が上擦る。
 義隆君の両親に言うつもりでいた言葉が全て否定と同時にかき消され、何を言えばいいのか分からなくなってしまった。
 でも、とりあえず短時間で一生懸命に言葉を搾り出した挙句、なんとかそれを舌に乗せることが出来た。
 ——のだが。

「……貴方の事なら、義隆君から聞いた」
「あうっ」

 見事に先手を打たれた。
 するとその女性は"雨宮蓮(あまみやれん)"と名乗り、本をソファに置いてこっちまでやってきた。

「今は休養をとるべき。義隆君の代わりに、私が看病してあげるから。今は寝てて」
「は、はい」

 とりあえず、大人しく従おう。

 ——近くにいるといい匂いがする。何と言うか、女として惨敗した気分だ。

「大丈夫」
「ふぇ?」
「貴方も……由美ちゃんも凄く可愛い。私なんか足元にも及ばない」
「……」

 その上クール、穏和、謙遜主義ときた。
 しかもなんか慰められたし——この時私は、今すぐ泣きたかった。

Re: 未来視少女【キャラ募集中】 ( No.17 )
日時: 2014/12/25 20:43
名前: フォルテ (ID: nWEjYf1F)

 そうして蓮さんに背中を押されながら廊下に出た途端だ。
 私はまたしても、美女と遭遇した。

「おや? 蓮、その子誰だい?」

 第一印象から姉御肌と分かるその人だけど、これまた蓮さんに負けず劣らず綺麗な人だった。
 連さんとはまた違う艶を持った黒髪、女の子なら誰もが羨ましがるであろう理想的なグラマー体型——よりも目立っているのが、なんと釦の開いたカッターシャツから露出された胸の谷間。

 ——何というか、お色気たっぷりのセクシー美女である。頼りがいありそうなお姉ちゃんみたいな人だけど、ただ私の目の前で立ってるだけなのに、何かその態勢がやらしい。

『何? なんなのこの家……義隆君何してるの?』

 大きな疑問が胸に渦巻く。

「この子、経緯はわからないけど、この家にボロボロになった状態で歩いてきたみたいなの」
「おやおや、それで休養かい?」
「うん」
「なるほどね……あ、あたしは不知火葉月(しらぬいはづき)って言うんだ。よかったら覚えといてくれよ」
「あ、は、はい……!」

 突然話しかけられて、また声が上擦る。

「あはは、可愛い子だねぇ! こんな子アニメでしか見たことなかったけど、実際にいるもんなんだねぇ」
「……だね。天使みたいで、大人しい」
「あう……」

 もう、からかわないでほしいなぁ。
 また顔赤くなっちゃうじゃない。

「ふうん?」
「……? えっと、何か……?」

 どこか値踏みするような眼差しで私を見てくる葉月さん。
 私の顔、何かついてるのかな——って思ってたら。

「……気に入った」
「ふぇ?」
「あたしがこの子の面倒見るよ」
「っ!?」

 その次に彼女が発した言葉は、一瞬意味が分からなくて。

「蓮は勉強してな。就職試験があるんだろ?」
「うん……ありがと」
「いいって。じゃまたあとで!」
「うん。バイバイ、由美ちゃん」
「あ……ば、バイバイ!」

 何か私を置いてけぼりにして、勝手に物事が進んでいった。
 一先ず極上と言ってもいい笑顔で微笑んできた蓮さんに別れを告げておき、私はそのまま葉月さんに連れられて、成り行きから葉月さんに看病のバトンタッチが行われた状態で義隆君の部屋へと入っていった。
 ——とりあえず言っておくと、天使なのは貴方の方だと思いますけど。蓮さん。

 ——すると、唐突に私の未来視が発動した。
 実を言うと未来視は、私の意志で引き起こすことが出来ない。
 そのため視えたら出来るだけ視た方がいいので、一度発動したなら私は集中する。

 ——だけど、視えたものはよく分からなかった。
 ただ私が、喧騒とした夜の都会の真ん中で突っ立っているだけ。とりたてて不審な点はない。
 視えたのはそんな未来だった。

 結局なんだったのか分からなかったけど、とりあえず頭の片隅に留めておくことにした。

Re: 未来視少女【キャラ募集中】 ( No.18 )
日時: 2014/12/26 22:35
名前: フォルテ (ID: nWEjYf1F)

「それで、結局どうしたんだい?」
「何がですか?」

 その後私は、布団に潜り込んだのはいいけどあまり寝付けなくて、かといって初対面も同然な葉月さんとは言葉さえ交わせず、同じ部屋にいるというのにずっと沈黙の時間を過ごしていた。
 それからやがて数分後のこと。先にその沈黙を破ったのは、葉月さんの何気ない一言だった。

「アンタがこの家にいる理由だよ」
「あ」

 問われて、私はハッとした。そういえば今までの経緯、まだ誰にも話していなかったっけ。
 真っ先に義隆君に話す予定だったけど、まあいいか。話しちゃえ。

「実は——」


    ◇  ◇  ◇


「ふうん、なるほどねぇ」

 私は結局、全部話した。
 案外、一度話してしまうと結構気が楽になれるもので、私はどこか胸のつっかえが取れたような気分になれた。
 そして葉月さんは、私と初対面だというのに、私の話を凄く真面目に聞いてくれていた。
 やっぱり第一印象通りである。面倒見のよさそうな姉御肌——どうやら私の目に狂いはなかった様子。

 すると葉月さんは、何やら神妙そうな顔を私に向けてきた。

「その事、勿論自分で義隆に話すんだろう?」
「え……ま、まあ」

 そりゃ、義隆君は私を助けてくれた第一人者ですから。

「ん、それがいいよ。とりあえず、あたしに吐き出したことで、少しは気分が楽になっただろう?」
「はい」
「アハハ、そう言ってくれて何よりだよ。スクールカウンセラーも捨てたもんじゃないねぇ」

 ——って、葉月さんスクールカウンセラー勤めてたのか。
 通りでそんな性格になるわけだ——もうこれは職業病っていうやつなのかもしれない。

Re: 未来視少女【キャラ募集中】 ( No.19 )
日時: 2014/12/30 23:13
名前: フォルテ (ID: nWEjYf1F)

 ——で結局、あれから3日が経った。
 完全に体調を取り戻した私は、体力面だけを考えたらもう普通に学校に行けるようになっていた。
 前みたいに立眩みもしないし、眠る時間も不安定だったのが通常通りになっている。
 細かった食もいつも通りに戻ってるし、ちゃんと毎朝自分で起きれるようになったし、もう万全だ。

 ——だがそれは、あくまで体力面だけを考えたらの話だ。
 実際は学校に行けるようになるまで、色々と片付けなきゃいけない問題がいくつかある。

 ——まず1つ目は、義隆君の行方。
 実はあの日以来、義隆君は一度も家に帰ってきていなかった。
 彼が今何処で何をしているのか。彼から連絡を寄越さない今となっては、どうやら葉月さんも蓮さんも知らないらしい。
 かといってこちらから連絡を入れようとしても、どっちにしろ義隆君は応えず仕舞い。
 そもそも彼を探さなきゃいけないのが大きな問題だ。

 ——そして2つ目は、私自身の処遇。
 私はそもそも、ママに追い出されてこの家までやってきた。だから学校の持ち物もなければ、ここから学校へどうやっていくのか、かかる交通費はいくらになるのかなどが全く分からない。
 というかそれ以前に、私は居候みたいな形でこの家に厄介になっている。勝手な行動は起こせないのだ。
 一応葉月さん経由で、学校には体調不良と言い渡して休んでいるけど、これの効力がいつまで続くかさえわからない。
 せめて義隆君の両親がいれば——って思ったんだけど、生憎彼の両親は今家にいない。

 因みにこれは葉月さんから聞いた話だけど、義隆君の両親は何時からか共働きになったらしくて、それからというもの揃いも揃って長期に渡る出張に出かけるようになったとのことだ。
 そして今正にその真っ最中らしく、それで変わりに義隆君の"従姉"である葉月さんと蓮さんが義隆君の面倒を見に来ているという。だから、学校に直接関わっている義隆君の両親ならともかく、言っちゃ悪いけど部外者の葉月さんたちが、勝手に私をどうするかなんて決めれっこないのだ。

 じゃあどうするか。結局、私は大人しくしているしかないのだ。
 せめてアルバイトぐらいやってこの家にお金を入れようかなとも思ったけど、それは葉月さんに止められた。
 曰く、今学校の生徒に見つかるのは止した方がいい、とのこと。

 ——まあ確かにそうだ。
 それが友達だったならまだしも、何の事情も知らない人が見たら、学校サボってまでバイトしてるように思われるだろう。
 ましてや先生に見つかったら、退学の可能性だって免れないわけだし。

「蓮さん、葉月さん」

 もういてもたってもいられず、私は件の2人に、何か手伝えることはないか相談してみた。
 ——最近、ようやくこの2人の容姿に慣れてきた気がする。

Re: 未来視少女【キャラ募集中】 ( No.20 )
日時: 2014/12/31 14:24
名前: 雪兎 (ID: gDKdLmL6)

初めまして、雪兎と申します。

フォルテさんの小説を読むのは初めてでしたが……文章力の高さに驚きました。w

それに、由美ちゃんといい蓮姉さんといい葉月姐さんといい、みんないい女で憧れます。羨ましい…。

これからの展開が楽しみです!頑張ってください。

あと、私もコメライで小説書いてるので、気が向いたら遊びに来てください♪

では〜。


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