コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 雨の社
- 日時: 2015/06/05 19:29
- 名前: はにわ ◆wrfkg3Dbu. (ID: YAHQda9A)
昔話を聞いてくれる?……さぁ、座って。
はにわという者です。こんにちは。おそらく短編です。
実質2作目の作品となります。
前回は洋風の小説を執筆させて頂きました。
今回は「和」に重点を置いていく予定です。何事も挑戦ですよね。
拙い文章ではありますが、気軽に読んでいただけると幸いです。
アドバイス等ありましたら遠慮なく!
◆
雨の音をBGMにして読んでいただけますと、少し、嬉しいです。
不定期更新ですが、とりあえずやってみよう精神で頑張ります。
>>1 【プロローグ】
第一章 【夕立】‐金平糖と娘‐ 第二章 【恵雨】
>>2 >>28
>>3 >>29
>>4 >>30
>>5 >>31
>>6
>>7
◆
【小雨】-落涙- 第三章【××の嫁入り】
>>18
>>19
>>20 >>28
>>29
>>30
>>31
終章【月時雨】
>>32
>>33
>>8 ※キャラシート(一旦募集停止します) >>7
- Re: 雨の社【オリキャラ募集】 ( No.16 )
- 日時: 2015/03/20 22:39
- 名前: はにわ ◆MTo6zazpiQ (ID: De6Mh.A2)
- 参照: 周←あまね と読みます…!! (雨音とかけている感じで)
はじめまして!!!
エエッ素晴らしい小説だなんてとんでも…!!
描写、苦手ながらも頑張っているので褒めていただけると嬉しいです……
題名もシンプルに綺麗にを目指していたのでやったぜ。という気分です。
や、やったあ周にもコメントがつきました(喜びを噛み締める)
なんかどこか余裕そうで、でもなよなよしないように口調は選んでいたので……!!評価していただき嬉しい限りです。
ですよね狐の嫁入り綺麗ですよね!!見るとテンションがあがります!!!
素朴な疑問を浮かべるはるたさん。なんだか可愛いです(あぶない)
no12はちょっと違う機種から投稿しようとして、名前とトリップを入力したんですけど上手く反映されなかったようで……お察しの通りトリップ(未遂)です。
多分この投稿ではしっかりトリップになっているはず…!!
ありがとうございました!!更新がんばります!!
- Re: 雨の社【オリキャラ募集】 ( No.17 )
- 日時: 2015/03/20 22:50
- 名前: はにわ ◆MTo6zazpiQ (ID: De6Mh.A2)
——神頼み、とは。
まず自分の出来る事をしてから、するものなのです。
神様なんて、割といいかげんなもんですから、
自分で行動をしなきゃ、とんと、その効果はなくなるのです。
さぁさこの雨、今日は誰を連れてくるか。
「静かに降る雨は、知性の象徴のようだろう?」
——ああ、そこのお嬢さん、ちっと雨宿りなんてどうだ?
- Re: 雨の社【オリキャラ募集】 ( No.18 )
- 日時: 2015/03/21 15:30
- 名前: はにわ (ID: MrkfzUec)
- 参照: 事情があり別機種からの投稿です。一旦送信します!
「いや、よく降る雨だなぁ」
部屋の中で青鈍色の着物に着替えながらぼんやりと、呟く。
この間の豪雨とは打って変わって、
穏やかでのんびりとした雨であった。
−−しかし、暇だ。
この間は色々と騒がしかったからな。
余計、退屈にも思える。
と、どこからか小雨を跳ね除ける音。
「……ま、今から退屈しなくてよさそうだ」
俺は何か面白いものを見つけたような笑みを浮かべた。
どうやら、別れや出会いの場所である縁側まで、歩いていく。
◆
『それ』はまたもや少女であった。
服からして幼い学生のようだ。だが、夜明けの空のように澄んだ光を、その瞳に宿していた。
「さぁ、お嬢さん、こんな辺鄙なところまでようこそ」
俺は縁側に立って、わざとらしいくらいに丁寧なお辞儀をし、左手で奉納箱のほうを示した。
背筋をぴん、と伸ばして立っている少女、まさか迷子なわけはないだろう。
少女は桜色の唇を開いた。
「合格祈願です……どこでお参りしようかなって思ってたら」
−−雨に、降られちゃって。
少女はへへ、と笑い、
少し恥ずかしそうに自身の髪の毛を指でくるくると弄っていた。
その髪の毛も、勿忘草と桃の花を花束にしたように華やかで、
太陽の下で見る事ができたらさぞ美しいのだろうと思った。
そして俺はへぇ、と感心した。
この時代にもそんな勉強熱心な子がいるのか。
……うん、
……ま、とりあえず座りな、話しなら俺が聞いてやろう。
少女は、はい、と答え縁側に腰を下ろした。
- Re: 雨の社【オリキャラ募集】 ( No.19 )
- 日時: 2015/03/24 22:25
- 名前: はにわ ◆MTo6zazpiQ (ID: De6Mh.A2)
◆
俺はしばし視線を曇天へと向け、少女に話しかけた。
「話、もなんだがその前に名前を教えてほしいな」
その言葉に弾かれた様に、あっ、と声をあげて、
「——虹架です、天宮虹架」
とだけ礼儀正しく答えてくれた。
そして、
俺の名前も教えた。さあ、やっとこさ本筋に入るとしようか。
その少女——虹架ちゃんの先ほどの発言によると、だ。
どうやら「受験生」の真っ只中で、勉強に追われているようだった。
俺も人間にそういう時期があんのは、聞いたことがある。
——そいつぁ大変だなぁ、いつもやってるわけか。
でもそんなら心配する事、ないんじゃないか?
俺はそう問う。しかし、
「勉強は一応してるの。でもやっぱり不安で。私、友達と比較しちゃって——なぁんてそこまで、友達……いないんだけどね」
また穏やかな、でもどこか傷ついたような曖昧な笑みを浮かべていた。
「少し前にやったテストでも、志望校に点数が届くか微妙なところで……先生にも、厳しいってばっさり言われちゃって。
それで私、悔しくて」
虹架は俯き、ぎゅっとプリーツスカートの上に置いた両手を握り締めた。まるで、自分の気持ちを、捻り殺すように。
「悲しいんじゃないの——そう聞いたとたん、悔しくてたまらなかった。そのときも涙が出てきそうになったけど、どうにかこらえたっけ」
話を続けた。
「友達は、余裕みたい。目指す志望校は、同じでね?なんだか嬉しそうなその子の顔みて、私」
——笑えなかった。……笑えなかった、の。
祝ってあげるべきよね、おかしいよ、こんなの。
私どんな顔してたんだろあの時。
虹架が、軽く微笑んだ。といっても顔は見えないが。
諦めたんじゃないよ。私。だから、ここに来たの。
絶対合格して見返してやるんだから。
先生も友達も。
「で、それで堪えてるつもりなのか」
俺は自身の膝に頬杖をつきながら苦笑して、不思議そうな顔をしている虹架の顔を指差した。
「虹架ちゃん。……泣いてる」
嘘、と震える声で呟き、頬に白い手をあてる、ああ、どうやら涙の生暖かい感触が、伝わったようで。
目を見開いた。——刹那、箍が外れたようにぼろぼろと目から零れ出す、涙。水面に映る夜の桜が思い出された。
虹架は涙を拭いながら、首を振り、駄目、嫌だ、と嗚咽の中で呟き続けていた。なおも自分の気持ちに抗おうとしていた、それは彼女の両手が証明している。
華奢な肩を震わせ、隣で泣き続ける少女。
——神様が助けてやるのが定石っつーもんだろ
「雨が強くなってきたなぁ、お嬢さんよ」
片目を閉じながら、多少演技を入れて。
——え、と泣き腫らした目がこちらに向けらる。いまだ、涙は流れ続けていた。この、雨のように。
「これならでかい声出したって、誰も気づきやしないねぇ?」
肩をすくめる。と、数秒後。
——うん、うん。
「……ありがと」
虹架の嗄れた声が答えて、少し笑顔をつくり、——直後、
わぁ、と勢いよく泣き始めた。
でもそれは悲痛な叫びでなく、どこか許しを得たような安堵の声に聞こえて。
「はは、色々溜め込んでたな、こりゃ」
虹架の背中を、そっとさする。
泣いとけ。今の内に、な。
- Re: 雨の社【オリキャラ募集】 ( No.20 )
- 日時: 2015/03/24 23:09
- 名前: はにわ ◆MTo6zazpiQ (ID: De6Mh.A2)
◆
数分後、雨が少し引いたのと同じように彼女の「感情」の流失も止まったらしい。
なかなか気が利いてるじゃねえか、と小雨を降らす雲に、軽く目配せしてみる。
そんなことをしていると、虹架が話しかけてきた。
「あの……ありがとね、こんなに泣いたの久しぶり」
家とかまして学校じゃぜぇったい無理だし、弱いと思われるの、嫌なの。
「なんかすごく……楽になった」
そこまで言って、恥ずかしくなったのか——自身の足を見つめ、ぶらぶらと振って見せた。しかし最近のお嬢さんはなんつーか引っ込み思案?なのが多いのか?
「後は受験するだけだな、で、そんなあんたに質問だ」
……なぁに?と虹架が首を傾げた。そして、時間を置いて、息を吸って、
—ー何か好きなものは?
「な、なんだそんなことなの?うーん……」
急に言われてもなぁ、といったようにうう、と唸っていた。
そして、思い当たる節があったのか、あ!とかわいらしく手をポン、とうってみせた。
——和菓子!!和菓子が好き……かな。最近よく家で勉強する時に食べるの。
「綺麗でかわいくてね」
「ほう」
「最近のおすすめはもなか」
「ほう」
「私が始めてもなかを食べたのは」
「よし分かったもういい」
「もなか説明会」のようなものが始まる前に、手で制す。
「じゃあ俺が茶屋で買ってやろう」
えー本当!?と俺の提案に目を輝かせた。——ま、人生はそんなに甘くないぜ、と。
飛び切りの笑顔で、断つ。
……その受験に、合格したら、な。
「ええっそんな……」
ガーン、と効果音が聞こえてきそうなほど、みるからにしょんぼりしてしまった。心なしか結んでいるお団子が垂れ下がった気がする。
「合格すると決めたのだろう?」
それとも、なんだ、泣いたから自信なくしちまったかい?
と目を細めてからかってみる——というか煽ってみる?
虹架は、そんなわけないでしょ、と必死にかぶりを振った。
「むしろすっきりしたし、いい感じだよ!!」
——合格してみせるから!!
「おーおー、期待してるからな」
「だから、ぜったい、和菓子買ってくださいよっ」
——周さん!!
決心がついたのか、虹架はひとりでに鳥居のほうへ向かっていった。
意思の強いお嬢さんだこと。と謎の既視感を覚える。
この子、絶対「あいつ」にゃ相手できねぇな。
セーラー服をまとった少女、——そういやあの服は水兵の軍服が元になってるそうで。それを納得できるくらい、凜と、堂々としているように見えた。
なんとなく、手を振るのでなく、敬礼してみる。
「朗報を、お待ちしておりまーす、ってか」
——どうか、御武運を。
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