コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- レン・アイ追いかけっこ→【コメント大歓迎!】
- 日時: 2015/05/19 06:51
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: t5nfvz02)
『先輩、追いかけっこしませんか?』
*作者から
どうも、伊吹吹雪です。
前まで、「恋乃手紙」を書いてました。
まあ、それが完結したので。
今回も恋愛小説を書かせて頂くことにしました。
魔法ファンタジーとかも書いてみたいですけどね。
そんな技術はありません(作者が設定を忘れ、ゴチャゴチャになる)。
駄文ですが、よろしくお願いします。
*目次
1.追いかけられる側の立場
>>1
2.虹色デイズ
>>2
3.空色プラネット
>>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10 >>11 >>12
4.虹色デイズ2
>>13 >>14
5.空色プラネット2
>>15 >>16 >>17 >>18
*登場人物
鈴木愛
新堂蓮
*他作品
・恋乃手紙
・桜庭中学1年の日常〜会話文だけで紡がれた物語〜
- Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.9 )
- 日時: 2015/04/29 09:11
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)
愛は、それから変わらず、陸上部の体験に行った。
そして入部届け日。
部活に行ってみると、1年生は自分を入れて、5人ほどしか来ておらず、全員が男子だった。
なんだかボケッとした男子が多く、訳の分からないような顔をして、入部届けを握りしめている。
「お、結構来てますね。」
「今年は男子が多いねー。去年は女子が多かったけど。」
「今年も『期待』できそうだね、蓮君。」
「先輩、意味ありげな発言しないでくださいよー。」
わいわいと、先輩たちが来る。
「よろしく、俺らは3年生。2年生とは体験で顔なじみかな?」
「先輩、一人新しい人が来ているようです。」
2年生の女子部員・伊藤が小声で言う。
「じゃあ、全員、自己紹介した方がいいかな?」
一通り自己紹介し終えた。
3年生は、澤村、東野、佐藤。
2年生は、伊藤、田中、西宮、山下、そして蓮。
1年生は、山川、須藤、松本、渡辺、そして愛。
あの、渡辺っていう男子、不思議だな。
他の男子は、パッとしないが、あの渡辺っていう男子は冷たそうな目で、他の人を見ている。
「お前。」
ビクッ!
どんな奴かな、と思っていた奴に話しかけられて、ちょっとびっくり。
「足、速そうだな。」
いきなり、それー!
「え、見ただけで分かるの?」
「分かる。だから……」
そこで渡辺は止まった。
愛は、なんだ、コイツ、と思っていた。
☆
- Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.10 )
- 日時: 2015/04/30 06:47
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)
明日の土曜日から練習、ということで、この日、1年生は100mのタイムと1000mのタイム、そして走り幅跳びの記録を取った。
「疲れたー」
どれもそこそこ良かったが、愛はもうヘトヘトだった。
休憩時間なので、芝生にどかっと座り込む。
「100m、俺より速かったな。」
後ろから、感情の起伏がない声。
後ろを見ると、眼鏡をかけた冷徹少年・渡辺が立っていた。
「…何よ。」
「褒めにきた。」
「そういうあんたは山川より遅いじゃない。」
「俺は走り幅跳び専門だ。」
確かに、渡辺の走り幅跳びの記録はすごかった。
「ただ、脚に無駄な動きが多い。」
「?」
「短距離だとそれでいいが、長距離だとだめだ。」
「ふうん。ていうか、何で、走り幅跳びのあんたがそんなこと言うの。」
愛は否定的な態度をとる。
「あと、なんであたしにいろいろ言ってくれるの。」
一番の疑問。
初めての相手になぜこんなことを言うのか。
渡辺は肩をすくめるだけで、何も言わなかった。
そのまま、渡辺は愛の隣に座る。
「土曜日、南山運動公園に5:00に来い。」
「え?」
「いいから、来い。」
そう突然言うと、渡辺は立ち上がって、どこかへ消えてしまった。
☆
- Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.11 )
- 日時: 2015/05/03 20:55
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: t5nfvz02)
土曜日の部活は、愛にとって実に衝撃的な部活となった。
☆
午後にも練習がまたがる、ということで弁当持参の練習となった。
練習は4:00までだが、渡辺との約束があるので7:00に帰ると親に言っておく。
えー!!
愛が部活に行って、まず驚いたのは……
蓮が弁当を持ってきていないことと、2年女子の荷物が一回り大きいこと。
「ちょっと、蓮先輩、なんで弁当を持ってきてないの………で、ですか!?」
愛の、後から取って付けたような敬語。
「愛、敬語、やめてよ…」
陸上部らしからぬ、白い優男はちょっと顔をしかめるが、そんなのは愛が気づけないほど一瞬で。
「まあ、いつか分かるよ。」
『ストライクショット・王子の微笑み』と共に、蓮は言葉を返す。
幼なじみの愛にとっては、とっくに慣れたはずの笑顔だったが…、
「あああああ、すすすみません!」
急いで後ろを向いて赤い顔を手で押さえる。
何で、赤くなっちゃうのー!
「れれ練習の、じゅじゅ準備してきます!」
愛は急いで走る。
それを見送る蓮。
陸上部は、特に最初は用具の準備要らないのに……。
それを見て、蓮は笑ってしまうのだった。
☆
- Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.12 )
- 日時: 2015/05/06 09:34
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: t5nfvz02)
ウォーミングアップが終わると、一旦顧問の周りへ集合する。
「種目を発表します。3年生は去年の種目のままです。1、2年生は昨日の記録のもと、新しい種目を発表します。」
いちいち敬語の女の顧問・新沢先生。
「伊藤るな100m、田中葵走り幅跳び、西宮由紀ハードル、山下あかね1000m、新堂蓮100mです。」
ざわざわ。
先輩たちが騒ぐ。
「蓮は新しい競技ですが、頑張ってください。」
あ、そういうことか。
事情を知らなかった1年生は何となく察する。
「1年生は、鈴木愛100m、山川大砲丸投げ…『大砲』ではありませんよ、大君。砲丸投げですからね。」
初めてウケを狙った新沢先生だったが、全く笑えない。
「えーと、須藤幸多100m、松本康太…こうたは2人いるんですね。松本康太1500m、渡辺宗也走り幅跳びです。」
「以上です。種目ごとの練習の前に、みんなで練習するので、部長よろしくお願いします。」
「先生、サッカーからですよね?」
部長の澤村が言う。
サッカー?
「そうですよ。全身の筋肉を使うことが目的ですから。」
今にも倒れそうな新沢先生はそう言って、日陰へスタスタ歩いていった。
☆
- Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.13 )
- 日時: 2015/05/07 06:56
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: t5nfvz02)
4.虹色デイズ2
「何読んでんの?」
愛が中学の頃の日記を家で読んでいると、誰かに後ろから話しかけられた。
振り返るとやはり愛だった。
「別に別に、何もー!」
慌てて愛は日記を閉じる。
「いいだろ、見たって。」
「彼氏なんだから。」
彼氏だから見せたくないんだってば!
大学生になり、同時に入った蓮(浪人したのだ)と『ひょんなこと』から付き合うことになった。
お互いの家の合鍵を交換して、自由に家に入れるようになっている。
「…いろいろ恥ずかしいことがあるから見せたくない。」
「大丈夫だって。」
「いやだ。」
「何で?」
これは確実にからかわれてるー!と愛は感じた。
「読んだらきっと、蓮も恥ずかしくなるよ。」
「平気だって。」
「俺なんだから。」
ぐぃぃーと顔が赤くなる。
蓮はパッと日記を取り上げる。
そしてページをパラパラめくる。
「『ストライクショット・王子の微笑みを蓮にされた途端、私は顔が赤くなった。』…何だこれ。」
蓮も顔が赤に染まる。
「もーだから見せたくなかったんだって。」
愛は蓮から日記を取る。
「一人で勝手に、好き好きって盛り上がってたんだから。」
クソ。
それはそっちだけだとでも思ってんのか。
怒りながら上目遣いをしてくる愛。
それがたまらなく可愛くて。
時々本当にかわいい仕草しやがって。
「俺は今……」
さっと愛を引き寄せて、キスをする。
『お前のこと本当に愛してるから。』
ああ。
あの頃はこんなふうになるなんて、思いもしなかった。
私たち2人とも。
月夜の中に2人の身体は沈んでいった。
☆
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