コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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レン・アイ追いかけっこ→【コメント大歓迎!】
日時: 2015/05/19 06:51
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: t5nfvz02)

『先輩、追いかけっこしませんか?』
*作者から
どうも、伊吹吹雪です。
前まで、「恋乃手紙」を書いてました。
まあ、それが完結したので。
今回も恋愛小説を書かせて頂くことにしました。
魔法ファンタジーとかも書いてみたいですけどね。
そんな技術はありません(作者が設定を忘れ、ゴチャゴチャになる)。

駄文ですが、よろしくお願いします。

*目次
1.追いかけられる側の立場
>>1
2.虹色デイズ
>>2
3.空色プラネット
>>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10 >>11 >>12
4.虹色デイズ2
>>13 >>14
5.空色プラネット2
>>15 >>16 >>17 >>18

*登場人物
鈴木愛
新堂蓮

*他作品
・恋乃手紙
・桜庭中学1年の日常〜会話文だけで紡がれた物語〜

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Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.4 )
日時: 2015/04/24 06:38
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)

蓮は、小学校でサッカー部に入ったらしい。
しかも運動会でリレーの選手らしい。

蓮と愛は、時々しか会えなくなったが、愛は幼いながらも、あからさまに変化を感じていた。

蓮の黒く焼けた健康的な肌、足にちょっとばかり筋肉もついてきたようだ。
だが、後ろ姿は相変わらず変わっていない。
愛より一段低い肩の線。

たった1歳しか違わないはずなのに、何だか大人になっていく蓮を見て、愛は「早く小学校に行きたい」と思った。


…時は経って、愛も小学6年生となった。
幼稚園の頃と似たような気持ちを抱いている。
近所で、普段はよく遊び、仲もいいはずなのに、学年・学校が違うだけで、こんなに虚しくなるものか。

蓮は、中学に入学し、陸上部に入った。
どんどん離れていく友達を、愛は、止まってほしい、とさえ思った。
自分の背負っているランドセルさえを恨めしく思った。

『待ってよ。』

愛は、中学に入学するのが、待ち遠しかった。

Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.5 )
日時: 2015/04/25 07:22
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)

イヤホンから流れるボカロの曲。

機械的で正確で、だけども、どこか、人間らしさを感じる声。

声はイヤホンを通して、愛への耳へと流れる。

キリっとした目。
短く切った、栗色の髪。
薄く小麦色をした肌。
イヤホンが収まる、小ぶりな耳。
細い脚についている、強固な筋肉。

いかにも、運動ができそうな、愛の見た目。
しかし、実際は、アニメと漫画に興ずる、若干二次元寄りの女の子。
まあ、運動も、とてもできるが。

いよいよ今日から、愛は学校生活本番!なのだ。
昨日は、入学式が行われ、今日から、授業も仮入部実施期間もスタート。

やっぱ、陸上部でしょ。

もうスパイクも買ってしまった。
校庭は土だから、あんまり使わないと言うが。

愛は陸上部に入りたくて仕方がない。
走ることが好きだからだ。

だけど…。

愛は、自分よりちょっと低い、だけれど、がっしりした肩の線を思い浮かべる。

今まで、追いかけてきたんだから。

さっきよりも、日差しが強くなった。
愛は席から立つと、イヤホンを外し、まだ着慣れない制服を着始めた。


Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.6 )
日時: 2015/04/25 18:45
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)

「剣道部に入りませんかー」
「吹奏楽部へ来てくださぁーい。気になった方は音楽室へどーぞ」
帰りの玄関で鳴り響く、勧誘の声。
その人混みの中を愛は激走する。

「そこの1年生、バスケ部はどう?」
気の強そうなバスケ部の女子に、愛は誘われる。
「いや、もう、一応決まってるので…」
「まあまあ、そう言わずに見学だけでも。」

「いや、ほんと、すみません!」
愛はそう言いながら、バスケ部の横を駆けていく。

「早!」
バスケ部の女子が驚きに口を開ける暇もなく、愛は玄関前廊下を猛ダッシュ。

そして靴箱へとFinish!

「そ、そこの1年女子、何部に入る気ですか?」
バスケ部が敬語で愛に問う。
「陸上部!」
愛はハッキリと言い切る。
「り、陸上部……」


「り、陸上部はた、大変…いや、健闘を祈っています!」
??

『健闘を祈る』
一体どういうこと?
普通の陸上部でしょ?

愛は疑問に思いながらも、ランニングシューズを靴箱から取り出し、履くと、靴紐をしめた。


今から行く部活が、“ある意味”校内一すごい部活だとは、思いもよらず、
愛は部活とそこに居る幼なじみに思いを馳せるのだった……

Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.7 )
日時: 2015/04/26 19:15
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)

愛が、体験したとき、陸上部はいたって普通の部活だった。
ちょっと変わった点は、2年生に幼なじみの蓮以外に男子がいない、ということだけだった。

「体験の1年生ー!」
快活そうな2年生の女子の先輩が、声をかける。
「今から、体験、ということで、いっしょにランニングした後、体操して、ハードルをやってみよーね!」
元気で、素敵な先輩だった。

つまずきながらも、ハードルの体験を終え、次は走り幅跳び。
「今から、この男子の2年生が教えてくれるから、頑張ってね。」
語尾に☆がつきそうなほど、明るい先輩は1年生を男子の先輩に任せ、どこかへと消えた。

男子の先輩・蓮は、やっぱり愛より身長が低かったけれど、「先輩」って感じがした。
「走り幅跳び、小学校でもやったことあるかな?」
見た目にそぐわない、おっとりとした口調。

愛たち1年生は小さく頷いた。
「うん、やったとしても、きっと、ちょっとやった、っていう感じだと思う。」
蓮……先輩は微笑んで言った。
こっちを見て言っているような気がして、ドキッとした。
少しだけ、赤面する。

「じゃあ、やって行こうか。」
少し長めの前髪を撫でつけながら、蓮先輩は言った。
そして、あっという間に時間は過ぎて、部活終了、の時刻となった。


Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.8 )
日時: 2015/04/27 06:39
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)

「愛!」

帰ろうとしていた愛に向かって、呼び止める声。

「愛、やっぱり陸上部に入るの?」
蓮先輩の声だった。
「うん、そうです。」
顔を見て話すと、やっぱり恥ずかしい。
幸い、薄暗かったから、顔は見えていないと思うが…。

「愛、なんで敬語?」
少し冷たいような声だった。
「え?」

「先輩だから、です……」
「前まで、普通にタメ口だったじゃん?」

今、愛は気づいた。
たった少しの差が、学校では大きな差。

「俺たち、たいして歳、変わんないし。」

きっと、知らないんだ。
私と蓮の差、私の気持ちなんて。

「蓮には分かんないよ!」

愛はそう言い放つと、走って帰って行った。



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