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summons! 閲覧数100超感謝です!
日時: 2015/12/17 17:40
名前: しずく (ID: LTX6Bi5r)

こんにちは。しずくです。
まだ何も書いていなくてすみません。
一応本作の主人公の名前を書いておきます。

汐瀬 拓斗(しおせ たくと)

超現実派の高校生。


…です。
カオスな設定ですが、よろしくお願いします

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Re: summons! ( No.1 )
日時: 2015/11/14 14:09
名前: しずく (ID: LTX6Bi5r)

プロローグ〜現実派高校生の視点〜

「…でさ、もうクリアだーって時に、さっき倒したはずのラスボスがまた出てきちゃったわけ!」
「ふーん。で?」
さあて、大嫌いな数学の復習でもやるか…。
「あっという間にパーティーの回復役がやられちゃってさ。もう大ピンチってわけよ」
「へぇー。で?」
ふむふむ、XはYに比例するか…ってこれ関数の事じゃねぇの?
「でもさ、ラスボスがもう一体ってあり得ねぇだろ?なんかよりにもよって、バグっちゃったみたいでさぁ!」
「あっそう、よかったね。で?」
Y=aX?なんだこれ、数学なのに数字のひとつも入ってねえぞ。
「それで————ってちょっと待てよ拓斗!おまえ絶対に話聞いてないだろ!」
「当たり前だろこのゲームオタクが。何で俺が、興味もないファミリーコンピューターゲームの話を聞かなきゃいけないんだよ」
聞き流されて怒るゲームオタ——いや親友の新井涼太に、俺———汐瀬拓斗は冷ややかな返事をかえした。
さて、このバカのせいで紹介が遅れてしまった。
さっきも言った通り、俺の名前は汐瀬拓斗。涼太いわく、『超現実派』の男子中学生だ。
で、このうるさいやつが、自称『神』のゲームオタ————親友・新井涼太。
こいつは小学校のころからゲームをしまくってて、攻略していないゲームはないんだそうだ。
こんな奴の言う『現実派』だ、多分俺はいたって普通の中学生なんだろう。
数学の教科書をまじめに読む俺を、涼太が哀れみの目で眺めてくる。
「お前、ただでさえゲーム全くしてないんだから、話ぐらい聞けよ!お前いつか後悔するぜ——あぁ、あの時DSやってりゃなぁ…って」
「お前はすでに後悔する要素でいっぱいだろうが。だいたいな、DSなんかやってたら、勉強が疎かになるんだよ」
————————————そう。
実は俺、ファミコンもDSも3DSもどーもりもおいもりもトモコレも————全てのゲーム類を一度もやったことが無いのだ。
いや…そりゃあ、
「お前、ゲームやらねぇと腐るぞ!?」
と、心配した涼太に押し付けられて、何回かはやってみたよ?
でもな—————なんか、楽しいと思えないんだよなぁ。
別にこんなのクリアしたって、クリアしたのは俺ではなくマ○オとかいう知らないおっさんなんだし、ああいうの結構高いから、金の無駄じゃん?
ゲームってあんまり意味ないじゃん?
———という俺の理論は、涼太に何回話しても理解されない。
逆に、
「それだからお前は『超現実派』なんだよ!」
と決めつけられてしまった。なんなんだ。
俺は現実派なんじゃなくて、普通の中学生なんだと思う。多分、あのゲームオタクの方が変なんだ。


皆も、そう思うだろ?————ゲームなんて意味がないって。


「…てか涼太、そろそろ塾の時間じゃねぇの?」
そういって俺が見上げた時計が指す時間は、もう放課後の終わり頃だ。
たしか先週まで、こいつは塾に行っていたと思うんだが…。
が、当の涼太はあっさり否定した。
「あぁ、塾?やめたよ、あんなもん。だってゲームが疎かになるじゃん————てか、『疎か』ってどーゆー意味?」
—————バカかこいつは。まぁ知っていたが。
こいつのゲームと勉強の優先順位が違うのは、ずいぶん前から知ってた事だ。
「意味くらい自分で調べろ。じゃあ、俺はもう帰るから」
諦めて立ちあがると、教室を出る俺。
なぜ涼太と一緒に帰らないかと言えば、道が違うからである。
「なぁ拓斗!お前————そのままだとマジでクラスで浮くぞ!?」
出る寸前に聞こえた涼太の言葉は、聞き流したつもりだったがしっかり耳にはりついた。
—————どうでもいいだろ、クラスで浮いたって。オタクのお前の方が浮くんじゃないのか?
言おうと思えば言えたはずのその言葉が、ひっかかって言えなかったのはなぜだろう。
———————怖いのか?
テストで低い点を取るより、就職難におちいるより————クラスで浮くことの方が、俺は怖いのか?
肌寒い風の中を歩きながら、思わずつぶやく。
「————————まさかな」
そんなはずない。そんなわけない。
あのバカな涼太じゃあるまいし——————。
でも、ちょっとだけ、少しだけ———「なんかゲームやっておこうかな」と言う気になったのは気のせいではなかった。

Re: summons! ( No.2 )
日時: 2015/11/14 14:27
名前: しずく (ID: LTX6Bi5r)

「ただいまー…」
自分でカギを開けて、考え事をしながらリビングに入る、が。
『私には、あなたが必要なの…っ!お願いタクト君、彼氏になって?』
—————帰って来てすぐ、こんなアニメ声をくらうとは思わなかったな。
「もちろんYESよぉ、ミレイちゃん☆…って、あら拓斗、お帰りなさい」
美少女ゲームに話しかけていた母・理恵が、俺を見てニヤッと笑う。
どうやらたった今、キャラクターを「落とした」ようである。
「良かったわねぇ、拓斗!なかなか良い彼女をゲットしたわよ〜」
「それはゲーム内の話だろ。ってか、主人公を俺の名前に設定するのいい加減やめろよ」
むろん、母が性同一性障害なのではない。れっきとした女性なのに、美少女恋愛ゲームを堪能している理由————それは、ただ単に『アニメの女の子が好き』なのである。
…自分の母とはとても思えないが、仕方ないモノは仕方ない。
「いい加減にあなたも、ひとつくらいゲームしてみたらどうなの?楽しいわよ」
「楽しく思えないんだから仕方ないだろ」
ええー残念、と母は残念そうな声を上げたが、また再びゲームの世界に戻って行った。
「じゃあ…次に落とす子は、リンちゃんで決まりね!」
まったく。毎日こんなアニメ声を聞かなきゃいけないんだから、こっちもけっこう苦労するのだ。

Re: summons! ( No.3 )
日時: 2015/11/19 17:55
名前: しずく (ID: LTX6Bi5r)


…さて、ようやく静かな空間に来れた。
静かな空間(つまり俺の部屋)に入った俺は、ドアも閉めずにベッドにダイブした。
涼太によると、なんか悩んだときとかは、ベッドにダイブするといいらしい…のだが、あまり効能はない。
残念ながらどうせコレも、どっかのアニメかなんかからの引用なんだろうな。
そしてもうひとつ残念ながら—————俺はそういった世界を全く知らないのだ。
『お前—————そのままだと、マジで浮くぞ!?』
涼太の声が急に出てくる。
『いい加減にあなたも、ひとつくらいゲームしてみたらどうなの?』
母の声も出てきた。なんなんだ、まったく——————せっかく静かな空間で悩もうと思ったのに。
そこまで考えて俺は、自分の悩み事がまさに「それ」であることに気がついた。
(…何やってんだ俺。まだ———あんなオタク達の言うことに執着してんのか…)
消そうと思っても消えない、この感情はなんだろう。
オタク達の言葉を脳内で反芻している、らしくない俺は一体————————————

ガシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!


とんでもない破裂音に思考を破られて、俺は慌ててはね起きた。
「はぁっ!?」
何だ今の————と目を向けた先には、跡形もなく割れている俺の部屋の窓ガラス。
おいおい何があった窓ガラス。一体何が乱入して来—————!
「—————っ!誰だよお前!?」
足元に転がっていた「乱入者」に気づき、慌てて飛びのく俺。
こいつか。
たぶんこいつが、ここのガラス割って来たんだな?
「…いったぁ〜……」
って、喋った。よく生きてるな。
のろのろと起き上がった乱入者——否、変な格好の少女——は、言葉もない俺を見て困ったように笑って見せた。
「…あ。えーと、ごめん。———杖の操縦ミスっちゃったぁ」


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