コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 恋花火—ひと夏の恋—
- 日時: 2017/08/30 02:10
- 名前: Aika (ID: 0otapX/G)
*:+;-prologue-;+:*
パッと咲いて
切なく、 鳴り響く花火の音。
隣には。
愛しい君がいて…
この手を離したくない。
そう思っていた、のに———。
その願いは叶わなかった。
***恋花火—ひと夏の恋—***
更新start→2016.6.11
更新end →
<<目次>>
登場人物紹介>>1
@1:止まった時間
第1話>>2 第2話>>3 第3話>>4 第4話>>5
第5話>>6 第6話>>7 第7話>>8 第8話>>9
第9話>>10第10話>>11 第11話>>12 第12話>>13
第13話>>16 第14話>>17 第15話>>18 第16話>>19
第17話>>20 第18話>>21
@2:絡み合う想い。
第19話>>22第20話>>23第21話>>24第22話>>25
第23話>>26第24話>>27第25話>>28第26話>>29
- Re: 恋花火—ひと夏の恋— ( No.5 )
- 日時: 2016/06/18 11:40
- 名前: Aika (ID: WRt4rHcu)
episode4:七夏の好きな人。
"今"と"過去"
あなたは、 どちらを大切にしますか———??
****************************************************
「空!!おはよ」
朝。いつも通り、教室の扉を開けると
七夏が笑顔でそう言って、駆け寄ってきた。
昨日のわたしの話を気にしていない様子だったので
わたしはとりあえず、ホッとして挨拶を返した。
「おはよー!!青葉も輝も海里もまだ来てない感じ??」
何気なくそう聞くと。
急に七夏が困ったような感じになる。
「いやぁ…それがさぁ…」
明らかにそわそわしている感じの七夏に問いかける。
「なんかあったの??」
すると、七夏は声の音量を下げて
わたしの耳元でこそっと言う。
「実は…海里が隣のクラスの女子に呼び出しされてて…」
えっ??
嘘、それって———。
「告白ってこと??」
「だよねー…やっぱり空もそう思うよね…うちらもそうじゃないかって思って、今、青葉と輝が聞き耳立てに行った所」
「あははっ…まぁ、海里は顔も格好良いしサッカー部の期待のエースだしモテるよね」
何気ない感じでそう言うと。
七夏の表情が一瞬だけ暗くなった気がした。
見たことのない表情にわたしは心配になって———。
「七夏??……どうかした??」
思わず、そう聞いてしまった。
すると七夏はハッと我に返っていつもの明るい調子で口を開いた。
「うっ…ううんっ!!全然どうもしてないよっ!!ごめんね、ちょっとボーっとしてた」
明らかに挙動不審で。
いつもの七夏と違う———。
はっきりとそう思った。
「確かにねー…海里、見てくれだけは良いもんね!!近いうちに彼女、できたりして!!」
表面上はいつもの明るい感じだけど——。
でも、どこか無理をしているようにも見える。
そんな七夏の様子を見ていて———。
「七夏…」
気づいてしまった。七夏の想いに———。
「ん??」
震える声で。
わたしは、 聞いてしまった———。
「———もしかして、 海里が…好きなの??」
瞬間。
七夏が真っ赤に頬を染めた。
そんな七夏を見て。
わたしは笑顔を見せた。
七夏は慌ててうろたえながら
まくし立てる様に言う。
「そっ…空!!言わないでよー!!絶対に誰にもっ!!!」
「言わないよー…七夏の大事な気持ちだもん。陰ながら応援してる」
そうやって返すと。
七夏は嬉しそうにわたしに抱き着いてきた。
「ありがとぉぉぉ!!!!空も好きな人と結ばれるといいね」
好きな人と…結ばれると、いいね、か。
その言葉は、 少しだけ心にチクンと痛んだけど。
わたしは精一杯の笑顔を見せながら。
「ありがと———」
か細い声でそう言った。
「ごめん。七夏、ちょっとトイレ行ってくる」
「あっ…うん。行ってらっしゃい」
教室を出て。
勢いよく廊下を早歩きで駆けていく。
頭の中では、色々な思いが溢れてくる。
——七夏は…きっと、海里と上手くいくと思う。
でも。
わたしの恋は、
きっと… 二度と結ばれることはない———。
そう思った瞬間。
じわぁっと目頭が熱くなった。
——そうやって、 現実が見えていたから。
だから。
苦しくなる————。
「どうしたら… 貴方を忘れられる———??」
誰に対してでもなく、
ざわついた廊下の喧騒の中で。
わたしは一人…そう呟いた。
- Re: 恋花火—ひと夏の恋— ( No.6 )
- 日時: 2016/07/05 00:15
- 名前: Aika (ID: EgZaKOI3)
episode5:恋愛と友情の違い。
期末テストも慌ただしく過ぎていき
明日から長い夏休みが始まる。
部活に所属していないわたしにとっては
本当に退屈に感じる期間だ。
「空っ!!夏休みの予定なんかある?」
帰る支度をしていると。
横からいつもの明るい声のトーンで話しかけてきた男子がいた。
その声の方へ顔を向けると。
そこには、無邪気な屈託のない笑顔を見せる…海里の姿があった。
わたしは、少しの間の後。
海里に言葉を返した。
「ううんっ!!わたし帰宅部だしなーんも予定ないや。海里は部活でしょ??」
「ああ、まぁそうなんだけど…さ。その…夏祭り行かない??」
「え…??」
予想もしていなかったこと。
海里からの夏祭りのお誘いだった。
夏祭り…かぁ。
そういえば
蛍と2人で行ったっきり
誰かと、なんて行ったことないや。
でも。
なんで海里はわたしなんかを誘うのかな。
わたしなんかよりも、七夏とか青葉とか輝とかを
誘った方が絶対楽しいのに。
と、いうか…
海里と二人っきりは七夏に罪悪感を感じるし。
わたしは、少し考えてから返した。
「七夏と青葉と輝も行くなら行く」
「ええー!??」
そう答えた途端。
落胆したような海里の反応が返ってきた。
あれ??
わたし、何か駄目なこと言ったかな。
「あの…海里??もしかして、みんなで行くのは嫌だったり??」
「あっ…いや…そういうんじゃないから!!俺の方こそごめんな。空は俺と2人は嫌、だよな」
あれ?なんか勘違いされてる。
わたしは、そんな海里に誤解を解くための言い回しをした。
「あの、違うから!!海里と行くのが嫌なんじゃなくて…みんなで行った方が楽しいって思ったからであって、決して海里が嫌なわけじゃ」
「あははははっ!!」
捲し立てるように言っていると。
その声を遮るように
海里の笑い声が重なった。
そして、優しい声で言う。
「だーいじょうぶだって。分かってるから。…だよな、お前はそういうやつ、だもんな」
そんな事を言いながら。
わたしの頭に優しく触れる彼の手が。
すごく暖かくて。
不思議とわたしは安心してしまい、心地よく感じた。
蛍が好き。
それは、今でも変わらない…のに。
なぜか、海里にドキドキしている、そんな自分に戸惑ってしまった。
「あのっ…じゃあ、わたし青葉とか七夏に予定聞いてみる!!」
「オッケー!!俺も輝に聞いてみるわ」
「じゃあ…また、LINEするね」
「おうっ!!じゃーな」
逃げるように。自分のスクールバッグを肩にかけて
急いで教室から出ていった。
廊下を小走りぎみに駆けていく。
———違う。
確かに触れられてドキッてした。
でも、そんなの男の子にやられたら誰だってドキッてするし。
蛍の時とは違う。
違う。違う。
これは、 恋なんかじゃない———。
そうだよ。
海里とわたしの関係は変わらない。
友達のまま、だもん——。
海里とは、今のこの関係が丁度良い。
きっと、海里だって…同じように思っているはず。
そうだよね?海里———。
- Re: 恋花火—ひと夏の恋— ( No.7 )
- 日時: 2016/07/07 01:06
- 名前: Aika (ID: EgZaKOI3)
episode6:夏祭りの約束。
夏休みが始まって1週間が過ぎた頃。
わたしは、今日…青葉と七夏とまったりお茶をして遊んでいます。
「でねっ…その時に海里のやつがさー」
楽しそうに海里の話をする七夏を見ていると
少しだけ羨ましいと思う。
すぐ近くに、好きな人がいること———。
会いたいと思えば、会える距離に愛しい人がいること———。
わたしは、カフェモカの入ったカップを力強く握った。
嫌だな、 何考えてるの?わたし———。
素直に七夏には、海里とうまくいってほしい——。
そう思っているのに。
なのに。
なんで———?
「空?…どした??」
「何か今日、元気なくね?」
黙ったままのわたしを不審に思ったのか。
二人が心配そうにわたしの顔を見ていた。
わたしは、はっと我に返って焦って否定した。
「ううんっ!!何もない。ちょっとボーッとしてただけだから」
笑顔でそう返すと。
二人は安心したように言う。
「そう?なら、良かった」
「何か悩みあったら何でも言いなよ??うちらでよければ聞くし」
「あ、でもマトモなアドバイスはできないかも」
「おい、七夏っ!!」
やっぱり、二人とも優しいな———。
わたしは、その言葉に大きく頷いて。口を開いた。
「ありがとう。でも、本当に大丈——」
ブー…ブー…
そう言いかけたとき。
スマホが勢いよく鳴って。
スライドして確認すると。
海里からLINEが来てた。
『輝、夏祭りOKだって(^-^)青葉と七夏は来れそう?』
あ…。そういえば、まだ二人に聞いてなかった。
丁度良いし、今聞こうかな。
「あのさ、二人とも」
声をかけると。
二人がわたしの方に顔を向けた。
それから、わたしは微笑みながら聞く。
「輝と海里とわたしと青葉と七夏の5人で夏祭り、行かない??」
すると。
二人は少しだけ間を開けたあと。
同時に口を開いた。
「「もちろん、行く!!」」
■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □
海里side
「海里ー…いつまでスマホ眺めてんだよ」
輝が俺の部屋で漫画を読みながら
呆れたような視線を向けてきた。
俺はそんな輝に言い返す。
「うっせーな!!最近、ハマってるアプリがあってだなー…」
「そんなすぐに、空からLINE返ってくるわけないっしょ」
「輝…お前人の話聞け。別に空の話とかしてねーから」
まぁ、確かに?
輝の言うとおり、俺は空からのLINEが気になって
こうして、携帯をいじっているわけですが。
「海里はさぁ…空とこのままでいいの?」
不意に。
そんな事を真面目に聞いてきた輝に。
俺は唖然としてしまった。
「好きなんだろ?告白とか…しねーの??」
その言葉が。
重く、深く…俺の心に突き刺さった。
俺だって、告白しようって思ったことはたくさんある。
——だけど。
あの日。
『空ってさー…好きなやつとかいんの?』
何気なく。深い意味なんかなさそうなスタイルでそう聞いた日があった。
その時の空の反応は。
分かりやすいぐらいに動揺していて。
笑えるぐらいに、面白かった。
そう思った反面。
好きな人の存在に、もやっとした俺。
誰なのか、結局分からないまま——。
言いたくなさそうだったから本人には何となく聞けずにいた。
青葉と七夏も知らなさそうだった。
だから、当然俺なんかが知るよしもない。
「あのなぁ…告白とか簡単に言うけど…空には好きな奴がいるんだぜ?フラれるの目に見えてんだろ」
「そんなの分かんないじゃん。…もしかしたら空の好きな奴が海里っていう可能性もまだ残ってるし」
それは、確かにそうかもしれねーけど。
俺はなぜだか…空の好きな人は
自分じゃないっていう確信がどこかにあった。
どうしてだかは…うまく、言えねーけど。
何となくそんな気がしたんだ。
- Re: 恋花火—ひと夏の恋— ( No.8 )
- 日時: 2016/08/01 18:13
- 名前: Aika (ID: qVn3SWv8)
Episode7:七夏の決意。
「そういえば…改めて考えるとうちら、5人で出掛けるのってあんまないよね」
青葉が何気なくそう言った。
その言葉に七夏も頷いて答える。
「あっ、確かに。青葉たちはいつも部活で忙しいもんね」
「夏休み中もいっぱい部活入ってんでしょ??」
わたしがそう聞くと青葉は頬を軽くかきながら答えた。
「まぁねー…まぁ、大会もあるし仕方ない。あとさー七夏ー」
「んー??」
青葉がニヤニヤとしながら七夏に聞いた。
「いつになったら、海里に告るのかな??」
「ぶぅっ!!!??」
その言葉に七夏は勢いよく飲んでいたミルクティーを盛大に吹きだした。
「ゲホッ…あっ青葉!??突然何を仰っているのかなぁー。だっ…大体アイツこの前、他の女子に告白されてたしその子とつき合ってんじゃ」
「つき合ってないよ」
青葉の即答にわたしと七夏は目を丸くした。
それに構わず青葉は続けて言う。
「海里が他に好きな人がいるからごめんって…断ったらしいよ」
えっ…海里って
他に好きな人がいるの———??
「嘘…海里、好きな人…いるんだ」
曇りはじめる七夏の表情。
いつも明るい七夏がこんな顔、するなんて———。
よっぽど海里が好きなんだな…。
「そっ…っそれだったら、尚更海里に好きなんて…言えないよ!!好きな人がいるのに…困らせたくない」
「じゃあ…このまま平行線でもいいの??」
「っ…それはっ…」
なっ…なんか、今日の青葉はやけに七夏に厳しい気がする。
どうしちゃったんだろう…。
「たとえ駄目だったとしてもさ…好きって言えば何かが変わるかもしんないよ。海里だって七夏のこと、意識すると思うし。それに二人はお似合いだとも思うし」
青葉———。
青葉の言葉にわたしも小さく頷いて七夏と向き合った。
「わたしも告白、頑張ってほしいな。…きっと七夏なら上手くいくと思うし」
これは素直な気持ちだ。
なんだかんだで海里と七夏は二人でいるとき、楽しそうだし。
絶対両想いだと思う。
だから。
そう思っていると。
七夏が決心したように
力強く口を開いた。
「——ありがとう、二人とも。…あたし、海里に告白してみる」
この時のわたしは。
ただ、 大丈夫だろうって。自信満々にそう感じていて。
海里の方の気持ちなんか、 全く考えていなくって。
最悪の夏祭りになることを
この時は、 1ミリも考えていなかったんだ。
- Re: 恋花火—ひと夏の恋— ( No.9 )
- 日時: 2016/08/02 23:14
- 名前: Aika (ID: qMXr7W56)
Episode8:夏の夜、動き出す恋。
わたしは、 いつも蛍のことしか頭になくて
周りの人の…一番近くにいた
貴方の想いに…何も気づけなかった———。
□ ■ □ ■ □ ■ □
夏祭り当日。
浴衣の着付けに時間がかかって
わたしは、小走りで待ち合わせの場所に向かっていた。
息を切らしながら
待ち合わせ場所に着くと
そこには、七夏以外、みんな揃っていて笑顔で手を振る姿が視界に映った。
わたしは、みんなの元へ寄っていって
頭を下げて謝った。
「ごめん、遅れた!!思ったより着付けに時間かかっちゃって———」
「いいよ、いいよー!!うちらも今来たところだし」
「それで、七夏は??LINEだとみんないるって聞いたのに——」
「あー、七夏はトイレいってるから先、まわってていいよって」
「ふーん、そうなんだ」
そんなやりとりをしていると、
青葉が明るいテンションで話を切り出した。
「じゃあ、空も来たことだしどっからまわる??」
「あー、腹へったしなんか食いたい」
「あ!!あたし、たこ焼き食べたーい」
「おー、いいね!!行こうぜー」
青葉と輝のそんな会話にわたしがクスッと笑っていると海里がわたしに耳元でこそっと言った。
「あの二人さぁ…結構良い感じだよな」
あ…やっぱり、わたし以外にもそう感じている人がいたんだ。
うん、確かにあの二人は怪しいな。
実際のところはお互いにどう思ってるのかよく、分かんないけど。
「だよね。…恋人同士みたい」
6個入りのたこ焼きを
二人で分けあっている姿を目にしながら
素直にそう感じた。
———『空っ!!』
瞬間。
ここには、いないはずの声が頭に響いて。
あの日の夏の思い出が頭の中にフラッシュバックする。
今、 ここに…貴方が
蛍が隣にいたら。
もっと…楽しいのに———。
「——ら、空っ!!!!」
「えっ…」
気がつくと。
心配そうにわたしの顔を覗きこむ海里の姿があった。
「どうしたんだよ、泣きそうな顔して」
いつもより、低い声のトーンで
そう言う海里に
わたしは、不覚にもドキッとした。
「ううん、何でもない。ごめん、少しだけ一人になってもいいかな??」
そう自分で聞いておきながら
わたしは、海里の返事を聞かないまま
捲し立てるように続きの言葉を紡いだ。
「海里はその…もうすぐ七夏が来ると思うから一緒にまわってあげな。わたしは一人で大丈夫なので!!」
「おいっ!!空っ!!!!」
後ろで、呼び止める海里の声を無視して。
わたしは、ただひたすらに無我夢中でその場から走り去った。
やっぱり、わたしはここに来るべきじゃなかった。
思い出してしまう。
ざわざわとした喧騒。
たくさんの人混み。
香ばしい屋台の匂い。
そして——。
———パァンっ…
夜空に咲く…花火の音。
嫌でも思い出す。
にじむ涙を手でぬぐいながら
我に返った。
——嫌…??嫌な…思い出、なのかな。
そうじゃない。
蛍との思い出はどれも楽しくて、一分一秒すごく大切でかけがえのない時間で——。
それなのに。
なんで。
こんなにも、 悲しい気持ちになるの——??
「空——」
振り返ると。
息を切らしたまま、真っ直ぐな瞳でわたしを見つめる海里がいた。
わざわざ、 追いかけてきてくれた??
わたしなんかのために———…。
「なんでっ…一人になりたいって言ったのに」
七夏と、いてあげなって言ったのに。
それなのに…どうして。
すると。
海里は髪の毛をかきむしりながら
そっぽを向いたまま照れ臭そうに言葉を紡いだ。
「なんでって…泣いてる女、放っておけねーだろ」
その優しさが。
わたしには、痛かった——。
それは、七夏への罪悪感だ。
だから、このまま…海里と二人でいるのは駄目だ。
「あの…海里。わたしは大丈夫だから七夏のところ、行ってあげて」
「お前…さっきから七夏と俺を二人っきりにしようとしてね??なんで??」
えっ…なんか、バレてる。
わたしはとりあえず、ごまかした。
「えっと、海里は七夏と一緒にいた方が楽しいんじゃないかなーと思いまして」
そう言うと。
海里が横で今まで聞いたことないくらいの
大きなため息を吐いていた。
あれ?わたし、何か変なことを言ったのだろうか。
「お前さぁ…それ、本気で言ってる??」
「うん」
「だよなー…空だもんな」
なんか、今…バカにされた気がする。
「もういいや。この際だからはっきり言うわ」
夜空に花火が彩るなか。
貴方はわたしの耳元でそっと呟いた。
「———俺は…空が好きだ」
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