コメディ・ライト小説(新)

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死なない君ともうすぐ死ぬ僕【完結】【感想、リク募集中】
日時: 2018/05/06 01:39
名前: シカライダー (ID: SsbgW4eU)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12248

こんにちはシカライダーです。


今回はちょっとだけシリアスで非日常な恋愛ものを書いてみたいと思います。
恋愛もシリアスな雰囲気も苦手なんですが、一生懸命書きますので読んでいただけると幸いです。
感想とか頂けたら死ぬほど喜びます。


次作品のリクエストなどもくださるとうれしいです。

Re: 死なない君ともうすぐ死ぬ僕 ( No.15 )
日時: 2018/05/05 23:42
名前: シカライダー (ID: SsbgW4eU)

それから僕は病院で生活することになった。
彼女のいないひとりだけの空間は、ただただ退屈だ。

「やっほーお見舞いに来たよ、あなたっ」

彼女の声だ。
声のする方向に目を向ける。
彼女の左手の薬指にはしっかりと指輪がはまっている。

「いつもありがとね」

「何をいまさらっ」

彼女はにこっと微笑む。
僕は、もうすぐ死ぬだろう。
自分で分かっている。
おそらく、彼女も分かっているだろう。

しばらく病院生活を送り、久しぶりに家に帰れる日。
なぜかその日は彼女が来なかったのだ。
まぁ彼女のことだから久しぶりに家に帰れる僕にサプライズでも用意しているのだろう。
そう思い、家に帰る。

帰っていると、家の方向に煙が上がっているのが見えた。

僕は走った。
病気の事なんて気にもならなかった。
とにかく走った。

何かあっても彼女は死なない。
分かっているはずだ。
それなのに、なぜこんなにも必死に走っているのだろう。
なぜ、こんなにも嫌な予感がするのだろう。

家に着く。信じたくない。
僕の、僕らの家が燃えていた。

消防車の人たちが火を消している。
周りをいくら探しても、彼女はいない。
いくら叫んでも、彼女は出てこない。

「冗談だろっ…!!冗談って言ってくれよ春っ!!!」

僕は訳も分からず火に飛び込んだ。
彼女に会うため。もう一度、彼女と会うために。
僕の体は、『火など全く気にせずに』家の中を進んでいく。

この時の僕は分かっていた。
でも、信じたくなくて必死に彼女の名前を叫んで走った。

Re: 死なない君ともうすぐ死ぬ僕 ( No.16 )
日時: 2018/05/06 00:38
名前: シカライダー (ID: SsbgW4eU)

さて、この作品もいよいよ終わりです。

ラストシーンは、この作品を書き始めた時から決めていたもので、自分でも一番気に入っているシーンです。
うまく文章にできるとは言ってませんよ…←

ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました!

それでは、最終話、どうぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

__________________________________________________________________________________________

炎の上がる中で、彼女を見つける。

「春っ!」

「…ん…」

彼女の意識はすでに朦朧として、いつものような姿ではない。
体中に火傷がある。

「…ねぇ…あなた……いや、神谷…くん…」

彼女が力を振り絞り言う。

「春、しゃべるな!今助けるからな!」

「…ううん、いいの。私は…もう助からないよ…」

「ふざけたこと言うなッ!」

指輪のついた彼女の手が、僕の頬にそっと触れる。
彼女のきれいな瞳には、涙があふれている。
僕の涙も、彼女の手を伝い、こぼれていく。

「神谷くん…私ね…幸せだったよ…君と、出会って。いろんなことをして…君が白黒だった私の世界に…色を付けてくれた…。私の世界に、たくさんのエラーをくれた…君と出会えて、本当に幸せだった…」

「春っ…」

彼女の手を強く握る。

「…神谷くん…本当に愛してるよ…私の一番大切な人……ずっと、一緒だよ…」

彼女の手から力が抜けていく。

「…死なない君…と、もうすぐ死ぬ私で最後のやくそくを…しよう…」

「…あぁ…」

「…神谷くん…毎週日曜日…お仕事休みだよね……どーせ暇でしょ…?遊びに来てよ…お墓に…。…けってい、ね…」

にこっと微笑む彼女。
僕は、答えた。
他の人からしたら、お墓参りにこんなことを言うのは不謹慎かもしれないが。
僕は彼女にはっきりと言った。
その言葉を聞いた彼女はにっこり笑って、息を引き取った。


『…楽しみだね』








それから数ヶ月、僕は病気なんてなかったかのように働いている。
そう。あの家事のあった日、僕は不老不死になった。
死にたいなんて思ったのは初めてだ。
だが、彼女の為にも生きようと思う。

今日は日曜日。燦々とした太陽が、僕の健康な体に光を当てる。
いつものように支度をして、家を出る。

彼女の墓の前に着く。
目を閉じ、彼女との出来事を思い返す。

そして彼女の墓の前に座り、イチゴのかき氷を食べる。
彼女の墓にはブルーハワイが置かれている。

「…同じ味なのかな。春もどーぞ」

墓にあーんをするが、当然、誰も食べてくれない。

「…またあーんしにくるからね」





墓から車に戻ろうとしたとき、僕は振り向いて笑った。
彼女がにひひと笑ったような気がしたのだ。




世界が終わっても。
僕が死んでも。
明日が来なくても。

…やっぱり僕は。




「…君が好きだよ」





~END~

Re: 死なない君ともうすぐ死ぬ僕 ( No.17 )
日時: 2018/05/06 00:58
名前: シカライダー (ID: SsbgW4eU)

どうもシカライダーです。

『死なない君ともうすぐ死ぬ僕』はいかがでしたか?

自分としてはとても良い作品になりました!!

この作品にはたくさんのこだわりポイントがありまして…
例えば、一番初めのシーンの
『燦々とした太陽が、僕の脆い体に光を当てる』
そして、ラストシーンの
『燦々とした太陽が、僕の健康な体に光を当てる』

この二つみたいに、何度も出てくるセリフや、言い回しが何個かありました!
すべて見つけられたでしょうか?

最後まで読んでくださった皆様。
本当にありがとうございました!

よければ感想を聞かせてほしいと思っています。

次回作のリクエストや合作の依頼なんかもお待ちしております!



本当にありがとうございました!!!

それでは、しーゆーねくすとたいむっ!!!

Re: 死なない君ともうすぐ死ぬ僕【完結】【感想、リク募集中】 ( No.18 )
日時: 2018/05/06 02:22
名前: 菜瑠季 (ID: V9u1HFiP)
参照: .

突然お邪魔しますッ!←


先程はありがとうございました。


読ませて頂きました……!
とっても良かったです!

最後のシーンで泣きそうになってしまいました!

まるでもう……現実であった事かのようで……。


私の語彙力では表せませんが、
とても良いお話でした…………!


不老不死も、いい事ばかりじゃないんですね。

そんな事を、この純粋で心を惹かれる作品から
何度も何度も改めて思わされました。

二人にいつかもう一度、逢える日が来ますように。



そう、思わず思ってしまいます。

またこれからも頑張って頂きたいです。

とても素敵な作品をありがとうございます。

自分も頑張ります!

また是非見に来てやって下s((殴

では!

──菜瑠季──

Re: 死なない君ともうすぐ死ぬ僕【完結】【感想、リク募集中】 ( No.19 )
日時: 2018/05/06 02:45
名前: シカライダー (ID: SsbgW4eU)

>>>菜瑠季さん

コメントありがとうございます!

読んでいただき感謝の極みですっ!

最後のシーンは本当に力を入れて書かせてもらいました!!
というか、題名と最後のシーンが先に思いついて、ラストシーンに向かって書いた感じです。

現実にもこんな素敵な出会いがあるといいですね。
2人がこれで幸せだったのかは作者の自分でもわかりませんが…

不老不死というのは、長く生きれる反面、『死ぬ』というある意味大きな自由を奪われるので、菜瑠季さんの言うとおり、いいことばかりではないと思います。
そういう面も含めて、『不老不死』というのはとても惹かれるものがありますよね。

これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします。


菜瑠季さんの作品も応援させていただきます。
また見に行かせていただきますね!


この作品を読んでいただき、本当にありがとうございました!!!


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