コメディ・ライト小説(新)

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君は今、幸せですか。
日時: 2018/12/25 21:23
名前: いろは (ID: YhGf139Z)






君は今、幸せですか————?




☆彡

初めまして、いろはと申します。

初投稿です。更新が遅れることもあると思いますが、温かく見守ってくださるとうれしいです。
感想、アドバイスなど、大歓迎です!

Re: 君は今、幸せですか。 ( No.1 )
日時: 2019/02/26 19:23
名前: いろは (ID: cLGIc5Nq)

1、橋の下の孤児こじ

夏帆かほ、雪が降ってきたよ。寒くない?」
「大丈夫だよ、千尋ちひろ。」
石造りの橋の下に、二人の少女がうずくまっていた。
クリスマスの夜。
少女たちにはプレゼントは届かない。周りの人々は速足で家に帰っていく。
温かい家族が待つ家へ———。
「お母さんたちどこ行っちゃったんだろうね。」
夏帆が手足を息で温めながら言う。
「多分帰ってこないんだよ。」
千尋が橋に下がるしもを手でぬぐった。千尋はあきらめたように座り込む。
「ごはんを買いに行った時から何ヶ月たってる? もう……帰ってこないんだよ…。」
夏帆は黙り込む。
「でも……」
夏帆が笑みを浮かべた。
「千尋がいるもんね、大丈夫だよ。」
まだ幼さを残したその顔は無邪気むじゃきだ。
「うん、大丈夫。私たち双子だもん。ずーっと一緒だよ。」
千尋も夏帆に向かって笑顔を見せた。

12月25日12時59分59秒———。

事件が起こる。

Re: 君は今、幸せですか。 ( No.2 )
日時: 2018/12/26 14:53
名前: いろは (ID: j4gPq5EO)

その時、二人の耳につんざくような銃声が届いた。
直後聞こえる悲鳴。
「なに、今の?」
夏帆が青ざめる。
「行ってみよう。」
二人は橋の上に向かって歩き出した。
二人が見た光景は……血まみれの女性と、自分たちの足元に転がる拳銃けんじゅう
「助けて、助けて……!」
女性が崩れ落ちる。
「今の銃声はなんだ?!」
「わからないが……」
警察官たちは二人の姿を見つめた。
二人の足元に転がる拳銃。血まみれで倒れている女性。
「あの子供を捕まえろ! あいつらが犯人だ!」
一斉に周りの大人たちがこちらを見つめた。二人は生きてきた中で、これだけ恐ろしい人の目を見たことがなかった。
女性に対しての哀れみ。
二人に対しての怒り。
「千尋、これ……」
千尋はくちびるを強くかみしめる。
「行くよ、夏帆。」
千尋は夏帆の手を取った。夜の街を走り出す。
夏帆は千尋を見つめる。
「千尋……?」
千尋の瞳は涙でぬれていた。
「夏帆、ずーっと二人、一緒だよ。」
夏帆はうなずく。
小さな月明りが頼りなく見えた。

Re: 君は今、幸せですか。 ( No.3 )
日時: 2018/12/26 21:30
名前: いろは (ID: j4gPq5EO)

登場人物

千尋ちひろ

10歳。夏帆の双子の姉。
落ち着いた性格だが、病弱。

夏帆かほ

10歳。千尋の双子の妹。
賢いが、運動能力が低い。

Re: 君は今、幸せですか。 ( No.4 )
日時: 2018/12/29 08:57
名前: いろは (ID: j4gPq5EO)

☆千尋Side

そんなわけで、私たちは警察に追われる羽目になった。
最も、この国では事件というものが全く起こらない。
だから、子供の私たちでも、追われることとなったのだろう。
「千尋ー。パン盗んできたよ。」
夏帆の声がした。
盗むことがいけないとわかっているけれど。
そうでもしないと生きていけないんだからしょうがない。
私たちは、今は空き家で生活している。
誰にも気づかれないこの家は非常に使い勝手が良い家だ。
この家から移動しようと思っても、意外と住み慣れてしまっているようで、離れる意欲がわいてこない。
「コツッ」
ふいに窓になにかがぶつかった音がした。
「なんだろ。」
やっと外が見えるぐらいカーテンを細く開けて、外を見る。
そこには……


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