コメディ・ライト小説(新)
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- あやかし町【 第一期 第弍章 】
- 日時: 2021/09/01 03:23
- 名前: 鳴海埜(なるみや) (ID: gF4d7gY7)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=12684
時は平成。ビルが建ち並び、機械化が進む今、これはあやかしという、日本に古くから存在する"人成らざる者達"と"あやかしが見える"珍しい一人の人間との御話__。
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2019年 冬 コメディ・ライト小説部門で銅賞を頂きました。投票して下さった方々誠にありがとうございます。
2020年 冬 コメディ・ライト小説部門で金賞を頂きました。投票して下さった方々誠にありがとうございます。
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【 目 次 】
[ 詳細 >>01-03 ][ プロローグ >>04 ]
* 第 一 期 *
[ 第壱章 >>05-20 ]
第01話 >>05 第02話 >>06
第03話 >>07 第04話 >>08
第05話 >>09 第06話 >>11
第07話 >>12 第08話 >>14
第09話 >>19 第10話 >>20
[ 第弍章 >>21-30 ]
第11話 >>21 第12話 >>22
第13話 >>23 第14話 >>24
第15話 >>25 第16話 >>26
第17話 >>27 第18話 >>28
第19話 >>** 第20話 >>**
[ 番外編 ]
バレンタイン編 >>18
クリスマス編 >>
年越し編 >>
- Re: あやかし町 #8 ( No.14 )
- 日時: 2020/02/09 00:11
- 名前: 鳴海埜 (ID: 4mrTcNGz)
紅蓮樣へ
この度は感想ありがとうございます!!
楽しみにしていただけているなんて…とても嬉しいです!!(嬉泣)
応援ありがとうございます!!
これからも頑張ります!!
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#8【休息】
私は彼_御月さんに連れられて、とある食堂に来ていた。店名は【夜会】という。その店は、とても落ち着いた雰囲気の和風な店構えだった。メニューはごくごく普通の家庭料理がメインで、その為か、さっきまでの不安が少し薄れた。安心すると、腹は減るもの。まさにその通りにきゅるるる~…とお腹の虫が鳴いた。
「あッ、えッと、あ、あのッ…」
私は恥ずかしくなり、お腹を抱えうつ向いた。すると彼は、決して笑ったり、冷やかしたりせず、優しく声を掛けてくれた。
「何でも好きなものを頼んで良いよ。僕の奢りだからね。」
少し悪戯っぽく笑って、彼はそう言った。私は彼の言葉にまた少し安心し、お言葉に甘える事にした。
「じ、じゃあ…親子丼を……。」
私は消え入りそうな程の声で言った。
きっと彼は、そんな私の声でも拾って仕舞うだろうから。案の定、彼は聞こえていた様で、優しく微笑んで、親子丼の他にも何やら注文してくれた。
注文の品はすぐに届き、早速頂こうと箸を手に取り、チラッと彼の方を見ては、こちらに気づいた彼が微笑むのを見て、『いただきます』と言った。
親子丼は思っていたよりもとても美味しかった。てっきり、あやかし好みの味かと思ったが、私には丁度良かった。黙々と食べ続けていると、ふと、彼がこちらに話掛けてきた。
「咲奈は鬼神樣に会うのは…やっぱり怖い…?」
私は目を見開いた。私は、そんなに分かりやすい顔をしていたのだろうか。
正直に言ってしまえば、とても怖い。今すぐにでも元の世界に戻りたいと思っていた。私は図星を指され、戸惑いを隠しきれなかった。
「え、あ、いや…別に…。」
彼は、そんな私の様子を見て『もっともな反応だ』とでも言うように、微笑を浮かべて、小さく頷いた。
「さてと…、腹拵えは終わったし…宿へ行こうか。」
彼はそう言って、ゆっくりと立ち上がった。私も慌ててその後へ着いて行こうと立ち上がった。ただタイミングが悪かっただけかもしれない。私は立ち上がった瞬間に誰か(他の客のあやかし)にぶつかった。『終わった』私がそう思った瞬間、ぶつかってしまった相手から声を掛けられた。まさかと思ったが、無視するわけにもいかず、そちら_相手の方を向いた。私は言葉にならない悲鳴を挙げそうになった。
「大丈夫かい?人間の娘。」
相手はそう言った。返事を、返事をしなければ。そう思うのに喉から声が出ない。なぜだ、どうして。理由なんてとっくに分かっている。
誰が予期なんてするだろうか。
ぶつかった相手が鬼神樣だなんて_。
私がそんなことを考えている間にも、相手_鬼神樣は話し掛けてきていた。
「おい、人間の娘?どうした?」
私にはその声は聞こえていなかった。いや_鬼神樣だけでなく、誰の声も。
御月さんが驚いて、駆けてくる声も、
他のあやかしの客達の驚きのこえすらも聞こえないほど、私は混乱し動揺していた。そんな私が一つ確かに思っていた事。
『あぁ…終わった。喰われる。』
私の意識はそこで途切れた。本日二度目の気絶だった。
[第8話終] 次回へ続く。
- Re: あやかし町 ※アンケート実施中※ ( No.15 )
- 日時: 2020/02/11 12:59
- 名前: 鳴海埜 (ID: 8.g3rq.8)
読者様方へ_。
毎度、あやかし町を閲覧していただきありがとうございます。
2/14バレンタインに、バレンタイン特別編を書こうか迷っております
その為、読者の皆様に特別編に関しての希望調査を行おうかと思います。
アンケート締切【4/13 23:00 まで】
希望の方はコメントをよろしくお願い致します。
- Re: あやかし町 ※アンケート実施中 ( No.16 )
- 日時: 2020/02/11 13:47
- 名前: 紅蓮 (ID: D.48ZWS.)
鳴海埜さん、またまたコメント失礼いたします〜。
2/14の特別編…いいのではないのでしょうか!
ぜひぜひ期待してます〜。
- Re: あやかし町 ( No.17 )
- 日時: 2020/02/18 12:12
- 名前: 鳴海埜 (ID: Ga5FD7ZE)
*バレンタイン特別企画について*
バレンタイン編の件についてですが、
只今、体調不良が続いており、掲載出来て
おりません。誠に申し訳ありません。
※体調が整い次第、すぐ掲載する予定です。
バレンタイン編と共に、第9話も掲載する予定です。
読者の皆様、
もうしばらくお待ちください。
鳴海埜より
- Re: あやかし町【バレンタイン編】 ( No.18 )
- 日時: 2020/02/28 16:44
- 名前: 鳴海埜 (ID: u5fsDmis)
だーいぶ遅いバレンタイン編です((
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
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[バレンタイン編]※御月と再会前
__ピピピッ……ピピピッ…ピピッ…。
__2月14日6時30分_。
「んん……久しぶりに見たわね…」
昔の夢を見ていた様だ。目覚ましの音で目が覚め、欠伸を溢すと、ふと頬に手を当てると、薄らと湿っていた。
「そっか…今日は…バレンタインね」
そう呟いては、身支度を始める。
バレンタイン_それは一番の思い出。
_お爺様がまだ生きていた頃の話_。
「_ッとと、できたぁ~!お爺様ぁ~!」
今日はバレンタインだ。朝早くから起きては、チョコを使ったお菓子作りをしていた。作っていたのは[ミルク][ビター][抹茶]の三種類の生チョコだ。
出来上がったチョコをいくつか手に取り、お爺様の元へ駆けていく。するとお爺様は、嬉しそうに笑って、ありがとうと言った。そして、『御月にもあげてやってくれるか?』と言った。
私は、元々あげるつもりでいたため、
『もちろん!』と言い、御月を探しに家を飛び出した。
何分かして、いつもの神社に着いた。
鳥居の近くに彼は座っていた。私は、嬉しそうに彼の元へ駆け出した。しかし、足元を見ていなかった為、あと少しという所でつまずいてしまった。私は、『転んでしまう』そう覚悟し目を瞑った。だが、いつまでたっても痛みは来ない。その代わり、体を何やら暖かいもので包まれている事に気付き、慌てて瞼を開くと、私は彼に抱き止められていた。彼は優しく笑うと、心配そうに顔を覗き込んできた。
「大丈夫?ちゃんと足元見ないとダメだよ?咲奈。」
怪我をしていないと分かり、ほっとして、私は彼に抱き付き顔を埋め、少し恥ずかしそうに頬を染め礼を言った。
「ありがとぉ…みつきくん、…」
その後、無事チョコを渡せた。私は、満足そうにほくほくとした笑みを浮かべ、『またね』と彼に手を振り、帰った。その日が、お爺様が生きていた時の最後の思い出だ。そして__
_初めて異性にチョコをあげた日だ。
「_行ってきます、お爺様。」
玄関の写真立てのお爺様に笑顔を向け、玄関扉を開け、私はまた、新たな1日のスタートを切った_。
まさか、後に和国に行く事になるだなんて、この時は知りもしなかった_。
[バレンタイン編終]
如何でしたでしょうか。
楽しんで頂けましたでしょうか。
楽しんで頂けたのなら、幸いです。
では、また9話でお会いしましょう。