コメディ・ライト小説(新)

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ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜
日時: 2023/09/30 11:44
名前: ほのみん (ID: Yry.8Fde)

【登場人物紹介】

柴田美織しばたみおり・・・高2。“雑草のようにひっそり生きる”がモットー。戦国オタクで宮城出身ということ           もあって伊達政宗推し。彼氏いない歴17年だった。頭の良さから周りの人に「神童」と呼ばれているが、本人はコンプレックスに感じている。真面目なこともあって学級委員長に推薦され、学級委員長になってしまった。転入生である伊達政宗だてまさむねの世話をすることに。

柴田沙絵しばたさえ・・・高1。美織の妹。美織とは対照的に明るく、リーダー的存在。

熊野陽花くまのはるか・・・高2。美織の親友。美織と同様、戦国オタク。推しは直江兼続。

咲坂杏さきさかあん・・・高2。美織の親友。美織と同様、戦国オタク。推しは上杉謙信。

比留木貴史ひるきたかし・・・高2。美織が宮城にいた時代の幼馴染。繊細な心の持ち主で、俳句や短歌を書いては、写真に添えて美織に送っている。

伊達政宗だてまさむね・・・高2。美織たちの特進クラスに転入してくることに。料理や茶道、書道が好きなど文化人。喧嘩は強い。戦国武将の伊達政宗と似ているが、その正体は・・・?

武田信玄たけだしんげん上杉謙信うえすぎけんしん織田信長おだのぶなが豊臣秀吉とよとみひでよし徳川家康とくがわいえやす直江兼続なおえかねつぐ・・・政宗のいとこ。政宗と同様、戦国武将と似ているが、その正体は・・・?

【あらすじ】

柴田美織は横浜の名門校に通う伊達政宗推しの高二。中一の時に母を亡くしている。美織は、母の遺言通り、特進クラスに入るのだが、そんなある日、転校生が現れる。転校生の名前は「伊達政宗」で・・・!?
その他にも次々と戦国武将のそっくりさんが現れる!戦国武将そっくりのエリート男子×戦国オタク神童女子のラブコメ始まります!

⚠️注意⚠️

これは一部史実に基づくフィクションです。
戦国武将のそっくりキャラの出身地が戦国武将と違っている場合(伊達政宗は本来は山形・秋田出身だが本作では宮城)がありますが、小説作成の都合上、そうなっております。

【目次】

・第一話・・・>>1
・第二話(1)・・・>>3
    (2)・・・>>4
    (3)・・・>>5
・第三話・・・>>6
・第四話・・・>>8
・第五話・・・>>9
・第六話・・・>>10
・第七話・・・>>11
・第八話・・・>>12
・第九話(1)・・・>>14
・第九話(2)・・・>>16
・第十話・・・>>17
・第十一話・・・>>18
・第十二話・・・>>19
・第十三話・・・>>20
・第十四話・・・>>21

〘夏の特別編〙
□まとめ読み・・・>>23-

・第十五話・・・>>23
・第十六話(1)・・・>>24

『コラム』

・各キャラクターの目の色・能力一覧・・・>>7
・宮城弁まとめ・・・>>13
・戦国武将そっくりさんたちの人物紹介・・・>>15
・夏合宿スケジュール・・・>>22

【記録】

2022/10/11☆閲覧数100突破☆ありがとうございます!
2022/10/29☆閲覧数150突破☆今後もよろしくお願いいたします。
2022/11/7☆閲覧数200突破☆応援ありがとうございます!
2022/11/17☆閲覧数250突破☆引き続き頑張ります!
2022/11/26☆閲覧数300突破☆冬の小説大会に向けて、今後もよろしくお願いします。
2022/12/2☆閲覧数350突破☆今後も応援、よろしくお願いします!
2022/12/19☆閲覧数400突破☆冬の小説大会、投票宜しくお願いします!
2023/1/1☆閲覧数450突破☆新年もよろしくお願いします!
2023/1/15🌟閲覧数500突破🌟嬉しいです!今後も応援よろしくお願いします!
2023/3/5☆閲覧数600突破☆皆さんのおかげです!活動休止中ですが、嬉しくて投稿しました!
この作品ができてから初めての大会でまさかの銀賞。本当に感謝です!これからも応援よろしくお願い致します 。⊂(^・^)⊃

最近親スレをたくさん作ってます(笑)
イラストも描いているので、ぜひ観て下さい。
戦国武将はほんとに絞り込みました。
少しずつ書いていくのでお楽しみに!
皆さんの推し武将はいますか?

[追記]イラストも載せています。
   絵の上手さは気にせず、どうぞご覧下さい。

【重要】活動再開後新たにスレッドを作成して、直していきます。より読みやすくしたり、他のキャラサイドも入れてるので読んでいただけると嬉しいです。

Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.6 )
日時: 2022/11/04 15:17
名前: ほのみん (ID: 0sokIT7I)

(第三話)

なんだか、学校に行くのが憂鬱だ。
こんなの初めて。
ただ歩いて、電車に揺られて、また歩くだけなのに。
きっかけは、昨日のことだと思う。
伊達くんは、私の秘密を全部、知っていた。
たぶん陽花ちゃんとかがこっそりバラしちゃったんだと思うけど_____
それと、気がかりなことがもう一つある。
伊達くんは、私の秘密を話す時、目の色が翡翠ひすい色に変わっていた気がしたのだ。
最近コンタクトの度が合わなくなってきちゃったから、そのせいかな?
なんだか気になることがたくさん。
とりま、行くか。

歩いて駅まで20分。
そこから電車で2駅。
また歩いて10分。
到着。
はぁ~。
こんな時は、親友に相談だ。
お昼の時にでも相談しよう。

長い授業が終わり、やっと昼休み。
今日は、ベンチのある中庭で食べる。

「最近、悩んでることがあるんだけどさ」
と切り出す。
「最近っていうか、昨日からなんだけど…昨日ね、伊達くんにクッキーのお返しに家に来てもてなそうと思ったんだけど
…うっかり私が居間に通しちゃって…」
「それはやっちゃいましたね、美織さん」
と陽花ちゃん。
「そこまではまだ言い訳がつくんだけど…伊達くん、私の秘密を全部知ってたの」
「なんで?」
と二人が声を揃える。
「私、バラした覚えないよ」
と言う陽花ちゃん。
「私も」
と杏ちゃん。
「じゃあ、誰がバラしたんだろう?秘密は私達だけで共有してるけど…」
陽花ちゃんが考え込む。

「あ、その話には、続きがあるの」
と話を続ける。
「いや、最近コンタクトの度が合わなくなっちゃったかなとは思ったんだけど…伊達くん、私の秘密を話してるとき、目がなんだか翡翠色になってた気がして…」
「えー!?」
「ますます謎だらけね…」
とさらに陽花ちゃんは考え込んでしまった。
伊達くんは、謎だらけだ。

今週は、第二体育館の掃除担当だったので、掃除に向かう。
モップ掛けをする。
ペアの子は先に帰ってしまったので、掃除時間が終わるまで、一人で体育館にいることにした。
ステージの端に座り、全体を眺めていると、なんだか気分が落ち着くのだ。
息を深く吸って、吐いてみる。
落ち着いたところで、教室に戻る。
ちょっと現実世界に引き戻された感じがして残念。
まあ、現実なのでしょうがない。

そうだ!
伊達くんの目の色がそもそも翡翠色っていう可能性はないのかな?
“翡翠色 目”ってググってみる。
でも、どっちかって言うと外国人系なのかな?
伊達くん、ハーフって言ってた覚えはないし…
ますます謎だらけだー!!

授業も終わり、帰宅。
マンションの3階に上がってきたところで、この間あった隣の家の人と遭遇。
たしか、伊達くんのいとこ。
茶髪が印象的だった。
すこーし、私の苦手なタイプ…

「ああっ!こないだの!!」
と気がつけば言っていた。
「あ…美織ちゃんだっけ?」
「そうです!そうです!それより大事な相談があるんです!」
「え?」
「いいから入りましょう!」
と半ば強引に家に連れてきてしまった。

「すみません…急に家に連れてきてしまって…」
「で、相談っていうのは?」
「相談っていうか…まだ、お名前を聞いてなかったような…」
「確かに。俺、伊達のいとこの豊臣秀吉って言うんだけど…大阪出身やで」

いとこも戦国武将の名前!!
この人達はなんなんだ?
しかもこの人、戦国武将そっくり!
だけど、すこーし、苦手なタイプ…

「相談って何?」
「単刀直入に申し上げます。伊達くんの目の色は何色ですか」
「は?」
「だから、伊達くんの目の色が何色かと聞いているのです」
うーん、でもこの人は目の色は普通の茶色みたいだけど…
「え?普通の茶色やないの?なんかあったん?」
「あ、いや…この間、なんか伊達くんの目が翡翠色になっていた気がしたので…変な事言いましたよね、すみません…」
「それは能力や」
「え?」
「俺らは全員、何かしらの超能力を持ってる。その能力を使うとき、目の色は変わる。きっと伊達は、その能力を発動したんや」
「じゃあ、豊臣くんも超能力、持ってるんですね」
「まあ、そうだけど…」
「能力は、みんな違うんですか?」
私がそう問うと、豊臣くんは丁寧に一人ずつ、説明してくれた。

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

(あとがき)

こんにちは、ほのみんです。
意外?な事実が判明しましたね。
ますます展開が楽しみです(自分で書くんですが…)
最後まで、展開を見届けてくださいね!
第四話もお楽しみに。

(次回予告)

いとこたちは超能力者だということが発覚!
美織はどうする?
第四話もお楽しみに!


Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.7 )
日時: 2022/10/30 13:52
名前: ほのみん (ID: jmXt2.HO)

(各キャラクターの能力一覧・目の色)

・織田信長(赤)・・・過去と未来を行き来する。つまりタイムワープ。
・豊臣秀吉(紫)・・・人の心を開く。
・徳川家康(琥珀こはく)・・・テレポート能力。瞬間移動。
・直江兼続(黄緑)・・・記憶能力。見たものをすべて正確に覚える。記憶は消えることはない。
・伊達政宗(翡翠ひすい)・・・テレパシー。他人の精神に触れられる。秘密を知ったりできる。
・上杉謙信(水色)・・・サイコネキシス。念力。物体に触れずに、動かすことができる。
・武田信玄(朱色オレンジ)・・・未来予知。未来を知れる。

Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.8 )
日時: 2022/11/03 06:17
名前: ほのみん (ID: idqv/Y0h)

(第四話)

豊臣くんの説明で、伊達くんは、私の秘密を超能力を使って知ったことがわかった。
うん、納得!って最初は思ったんだけど…
なんで伊達くんは私の秘密を知ろうとしたんだろう?
豊臣くんいわく「本能的なもの」らしいんだけど・・・
まだ謎だな。
だけど、超能力とか本当に存在するんだなぁ。
ただ、コンタクトの度は合っているかそろそろチェックしないと。
一番うしろの席だから不便になる。

今日は、月に一度の総会の日。
会議室で学級委員長が集まり、真面目に会議する日だ。
そういえば、あと1ヶ月で夏休み。
ただ、夏休み中も毎日のように任意の夏期講習みたいのがあって、ほとんど参加しているから休みとは感じなくなる。

夏期講習は、いろんな業界の人がきて、充実したプログラムがあるから楽しみなんだ〜。
NASAの人がきたり、あと、進路相談プログラムもあるよ。
夏休みまであと1ヶ月が待ち遠しい〜!

そして、夏休みが開け、9月を過ぎ、10月になれば、学級委員の役員交代。
ただ、委員長だけは1年間ぶっ通しでやらなければならない。
副委員長以下、全て交代。
生徒会役員選挙もこの頃。

そうだ、推しの番組出演予定をチェックしないとな。

まずは、伊達政宗さんの方から。
お、今夜の特番で出てくるみたい!
「いまさら聞けない戦国武将一挙解説スペシャル!」
って書いてある。
録画しないとな。

次は、橋本翔平はしもとしょうへいくん。
ドラマで伊達政宗の役をやっていて一目惚れしちゃった。
しかーし、今日も番組欄の更新はなく。
かれこれ1ヶ月くらい、週に一回のニュース番組しか出てないんだよね。
前はドラマの宣伝でも出てたけど・・・
原因は、多分、暴露系ユーチューバー・「あんぱんどう」通称、「あんどう」。
「あんぱんが好きな安藤さん」であんぱんどうっていう名前らしい。
あんどうって人が、橋本翔平くんがなんだかんだと言って悪い人だ的なことを言ったせいで、評価が爆下がり。
しかも、レギュラーのニュース番組も4月から始まったばかりなのに年内打ち切り!
あ〜、マジでイライラする!

授業が終わり、会議室へ。
生徒会長が挨拶をし、総会が始まる。

「これから、総会を始めます」
「始めまーす」
「今日は、スクールカウンセラーの倉田環奈くらたかんな先生にお越しいただきました。今回は、『いじめの種をなくそう』というテーマで、実際に過去にあった事例を元に、自由討論会を行いたいと思います。この総会での議論を、ぜひ各クラスにも周知してください。では、倉田先生から挨拶をいただきたいと思います」

出てきたのは、20代後半と見られる若い女性だった。
確か、今年赴任してきたはず。

「今、ご紹介いただいたスクールカウンセラーの倉田環奈です。普段は、カウンセラー室で、生徒の皆さんのカウンセリングをしています。今回は意外に難しい『いじめの定義』について話していきたいと思います。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いしまーす」
全員の声が重なったところで、スタート!

手元に資料が配られる。

“Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんはとても仲がいい。
そして、クラスの中心的存在である。
ある日、AさんがBさんと繋いでいるラインを、間違えてブロックしてしまった。
怒ったBさんは、そのことをAさんには話さず、関係ないCさん、Dさん、Eさんに話した。
その後、Aさんとも話はして、一応和解はしたが、Aさんを抜いたライングループを作ったりしてAさんを仲間外れにすることが多くなった。
さらに、Bさんはスクールカーストを作り、Aさんを下のカーストに入れた。
Aさんは不登校気味になり、鬱になってしまった。”

まあ、ありそうっちゃありそう。
「これは、いじめだと思いますか?まずは、いじめだと思う人、手を上げてください」
過半数以上が手を挙げる。
私も手を挙げた。
「では、次は、いじめではないと思う人、手を挙げてください」
ちらほら手を挙げている。
「そうですね。先に答えを言っちゃうと、これはいじめです。最後の文に注目してください!Aさんは一連の行為によって、心理的苦痛を味わっています。心理的苦痛を味わえば、それはいじめです」

その後も淡々と説明は続き、総会は終了。
板書の写真を取らせてもらい、帰宅。
総会の内容は、ポスターみたいにして各クラスに配んなきゃいけないんだよな〜。
家に帰ったら作らなきゃ。

▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷

(あとがき)

こんにちは。
ほのみんです。
結構読み返してみるとタイトルの割にラブ要素0なのですが……
これから入れるつもりなので((え?
頑張ります。
次は結構展開を握るかもですね。
第五話もお楽しみに!

(次回予告) 

一般クラスに転入生が!
なんと伊達のいとこだった_____!
伊達からのアドバイスを受け、スマホの遺書を開くことを決意した美織。
だがそこにはとんでもないことが書かれていて……
第五話も、お楽しみに!

Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.9 )
日時: 2022/11/03 07:22
名前: ほのみん (ID: idqv/Y0h)

(第五話)

ウィーン。
ガチャッ。
総会のあと、超特急で作ったポスターを、夜、コンビニで印刷してみた。
うん、これでいいかな。
各クラス分の5枚と、予備を印刷して……
完成。
クリアファイルに入れて、オッケー。

あ、いいこと思いついた。
伊達くんたちに見てもらおっと。
ラインを開いて、メッセージを送る。
“少し相談があるのですが、家にお邪魔していいですか?”
送ったら秒で返信が来た。
“ちょうど全員揃ってるしいいかも。来ていいよ!”
だって。
確か、伊達くんのいとこって全員名前が戦国武将っていう……
ちょっと珍しい(?)んだよね。

ピンポーン。
「はーい」
出てきたのは、豊臣くんだった。
「あれ?こんな時間にどうしたん?」
「あ……。ちょっと伊達くんに相談があって……。よかったらみなさんにも聞いてほしいんですけど………」
「わかった!上がって上がって」
「お邪魔しまーす」

「それで相談っていうのは?」
居間についたところで、伊達くんに聞かれる。
「あ…このポスターのことなんですけど」
ポスターの入ったクリアファイルを、そっと差し出す。
「あれ?これ生徒総会のお知らせポスター?」

口を開いたのは、伊達くんの隣にいた大学生らしき人。
確か織田信長さん___織田くんじゃ呼びづらいから信長くんと呼ぶことにしよう。
この中じゃ最年長らしい。

「そうなんですけど・・・よく分かりましたね」
「あれ?信長が星川の出身だって話、美織ちゃんにしなかったっけ?」
と豊臣くん。
「されてません!そんな話!というか本当に星川の卒業生なんですか?」
「本当だって」
「本当ですか?なんだか豊臣くんのこと信用できなくなってきました」
「可哀想に。お前信用されなくなったぞ」
と豊臣くんに対して伊達くんが言う。
「えー!?もうなんやねん!早くいいから話の続きして」

「今日総会があったんで超特急で作ったんですけど・・・これでいいかなって。こういうのは卒業生の信長くんに聞いたほうが良かったかもしれませんね。伊達くん、一応転入生なので」
「確かにな〜。でもポスターはそれでいいんじゃない?」
「良かったです!なんか心配になってきちゃったので」
「というか……。信長、お前生徒会長もやってたのかよ」
と卒アルらしきものを開いていたのは、徳川家康さん___家康くん。
確か大学生。
というか、苗字の方が呼びやすい人と名前のほうがよびやすい人とはっきり分かれてるなぁ。
呼びやすい方で呼ぶとしよう。
「え!?本当ですか?見せてください」
「ほら、ここに書いてある」
そこは、寄せ書きのページだった。

“生徒会長へ。今年、結構生徒会激ゆるじゃなかったですか?なんだか副会長として悔しいというか・・・生徒会長なりたかったなぁ。  特進クラス 今木愛子いまきあいこ
と書かれている。
信長くん、生徒会長だったんだぁ。

「あ、そろそろ帰らないと」
「バイバーイ。また来てねー」
スッキリした。
玄関まで見送りに来てくれた政宗くんがいった一言を除いて。
「あ、そうだ。お母さんの遺書、開いたほうが良くない?」
「え?」
「ごめん!やっぱなんでもない」
ん〜。
なんだろう。

翌日。
私が各クラスにポスターを配りに行くと、B組に、転入生が来ていた。
「上杉くん?」
「あれ?美織ちゃんかぁ。ちょうどこないだ新潟から来たばっかでさぁ〜。あ、ポスター預かるね」
「びっくりしちゃいました。言ってくれればよかったのに」
「いや〜。びっくりさせようかなと思って」
「学級委員長なので、色々頼ってくださいね」
「そうだ。お昼、唐揚げ定食ととんかつ定食、どっちがいいかな?」
「そんなの自分で決めてくださいよ。ちなみに私は唐揚げ定食のほうが好きですよ」
なんて話をした。

そんな中、政宗くんの一言でもやもやしていた私は、ついに決心した。
お母さんのスマホに入っている遺言メモを開こうと。
帰ってきたら、速攻で棚からお母さんが使っていたスマホを出し、充電。
入るかわかんないけど、とりあえず。
夜、寝る前に見てみると、ちゃんと入っていた。
しかも、正常に動作している。
メモアプリを開く。
あった。
ずっと開くのは怖かったけど……。
でも、開けるとしたら今しかない気がする。

❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀

『美織へ』

あなたが今、これを開いているということは、私は亡くなってしまったのですね。
まず、生前はありがとう。
あなたにたくさん、助けてもらいました。
いつも明るくて、優しくて、疲れても元気をもらえました。
あなたに、お願いがあります。
星川高校に行ってほしい。
なんでそんなこと言うの?って思うかもしれないから、理由を説明します。
私は、研究者を生前、していました。
星川高校の特進クラスに行ってほしい。
美織は、伊達政宗が好きだったよね。
伊達政宗そっくりの人が、星川高校の特進クラスにやってくると思います。
そんなこと言っても信じてくれないかもしれないけれど、本当です。
彼を助けてほしい。
きっと、美織にしか、できないことです。
私の最後のお願い、聞いてほしいです。
これが、遺言です。
                    柴田恵理しばたえり

❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀✿❀ 

え……?
お母さんは、政宗くんの事を知っていた。
でもこれが書かれたのは数年前。
「なんで・・・?」
疑問はしずくとなって、私の心にこぼれ落ちた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

(あとがき)

こんにちは。
ほのみんです。
なんと・・・
1日で2話書き終えてしまいました!
このファイティン・ラブ、ミステリ要素も出てきましたね?
ミステリと、恋愛の同時進行にしようかと思ってますので、是非応援していただけると嬉しいです!
第六話もお楽しみに!

(次回予告)

ますます謎めく政宗たちの正体・・・
彼らは何なのか。
ミステリ×恋愛となったファイティン・ラブの第六話もお楽しみに!

Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.10 )
日時: 2022/11/08 05:59
名前: ほのみん (ID: TaHLTR3K)

(第六話)

「もうすぐ夏休みだね〜」
特進クラスには、そんなムードが流れ出していた。
夏休みといっても、ほとんどの子は塾だったり、学校の特別講習だったりで予定が埋まっていて、遊べるのは、ほんの何日か。
だけど、みんな限られた青春を満喫しようとするのだ。
もちろん、私もひっそりとはしているがその部類である。
と言っても、あと1ヶ月。
まだ、特別講習の予定すら発表されていない。

昼休み。
屋上でいつものようにランチ。
「今年の夏休みは何しようか〜」
と杏ちゃん。
「旅行もいいけど、特別講習もあるからね」
と陽花ちゃんはウキウキしている。
「原宿とか、遊びに行くのも良くない?」
と私が提案すると、
「いいね!」
と乗ってきた。
「3年生になったら忙しくなりそうだし、遊ぶなら今かな」
と杏ちゃん。

確かに、勉強も、遊びもメリハリつけて頑張りたいよね。
杏ちゃんの気持ち、分かるな〜。

「あ、そうだ!花火大会も行こうか!」
とネットで調べていた陽花ちゃんが、提案してくれる。
「いいね!花火大会。でもさ〜、やっぱり彼氏ほしいよ」
と杏ちゃん。
この3人、彼氏いない歴17年。

「ねぇねぇ、そういえば…朗報かわかんない朗報、あるよ」
私が切り出すと、すごい勢いで「何!?」と食いついてきた。
「杏ちゃんも陽花ちゃんもさ、上杉謙信とか直江兼続が来たらいいのにって言ってたじゃん」
「うんうん」
「それ、政宗くんのいとこ」
「は!?」
「政宗くんのいとこたちさ、私の隣住んでたんだけど、上杉謙信も直江兼続もちゃんといたよ」
「うそーー!!」
「さらに、謙信くんはB組の転入生」
「マジで言ってる?」
「本当にそうだよ!っていうか後でB組覗いてみなよ。絶対いるってば」
「じゃあ後で行こー!」
と杏ちゃん。

「でも兼続さんは?」
と陽花ちゃん。
「兼続くんは、セントラル高校行ってるみたい」
「セントラル高校って、沙絵ちゃんが行ってるところか〜。そこそこ頭いいらしいじゃん」
「でも隣に住んでるっていいな〜」
と杏ちゃん。
「あ、あと信長くんは星川の卒業生」
「信長って、あの織田信長!?」
「そうだよ!すごくない!?」
「いいな〜。会ってみたいな〜!」
と陽花ちゃんは興味津々。
「う〜ん、会おうと思えば会えると思うよ」
「ほんと!?」
「今度聞いてみるね」
ってところで終了。

「政宗くん、政宗くん」
放課後、話しかけてみた。
「何?どうしたの?」
「謙信くんって新潟から来たばっかだったんですね」
「そうそう。ちょうどおんなじタイミングだったんだよ!っていうか、それがどうかした?」
「いや〜、別に……。なんとなく、びっくりしたので」
「そうかな……?あれ?スマホ鳴ってない?」
あ、ホントだ!
陽花ちゃんから電話。

「もしもし?」
「みーちゃん、聞いて!私副委員長に告られたんだけど!」
「えーーー!?ほんとに!?」
「本当だよ!さっき、体育館裏に呼び出されてね、告られたの!返事は保留にしておいたけど」
「副委員長ってあの三浦くん?」

三浦くんってのは、特進クラスのクラスメイト。
女子のあこがれの的です!

「うん!」
「あの高スペック男子に告られるなんて陽花ちゃんスゴい!で、返事は?」
「実はね……私、三浦くんのこと好きだったから、オッケーしようかなって」
「え〜、すごい!ドラマみたいなこと、ありえるんだね」
「うん!だから、みーちゃんも、頑張りなよ」
「わかった!またゆっくり話聞かせて」
「またね〜」

「なんだった?」
「友達からです!告白されたんですって!」
「わ〜、おめでたいね」
「彼氏いない歴17年の仲間だったのに・・・。なんだか取り残された気分です」
「そんなこと言わなくたって人生まだこれからでしょ」
「だって彼氏いたら楽しそうじゃないですか〜。特に夏とか」
「あ〜、青春ってやつ?」
「そうです!」

政宗くんは気がつけば、何でも相談できる仲になっていた。
よく家にお邪魔したり、一緒に勉強したり。
『学級委員長』と『転入生』からいつの間にか距離が縮まっていた。
そしてある時、気づいた。

私、政宗くんのこと、好きだ。

❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏

(あとがき)

こんにちは。
ほのみんです。
ついに閲覧200回突破です!
ありがとうございます。
ついに、やっと、恋愛要素出てきました。
戦国武将そっくりのエリート男子×戦国オタクエリート女子のエリート×エリートラブコメを、今後もぜひお楽しみください!
第七話もお楽しみに!

(次回予告)

『好き』とは何なのか____?
『恋愛』について学ぶことにした美織。
その恋の辿り着く結末とは!?
第七話もお楽しみに!


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