コメディ・ライト小説(新)
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- ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜
- 日時: 2023/09/30 11:44
- 名前: ほのみん (ID: Yry.8Fde)
【登場人物紹介】
・柴田美織・・・高2。“雑草のようにひっそり生きる”がモットー。戦国オタクで宮城出身ということ もあって伊達政宗推し。彼氏いない歴17年だった。頭の良さから周りの人に「神童」と呼ばれているが、本人はコンプレックスに感じている。真面目なこともあって学級委員長に推薦され、学級委員長になってしまった。転入生である伊達政宗の世話をすることに。
・柴田沙絵・・・高1。美織の妹。美織とは対照的に明るく、リーダー的存在。
・熊野陽花・・・高2。美織の親友。美織と同様、戦国オタク。推しは直江兼続。
・咲坂杏・・・高2。美織の親友。美織と同様、戦国オタク。推しは上杉謙信。
・比留木貴史・・・高2。美織が宮城にいた時代の幼馴染。繊細な心の持ち主で、俳句や短歌を書いては、写真に添えて美織に送っている。
・伊達政宗・・・高2。美織たちの特進クラスに転入してくることに。料理や茶道、書道が好きなど文化人。喧嘩は強い。戦国武将の伊達政宗と似ているが、その正体は・・・?
・武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、直江兼続・・・政宗のいとこ。政宗と同様、戦国武将と似ているが、その正体は・・・?
【あらすじ】
柴田美織は横浜の名門校に通う伊達政宗推しの高二。中一の時に母を亡くしている。美織は、母の遺言通り、特進クラスに入るのだが、そんなある日、転校生が現れる。転校生の名前は「伊達政宗」で・・・!?
その他にも次々と戦国武将のそっくりさんが現れる!戦国武将そっくりのエリート男子×戦国オタク神童女子のラブコメ始まります!
⚠️注意⚠️
これは一部史実に基づくフィクションです。
戦国武将のそっくりキャラの出身地が戦国武将と違っている場合(伊達政宗は本来は山形・秋田出身だが本作では宮城)がありますが、小説作成の都合上、そうなっております。
【目次】
・第一話・・・>>1
・第二話(1)・・・>>3
(2)・・・>>4
(3)・・・>>5
・第三話・・・>>6
・第四話・・・>>8
・第五話・・・>>9
・第六話・・・>>10
・第七話・・・>>11
・第八話・・・>>12
・第九話(1)・・・>>14
・第九話(2)・・・>>16
・第十話・・・>>17
・第十一話・・・>>18
・第十二話・・・>>19
・第十三話・・・>>20
・第十四話・・・>>21
〘夏の特別編〙
□まとめ読み・・・>>23-
・第十五話・・・>>23
・第十六話(1)・・・>>24
『コラム』
・各キャラクターの目の色・能力一覧・・・>>7
・宮城弁まとめ・・・>>13
・戦国武将そっくりさんたちの人物紹介・・・>>15
・夏合宿スケジュール・・・>>22
【記録】
2022/10/11☆閲覧数100突破☆ありがとうございます!
2022/10/29☆閲覧数150突破☆今後もよろしくお願いいたします。
2022/11/7☆閲覧数200突破☆応援ありがとうございます!
2022/11/17☆閲覧数250突破☆引き続き頑張ります!
2022/11/26☆閲覧数300突破☆冬の小説大会に向けて、今後もよろしくお願いします。
2022/12/2☆閲覧数350突破☆今後も応援、よろしくお願いします!
2022/12/19☆閲覧数400突破☆冬の小説大会、投票宜しくお願いします!
2023/1/1☆閲覧数450突破☆新年もよろしくお願いします!
2023/1/15🌟閲覧数500突破🌟嬉しいです!今後も応援よろしくお願いします!
2023/3/5☆閲覧数600突破☆皆さんのおかげです!活動休止中ですが、嬉しくて投稿しました!
この作品ができてから初めての大会でまさかの銀賞。本当に感謝です!これからも応援よろしくお願い致します 。⊂(^・^)⊃
最近親スレをたくさん作ってます(笑)
イラストも描いているので、ぜひ観て下さい。
戦国武将はほんとに絞り込みました。
少しずつ書いていくのでお楽しみに!
皆さんの推し武将はいますか?
[追記]イラストも載せています。
絵の上手さは気にせず、どうぞご覧下さい。
【重要】活動再開後新たにスレッドを作成して、直していきます。より読みやすくしたり、他のキャラサイドも入れてるので読んでいただけると嬉しいです。
- Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.1 )
- 日時: 2022/11/22 06:50
- 名前: ほのみん (ID: EabzOxcq)
(第一話)
ジリリリリ。
目覚ましの音で目覚めた私がまず最初に見るのは、政宗様のポスター。
「仁にすぐれば弱くなる・・・」
政宗様の五常訓をすべて唱えると、制服に着替えて、部屋を飛び出す。
やばっ、こんな時間!
弁当を慌てて作り、朝ごはん用のおにぎりを鞄に入れ、家を出る。
自己紹介遅れました。
私は柴田美織。
高2。
どこにでもいる普通の高校生。
伊達政宗が推し。
電車の中でおにぎりをさっと食べ、学校へ。
私は特進クラスなんだ。
えっへん。
星川学園高校っていう、偏差値77の私立高校に通ってる。
教室の窓側の一番うしろ。
これが私の席。
一つだけ飛び出してて、隣がいない。
だから、何か気が楽。
なはずなんだけど・・・。
隣の席ができてる!?
転入生ってこと?
なんか・・・残念。
朝のホームルームも終わりってところで、ついに転入生登場。
定番のパターンですね。
右目に眼帯してる。
伊達政宗様と同じだ。
かなりのイケメン。
転入生は、ホワイトボードに“伊達政宗”ときれいな字で書いた。
は!?
呆れた。
こいつ、政宗様のこと、馬鹿にしてるのか。
こてんぱんにやっつけないと。
転入生は一通り自己紹介を終えると、私の隣の席に座った。
まさか、本当に“伊達政宗”?
判断するには政宗様と同じ料理や茶道が好きな文化人という情報が必要。
にしても、戦国武将と同じ名前だっていうのに、みんな冷静だなぁ。
「あ・・・よろしくね?」
「よろしく」
「一応学級委員長なので、何かあったら頼ってください」
「そうなの!?学級委員長にしてはかなりひっそりしてない?」
「私からなりたくてなったんじゃないんです。推薦ですよ」
「大変だね」
「柴田さーん、ちょっといい?」
先生に呼び出しくらった。
面倒くさ。
「柴田さん、隣の席だし伊達くんに色々教えてあげてくれるかな?」
「分かりました・・・」
転入生のお世話なんてしたことないし・・・
目立たずひっそり暮らしてきた私にはハードル高い気がする。
でも・・・
なんか、伊達くんのことちょっと気になる。
学級委員長という立場上、私がしっかりしないと。
伊達くんだって、きっと不安なはずだから。
まずは、一、ニ時間目の家庭科。
今日は調理実習。
料理はいつもしてるからできるけど・・・
実は、裁縫が苦手。
まあ、今日は調理実習だ。
気楽に行こう。
家庭科の班は席が近くの人と同じ班になる。
だから、伊達くんとも同じ班。
あれ、これって伊達くんのこと知る大チャンスじゃん。
料理が得意なら、戦国武将の伊達政宗の特徴とも一致するかも。
「あれ、柴田さん、家庭科室ってどこ?」
伊達くんに話しかけられ、はっとする。
そうだ、案内してあげなきゃ。
「転入の手続きしたときに思ったんだけどさ、この学校って広いよね」
この学校は私立だし、設備も最新。
確かに納得。
いよいよ、調理実習の時間!
「今日は自分で好きな料理やスイーツを作ってくださいねー」
「はーい」
私が今日作るのは、フルーツ入りのサンドイッチ。
私の得意料理の一つ。
まずは、サンドイッチ用のパンを、半分にカット。
フルーツをバットの上に出して・・・
サンドイッチ用のパンの上に生クリームをたっぷり広げる。
生クリー厶大好きなんだ~♪
そしたら、今度はフルーツをたっぷりのせる。
のせ過ぎには注意。
そしたら上から、パンを乗せて、お皿に並べる。
あっという間に完成!
レッツ試食♪
もぐもぐ。
ん~、おいしい!
最高!
家庭科の調理実習は好きなんだ。
だって、自分の好きな料理を食べられるんだもん。
そうだ、政宗くんはどんな料理作ったのかな?
隣を見ると、えっ、餃子?
私も餃子にすればよかった。
政宗くん料理上手いなぁ。
これって、戦国武将の伊達政宗の特徴と一致する!?
三、四時間目の授業も「滞りなく」終えた私は、お弁当を食べようと陽花ちゃんと杏ちゃんと屋上へ。
周りはビルもあって、結構都会な景色。
私が前住んでいたのは、宮城だけど、宮城とはまた全然違う感じ。
私はこの景色が好きだ。
昼食を食べながら話していると、話題は、政宗くんのことに。
「今日転入生来たじゃん」
と話し始めたのは陽花ちゃん。
「あの伊達政宗って名前気になるよね~」
「謙信様だったら良かったのに」
と杏ちゃんはなんだかガッカリしているみたい。
「でも、何だかんだで一番苦労してるのはみーちゃんでしょ」
と陽花ちゃん。
「伊達くんのお世話も、過去のこともねえ・・・」
「でも、結果的に今は楽しくやれてるからいいじゃん!」
ため息をつく杏ちゃんを励ました。
私たちは、中学校からの友達。
何でも、打ち解けられる気がする。
私の過去のことっていうのは・・・
まあ、色々と。
五、六時間目も終了。
今日は私が入っている茶道部の活動日ではない。
そのまま帰ろうかと思ったけど・・・
伊達くんに声をかけられ、ふと思い出した。
部活動の紹介してあげるんだった!
「まずはスポーツ系から行きましょう」
スポーツ系だけでもたくさん。
野球、バレー、バスケ、剣道、陸上、弓道、卓球、水泳、テニス、バトミントン。
体育館はいくつかあって、とても広い。
朝礼の時はいちばん広い第1体育館を使うんだ。
「なんか色々あるんだね」
政宗くんは興味津々。
「スポーツ系はみんな練習が厳しいですね。私は運動音痴だからやめました」
「なるほどねー」
次は文化系。
吹奏楽、新聞、合唱、手芸、料理、書道、茶道、囲碁、軽音楽。
スポーツ系よりは少ないけど、たくさん。
私が茶道部を選んだのは、もちろん推しが理由!
伊達政宗(戦国武将の方)は茶道が得意だったんだって。
私の推しの俳優さんがやっているのも見て、やりたくなったんだ。
お菓子も食べれるし楽しい♪
何より、週2回の活動だから勉強に専念できる。
最後は同好会。
部員が8人以下だと同好会。
同好会は結構あって、鉄道研究、ドラマ研究、映画、英語とか。
大体の部活を見終わった。
「いっぱいあるんだねー、迷うなぁ」
「活動時間が少ない部活だと勉強に専念できるので、難関大学も目指せると思います」
「ところで柴田さんはどこの大学目指してるの?」
「親からは東京大学をはじめとした国立難関大学に行くように言われてます」
「東大ねー」
「伊達くんはどこ行くんですか?」
「まだ決めてないなー、まだこっちに来てから慣れてないし、大学のこととかわかんないんだよなぁ」
「横浜は面白いですよ!みなとみらいに遊びに行けば一日中遊べます!あ、伊達くんはどこから引っ越してきたんですか?」
「東北。宮城なんだ」
宮城・・・?
伊達政宗は東北(山形・秋田)の出身。
あの有名な像があるのは、仙台城だから宮城。
私も宮城出身なんだ。
小さいころから伊達政宗が好きで、よく仙台城跡にある像を見に行ってたなぁ。
「私も宮城出身です!同じですね」
「そうなんだ。いつ引っ越してきたの?」
「中一の時です。最初は宮城と景色が違いすぎてびっくりしちゃいました」
「確かに結構違うよね」
そろそろ帰ろうってことで、購買部でパンを買って帰ることにした。
「すごいいっぱいあるね」
「私はいつもカレーパンを買って帰ります」
「さすが私立」
「そうですか?公立でもありそうですけど」
「俺が前通ってたところはあんまりなかったなぁ」
「そうだ、伊達くんはどこに住んでるんですか?」
「学校から2駅先のタワーマンション」
「そうなんですね」
学校の最寄り駅は横浜なので、横浜から電車に乗る。
なんと、伊達くんと同じ方向だった。
しかも、駅も同じ!
偶然だなぁ。
「そうだ、今日お世話になったから家まで送ってくよ」
「大丈夫ですよ!当たり前のことですし」
「いいよいいよ」
「伊達くん家の方向どっちですか?」
「こっちかな」
私の家の方向と同じなので、送ってもらうことにした。
「伊達くんの家、どのマンションですか」
「あのマンションかな」
なんと、伊達くんが指さしたマンションは私が住んでいるマンションだった。
「えっ、ちょっと待ってください」
「どうした?」
「私もあそこのマンションです」
「えっ!」
「すごい偶然ですね」
2人揃ってマンションに入り、エレベーターに乗り込む。
私が住んでいるのは三階なので、【3】のボタンを押そうとした────が、そのボタンは既に押されていた。
エレベーターに乗っているのは私と伊達くんだけなので、伊達君が押したということになる。
「もしかして、住んでる階も同じですか?」
「三階に住んでるけど・・・同じ?」
「私も三階に住んでます」
「めっちゃ偶然じゃん」
同じ駅で降りて、同じマンションで、ましてや同じ階なんて偶然すぎる。
エレベーターは三階につき、私たちは降りた。
カバンの中から鍵を取り出し、私の住んでいる306号室の鍵を開けた。
伊達くんも、隣の部屋の鍵を開けたのでまたびっくりしてしまった。
「まさか、お隣さんですか?」
「307号室に住んでるけど・・・いとこがみんな集まって住んでるから引っ越してきたんだ」
「すごいですね」
「そうだ、お隣さんにお菓子持ってこうと思ってたんだよね。今持ってくる!どうせなら入って待ってて」
と伊達くんに言われたので、お邪魔することにした。
なんだか申し訳ない。
「座って待ってて~」
「お、お邪魔します・・・」
伊達くんの家は和室を居間代わりに使っているらしい。
「あれ~伊達、転校早々、彼女出来たの~?」
とのんびりした口調で白いパーカーのフードを被った男子が現れた。
「そんなわけないでしょ。伊達に彼女ができるなんて」
ともう1人ジャージ姿の男子が現れる。
「あ、お邪魔してます・・・なんだかすみません」
「あ、伊達の彼女じゃないよね?」
と先ほどのジャージ姿の男子に聞かれたので、
「学級委員長やってます。伊達くんとは同じクラスです」
とちゃんと答えておいた。
変な話になると困る。
それにしても、この人達が伊達くんのいとこ?
なんか個性的?な人だなぁ。
私の苦手なタイプかも・・・
☆★☆★☆★☆★☆★☆
【あとがき】
皆さんこんにちは!
ほのみんです。
第1話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
美織ちゃんは伊達くんと仲良くなれるのでしょうか?
そして、あの男子達の正体は?
第2話では、美織ちゃんの秘められた過去も明らかに!
お楽しみに!
【次回予告】
伊達の同居人である個性的な男子たちが登場!
彼らの正体は?
「神童」というレッテルを貼られ、自身の運命に翻弄されながら生きてきた美織。
美織の秘められた過去とは__
大波乱の展開の第2話もお楽しみに!
- Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.3 )
- 日時: 2022/11/25 06:41
- 名前: ほのみん (ID: HghQuPcm)
(第二話(1))
やわらかな光が、窓から差していた。
いつも通り目覚めた私は、リビングへ向かう。
今日は火曜日。
最高の、火曜日。
「おねーちゃんおはよー」
と沙絵が起きてきた。
「今日火曜日だからお弁当なしね」
「わかった」
そう、火曜日はお弁当を作らなくていい。
なぜかというと、推しがきっかけだ。
私は数年前から、ドラマで伊達政宗の役をやっていたある俳優さんも推している。
毎週火曜は、17:00から始まるニュース番組に推しが出るので、早く帰ってこなければならないのだ。
私もいつも家事をしているのだから火曜日ぐらいは休みがほしいということで、火曜日はまさに「推し活デー」というわけである。
「あれ、このクッキー美味しそ〜食べていいの?」
「そうそう、隣に新しい人が引っ越してきたんだって。食べていいよ」
机の上には、昨日伊達くんからもらったクッキーが置いてあった。
私も帰ったら食べよっと。
「いってきまーす」
私は家を出た。
最高の、火曜日が始まる。
【火曜日の特権1】
火曜日には、様々な特権がある。
1つ目は、昼食。
いつもは私がお弁当を作っているけれど、火曜は作らない。
代わりに、カフェテリアで大好きな唐揚げ定食を食べるのだ。
コスパが良くて、唐揚げ丼とお味噌汁、水がついてなんと500円!!
めっちゃ美味しい。
「そうだ!今日火曜だし唐揚げ定食だ~!」
と陽花ちゃんと杏ちゃんとカフェテリアへ。
「コスパも味も最高〜!」
「唐揚げがサクサクしてて美味しい!」
とペロリと完食。
【火曜日の特権2】
今日は部活はないので3:30に授業が終われば、即帰宅。
学校から駅までは20分、駅から電車に乗って2駅先の最寄り駅についたら、歩いて5分。
でも、歩いている時間がもったいない!!
火曜日は一刻も早く帰宅するため、バスを使うのだ。
バスに乗り、駅へ。
いつもより1本早い電車。
駅についたら、改札を抜け、ダッシュで帰宅!
現在4:09。
ナイス!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
番組が始まるまで、まったり。
おやつにクッキーを食べたり、宿題したり。
お、いよいよスタート。
今日も、めっちゃカッコイイです・・・!
推しは尊い。
まさに“神”!
今日も存在してくれていることに感謝。
【第二話(1)完】
- Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.4 )
- 日時: 2022/10/29 13:37
- 名前: ほのみん (ID: mkDNkcIb)
(第二話(2))
最高の火曜日はあっという間に終わり、水曜日。
また、いつもの日常が始まる。
今日も朝早く登校し、自習室で勉強。
あと2週間で定期テストだから、気合い入れないと。
グッキュルキュ〜。
あ、お腹すいた・・・
今日なにかすること忘れた気がしたんだけど_____朝ごはん食べ忘れた!!
購買部は空いていないので、パンの自販機へ。
カレーパン、あんぱん、チーズパン・・・
大好きなカレーパンを購入。
チャイムがなったので、教室へ。
あっという間に授業は終わり、部活の時間。
今日は水曜日なので、活動日。
「伊達くんは、部活決めましたか?」
「料理部に入ることにしたんだ!」
「料理得意そうですもんね」
「柴田さんは茶道部だもんね〜。なんかすごそう!エリート集団みたいな」
「え?そんなことないですよ?でも特進の割合高いかもしれないです」
確かに。
「そうだ、昨日伊達くんの家にお邪魔したんで、今日は私の家に来ませんか?」
「え!?いいの?」
「いいですよ〜。それにしてもいとこ多かったですね」
「うんうん。しかも全員男子」
部活棟に入ったところで、お別れ。
部活も無事終わり、帰宅。
「今日はなんとなく疲れませんでしたか?」
「部活があったからかな?」
「あ〜。なるほど」
家にはあっという間に到着。
あ、やばい。
伊達くんが面食らってるのがわかった。
家の壁中に推しのポスターが貼ってあるからだ。
「あ、これ絵の練習で描いたのを拡大コピーして貼ってるだけなので気にしないでください!!」
「あ、うん」
これ相当やばいもんな・・・
ポスターたちのこと考えずに家に誘っちゃった。
このあと、私はさらなる重大なミスに気付く。
「あ・・・ちょっと聞きづらいんだけど・・・お母さんって亡くなってるの・・・?」
お~い、そこ突くな!
これは私の重大な秘密なのに・・・
伊達くんを仏壇のある居間に通してしまったのだ。
そして伊達くんは私の秘密の蓋を開けてしまったのである。
私は笑顔のまましばらくフリーズしていた。
【第二話(2)完】
- Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.5 )
- 日時: 2022/11/04 15:15
- 名前: ほのみん (ID: 0sokIT7I)
【第二話(3)】
私は、夢と希望を持って来た。
この横浜という地に。
小学校を卒業し、春休み。
不動産会社で働いているお父さんの昇格に伴い、私達は横浜に引っ越すことになった。
新幹線と在来線を乗り継ぎ、横浜駅に到着。
そこからまた何駅か先に新居のタワーマンションがある。
私は春から横浜の中学に通うことになるのだ。
周りは都会でビルだらけ。
宮城と違いすぎて頭がおかしくなりそうだった。
同じ日本ですか?
新居のタワマンに到着すると、もう荷物が届いていた。
開けて、前の家と同じように伊達政宗のポスター(私がデジタルで書いた自信作)を壁に貼る。
なかなかいい感じ。
春休みは、色々な所を探検した。
近くのショッピングモールの雑貨屋さんや、ゲームセンター、洋服屋さん。
一日中見ていても飽きなくて、楽しめた。
横浜ってこんな面白いの!?
春休みが明け、入学式。
真新しい制服を身に、いざ出陣。
一学年が結構多いな〜。
その後、説明を色々受けて帰宅。
席が近かった咲坂杏ちゃんって子と、熊野陽花ちゃんって子と仲良くなった。
意外と楽しい中学校生活になりそう_______その期待は突如、裏切られた。
私が通っている中学は校則が緩く、スマホが休み時間に使える。
その電話は休み時間になるのを見計らったようにかかってきた。
画面には“お父さん”とある。
なんでこんな時間にかけてきたんだろう?
「もしもし、美織?今、大変なことになってな・・・お母さんが交通事故にあったらしいんだ」
「え!?」
私は頭が真っ白になった。
「お父さんの会社は東京だから病院に行くまで時間がかかる。お父さんも向かうが多分美織たちのほうが速く着くだろうから」
「どこの病院?」
「横浜スマイルホスピタルらしい。沙絵は大人が迎えに行かないと学校から出れないからこっちでなんとかする」
横浜スマイルホスピタル?
え?
それどこ?
スマホで調べる。
隣の駅で降りてすぐにあるみたい。
先生に伝えて、校舎を飛び出した。
電車に乗って隣の駅へ向かう。
4分ほどで到着し、私は改札を出た。
周りをキョロキョロ。
あ、あれかな。
建物が見えたのでそっちの方角へ歩く。
病院の入口が見えたので入ってみる。
「あの・・・すみません・・・」
受付に声をかけると、
「はい!何でしょう?」
と元気な看護師さんらしき人の声。
「さっき交通事故で運ばれてきた患者いませんか?」
「今ねー、その交通事故の患者で手一杯で・・お名前教えてくれる?」
「柴田です」
「柴田さんね!4階の410号室だよ」
「ありがとうございます」
エレベーターで上がり、目的の410号室へ向かう。
「あ、お母さん!」
良かった。
大丈夫そう。
「心配したよ〜」
「ごめんごめん」
私はベッド横の椅子に腰掛けた。
続いて沙絵たちも到着し、みんなでホッとしたはずだった______が、その夜、お母さんの容態が急変。
死を悟ったのか、お母さんは私に言葉を遺した。
「美織ちゃんは、高校は星川に行きなさい····あ、特進クラスね···大学は国立大学かな···」
「え?お母さん?」
「お母さん、スマホにいつもなんかあったときのために遺書書いてるから···それも読んで」
私はショックを受けた。
なんで、学歴まで指定してくるの?
それも死ぬ前に。
ひどいよ、そんなの。
その夜、お母さんは亡くなった。
スマホの遺書は見る気にもならなかった。
葬儀なども一通り笑ってやり過ごした。
忙しいお父さんに代わって、私が家事をするようにもなった。
そこから気分が落ち込みがちになった。
不登校にもなってしまい、家で勉強するようになった。
ひきこもりにもなりかけそうだった。
お父さんは、学校に行きなさいとも言わなかった。
それが救いだった。
でも、気分は良くなる気配もなかった。
心配したお父さんが精神科病院に連れて行ってくれた。
私は「うつ病」と診断を受けた。
そして1ヶ月後、今度は記憶喪失みたいになった。
ショックのせいで、新しい記憶をとどめておけなくなったのだ。
だから、朝起きたら急に日付が飛んでるってわけ。
その日の出来事も日記に記しておくようになった。
今までの記憶はあったし、中学の勉強は一通り済ませてあったから、不幸中の幸いというのか・・・・うーん。
なんか違うな。
何回か精神科に通って、もう一つ救いだったことがある。
ある日、私は担当の先生だった若い男の先生に、こう聞いたことがあるらしい。
「先生、私はなんで・・・ずっと立ち直れないんでしょうか?」
「え?」
「あ、いや、やっぱなんでもないです」
「心が悲鳴を上げているんですよ」
「え?」
「だから、心が悲鳴を上げているんです。無理し過ぎなんですよ。自分の気持ちに正直になってください」
その言葉は自分の心に語りかけているようで、胸に刺さった______そう、書いてあった。
中2の秋、私は記憶を留めて置けるようになった。
受験に間に合った____そう思ったのもつかの間、学校に関して知らないことばかりだということに気づいた。
クラスも知らない。
今、何を勉強しているかも。
そして仲良くなった子_____杏ちゃんと、陽花ちゃんのクラスだって知らない。
何回か家に来てくれたことはあるけど、クラスは言ってなかったのかな。
日記にも書いてなかった。
久しぶりに学校に行くと、全然別世界に見えた。
クラスメイトの視線が冷たく感じて、居心地が悪かった。
それから私は決めた。
“必要最低限の友達は作る。でも、雑草のようにひっそりと生きる”
それが私のモットーになった。
中3になり、受験の志望校を決めることになった。
私は、本当は、東京中央学院高校に行きたかった。
偏差値は星川と同じぐらい。
だけど、諦めた。
お母さんの遺言に逆らう勇気が出なかった。
そして、満点合格。
特進クラスに入ったので、色々費用が免除された。
特進クラスは、一般クラスとは違ってグループ関係とかごちゃごちゃしたのがあまりない。
たしかに、仲のいい友達はいる。
だけど、スクールカーストとかなかったから楽だった。
それから雑草のように生きるって所は変わってないけど、毎日が充実してるってわけ。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
さあ、この重大な秘密がバレないようにどう話すか。
考えろ、美織。
ひらめいた!
ってことで話そうとしたとき、先に話したのは伊達くんの方だった。
「あ、変なこと聞いちゃった?」
「いえ、いえ、そんなことは····!!」
「そういえば、柴田さんって神童って呼ばれてたんだっけ?」
「え?」
「あと、中1から中2の記憶がないとか」
え?
なんで伊達くんは_______この人は、私の秘密を知っているの?
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
(あとがき)
皆さん、こーんにーちはー!(少々ハイテンションになっております)
ほのみんです。
私には伊達くんが謎に包まれた存在に見えます・・・((ん?
第二話は三回に分けて書いてみました。
推しがいる人なら美織ちゃんの気持ち、分かってくれるかな?
次回もお楽しみに!
(あらすじ)
伊達が美織の秘密を知っていた!?
“秘密”を通して波乱の展開に!
またまた大波乱の第三話もお楽しみに!