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For Emperor Requiem ご感想お願いします
日時: 2009/11/21 13:12
名前: 神威 琉瑠 (ID: zCJayB0i)

森羅万象のこの世

限りなくゆきわたる

有象無象

嗚呼、つまらぬ

永久に続く命と力があるのに

妾の望みは永久に叶わぬ

嘆かわしいこの世に

今こそ願おう

今こそ欲しよう

妾の望みを

今こそ叶えてみせよ

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Re: For Emperor Requiem ( No.1 )
日時: 2009/08/02 14:51
名前: 神威 琉瑠 (ID: sp6Br4Ue)

第一話;出会いの為の前奏曲


日が短くなってきた

太陽が沈み、

辺りの雲は赤いペンキを零したように

ゆっくりと紅に染まっていく

今日も一日が終わる

世界が紅に染まりきった頃、

風に身を任せ、

自転車のペダルをこぐ少女がいた

長い髪を結うことなく、

吹く風になびかせて、

耳からイヤホンを垂らし、

周りの音を遮断している

「つまらない」

少女の発した声は、

思ったよりも外に響いた

信号機が止まれを示し、

それに従い少女は停止する

すっと下を向き、

視界を足元に集中させる

ふと、

誰かに呼ばれたような気がして、

顔を前に向けた

そこにいたのは、

白い、人

微笑をたずさえて、

こちらを、少女を見ている

交わる視線と視線

耳にイヤホンを通して聞こえる曲は

名も知らぬ作曲家が作った、

プレリュード

Re: For Emperor Requiem ( No.2 )
日時: 2009/08/03 14:27
名前: 神威 琉瑠 (ID: yUkMdmJn)

第二話;純白に身を染める


白い、人

視線が離れない

その間にどれくらいの時間が流れたか、

短いような、長いような、

わからない

白い人の唇が動く

声はイヤホンから流れる音で聞こえない

「           」

意識が戻る

先ほどの白い人はいない

「・・・・何・・・?」

少女は顔をしかめて、

ペダルをこぎ、新たな風を生み出していった


家についた

玄関を開けると暗闇、

人の気配はしない

『・・・また、か』

いつものことのように

少女は気にもせずに自室に向かう

いつもの日常、

勉強をして、食事をして、湯に浸かって、

一日を終えるはずだった

のに

覆される、日常

すべてはあの白き者のために・・・



ドサッ

持っていたカバンが落ちる

目の前の光景に驚愕する

「あなた・・・・誰?!」

目の前の、人

「誰なのよ!!!」

白い、真っ白い、

にやり、と弧を描くその、人

「ほう、我が姿を見ても、ヌシは

 恐怖しないようだな。

 よい、気に入ったぞ。

 ヌシになら、今の退屈な世界を抜け出す為の

 力を授けようではないか。

 くっ・・・・あははははははははははっ!」

白い、人は笑う

その姿に恐怖しなかったのは、

胸に湧く、薄っすらとした

希望のせいだろう









世界が変わる、出会いをきっかけにして

Re: For Emperor Requiem ( No.3 )
日時: 2009/08/04 10:03
名前: 神威 琉瑠 (ID: yUkMdmJn)

第三話;我が名とそなたの名


「・・・あなた、誰?」

一呼吸おいて、少女は話しかける

白い、人は微笑みを保ったまま、

クスクスと笑い始めた

「くっくっ。人に名を聞くときは

 まず自分から、と母親から習わなかったか?

 今の世の童は無粋だなぁ・・・。

 くっ・・・あははははははははは!」

白い、人は大口開けて笑い始める

「・・・・・誰?」

尚も少女は聞き続ける

「・・・ヌシには根性があるようだ。

 くっくっくっ・・・。

 よいよい。ますます気に入ったぞ。

 これからはヌシを<そなた>と呼んでやろう。

 光栄に思うがよいぞ、童よ。」

「?」

話についていけない

「では、そなたの質問に答えようか。

 妾は永久を生きる存在。

 人間は妾を魔女とも呼んだし、

 化け物とも呼んだ。

 まあどちらにしろ、人間ではない。

 好きなように呼ぶがよいぞ。

 もし妾がその呼び名を気に入ったら

 妾の真名を教えようぞ。くっくっ・・・」

また不敵に笑う

少女は、真っ直ぐに白い、人を見つめる

「・・・・なら私はあなたを、神と呼ぶ」

その一言を聞き、人は動きを止める

「・・・・何故?」

「そもそも私は魔女や化け物を信じない。

 魔女は神になれなかった存在。

 ゆうなれば出来損ない。

 なら私は、魔女と呼ばれた偉大なるあなたを、

 <神>と呼ぶ」

少女の言葉に目を丸くする白い、人

次第に大きく肩を震わせる

「あはははははははは!!!!!!

 ひっ、いひひひひひひひひひひひひひ!!!!

 あぁ、ああ愉快!!!

 そなた、なかなか愉快な考えをするじゃないか!!

 いいだろう、気に入った!!

 我が名をそなたに教えてやろうぞ!!!」

そういうと、白い、人は目の前に寄ってきた

「我が名はマーシャ、永久のマーシャ。

 そなたと相互する者よ。

 して、そなたの名は?」

白い、人、マーシャは問う

「私の名前は、皇 礼(すめらぎ らい)」

少女、礼とマーシャの名は、交わった












従順なる、籠の中の鳥はオシマイ

Re: For Emperor Requiem ( No.4 )
日時: 2009/08/05 12:14
名前: 神威 琉瑠 (ID: yUkMdmJn)

第四話;天帝なる存在


「ほう、皇とな。

 そなたは皇と申すのか!!

 ふっ、本当にそなたは愉快な人間よ。

 帝の名をその身に携えているのか。

 ふふふっ、妾を神と呼んだ者が、

 天帝なる存在だったとは・・・、

 このマーシャ、感慨無量に存ずるぞ」

マーシャはクスクス笑う

「それで?私を天帝なる存在と唱える

 神様、永久のマーシャは、
 
 私にどんな力をくれるというのかしら。

 つまらない、退屈なこの世界から、

 私を解き放ってくれるというの?」

礼は冗談交じりに言った

嘲笑を浮かべてシンプルなベッドに腰掛ける

「そなたが望むなら、

 それだけの力をくれてやろうぞ。

 最も、妾の願いを叶える手伝いを

 してくれたら、の話だがな?」

マーシャはにやりとした

「あなたの・・・願い・・・・?」

「そうとも。

 妾の願いを叶える手伝いをするだけで、

 そなたは従順な籠の鳥をやめることができる。

 さぁ、どうする?礼よ。

 妾の願いを、聞いてくれるか?」

マーシャは礼の顎をすい、と掬った

マーシャの金色の瞳に礼が映る

礼の深紅の瞳にマーシャが映る

それも束の間、礼が唇を開く

「いいわ。

 私は、あなたの願いを叶える手伝いを

 してあげる。

 その代わりに、

 あなたは私をこの退屈な世界から解放して頂戴?

 神なる永久のマーシャ。」

「ふふふっ、よかろう。
  
 その願い、聞き届けたぞ?

 天帝なる皇 礼殿?」

神と天帝が誓いを交わす

その誓いに歪みなどなかった














至極とは、なんだろうか?
 

Re: For Emperor Requiem ( No.5 )
日時: 2009/08/05 15:19
名前: 心音 (ID: RkLyPv1r)

初めまして!心音(ここね)です。

初めてこの小説を読みました。
すっごくおもしろいですね!!
頑張ってください。
では、また来ます。


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