ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Shotstory...。
- 日時: 2009/12/27 19:44
- 名前: らりえもん (ID: qc1RdKQl)
これは暗い感じの話ばかりです。意味がわからないのもあるかも。更新はかなり遅めになるかと思います。
他のシリアス、社会問題系の小説とはかなり?違う感じです。
現在在るショートストーリー。
一話。
『「無」と「あった」』(友達とのお題小説)
二話。
『悲惨にも組み込まれた』(友達とのお題小説)
二、五話。
おまけで『「無力」と「無力」』
三話。
『疑心暗鬼①』
四話。
『デッサン人形』
五話。
『猫』
六話。
『冷たい唇』 (お題小説)
七話。
『ペット』(十二月九日更新)
八話。
『明日』 (未完)
九話。
『死に目』
十話。
『リストカット』
十一話。
『母の愛』
<お知らせ>
*今週から来週中に八話「血」を更新予定。
若しくは同じく八話、または九話として「明日」を更新する予定です。
前者はおかしい感じ。後者は悲しい感じです。
最近は自分ではあまり納得のいくものが書けてはいません・・・orz。
- Re: Shotstory...。(お題小説①) ( No.1 )
- 日時: 2009/09/09 18:21
- 名前: らりえもん (ID: rOrGMTNP)
<友達とのお題小説「無」と「あった」>
なかった。
何処を探しても。
無いと思ってから、何時間経ったのだろうか。
時計を見ると。さっきまで、時計の針は八時をさしていたはずなのに。
もう、十五時。まだお昼の時間帯だろうか。
諦めきれない。どうしても。
命よりも大事な物を探している。
部屋はまるで、泥棒に荒らされたかの様に、散らかっている。
妻が掃除してくれたのに。
そういえば、妻がそろそろパートから帰ってくる時間だ。
この永遠に物を探し続ける地獄から、解放されるかも知れない。
妻はきっと何か知っているのだろう。
妻は、あまり良い目で見てはくれなかったが。
命よりも大事な、俺の秘蔵コレクション。
とっても大事な、フィギュア。手も加えてある。
フィギュアのために、二千万はかけた。
借金してまで。
貯金を崩してでも。
ピンポーン。チャイムの音。
妻は、俺に迎えて欲しいが為に、鍵を持たない。
おかえりなさい。
ただいま。
いつもの会話。いつもの挨拶。
いつもと、何ら変わらない、日常。
パート先での事とか、幼稚園の友達の話。
いつもの、話題。いつもと同じ、今日。
いつもと違う、話を。珍しく俺からした。
俺の、命よりも大事な、コレクションを知らないか、と。
妻はしばらく悩みながら、言った。
「あなたのために、子供のために、・・・捨てたのよ。
これから子供も、大人になるっていうのに、
お金が沢山かかるっていうのに、
借金してまでフィギュアにお金をかけてばかりじゃダメでしょ!?
・・・分かって・・・くれる・・・よね・・・・・・?
・・・私、子供を迎えに行かなきゃ・・・・・・。」
そこからは、あまり覚えていない。
記憶が、もやにかかっている様な、感覚。
頭を抱えて、目を閉じて。必死で空白の記憶を辿る。
少し思い出してきた。
また、失った。
フィギュアじゃないものを。
今さっき。
もう何処にもない。
永遠に、見つからない。
目の前に、あった。
紅に染まって、艶やかに輝く、肉。
赤い、水。
そして。
もう、人の形すら無い、哀れみの対象があった。
そして、命の次に、大事なものが、赤に染まっていた。
そして、その次に大事な、少女の叫びが。
聞こえる。
もう、聞こえない。
(*解説。・・・フィギュア好きの人の大事なフィギュアを妻が捨ててしまい、怒った夫は妻を殺してしまう。その後、その夫婦の娘は保育園でお母さんの帰りを待っていたが、お母さんがなかなか迎えに来ないのでいっそのことお母さんを家まで迎えに行くことにした。今まで一人で帰ったことなんてなかったから、家まで一人で帰ったらほめられると思ったから。お母さんを驚かせたかったから。家に着いたら、鍵が開いていた。珍しいな。そうしてドアを開けて家に入った。お母さんって呼んでも返事がない。お父さんって呼んでも。それで、リビングに行くと、お父さんが。お母さんを。思わず悲鳴を上げた。もうそのお父さんの眼の中には、愛しい娘はいなかった。ただ、耳障りな悲鳴をあげる、自分の邪魔になる子供しか映らなかった。・・・そして、その娘も。)
- Re: Shotstory...。(お題小説②) ( No.2 )
- 日時: 2009/09/09 18:30
- 名前: らりえもん (ID: rOrGMTNP)
<お題小説。「悲惨にも組み込まれた」わけ分からなさうp。>
あれから何日経ったのだろう。
日が昇るたび、日が沈むたびに。
繰り返す、絶望と怒り。
俺は、一人。
数日前まで、二人だったけど。
ここは、山の中。
誰も、助けてはくれない。
泣き叫んでも、誰にも声は届かない。
ここは、大きく深い、穴の中。
どう足掻こうと、逃げられはしない。
それでも、無意味に足掻く。叫ぶ。
こんな目に遭う理由なんて俺には無いから。
隣に、もう一つ、穴があった。
その中に、女性の死体が、埋められている。
冷たく暗い、土に。
見てしまった。
透き通る様な、白い肌に。
紅色の、化粧。
周りの自然で施された、土色。
それは、全身が、紅く染まっていた。
人間とは思えない、光景。
見たくなかった。
俺は、人気の無い、山の中。
誰も気付いてくれない、道外れの穴の中。
死を待つしかない、落とし穴。
あるのは、自分と、服と、冷たい土。
それ以外は、何もない。
数日前まで、俺は、彼女と二人で部屋にいた。
でも、今はいない。
俺、一人。
どうしてこんな目に遭わなくてはいけないのだろうか。
悪いことなど何一つしていないのに。
悲惨にも組み込まれた、俺の運命なのだろうか。
神の、悪戯なのだろうか。
何で、こんなことになったのだろう。
俺は、こんな穴に閉じこめられた。
入りたくなんか、無い。
全くの、偶然。
怒りがこみ上げてくる。
不安がこみ上げてくる。
絶望がこみ上げてくる。
助けて欲しい気持ちがこみ上げてくる。
空腹がこみ上げてくる。
不愉快な気持ちがこみ上げてくる。
寂しい気持ちがこみ上げてくる。
悲しい気持ちがこみ上げてくる。
哀れな気持ちがこみ上げてくる。
色々な気持ちが、こみ上げてきて。
温かで、透明な水がこみ上げてくる。
人間味のある、涙。
温かい、涙。
誰かの、啜り泣く、声が聞こえた。
どこから聞こえるのだろう。
誰かが、助けを呼ぶ声が、聞こえた。
誰だろう。
上から水が落ちてきた。
手には、温かい、濡れた感触。
まるで、何かを後悔する様な、後ろめたさが描かれた、模様。
どこからくるのだろう。
誰かの、慈悲を請う、かすれた声が聞こえた。
罪深きは、誰なのだろう。
深淵の闇へと葬られ、恐怖を噛み締めるかの様な吐息が聞こえる。
どうしてそんな恐怖を味わったのだろうか。
また、温かい、人間味のある水が目から溢れてくる。
段々と視界がぼやけてきた。
涙の所為じゃない。
あと少しで。
もう、二度と見えなくなる。
何度眠りについても、今と同じ感覚は無い。
声が出ない。
助けを呼びたいのに。
例え誰もいなくても。
なんとか此処から出たい。
逃げ出したい。
もう立ち上がる力すらなくても。
誰かが救ってくれることばかりを、祈る。
もう、何も聞こえなくなる。
誰かが枯れた声で、啜り泣く声さえも。
もう、意識が朦朧とする。
何一つ、罪など犯していないというのに。
悪いことはしていないのに。
俺はただ冷たく、いつの間にか人とは思えない心を持った、
俺が、俺の彼女に死という裁きを下しただけなのに。
物も。死体も。全ての証拠を抹殺するために。
この人気の無い、山に来ただけなのに。
俺は、何一つとして、罪を犯してはいない。
死体は。
醜かったから、見たくなかった。
ざまあみろという気持ち。
美しくないという気持ち。
気持ち悪い。
もう流れ出る涙など無いのに。
目頭が、熱くなる、感覚。
嬉しいのだろうか。
悲しいのだろうか。
俺自身さえ、分からない。
俺は、悪いことはしていないのだから、
きっと前者だろう。
彼女が、他の誰かに裁かれる前に、
俺が裁いただけなのだから。
俺は。
冷たく人間味のない、
俺を理解してくれない、彼女に。
俺が裁きを下しただけだから。
その偉業を、土深くに埋めただけだから。
こんな目に遭う理由は、最初から無い。
でも。
意識を失う直前に、気付いた。
助けを呼ぶ、声。
あの誰かが啜り泣く声。
慈悲を請う様な、罪深き声。
手のひらに落ちてきた、懺悔の雫。
深淵の闇へと葬られ、恐怖を噛み締める様な、孤独な吐息。
全てが、
誰かからの裁きを受けた、俺の、本当の心だったんだって。
(*解説。男は彼女を殺した。酷い女だと、男は言う。彼は彼女を殺すと、山へ埋めてしまおうと思った。そして、最初で最後、彼女の為に(?)彼は墓穴を掘った。しかし、彼は自分が彼女の為に掘った墓穴へと落ちてしまった。さあ彼女を穴へ、とおとすところだった。穴へはもう入るつもりはなかったから、梯子なんかも上へ出していた。上がれそうにないほどの高さの穴。彼女は上、彼は下の穴。彼は彼女の墓穴ではなく、自分の墓穴を掘ってしまった。そして、人気のない山の中、彼はただなにかを待つことしか出来なかった。彼は、最後に何を思っているのだろうか。)
おまけ。なんかひぐらしっぽい?
<「無力」と「無力」>
人は、無力でした。
空の青さを知らないから。
人は、無力でした。
悪いことには、目を逸らすから。
人は、無力でした。
分からないものは、全て異常だと叫ぶから。
人は、無力でした。
不幸が襲ってくると、我が身だけが可愛いから。
人は、無力でした。
知らないものは、存在しないと信じているから。
人は、無力でした。
欲にまみれて、他を見ようとしないから。
人は、無力でした。
嘘をつき、世界が黒くなるのが分からないから。
人は、無力でした。
自分に力が無いと知ったから。
人は、無力でした。
人間に力が無いことを理解すると、人じゃないものに頼ろうとするから。
神は、無力でした。
無力の人間が創り上げた、架空のものだったのだから。
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