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夢殺人
日時: 2009/10/12 09:56
名前: ヘ音記号 (ID: OZyDylja)

みなさんは、夢の中で人を殺してしまったことはありますか?

「夢の中で」です。

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Re: 夢殺人 ( No.14 )
日時: 2009/10/16 19:25
名前: ヘ音記号 (ID: OZyDylja)

「みちる・・・。」

みちるは恵の目の前に立っていた。

「恵。もう龍と別れたの?」

みちるは笑顔だった。

「・・・うん。別れたよ、もう。」

「前に・・・ここであんたと龍があった時に、別れたの?」

「・・・なんで、知ってるの?」

「別れたの、別れてないの?」

「わ、別れたわよ!」

みちるの足元にしずくが落ちた。

「!?」

恵はギョッとした。



         泣いている


         みちるが


         ナイテイル



「みち・・・る・・・?」

「なんで?ウソ・・・つくの?」

「なんで・・・・・・。」


公園の二人の影はゆらゆらと不気味にうごいていた。

Re: 夢殺人 ( No.15 )
日時: 2009/10/16 19:53
名前: ヘ音記号 (ID: OZyDylja)

あれから何秒、いや何時間たっただろうか。

恵はビックリしたまま動かず、
みちるはまっすぐ恵を見つめていた。


    頬に透明なナミダを流しながら。

「ねえ、恵。この前、痛かった?」

「え?」

「あなたの手を何度もえぐった時。」

「・・・みちる・・・。」

「痛かった?」

「・・・・・・痛かったわ。とても。」

「そう。じゃ、もう一回・・・。」


みちるはナイフをポケットから取り出した。

「・・・みちる。」

「今度はもっといたぶるわ。」

「・・・。」

「?どうしたの?・・・逃げないの?」



「みちる・・・私とあなたの友情はこんなにもうすっぺらかったの?」

「何・・・言ってるの、私たち最高の親友じゃない。」

「だったらあなたに私は殺せないんじゃない?」

「・・・は?」

「本当の親友だったら殺すことはできないはずよ。」

「・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


         クスッ

「アッハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

「何が、何がおかしいの!?」


「全部よ。」

みちるの目に憎しみが増した。

「最初に裏切ったのはあんたよ。恵。」

「!!」

         コロス!!



みちるが恵に飛びかかった。












          そう。

         これが二人の






       夢の最後のシーンだった。













       みちるは目を覚ました。


        目の前に誰かいる。



           誰?


        みちるは問いかけた。




    「・・・オレだ。みちる・・・!!」

Re: 夢殺人 ( No.16 )
日時: 2009/10/19 13:33
名前: ヘ音記号 (ID: OZyDylja)

「・・・龍?」

「みちる!・・・どんな夢を見た?」

「なんで・・・ここに・・・。」

今は深夜の3時だった。


     ピピピ・・・ピピピ・・・

龍の携帯がなった。

「もしもし、恵!?」

「龍君・・・・・・。」

「どうした!?」

「なんかね、なんかね。また、変な夢見て・・・。」



        ブツッ!



「!?」

「また・・・恵?」

「みちる・・・?」

みちるは無理矢理龍の携帯を奪ったのだ。

「恵・・・生きてたんだ・・・・・・。」

「みち・・・・」

        
       「コロス!!」


「!?・・・・・・・・みち、る?」

この目の前にいるのはみちるなのか?

・・・違う・・・。みちるはこんなヤツじゃ・・・


「龍。もうそろそろここから帰った方がいいよ。」

「・・・まだお前に聞きたいことが・・・」


      「帰れ!!!」

「っわかったよ・・・・・・。」

Re: 夢殺人 ( No.17 )
日時: 2009/10/20 09:43
名前: ヘ音記号 (ID: OZyDylja)

          最終話



      ピピピ、ピピピピ・・・

「・・・もしもし?」

「恵か?オレだ、龍だ。」

「龍・・・君・・・。」

「恵、時間がない。早く寝てくれ!」

「・・・へ?でも、でも寝たら夢を見ちゃうよぉ・・・。」

「夢を見るんだよ!」

「何・・・言ってるの、龍君・・・。」

「・・・恵。たのむ、オレを信じてくれ・・・!」









         夕方の公園

恵はそこにいた。

きっと夢の中だろう。と恵は思った。

「恵・・・。」

恵は振り返った。

「みちる・・・。」

「さっきの続きね。・・・あんたを殺す!!」

みちるの手にはあの時のナイフがにぶく光っていた。

みちるはナイフを振りかざした。


        「みちる!!」


「!!!」

みちるの手が止まった。

「・・・・・・・この声・・・。」

そう。龍だった。

「龍。どうしてここに?」

「みちる。もうやめろ!」

「?私、何もしてないけど?」

みちるは不気味な笑みを浮かべていた。

「みちる・・・お前のこと、信じてたのによ・・・。」

「・・・。」

「別れてよ・・・。」

「・・・・・・・・・イヤだね。」

「別れてよ・・・別れてよ・・・別れてよ・・・。」

「オレと恵の気持ちは誰にも変えられない。」

みちるの目の色が変わった。

次の瞬間、




         ズブ・・・




        嫌な音がした。



「あ・・・・・・・。」


「い・・・いやあああああああああああああ!!!!龍君!!龍くーーーーーーーーーーん!!」


「恵・・・あんたが悪いんだよ。あんたが別れないから。」


「みちる・・・・・・・もうイヤ・・・。」

恵がみちるに近づいた。

「なに?恵・・・。」

恵はみちるの手をひっぱたいた。

「え・・・・・・?」

「みちる・・・ゴメンね。でも、もう・・・。」





         ザクッ!



     ・・・みちるの左ムネから


     赤い、赤い生暖かい液体が。






  「もう、終わりにしようみちる・・・。」















  一人の少女の嫉妬から作り上げられた“夢”


         “残酷な夢”



     そう、すべては終わったのだ。


     その夢の支配者『みちる』を



        殺すことで・・・


                    END

Re: 夢殺人 ( No.18 )
日時: 2009/10/24 13:46
名前: ナナ (ID: OZyDylja)

終わっちゃったの?

続編読みたいよーーー・・・。


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