ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ファンタジー・ワールド!
- 日時: 2009/10/30 15:35
- 名前: 魔女 (ID: ZQ92YvOU)
ただいま新型インフルエンザにかかっております、魔女です。
暇なので書いてみようと思ったのですが……。
よければ読んでください♪
- Re: ファンタジー・ワールド! ( No.1 )
- 日時: 2009/10/30 16:01
- 名前: 魔女 (ID: ZQ92YvOU)
では!書きますね!
——1章——
ズリズリズリ……。
この音が、死体を引きずる音なら、この先の話はずいぶんと面白い話になるだろう。
だけど実際そんな上手い話はなくて、この音は俺の背が低いがために、腰から下げている剣が地面にあたって鳴る音だった。
え?剣ならいいじゃないかって?そんなことない、絶対ない。剣ったって、じいちゃんが使ってた古い剣
だし、第一錆びている。こんな剣持ってるくらいなら、まな板包丁の方がまだ身を守れるだろうに。
十三歳の俺がこんな剣なんか持って、森を歩いているのは、ちゃんと理由がある。その理由とは、家出——ではなくて、鬼——じゃなくて、お母様に頼まれたからだ。なんでも、近くの城の王様が、モンスター退治をしてくれる勇者を探していて、それに申し出て来いを言われたのだ。モンスターを倒したら賞金額が100万ベルだから、貧乏な俺ん家にはこういうのに頼らざるを得ない。と言っても、今までモンスター退治をして、家計を支えていたのは父ちゃんで、その父ちゃんもこの前行方不明になった。まぁ、よくある事だからそれはいいんだ。そ・れ・は。だが、そのせいで俺が狩り出されるのはごめんだった。
「はぁ〜あ」
俺は大きなため息をついた。
こうやって、狩り出されたとしても、この俺がモンスターを倒せるとはこれっぽっちも思っていない。殺せるものと言えば、せいぜいゴキブリくらいだ。この剣だって、かなり重くて振るだけでも疲れる。それに、戦い方だってわからないのだ。王様が言うには、連れもいていいらしいが、そんな人——。
ドゴォォォォン!!!!
いきなり、すごい音が聞こえたかと思うと、熱い爆風が体に当たった。森の奥で爆発でもあったようだ。俺は急いでそこへ向かった。
そこはまるで、地獄絵図だった。
不気味な色の液体が、地面を染めていた。肉片が、点々と落ちている。たぶん、モンスターのものだ……。モンスターの血の下からは、白い線が覗いている。線は円状に地面に描かれていた。これは本で読んだ事がある。魔法陣だ——。その円の中心には、黒いマントを身にまとい、黒いとんがり帽子をかぶった少女が、息絶え絶えに立っていた。
——魔女!?そんなバカな!魔法族の者はもう何千年も前に絶滅したはずなのに——!!
俺が呆然と立ち尽くしていたら、少女はフッと倒れてしまった。俺はあわてて少女に駆け寄った。
- Re: ファンタジー・ワールド! ( No.2 )
- 日時: 2009/10/30 17:23
- 名前: 魔女 (ID: ZQ92YvOU)
——2章——
魔法族、というのは、名の通り、魔法が使える種族のことである。その力は世界最大と言われていた。魔女はその中でも一番強いと言われていた。そして、モンスター退治の仕事を主にしていた。
人は、彼ら魔法族を慕っていた。
だが、いつしかそれは「恐れ」に変わってしまった。
人々は、魔法族を闇に葬ろうとした。
魔法族はなんの抵抗もなく、人々に殺されていった。本気を出せば、そんなことなかっただろうが、魔法族はそうしなかった。
そうして、魔法族は歴史上から消えていった——。
と言うのが、勉強嫌いの俺でもよく覚えている歴史だった。
この話を聞いた時に俺はすごい興奮したっけな。魔法なんて、見たことないのに、手から火を出す様子が目に浮かぶようだった……。
——って、思い出に浸るのは、よしとして、この子は一体何者なのだろう?俺は改めて少女——って言うかたぶん魔女——を見た。
この子が一人であの何体ものモンスターを倒したのか……。と思うと、隣でスヤスヤ寝ている少女がひどく恐ろしく思えた。
あの魔法陣の場所だと吐きそうだったので、少女を
森の外れまで連れて来た。連れて来たはいい。だが、この後どうすえばいいのかわからなかった。
まず、この顔についているモンスターの血を拭いた。年は、俺と同じくらいに見えた。整った顔立ちで、金髪の髪のさらさらしてて綺麗だ……ってなにしてんの俺。顔を赤くしながら、少女の顔をボーっと見ていたら、なんの前触れのなく少女は目を開いた。深く、青い目だった。
「キャー!変態!!」
「おわぁぁぁぁ!!」
二人して同時に飛びのいた。
「……」
「……」
そして沈黙が続いた。
少女はおびえた様子だった。無理もないだろな、見知らぬ少年が顔を覗き込んでいたんだから。
えぇっと、こういう時は……。
俺は自分のカバンをさぐり、母ちゃんが今朝作ってくれたおにぎりを渡した。
「俺、レンって言うんだ。ヨロシク!」
少女はまたおびえたようだったが、おにぎりを受け取って言った。
「私の名前はアリスよ」
そして、はじめて笑ってくれた。
- Re: ファンタジー・ワールド! ( No.3 )
- 日時: 2009/10/30 22:27
- 名前: 魔女 (ID: ZQ92YvOU)
「——で、そっろそろ教えてくれるかなー、君の事……」
このセリフを言ったのは、これで3回目だ。その間アリスは俺のおにぎり5個を平らげた。
「ふぅ、も〜ぉおなかいっぱぁい」
満足げに少女はそう言った。
「って事で、そろそろ教えろよ。なんで魔女のお前がまだ生きてんだ?」
「え〜、生きてちゃ悪い?」
「そ、そういう意味ではなくてだなぁ」
「そのうちわかるよ」
アリスはボソっと言った。
「そ、そのうちって……」
「今、王様んとこ向かってるんでしょう。私も連れとして一緒に行ってあげるから、まず王様んとこいってごらんよ全部わかるから」
「えぇぇ〜……?」
「そのかわりっ」
アリスはぐぃっと顔を近づけた。
「私が魔女って事は言わないでね?」
その瞳には、何か別のものが潜んでいるようだった。
「は、はぁ〜い」
さっすが魔女。迫力ある。
- Re: ファンタジー・ワールド! ( No.4 )
- 日時: 2009/10/30 22:53
- 名前: 魔女 (ID: ZQ92YvOU)
ってわけで、俺は魔女と同行することになった。
でも、本当におかしな魔女だ。あの後からなんにもしゃべたなくなったと思ったら、「今日はいい天気だねぇ」なんて意味のない話をし始める。かと思えば、「空ってどのくらい高いのかな〜」なんてよくわからない話を話してきた。
おかしい。やっぱりおかしい。
でも、こんなこといったら、俺なんてすぐにあの世送りだろうな。なにせ、歴史の教科書にも書いてあったとおり、世界最強なんだから、魔女は。
と思っても、やっぱり信じられないのが事実だ。俺と同い年くらいの少女だし、なんか見るからにアホっぽい。
って言っても何体ものモンスターを一瞬で倒したのも、事実だ。あのとき光景は、目にしっかり焼きついてしまった。その時のアリスは……恐ろしかった。でも、今のアリスは……アホだ。
「ねぇ知ってる〜?雲って、本当の本当は、乗れるんだよ」
んなアホな……。
「信じてないね。じゃあ見ててよ」
アリスは持っていた杖で地面をトンと叩いた。
するとどっからともなく、白いモヤモヤしたものが飛んできた。
「ほら、雲だよ。乗ってみ」
「お、お、お、おぅ」
まず、雲が飛んできた事に俺は仰天した。
さっすが魔女……。
そして、雲はちゃんと俺の体重を支えてくれた。モフモフしていて気持ちいい。
「じゃあ、せっかく乗ったんだから、このまま城へレッツ・ゴー!」
「ちょ、ちょ、タンマ、タン……」
言い終わらないうちに、雲は恐ろしい速さで風を切った。それこそ、恐ろしいほどの速さで。ジェットコースターよりも、新幹線よりも、ロケットよりも、実際乗った事なんてないが、気分的には、そんな感じだ。でも、これじゃあ孫○空じゃ……。
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