ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

人形裁判
日時: 2009/11/04 17:36
名前: 大河 ◆5J60C42RKY (ID: NTBCloh9)

注意!この作品は人形たち視点で書かれた物です。
 登場人物
 ルイス・クレヴィア 
ゴスロリ愛用娘(?)
ちなみに、金髪。
人形。
 
 クレイス・レイン
ピンク色のフリル系の服着用。
白い髪が特徴。
こちらも人形。

 西条 陽歌 女
さいじょう・はるか。
眼鏡の陰気少女。
こちらは人間。
ひょんことから人形裁判に巻き込まれる。

 結城 蓮美 女
ゆうき・はすみ。
超が付く凶悪殺人鬼。
人形裁判で審理されることになった。(らしい)

まあ、最初はこんなものかな?

 プロローグ
ココハ・ニンギョウノ・セカイ。
人形裁判ノ会場。

人形裁判ハ、恐ロシイ罪ヲ犯シタ者ガ裁カレル場所。

此処デ「有罪」ニナレバ、ソノ者ハ・・・

死ぬ。

人形裁判ハ呪イノ裁判。

此処ニ来レバ命ハ無イ。

貴方ハ・耐エラレマスカ?

Page:1 2 3 4 5 6 7



Re: 人形裁判 ( No.15 )
日時: 2009/11/03 10:47
名前: 大河 ◆5J60C42RKY (ID: 9hpsnfBu)

 4話—殺人迷宮Ⅳ
クレヴィアの不幸な日常。
「何これェ!?」
私の連れていた子供が叫んだ。
「裁判中。静かにしなさい」
「はーい・・・」
裁判中叫ぶなんて非常識な子供だわ・・・
馬鹿じゃないの?

「非常識ね・・・」
「非常識で悪かったですねーだ!」
精神年齢何歳よ・・・10歳未満?
「ほら、今から貴方が喋るのよ」
「え!?突然!?」
はぁ・・・マジで馬鹿だわ・・・
「ほら!さっさと行きなさい!!」
私って自分で言うのもなんだけど、不幸ね・・・

「えーと・・・西条陽歌れす!!あっ間違った!西条陽歌です!!人間です!」
ダメね・・・緊張で言い間違ってる・・・しかも、手が震えてる!!
そりゃ、緊張もするか・・・
周りにいるのは基本的に無感情な人形だもの。

人形裁判には、基本は私のような人形しか居ないもの。
日本人形や、フランス人形。かの有名なバービー人形も存在する。
人形と言っても、普通に歩き、喋る。
そりゃ恐いか。

「私は見ました!!見知らぬ男性の腹部が血の色で染まっているのを!!
足は・・・折れていました・・・見ても判るくらいバキッと・・・
私・・・恐くて気を失いました!なんか・・・恐くて・・・恐くて・・・」

私の友人で、裁判官のクレイス・レインが言った。
「さぞ恐かったでしょう。もう大丈夫です」
脚をガタガタ震えさせて子供は私の方に戻ってきた。
「こ・・・恐かったよぉ・・・」
瞳に涙を浮かべて子供はいった。

まぁ・・・今回はだけは、人間の子供に同情するわ。
そりゃ、見知らぬ人間の死体なんて見たら恐いわね。
それに無感情な人形がこんなにたくさんいたらね
ぇ・・・

「じゃ、帰って良いわよ。家まで送るから」
「うん・・・有り難う・・・」
私は子供を家まで送り届けることにした。
拉致同然の行為をしたのだ。当然の事だと思う。
「そうだ。今日の記憶は消しておくから。これで二度とかかわる事は無いでしょ」
「えっ・・・」
子供は驚いたように言った。

「嘘でしょ・・・?」
「嘘つく必要が何処にあるのよ?こんな事もう思い出したくないでしょ?
消しておくから。さよなら」
子供は叫んだ。
「なんで!?私、やだよ!!忘れたくない!!
お人形さんと逢えて私強くなれたもん!!」

わけが判らなかったけど、言いたいことは判った。
「強くなった?どこが?少なくとも私には関係ないわ。
それは、貴方が勝手になったことでしょ?」
私は突き放す態度を取る事にした。

「急に連れて来られた時はビックリしたけど、私、喋れた!!
私、今まで他人とあんまり喋るの得意じゃなかった!!
でも、喋れるようになった!!」

私のおかげじゃないし私はそこまで優しくないわよ。

続く—

Re: 人形裁判 ( No.16 )
日時: 2009/11/03 11:44
名前: 咲 (ID: Dscjh0AU)

続き、気になるなぁ・・・。


この先どーなるのか・・・。

続き楽しみに待ってますネ♪

Re: 人形裁判 ( No.17 )
日時: 2009/11/04 17:35
名前: 大河 ◆5J60C42RKY (ID: NTBCloh9)

 5話—殺人迷宮Ⅴ
子供と私の最後の縁。

ああ・・・私は冷たいのね。
そんなの知ってたけど。
バカみたい。
あ、本当にバカなのね。

「人形さんのバカ!!なんでわかんないのよ!!
私は人形さんのおかげでこんなに喋ってるんだよ!?
何でわかんないのよ!?」
「さっきから聞いてたら何よ・・・!!貴方、私の何を知ってるの?
何も知らないでしょ!?
たかが、1時間やそこらしか一緒に居ない人間が私の何を分かるのよ!!」

珍しいわ。
私がこんなに分かりやすく怒るなんて。
本っ当に馬鹿。阿呆でもあるわね。
っと・・・自分を罵っても無駄ね。

「人形さん。
何で記憶消しちゃうの?」
おっと、唐突な質問。
「それは・・・」
私は言葉に詰まった。

はぁ・・・なんで私は言葉に詰まるのかねぇ・・・
馬鹿。馬鹿莫迦バカばか。
なんで、私は素直じゃないのかしら・・・

「それは・・・貴方の為よ。
そんな、死人の記憶なんか要らないでしょ?」
「だったら・・・
だったら、人形さんの記憶だけは残すって出来ないの?」

そう来たか・・・
「・・・出来なくは、無い。
でも、推奨はしないわ。」
「なんで?」
「記憶に後遺症が発生する場合があるからよ。
もしかしたら、記憶が全部飛ぶかもね」

「後遺症・・・」
子供は黙り込んだ。
そんな表情しないでよ。
私が悪者みたいじゃない。

「人形さん」
「何?」
「私とお人形さんの記憶・・・消して」
フン、諦めたのね。
「いいわ。消しましょう。本当にいいのね?」
「・・・うん。でも条件があるよ」
この期に及んで何よ。
「何?一つだけ聞きましょう」
「名前・・・」
「え?」
私が言葉を聞き逃すなんて珍しい。
「名前。最後に教えてよ。最後くらい名前で呼ばせて」
「いいわ。どうせ忘れられるんだしね
そのかわり—貴方のも教えなさい」
「うん。いいよ」

きっと、私は忘れないだろうけど。
「わたしは、ルイス・クレヴィアよ。昔、付けられたの」
「キレイな名前だね。私は、西条陽歌。太陽の陽に歌ではるか」
「変わった名前ね。それじゃあ、さよなら—陽歌」
「うん・・・さよなら。・・・ルイス!!」

「また、縁があったら遭いましょう。
別に遭いたいわけじゃないけどね」
「あ、ツンデレだ」
「んなっ・・・」

初めてツンデレなんて言われた。

そんな下らない会話を交わして、私は陽歌と別れた。

人間って案外面白いのね。

殺人迷宮—終わり

Re: 人形裁判 ( No.18 )
日時: 2009/11/12 17:21
名前: 大河 ◆5J60C42RKY (ID: 8Tlqu13n)

 番外編—ただの記憶

あれから、3週間。
たった3週間しか、たっていなかった。
あの子供とは、あれ以来会って居ない。

そりゃ、子供は私の記憶無いだろうし。
あれ?陽歌っていう名前だったっけ?

今日は、人間界に散歩に来た。
だって、10分も時空超えれば着くんだもん。
ふぅ・・・ちょっと疲れた。

何せ、時空を超えたんだ。
疲れるさ。

「あ・・・」
散歩していたら、あの子供を見つけた。
覚えてるわけ、無いのに。
声をかけてしまった。

「ひ・・・久しぶり・・・」
子供は誰だ?と言う様にこっちを見た。
「あなた・・・誰?」

覚えてるわけ無いか・・・
私が、記憶消したんだし。
「なーんて。嘘。お人形さんでしょ?」
「!!!!」

覚えていた。
記憶は消したはずなのに。
失敗したのか?

「お人形さんの記憶だけはあるよ。他の事は・・・さっぱり忘れた。
キレイにお人形さんのこと以外、忘れた」
「失敗してたのね・・・」

その日は、子供と雑談をして、買い物もしてみた。
新しい服を買ってみた。ゴスロリじゃない奴。
普通の薄い青色のワンピース。

私の、友達と。

初めての友達・・・なんて生易しい関係じゃないけど、友達。

また、今度。なんて簡単な挨拶をして別れた。
「今日は、疲れたから早く帰って寝よう」

私は、少しだけ、変わったかもしれない。

まあ、変わってないかもしれないけど。

これで、本当に変われたなら優しくなれたかな。

私には、分からなかった。

Re: 人形裁判 ( No.19 )
日時: 2009/11/12 18:55
名前: 大河 ◆5J60C42RKY (ID: 8Tlqu13n)

 6話—赤色=血色
宮島小春の普通だった日。

「眠いよ〜・・・」
私は起きた。
「ってヤバいじゃん!!」
時計が指していた時間は午前10時30分。

でも、あわてていたのはほんの一瞬。
「今日は日曜だ・・・」

私は、宮島小春。小さな春って書いてちはるって読むの。
でも、よくこはるって間違われるの。
名前くらい正しく覚えてよ!!

日曜は毎週買い物に行くの!
今日は、お小遣いが出たばっかりだから、洋服が買えるんだー♪

ザワザワ・・・
いつも買い物に行く店は、いつもより混んでいた。
「人多いなぁ・・・もう・・・」
今日、混んでいるのは、半額セールの所為。

混んでた所為で、家に帰るのが遅くなった。
帰る頃には既に陽は落ちていた。
「あーあ・・・今日は遅くなっちゃった・・・」

がちゃ。
普通のドアノブを回す音だった。
でも、いつもの音が私には、変な音に聞こえた。
まるで・・・拳銃を回す音。

パァァァァァァン!!
ドアノブを回して、家に入ったら、凄い音がした。

銃声・・・

「う・・・そ・・・でしょ・・・?」
家の中で私が見た光景は、
血まみれになった両親と、
拳銃を持った、殺人犯。男。顔を隠していた。

「おとーさん?おかーさん?」
素人の私でも見て分かった。

死んでいる。

「お前、何したの?」
私は、咄嗟に近くにあった果物ナイフを持って言う。
「お前が!おとーさんと!!おかーさんを殺したのかって聞いてんだよ!!」
「・・・・・」
男は何も言わなかった。
「殺したのかって・・・」
私はナイフを持ったまま近付いた。
「聞いてんだよ!!」
私は、怒りで我を忘れていた。

「へぇ・・・ガキの癖に喋るじゃん。
そうだよ。俺が殺したんだよ。ちはる」
私の名前を呼んだ。

「そっか」

「お前が殺したんだ」
私は、ナイフで男の腹を刺した。
「がはっ・・・!」
男は血を吐いた。
血は 赤というより 黒に近かった。

「お前なんか・・・死ねばいい・・・これは、とーさんと・・・かーさんの分だよ」
私は、さらに深々とナイフを刺した。

人を殺すのってこんな感覚なんだ。
血が、私にもかかる。

こんなに、気分がいいんだ。
人を殺すのって。

「あは・・・あはははははははははは!!あはははは・・・

 あーはははははっはハハハハハ歯歯ははっ!!」
笑った。
大爆笑した。

本当に、心の底から笑った。

続く—


Page:1 2 3 4 5 6 7



この掲示板は過去ログ化されています。