ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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包帯戦争。(グロあり)
日時: 2009/11/03 12:49
名前: 朝崎疾風 (ID: VZEtILIi)

自分探しの旅を終え、かえって来ました。((早
でゎ、どーじょ。

■登場人物■

祝詞のりと
本名では呼ばれず、「少年」と呼ばれる事が多い。駄菓子屋の小春と暮らしている。

ヒナト
いつも金属バッドを持っているゴスロリ少女。人体改造が趣味。問題児で、学校もサボりがち。

小春こはる
駄菓子屋の、名前の割にはお兄さん。祝詞の叔父さんだが、若い。

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Re: 包帯戦争。(グロあり) ( No.17 )
日時: 2009/11/04 17:25
名前: 朝崎疾風 (ID: VZEtILIi)

結局キャラメルはくれないまま、僕と小春ちゃんはどーでもいい、どうして信号は赤・黄・青の三色なのかとか、アリは頭が千切れても何故生きてるのかとか、至極庶民の素朴な疑問を話し合っていた。
そーしてしばらく時間が過ぎて、そろそろ腹が減ってきた頃に、そいつは現れた。
「儲かってまっか?」
木庭里輪廻コバサトリンネが大きな目を思い切り細めて、売り物の飴玉の包みを開け始める。
「おい。金払え」「払うケド、儲かってないみたいやなー」
大きなお世話だよ。
小春ちゃんは、木庭里が苦手らしい。あからさまに顔を背け、煙草を灰皿に押し付けた。
「偉く嫌われてんなぁ。何したってゆーねんや」
木庭里が舌打ちをして小春ちゃんを睨みつける。木庭里も口が達者で、小春ちゃんといい勝負なのだけど。

「お前、失せろ」
「金、払わんでいいんかいな」
うわ。今絶対に怒りマークができた。
「金だけ置いて失せろっつってんだ。この尼」
「失敬やね。俺に向かっていい度胸してはるやん」
こらこら。お前は女の子でしょうが。いたいけな少女が「俺」とか使っちゃいけませんー!
木庭里は、同じクラスで少々変わり者の女子だ。
男っぽいし。運動神経ヤバイほどいいし。有り余るほどだし。
「ちっせー胸そらすな。虚しいだろーが」
「いつ来てもお前さんはホントにムカつくさかいね。いっぺん湖ン中沈めたろうか」
これ以上ヒートアップしたら、小春ちゃんが必死で握り締めている灰皿を投げかねないし、木庭里がその飛びぬけた運動神経を発揮して小春ちゃんの頭を割りかねない。
「木庭里。飴買ったんなら帰れよ」
物腰柔らかくトーンを変えてみたつもりだけど。
「ま、そやな。こーんなちっせぇ店、相手にせんし」
その小さい店に飴買いに来たのおめーだろ。
「さっさと失せろ。糞尼」
小春ちゃんは無視された。
木庭里が財布を取り出して小銭を持ち、それを思い切り灰皿を床に置こうとした小春ちゃん目掛けて投げつけた。
乾いた音と、「って」小春ちゃんの声。
「………っの野郎!!」
「もういないよ」
逃げ足が速いこと。さすが市で3位の事はある。
一方で小春ちゃんは、何とも形容詞しづらいような、悔しさと怒りとを混合させて、2で割ったような顔で
「あの糞…マジでうぜぇ」
悪態をついて、彼にとっては珍しく再び座敷に座った。
大噴火はまぬがれたか。やれやれ。




日付がかわって、学校だ。
どんよりしている雲が雨を降らすか降らさないかで見当している。一応傘を持っていこうか。
小春ちゃんが眠そうな顔で味噌汁を温めながら、
「なあ。どう思う?」
「何が?」
「ニュースでは雨は降るって言ってるけど、俺の勘では雨は降らない気がするんだよね」
…傘を持っていこう。
小春ちゃんの動物的直感とか、第6感とか全然信じてない。現に当たった事がないから。
「何だよ、その人を小バカにしたような目」
「小バカなんて思ってないよ。バカだなって思ってるケド」
「……………味噌汁やらんぞ」
「天才です」
僕より5歳も年上の子供の相手をしていると疲れる。ん?文脈が変だな。ま、いいか。
味噌汁は美味しい。
おあげがふわふわしてるし。これぞ日本の理想的な食事!!
心の中で小春ちゃんに大喝采をあげてみる。なんて。

学校に着いたのはチャイムがなるまで充分に余裕がある時間だ。
教室には半分の生徒らが好きな事をしている。
自分の席に着いて、あくびを一つ。
「目玉がさ、無いんだって」
目玉?
窓側の一番後ろにある僕の席。その3個前で話している五十鈴の声が聞こえてきた。
「何か、最近殺人事件あるじゃん?目玉が一つだけくりぬかれてるらしーぜ」
「うわっ。それって怖ぇー」
ふむ。目玉、ねえ。
何に使うんでしょうかー。目玉焼き?まさかねぇ。
殺人事件は、ここ数日で発生している、被害者が10代の少女ばかりという事件。
異質で凶悪な犯罪がどーたらこーたらなどと言っていたけど、あぁこれか。
目玉をメロンみたいにくり抜かれたってわけか。そりゃ悪趣味な。

Re: 包帯戦争。(グロあり) ( No.18 )
日時: 2009/11/04 17:26
名前: 朝崎疾風 (ID: VZEtILIi)

さあ。
人の頭の中ゎ私にはわかりませんね。
>大河s

Re: 包帯戦争。(グロあり) ( No.19 )
日時: 2009/11/04 17:42
名前: 朝崎疾風 (ID: VZEtILIi)

でも、僕にとって全然それは関係ない事だから。
それよか今日は眠い。眠すぎ。小春ちゃん、睡眠薬とか入れたんじゃないの?まったく。
「きゃああああああああああああああっ」
何だ?悲鳴が聞こえたけど。
クラスの奴らも窓から廊下を見ている。何事?
悲鳴の後、ガラスの割れる音もした。今日は何かの祭り事?
そして、僕の目に金属バッドが見えた。
あれは。
いや、何を考えてるんだ、僕は。
学校に金属バッドを持って徘徊するなんて、あの人意外誰がやるっていうんだ。
僕は仕方なく立ち上がり、みんなを押しのけて、
「……………ヒナト」
制服を改造しすぎのヒナトを呼んだ。

ヒナトのあどけない目が僕を捕らえる。
「少年。どうした」
「何ガラス割ってるんだよ」
「ハエ」
は?
「ハエが止まっていた。目障りだから、殴ってやった。脆いガラスが割れた」
「……………へぇ」
しか言えないでしょうが。
みんなは普通に会話している僕とヒナトをどこか近寄りたくないという目で見ている。
てか、先生来ちゃうじゃんか。
「怒られてきなさい」
「もし説教するんだったら、コレで殴ってやるから」
この子も殴ったりしたら正常に心が起動するのだろうか。無理だな。殴る前に僕がもうお陀仏だし。
「殴るのはダメ」
「……少年。お前は何だか、大人しいな」
今気づいたー?阿呆か。
ほら、ずり落ちる眼鏡を手で持ちながら先生が来ちゃったじゃないか。自分で何とかしろよ。
「じゃあ、また後でな」
「ばいばい。あたしはコイツらにガミガミされてくるぞ」
ヒナトが先生に連行されて、僕は安堵の息をつき、着席した。
みんなの視線が痛いけど、どーって事はない。
あくびをまた一つ。涙が出てきた。

昼休み、僕は怒り心頭で戻ってきたヒナトに腕を引っ張られ、裏庭に連れて行かれた。
ボコられるのだろうか。やだやだ。

Re: 包帯戦争。(グロあり) ( No.20 )
日時: 2009/11/04 19:46
名前: 朝崎疾風 (ID: VZEtILIi)

ボコられはしなかった。
ただ、
「あいつら、絶対殺してやりたい」
怒りを僕に向けてきた。勘弁してくれ。
愛用の金属バッドは取り上げられたのか、手元にない。ゴスロリに改造した制服の裾を弄りながら、ご立腹のようで、永遠と愚痴を語る。
「殺しちゃダメだよ」
「何で?不要な人間は排除されるべき」
「勝手に憲法作っちゃダメでしょ」
「あたしが大統領になってやる」
大統領になっても無理だと思うけど。
精神年齢が低いから、どう対応していいかわからない。
「目玉」
「はい?」
「目玉くりぬいたの、まさかあたしじゃないよなって言われた」
あぁ、あの殺人事件か。
疑われた訳ね。可哀相に。よしよし。
頭を撫でると、少し気持ちが安らいだのかニコッと笑ってくれた。美人だなー。

「ヒナトじゃないでしょ」
「当たり前。あたしはあんな事しない」
弁当をミートボールを頬張る。おいしい。
ヒナトが弁当を持ってきたのを、僕は見た事がない。まさか家で人肉を食べてるとか…現実にありそうなので怖い。
「失礼な奴だ」
…ん?
「ヒナト。何コレ」
「ふえ?」
笛?じゃなくて。
僕は彼女にも見えるようにヒナトの腕を掴んだ。
細い。しっかり食べようぜ。
「コレ、この刺さっているやつ、何?」
聞かなくても、頭ではちゃんと理解している。ガラスだ。しかも、無茶苦茶デカイ。
それが腕の内側に深々と、最低3センチは刺さっているかも。
「抜かないと。痛くないわけ?」
「全然。気づかなかった」
無感性かよ。絶対に痛いだろうけど、本人が痛がっていない。不思議だ。どうなってんだこの子。
「抜くけど、いい?」
「自分で抜くぞ」
ヒナトがガラスをギュッと掴む。力が強すぎたのか、掴んだ手の平から真っ赤な血がただれた。
「……………」
わかってやってるのか?うーん、謎だ。
「えいっ」
軽く声をかけて、引っこ抜く。きゃー。
血が滝のように、開いた穴から零れ落ちる。ハンカチ、ハンカチ。

「痛く、ない?」
「まったく〜」
さすが。天晴れだ。拍手を差し上げたい。
真っ赤に染まったガラスを捨て、ハンカチで傷口を塞ぐ。
ヒナトが切れた手の平を眺め、
「…………」
何をするのかと思ったら、舌でなめ取った。
「苦いぞ、少年」
僕に言われても。血は苦いだろうし。鉄ですから。まったくもって意味がわからない。
「少年、舐めるか?」
「…………やだ」
遠慮した。
少しヒナトの血で染まった弁当を手早く食べ終えて、ヒナトを保健室に連れて行こうとした。ら、
「やだっ」
「包帯巻かないと」
「やだっ」
「ワガママもいい加減にしなさい」
「殺すよ?」
「……………はい」
殺されてはかなわない。
「あたしは、今から金属バッドを取りに帰る。じゃあな、少年」
「先生に怒られるよ?」
「その時は、殺す」
殺す以外で何か考えましょうよ、お嬢さん。ダメだ。この子には何を言っても無駄だった。

Re: 包帯戦争。(グロあり) ( No.21 )
日時: 2009/11/04 19:53
名前: 藍羽 (ID: z2nqgfVA)

ひゃー。
ヒナトちゃん、可愛いです!

目玉がない・・・ですか。
まさかヒナトじゃないですよねー・・・


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