ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- DISSOLVE STORY(七魔将キャラ土属性募集1人限定
- 日時: 2009/12/26 23:17
- 名前: はせピン (ID: HnQQx7lG)
書いていた小説が削除されていましたがバックアップ用のがあったので全て追加します。
小説の名前の提案は架凛様です。
(↓は架凛様のスレです。)
>> http://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode=view&no=3274
キャラクター紹介
名前「キース・アンバート」(名前提案:架凛様)
性別「男」
年齢「15」
武器「双剣→剣(サーベル系)」
容姿「赤髪に琥珀色の瞳、服装は黒シャツに灰色のズボン。」
性格「冷静・冷酷(ファーナ対面後、冷酷さがなくなっている。)」
キースイラスト>> http://image-bbs.webclap.com/practice/up_img/1260536781-73999.jpg
(イラスト制作者:菜月様)
名前「ファーナ・クレアス」(名前提案:架凛様)
性別「女」
年齢「14」
武器「(後に発表)」
容姿「セミロングの緑髪に青色の瞳、服装は青い服に白いズボン。」
性格「明るく優しい」
ファーナイラスト>>http://files.uploadr.net/554d816e21/002.JPG
(イラスト制作者:雪梨様)
名前「ミルド・シェトリス」(名前提案:架凛様)
性別「女性」
年齢「12」
武器「メイス」
容姿「腰まである銀髪に蒼色の瞳、服装は黒と紫のローブ」
性格「仲間になる以前は非常に攻撃的であったがキース達と一緒に行動するようになってから穏やかになっている。」
名前「リア・ライトネス」(名前提案:架凛様)
性別「女」
年齢「14」
容姿「桜色のお下げ髪にエメラルドの瞳、服装は黒のチュニックワンピース。」
性格「陽気で明るい。少々強気。」
名前「ゼファー・アラウンド」
性別「男性」
年齢「21」
武器「長剣(グラディウス等)」
容姿「ソリッドアッシュに青色の瞳、服装は白いコートに黒のシャツ、茶色っぽい長ズボン。」
性格「冷静で時には冷酷。
七魔将キャラ
募集スレ>>24
七魔将についてお知らせ>>61
《ネレイド》チャーム>>25(キャラ提案者:haru様)
《名称未定》アリアス>>27(キャラ提案者:のんびり様)
《光を出す死神》ユキ>>37(キャラ提案者:みちる君様)
《神炎》ギリア>>40(キャラ提案者:珠凛様)
《月光の喪壊》ライル(シャロウ・M・ライル)>>50(キャラ提案者:椿薔薇様)
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- Re: DISSOLVE STORY(キャラ募集終了!) ( No.52 )
- 日時: 2009/12/20 23:48
- 名前: はせピン (ID: jYd9GNP4)
残りの闇と冥を載せます。(冥は提案者います)
1《吸血鬼(ドラキュラ)》「レオニード」
性別「男性」
年齢「25(不老不死)」
武器「小剣(レイピア系)」
属性「闇」
容姿・性格「白い長髪と分かれて額の見える前髪、吸血鬼の為に赤い瞳をしている。性格は穏やかで冷静だが戦闘になると冷酷。」
服装「タキシードで体を覆える程の漆黒のマントを着ている。」
一人称:私
二人称:貴殿、貴方(偉い人に対して)
三人称:吸血鬼
必殺技
技名「イグザイルスピア」
説明「小剣の刃を闇の槍へと変えて床に突きさし、地面に闇の波動を相手に喰らわす。第二形態使用時は自らも波動を発する。」
第二形態「死霊と合体して周りに負の思想のオーラを纏う。漆黒のマントを広げると魔物の爪へと変化して相手を詰め、そしてみじん切りにする。」
(キャラ提案者:はせピン)
2《冥界の零女》「ヴィナス」
性別「女性」
年齢「20」
武器「鞭」
属性「無」
容姿・性格「身長百六十六センチ、体重四十九キロの女性。髪は黒髪のポニーテール。前髪は分けている。眼は紫と金のオッドアイで、若干吊り上っている。
性格はサディストで自己中心的。現実的で、怖いことを言う。利用できる物は利用する。自分が危ない時は仲間を盾にすることも。
体術はあまり得意でなく、正面からの攻撃くらいならかろうじて避けれる。
口調は男っぽい。」
服装「黒と赤のローブを纏って、中には白のセーターと、黒のショートパンツを着ている。ブーツは黒のブーツを履いている。」
必殺技
技名「流星(ナガレボシ)」
説明「流星のような速さで鞭を操り、敵を斬る。」
第二形態「鞭は蛇の様になり、何処までも伸びる。ヴィナスが使う魔術は冥界で使える“冥術”を使うようになる。」
(キャラ提案者:迷鎖様)
- Re: DISSOLVE STORY(キャラ募集終了!) ( No.53 )
- 日時: 2009/12/21 18:59
- 名前: 椿薔薇 (ID: n6vtxjnq)
てきと〜でいいですよ><
というかイメージにおまかせしますです
- Re: DISSOLVE STORY(キャラ募集終了!) ( No.54 )
- 日時: 2009/12/21 21:11
- 名前: はせピン (ID: Yt2dPgji)
>>53
椿薔薇様
判りました!私のイメージでキャラの二人称をやりますので!
- episode23「砦へ……」 ( No.55 )
- 日時: 2009/12/21 22:27
- 名前: はせピン (ID: Yt2dPgji)
コンスタンツ王家の次男であり、一番下であるトーマが新教皇に偽り、長男のセルゲイ討伐指令を出したウィンダム。
砦で元重臣達と戦うセルゲイを援護する為に魔物が砦に向かって掘ったトンネルを進むキース達。
しかし、トンネルの中には見張りをしていた魔物達がいて戦いながら砦へと進んでいた。
「これで……終わりよぉ!」
ミルドが大鬼(オーガ)に向けて掌に具現された赤い魔術の方陣から炎の球が放たれる。
ゼファーに“魔女の瞳”を奪われながらもミルドの力は対して変わっていなかった。
火炎の球を喰らったオーガは燃え尽きて灰も骨も跡形も残さず消えてしまっていた。
最後の魔物を倒した途端にファーナは腰を抜かしたかの様に地面に座った。
「こんなに魔物が出るなんて思ってなかった……」
荒い息をしながら言うファーナ。
隣にいたキースは額の汗を拭ってサーベルを鞘に納めた。
「ここからが本番だ。ウィンダムはそろそろ突撃するかもしれないからな。」
「気を引き締めた方がいいわね。」
トンネルの魔物を片づけても外に出れば、ウィンダム率いるセルゲイ討伐隊がいる事は確かである。
どちらにせよ戦闘は避けられなかった。
三人は急いで外に出ようと走り出す。
しばらくすると明りが見えて出口だと分かり、遂に外に出た。
「何とか、兵士達はここを回ってないようだな。」
周りを見て誰もいないことを分かって安堵の息を吐くキース。
しかし、三人の目の前には高い絶壁があった。
「ここがセルゲイさんが守っている砦……」
あまりにも高い絶壁に目を点にして驚いているファーナ。
「セルゲイの兵士にこの書を渡せば、砦を捨てて都市に向かう筈だ。」
懐から取り出した封のある手紙を取り出すキース。
それは行く前に聖女アンフィーからもらったセルゲイ宛ての手紙であった。
「これを届けるにはどうすればいいの?門番には一人もいない筈よ。」
首を傾げて問うミルド。
その時、キースは手に取っていた手紙をしまい。
二人を腕の中にやる。
「ちゃんと捕まっていろよ……」
「え、ちょっと!キャアァァァ!」
ファーナの悲鳴と共にキースは砦の絶壁を飛び越える。
砦の中に入り、地面に着地すると二人を放した。
ファーナの悲鳴に気づいたのか三人の周りに兵士が囲む。
全員武器を構えて今にも襲いかかりそうだった。
一人の兵士が剣を振り上げて襲いかかろうとしたその時……
「待てっ!」
砦内に響く声と共に兵士の動きが止まる。
兵士の間を通って三人の前に現れたのは青髪で緑と白の服を着た男性だった。
「お前達は何者だ。まさかウィンダムが派遣した傭兵か?」
「違う、俺達はアンタの妹アンフィーに頼まれて来たんだ。」
「アンフィーに?全員武器を収めろ!」
自らの妹の名を聞いて男性は自軍の兵士達に命令する。
どうやら、この男性がセルゲイなのだろう。
キースは懐から手紙を出してセルゲイに手渡す。
もらった手紙を読むセルゲイ。
「砦を捨ててレオールに戻れか……」
困ったかの様に首を横に振りながら手紙を懐にしまう。
「すまないが、アンフィーの言葉には従えない。この砦を捨ててしまえば、ウィンダムは必ず追い打ちを掛けてくる。」
「確かに砦を捨てて都市に逃げれば、追い打ちを掛けられるかもしれないな。だが、そうしないと妹の隠れ場所が分かってしまい殺されてしまうかもしれないぞ?」
「くっ……」
キースの言葉を聞いてセルゲイは拳を強く握る。
砦を捨てることは自らの敗走となる。
逆にここで戦えば、キースの言うとおり妹アンフィーが隠れている場所が見つかり殺されてしまう。
セルゲイにとってはどれも大切だった。
敗走か妹の死か……
「私はどうすればいいんだ……」
「セルゲイ様!アンフィー様の為にここは我々に任せてセルゲイ様は都市へ向かってください!!」
迷っているセルゲイに差し伸べたのは兵士達だった。
「お、お前達……」
「この砦は決してウィンダム氏に占領させません!だからセルゲイ様はアンフィー様の元に!」
「す、すまない!」
兵士達の言葉にセルゲイは涙目になっていた。
そして三人の前に立って……
「行こう!」
そう言って後ろの門を開けて砦を去って行った。
その頃、ウィンダム軍は……
「ウィンダム様!セルゲイが砦から逃げました!!」
「よし!全軍!!砦へ突撃だ!!!」
ウィンダムが剣を砦へと向けると兵士達の叫び声と同時に砦へと向かって行った。
「ウィンダム軍が全軍突撃!」
「絶壁の上の者は矢と岩を!他の者は門が破られるまで待機だ!!」
ウィンダム軍の動きに感づいたセルゲイ軍も本人がいなくとも戦闘準備を始める。
そして二つの軍隊の戦いが始まった。
自軍がウィンダム軍の戦っているのを気付きながらも都市レオールへと向かった。
三十分前後に着くが相変わらず暗いのは変わっていない。
後を付かれていないか見張りながらアンフィーのいる学校を目指す四人。
学校に着き、隠し部屋へと入る。
「お兄様!!」
「アンフィー!無事だったか!!」
お互いの無事を確認して安心する兄妹。
「お兄様、これから私達は大聖堂にいる弟トーマ救出してウィンダムを倒しましょう。」
「あぁ、そうだな。」
トーマが捕まっているレオールの城『大聖堂』。
セルゲイは三人に顔を向ける。
「もう一つの仕事を引き受けてくれないか?大聖堂に攻め込むには君達の力が必要だ。」
「そんな必要はない!!」
セルゲイの言葉を掻き消して突如現れた声。
部屋にいる全員が辺りを見回す。
その時、暖炉から出てきたのは……
アルカトラル帝国皇帝ロジェーF・ジェイトリスだった。
「こ、皇帝が何故ここに……!?」
セルゲイはロジェーに顔を向けて言う。
「君達を援護する為だ。私達はウィンダム氏の暴動を知った。連合にこの事を話したらウィンダム氏は七魔将と協力している事が判明した。」
「私達を助けてくれるのですか……?」
恐る恐る問う言葉にロジェーは首を縦に振った。
「あぁ、既に我々帝国兵は待機している。後は君達が我々の援護を必要するかどうかだ。」
「も、勿論、力を貸して下さい!」
頭を下げて頼み込むセルゲイに対し、ロジェーは微笑んだ。
「分かりました。すぐに兵に大聖堂突入準備をしましょう。」
ロジェーはそう言ってその場を去って行った。
「まさか、皇帝陛下が我々に力を貸すなんて……」
アルカトラル帝国の援護を借りるコンスタンツ王家。
それは現在兵力が少ない状況で助けに来ることはまさに仏の様な存在だった。
「キース殿、我々に力を貸してくれないか?」
「勿論、力を貸す。」
「有難い!」
「それじゃあ、俺達も先に行ってます。」
キースはそう言って二人を連れて大聖堂突入準備をし始めた。
そしてコンスタン王家の兄妹とレオール兵が集まった事で大聖堂突入とトーマの奪還が始まろうとしていた……
- episode24「奪還!!」 ( No.56 )
- 日時: 2009/12/22 23:13
- 名前: はせピン (ID: gE35uJOs)
レオールの王城《大聖堂》。
ハロルド教皇死後前はコンスタンツ王家が治めていて平和だと思われていた宗教都市レオール。
しかし、ハロルド教皇死後、遺した遺言ではコンスタンツ王家の次男トーマが後継ぎに決まっていた。
しかし、その時に重臣の一人であったウィンダムがトーマを幽閉すると同時にコンスタンツ王家の長男セルゲイ討伐指令を出した。
現在ではウィンダムが教皇となり、宗教都市は以前の活気が一気になくなってしまっていた。
しかし、キース達とアルカトラル皇帝ロジェーの協力を得て今、トーマ救出の作戦が行われた!
「ふぁあぁ〜」
大聖堂の周りを見張っている一人のウィンダム軍兵士が欠伸をした。
「おい、何時反乱軍が攻めてくるか分からないのに欠伸なんかするなよ。」
「別にいいじゃねぇか、ウィンダム様は七魔将の一人と協力しているし、ハロルド教皇の元にいた重臣達はウィンダム様の味方だ。攻めてくるなんて玉砕だよ。」
緊張感のない兵士を叱咤しながも話し始める兵士二人。
そうしていた時、一人の兵士が何かに気づきピクッと体を動かした。
「どうしたんだ?」
「何か、声と足音が聞こえないか?」
「気のせいだよ、反乱軍がここに来ることなんか……」
『ワアァァァァァ!!!!』
兵士の声を掻き消して突如前に現れる軍隊。
その軍隊を見て二人の兵士は何の軍なのか気づく。
「アルカトラル帝国の兵士じゃないか!?それに反乱軍も!?」
そう、向かい来る軍隊はアルカトラル帝国の軍隊とセルゲイ率いる反乱軍だった。
勢いの強い二つの軍に二人の兵士は波に飲まれる。
そして二つの軍は大聖堂に入って行った。
「アルカトラル帝国が反乱軍と組んで攻めて来たぞ!追い返すんだ!!」
隊長らしき人物がそう叫ぶが勢力を増した軍隊には敵わず敗走の一方であった。
大聖堂内は既に戦場と化していた。
そんな中、戦っていたセルゲイは後ろで応戦しているキース達に顔を向け……
「キース君!ここは我々に任せて君達は弟を頼む!弟は地下牢にいる筈だ!!」
「分かりました。」
返事をしたキースはセルゲイが投げた大聖堂内の構造の地図を受け取り、ファーナとミルドと共に地下牢へと向かった。
薄暗く狭い階段を下りて行く。
敵の気配は全くない、逆に気味の悪い雰囲気が漂っている。
階段を下り終えると三人の兵士がいた。
しかし、一人の兵士は軽装ではなく、重装備をしていた。
重装備した兵士が片手にしている大剣をキース達に向けた。
「貴様等……反乱軍の分際でウィンダム様に逆らうとは……死で償え!!」
重装備の兵士の声と同時に一斉に襲いかかる兵士達。
しかし、寸でにミルドが術式を示す魔法陣を具現させる。
「ファイアーボール!」
魔法陣から出た火の玉が重装備の兵士の鎧にぶつかる。
相当な力に押されて重装備の兵士は吹き飛ばされ、向こう側の壁に激突し気絶する。
ミルドの力を見た二人の兵士はガクガクと震えて持っていた武器を床に落として土下座し始めた。
「ゆ、許して下さい!」
「トーマ様の幽閉場所を教えなさい……」
「トーマ様はこの……」
二人の兵士は立ち上がって黄金色の扉に指を指した。
キース達は黄金の扉を開けて入ると牢屋と同じくらいの部屋で前には縦長い帽子を被った少年がいた。
「だ、誰ですか……?」
優しい瞳に顔、だがその顔は恐怖に満ちていた。
そんな少年にファーナは近づく。
「君を助けに来た人だよ。今、お兄さんとお姉さんがアルカトラル帝国の人達と一緒にウィンダムの兵士と戦ってるよ。」
優しく微笑んで話すファーナ。
この少年がコンスタンツ王家の次男であり次期教皇であるトーマだと言うことは三人は分かっていた。
トーマはファーナの優しい微笑みに恐怖を無くす。
そして立ち上がり……
「ありがとうございます!」
そう言って頭を下げた。
その後、階段を上がって戻るが既に勝負は終わっていた。
帝国軍とセルゲイ軍の圧勝だった。
生き残っていたウィンダム軍の兵士の数は数十人。
全員がセルゲイとアンフィーの前に土下座をしていた。
「申し訳ありません……ハロルド教皇の死後にトーマ様に付いて行こうとしたものの、ウィンダムに弱味を握られてしまって……」
「それでお前達は私達に敵対していたのか……」
ウィンダムに味方していた兵士達は弱味を握られて付いていた事を聞いたセルゲイは手を顎にあてる。
隣にいたアンフィーがセルゲイに顔を向ける。
「兄上、砦の兵士達は大丈夫でしょうか?」
心配そうに尋ねるアンフィー。
セルゲイは首を縦に振った。
「あぁ、彼等は精一杯やってる。砦を守るだけじゃなくて我々に忠誠を誓っているからな……」
大聖堂を奪還した一方、砦では……
「おのれ……」
橋の前で沢山の自軍を失って苛立っているウィンダム。
門を壊す為に必要な破城鎚(はじょうつい)を何度も兵士達は門にぶつけるが鋼鉄の門の前では全く敵わなかった。
ぶつけている間に絶壁の上で弓矢を構えている兵士に射られるのがオチだった。
「ウィンダム様駄目です!全く通用しません!!」
「うぐぐ……くそぅ!」
全く門を壊せず兵士を失っていく事に悔しがるウィンダム。
その時、ウィンダムの元に一人の兵士が駆け寄って来た。
「ウィンダム様大変です!アルカトラル帝国がセルゲイ軍と連携を組んで大聖堂に奇襲!!及び、大聖堂奪還されました!!」
「な、何だと!?何故帝国が……!?」
『どうやら、支配に失敗した様ね……』
基地に響く少女の声。
ウィンダムと兵士達の前に現れたのは黒いローブを纏い、水色の前髪が見える。
チャームだった。
「ちゃ、チャーム様……」
「大聖堂を奪還されて、砦の奪略の失敗……もう貴方に永遠の命を授ける事は出来ないわ……」
「お、お待ちください!もう一つ、私にチャンスを!!」
土下座してチャームに一つのチャンスを要求するウィンダム。
チャームは片手を前に出した。
途端、鞭が飛び出してウィンダムの首に巻き付いた。
それだけではない、巻き付いた首が紫色へと変わり、次第に体全体が紫色になり、ウィンダムは口から泡を吹いて倒れた。
「ひ、ひいぃぃぃ!!」
チャームの強さを見た兵士達は恐れて逃げ出した。
「結局役に立たなかったわね。欲を丸出しにした人間の目はドブの水同然……」
チャームはそう呟いてその場を去って行った。
大聖堂
「ウィンダム氏はどうすればいいのでしょうか……」
「うむ……」
「セルゲイ様、大変です!」
一人の兵士が謁見の間に入ってくる。
「どうした?」
「ウィンダムの死体を発見しました。毒殺のようです!」
「何だと……?」
突然の敵の死にセルゲイは目を見開く。
隣にいた皇帝ロジェーが前に立つ。
「どうやら、彼に味方していた七魔将に裏切られたのだろう。大聖堂を奪われれば負けですからな。」
「七魔将が……利用価値がなくなると殺してしまうのか……」
「兄上、トーマの戴冠式を……」
アンフィーが二人の間に口を挟む。
新教皇となるトーマにする戴冠式を行う為にセルゲイは無言で顔を縦に振ってトーマに近づいた。
「トーマ、父上の遺言の通りだ。お前が教皇になってこの宗教都市を治めてくれ。」
「兄上……分かりました!」
強気と決意の顔をして冠を受け取るトーマ。
玉座に座ると兵士達の歓声が城に響いた。
その歓声を聞きながら新教皇トーマは皇帝ロジェーに近づく。
「皇帝陛下、この宗教都市レオールはウィンダムの横暴でかなりの被害があります。その為にこの国を帝国の保護下にしてもらえないでしょうか?」
帝国の保護下……それは宗教都市レオールをアルカトラル帝国の領地の一つになる事だった。
新教皇トーマは兄と姉に顔を向けると上の兄妹は微笑んで首を縦に振った。
それを見た皇帝ロジェーは頷いて一人の兵士に顔を向けると兵士は頷いて一枚の紙を渡す。
そして膝を折ってお辞儀する新教皇トーマの前に立って……
「新教皇トーマ。この宗教都市レオールを我が国アルカトラル帝国の保護下、及び、帝国領の一つとしてこの国の一つとして治めてもらう。」
「はい!!」
賞状を受け取ると同時にまたもや歓声が響いた。
そしてトーマが新教皇となったと同時に宗教都市レオールはアルカトラル帝国の保護下になった。
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