ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

包帯戦争。 番外編
日時: 2009/12/28 12:44
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

またまた消えました。やっぱりダメな言葉があるからでしょうか。
でも、めげずに頑張ります。

http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12380

上記からどうぞ。
回想シーンもあります。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11



Re: 包帯戦争。 ( No.20 )
日時: 2009/12/21 20:58
名前: 藍羽 (ID: 8CdZ5vnQ)

何だか「あねね」って言い方、可愛いですね。
言ってしまいましたね。

拓真「僕も人間が嫌いだよ?」
リオ「・・・じゃあ、わたしのことも嫌いなんだ」
拓真「嘘」
リオ「・・・」

Re: 包帯戦争。 ( No.21 )
日時: 2009/12/22 21:48
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

あねねの由来。

「お姉ちゃん」「おねぇ」「おねね」「あねね」
・・・・・。嘘です、すんません。
偶然こういうのができただけです。

Re: 包帯戦争。 ( No.22 )
日時: 2009/12/22 22:15
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

何言ってるのって、わかんないよ。わからない。わからなくていい。
消えればいいのにと、どこかで呟いた。
どうして、僕はあの時しななかったんだろう。
残されて、夢を見て苦しむくらいなら、甘い理想を苦しいだけの現実とすりかえるくらいなら、
あの日、僕はなくなっていればよかったのに。
でも、自分で命を絶つ勇気もなくて、ただ普通とは少しズレた道を不安定に歩いているだけ。
「シカトかよ、ねー、聞いてますかー?」
うるさい。
僕に近寄るな。
近寄っていいのは、あねねだけだ。
あねね、だけ?
「おい、聞いてんのかよっ!」
あねねは、あねねは、ずっと祝詞を求めていて、でもそれは殺意を持っていて、だからそこに僕の入る隙間なんて全くなくて、祝詞は少年で、少年は××ちゃんで、僕は、あねねの従弟で、ナチで、ナチ、で、

──このこと、言ったら犯すから。

「・・・・・・・・・・・・ッ」
嘔吐感がこみ上げる。
あ、あ、あ、ああ?
口の中に溜まる、耐え難い汁の味。
少しでも口を開けたら、そこから垂れてきそうなほど。なんとか冷静を保ち、ごくりと喉を鳴らしてそれを飲み干す。
ゲロのお披露目パーティーは中止となった。
「何、コイツ。行こ」「気味悪ー」
勝手に行ってろ、バカ。
そんな膝上のギリギリのミニスカート履いたって、こんな寒いのに頑張ってるねーって同情煽るくらいしかできないぜ?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・十夜」
あいつの名前が、掠れた音となって出てきた。
苛められてんのかな、やっぱり。精神がどーのこーのって言ってたけど。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁ、」
僕には何もできないんだけど。



「ナチ、ナチ、ナチ!」
「・・・・・・・・・・・・何? 朝から大声出して」
「最近太ったくない?」
春瀬がくねっと決めポーズらしきものをとる。
・・・・・そうかぁ?
ほっせーけど。かなり、細いけど。
「何キロ?」
「乙女に体重聞くなー!」 何歳だよ、アンタ。
まぁ、でも確かに実年齢よりかはかなり若く見える。童顔だからか?
「ダイエットしたいべー」
「うーん、それ以上痩せると逆に危ないような」
「でも、絶対に40キロ以下じゃないといやーっ」
「・・・・・・・・・もっと食べなさい」
机の上におにぎりを出す。ごま塩味。梅。
春瀬がパクつきながらじっとこっちを見てくる。
「・・・・・・・・・何?」
「んー、何か楽しい事でもあった?」
「何でですか?」
表情はあまり顔に出さないタイプなんだけど。
春瀬が頬についた米粒をなめとって、「だって、何だか目がいつもより透明になってるし」「透明?」
何だ、それ。
そんなに濁ってたんだろうか、僕の目は。
「いつも虚ろでね、ちょい怖かったけど、最近は何だか人間っぽい」
「あー、ありがと」
へぇ、ふうん・・・・・・・・・なるほどねぇ。
そんな変化を見破れるようになるなんて、春瀬偉いねぇ。前は自分の精神の変化も全然見破れなかったのにぃ。
「××ちゃんもさー、そんな目だったなぁ」

コップが、割れた。
ガラスが粉々になり、足元に散らばる。
詳しく言えば、僕が落としたわけだけど。
「・・・・・・・・春瀬」「何?」「春瀬って、さ。そいつの事、お、覚えてるの?」
手についた塩をなめながら、春瀬が目をキョトンとさせる。
「覚えてるよ。××ちゃん、この前来た子でしょ?」
「・・・・・・・・そのほかには?」
「昔、ホントにむかーしだけどねぇ。遊んだ記憶があるんだじょ。××ちゃん、可愛いかったなぁ」
うっとりしながら、思い出を語るようにして続ける。
「あ、あのね。キャンプもしたしー、自転車にも乗ったしー」
でも、でも、それはあまりにも、ズレが多すぎて。
そして、とても不安定で。
間違っているのに、正しくて。嘘だけど、真実で。
脆い、××ちゃん。
「春瀬、××ちゃんに会えるといいね」
だから、僕はこれからも道化を演じる。
「うん。きっと会いに来てくれるよ♪」

もう、彼は彼女によって消されたのに。

Re: 包帯戦争。 ( No.23 )
日時: 2009/12/23 16:09
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

僕の両親が死んだのは、僕が4歳の時らしい。
事故であっけなく、ぼーんと。顔面潰れてぺしゃんこらしい。里親の所を渡り歩いて、結局はあねねの家に落ち着いた。
春瀬とか、優しかった。何でも、死んだ自分の兄に僕が似ているらしい。
あねねも弟ができたみたいに、僕のお世話してくれたし。あねねの父さんは、仕事が忙しくてあんまり会う事はできなかったけど、僕の誕生日の時には真っ赤なミニカーの玩具を買ってくれた。
僕だけ微妙に他人なのに、わけへだてなく叱ってくれたし、褒めてもくれた。
そして僕が、双子の性癖を目撃したのは、僕が小学一年生の時だった。
偶然、本当に偶然。双子は部屋が一緒で、いつも二人でいて、仲が良くて。
僕にも優しくしてくれて、兄の方は少し意地悪でからかわれたけど、お世話になった。ヒナトも双子が好きみたいで、よく××ちゃんも家に連れてきては、遊んでいた。
あねねが、ピアノの発表会の服を買いに行った時、家には僕と双子しかいなかった。
そして、
そして、
そして、
気づけば跡形も無く、心が歪んでいた。

「ねえ、ナチ。私ね、自分がどうしても好きになれない」
この間、後藤さんと対峙した公園で、近所の駄菓子屋で買った飴を舐めながら、十夜が呟いた。
口の中に広がる、甘ったるい味に少し酔いながら、十夜の話を聞く。なんか、彼氏っつーよりは人生相談所の人みたいになってるんだけど。
「何で?」
「人間だから」
「まあ、それは・・・・・・・そうだよね」
「人間は、嫌い。 嫌な事ばかりしてくる」
その考えに、とても強く賛同してしまう。
人間に感情なんてあるから、嫉妬が生まれて、憎悪が生まれて、そして歓喜が生まれる。
人間が最高潮に喜んでいる姿なんて、見ただけでぞっとする。醜悪で、欲望に酔って、淫乱で、気色悪い。
「どうして、人間が嫌いになったわけ?」
十夜が、壊れた理由。
興味本位で聞いたわけじゃない。ただ、この子となら世界を共存できるかなって思っただけ。
「・・・・・・・私、人を殺した事があるんだ」
「・・・・・・・そう」
「おにー、ちゃん」
兄妹というのは、曖昧なものだ。一歩間違えれば恋愛にもなるし、険悪にもなれば、犯罪的にもなる。
「十夜は、しんじゃったんだよ」
冗談は通じない雰囲気。
黙って、空気を少しでも軽くしようと思ったけど、僕の吐き出す二酸化炭素ぐらいで、世界は軽くなりませんでしたとさ。
「私を庇って、しんじゃった・・・・」
「それは、キミが殺したんじゃないんでしょ?」
そのお兄さんは、バカだよ。
庇われて生き残った奴が、どれだけの重いものを背負うか、予測せずに勝手な行動して、自分だけ死んで行くんだから。
まあ、庇いきれないと悔やんでいる人もいるけれど。
例えば、××ちゃんとか。

Re: 包帯戦争。 ( No.24 )
日時: 2009/12/24 18:47
名前: 藍羽 (ID: 1LZEPC8Z)

人間嫌い、ですか・・・。
なんだかやっぱり、「あねね」って言い方が
可愛いですね・・・笑
好きです。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11



この掲示板は過去ログ化されています。