ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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君と僕と星たち。
日時: 2010/01/03 14:09
名前: 藍羽 (ID: H3TLDNR4)

こんにちは、藍羽です。
天文学部とかを舞台にしたお話です。
とにかく、星とか、惑星とか??
ま、頑張りますっ!

★お客さま
朝倉疾風様  (( `o*架凛様

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Re: 君と僕と星たち。 ( No.14 )
日時: 2010/01/04 17:08
名前: 藍羽 (ID: pTKbdp.H)

朝倉疾風様。

ユリアさんですか・・・。
少しヤバイ子ですね。
近寄るな、危険、です。

Re: 君と僕と星たち。 ( No.15 )
日時: 2010/01/04 17:27
名前: 藍羽 (ID: pTKbdp.H)

「それではあたし、帰りますね」

西崎ユリアさんは、得意の笑顔で言いました。

「帰っちゃうのかあ、つまらないなぁ」

「イヴの口癖、つまらない、だよな」

「だってもっとお話したかったんだもん。でも仕方ないね」

さっきから、話してるのはあたしとイヴとユリアちゃんだけだった。
祐弥は俯いたままで、何も言わない。
───やっぱり、何か関係があるんじゃねーか。
後で聞きだそうか?
いや、でも・・・・・・。
もし悲しい関係だったら、祐弥は壊れてしまうんじゃ?

人は壊れるもんね。

あたしだって、三回壊れたことがあるし。
人が壊れたのを見たのは、五回はある。

「では木下先輩、蓮見先輩、逢坂先輩。サヨナラ」

そう言うと、ユリアちゃんはスタスタと帰ってしまった。
可愛い後輩だとは思うけど・・・・・・。
───何か、拒絶してしまう。
もう一人の自分が、拒絶してる気がする。

「こんなところにいたのね、祐弥、ゆずき、イヴ」

「・・・伊月、せんぱい」

「どうしたのよ祐弥。少しおかしいわよ」

「何でも、ありません」

「そう。ならいいわ。そろそろやるから、戻ってきなさい」

それだけ言って、伊月先輩もスタスタと去る。

Re: 君と僕と星たち。 ( No.16 )
日時: 2010/01/04 19:48
名前: 藍羽 (ID: pTKbdp.H)

外はもう、真っ暗だった。
───あたしたちの活動時間。

「あ、あれがふたご座のポルックスね、ゆずき」

丁寧に神山先輩が教えてくれた。
うん、やっぱり星は好きだ。惑星も好き。
宇宙にあるものは、全部、好き。

あたしが一番好きな惑星は、天王星。
ウィルアム・ハーシェスが発見したのだ。
天王星はかろうじて肉眼で見える明るさだから頑張れば見れるだろう。

「神山先輩っ、天王星は見えますか?!」

「はは、ゆずき、おれ眼鏡だけど、目悪いんだよね」

「ゆずきは本当に天王星が好きだねぇ・・・」

「イヴ!じゃあイヴは何が好きなんだ?」

「わたしぃ?・・・木星!」

イヴは木星かぁ。
たしか木星は、大赤点で、渦巻きがあって・・・。
それから、四つの衛星があるんだよね。
イオ・エウロパ・ガニメデ・カリスト。

イオには数多くの火山がある。月より少し大きくて・・・。

「だって謎だと思わない?」

「何がだ?」

「なぜイオではまだ火山活動が続いているのか!」

あ、たしかに。
大きながほぼ同じ月は、すでに数十億年前に火山活動が終わってる。
何でイオだけなんだろう?

「ね、ね、ね?!気になるでしょう?」

「うん」

これ以上いくと、イヴの世界に引きずり込まれる。

Re: 君と僕と星たち。 ( No.17 )
日時: 2010/01/06 20:39
名前: 藍羽 (ID: tes3uZgg)

伊月先輩って、いつも無表情だよね。
笑う顔、怒ってる顔、泣いてる顔、喜んでる顔。
照れた顔、歪んだ顔、絶望にみちた顔。

誰かを憎んでる顔。

いつもただ、無表情。

イヴなら「つまらない人」と言うはずだ。

あはははは、はははははははは・・・??

それならあたしの方が面白い、面白いよ?
ほらほら、あたしを見て。呼んで。

「ゆずき、帰るよ」

ボーッとしてたら祐弥があたしに、声をかける。
あれ、もう終わりかよ。

帰り道。
この天文学部は二つのグループになって帰る。

あたし、祐弥、伊月先輩。
イヴ、神山先輩、涼城先輩。

「じゃあね、ゆずき。祐弥、伊月先輩!」

イヴはそう言い、神山先輩と涼城先輩と帰っていく。

真っ暗な道を、あたしたちはてくてく、歩く。
───沈黙でした。

どど、どうしよう。
いや、別に沈黙でもいいぜ?
でもなんか、なあ?

なぜか、あたしが思考回路をフル回転させてるときだった。

「ゆーずきッ!ゆーやッ!伊月せんぱーい!」

Re: 君と僕と星たち。 ( No.18 )
日時: 2010/01/06 20:59
名前: 藍羽 (ID: tes3uZgg)

明るい、少女の声がして振り向く。

「うッ・・・海!」

その少女はニコーと笑う。
肩までの茶髪(地毛)に、大きな二重の瞳。
名前は、北条海。あたしと同じクラスで、親友。
今、三年生の北条陸先輩の妹である。

北条陸先輩、といえば。
バスケ部で、まあまあカッコよくてモテる。
たしか、神田沙世って人と付き合ってる。

あたしたちの高校、公認のらぶらぶカップルである。

「あら、海じゃない」

伊月先輩がいつものように無表情で言いました。

「もしかして、今部活帰りですか?」

ニッコニコで言う、海。
この笑顔で、何人の人が犠牲になったんだか・・・。

でも海は、柔道、空手などの格闘系が得意で。
現在は剣道部で大活躍中。

「えぇ、そうよ。海はどうしたのかしら?」

「・・・んっと、ちょっと、散歩、です!」

少しだけ焦った様子で、海は言った。
───何か隠しているんだな、嘘だろう。

「陸先輩でも殴って、喧嘩したんだろ?」

「祐弥ぁ・・・!海、そんなことしてないもん」

海は「もう、祐弥ってば」とか言いながら、祐弥の足首を蹴る。
・・・痛そう。ドンマイ、祐弥。

「ゆずき、天王星は見れた?」

「それがな、見れなかったんだよ。明日こそ見るぜ!」

「頑張ってね!・・・あ、じゃあ海は帰るね。バイバーイッ」

ひらひらと手を振って、海の小さくなる背中を見る。


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