ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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君と僕と星たち。
日時: 2010/01/03 14:09
名前: 藍羽 (ID: H3TLDNR4)

こんにちは、藍羽です。
天文学部とかを舞台にしたお話です。
とにかく、星とか、惑星とか??
ま、頑張りますっ!

★お客さま
朝倉疾風様  (( `o*架凛様

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Re: 君と僕と星たち。 ( No.1 )
日時: 2010/01/02 16:10
名前: 藍羽 (ID: RCPVhHnh)

第一章 たくさんの星の下で。

真っ白な雪が降る、少し寒い冬の日。
とある高等学校の理科室の前に、一人の少女が立っていた。
ショートの黒髪に、大きな瞳を輝かせていた。

「今日こそ、あたしが一番だぜっ」

帰りのホームルームが終わると、光の速さでここまで走って来た。
だから今日こそ、あたしが一番のはず。
そう思い、理科室のドアを開けた・・・・・・。

「あら、ゆずきじゃない。はやいわね」

「いッ?!伊月先輩にまた負けたあーッ」

残念ながら、今日も二番だった。悔しい。
窓の近くの椅子に座り、難しそうな本を読む先輩。
伊月奈央先輩。

長い黒髪を後ろで一つにした、美少女である。
しかも成績は常にトップ。
二年一組では「神」と呼ばれる存在。

「よぉ、ゆずき。今日もはやいな、二番だけど」

次に入ってきたのは、涼城翔先輩。
伊月先輩と同じクラスで、少しチャラそう。茶髪だし。

「涼城先輩。最後の一言は余計です」

「誰も奈央には勝てねぇよ、こいつ神だもん」

伊月先輩は黙ったまま。
やっぱり神なんだなあ・・・。

「ゆずき、声デカイよ。廊下に響いてた」

次に入ってきたのは、逢坂裕弥。あたしと同じクラス。
なかなか可愛い顔してるため、少しモテる。

「今日も二番目だったんだぜ?」

「もっと女の子らしい喋り方しなよ、可愛いのに」

「けっ、どうでもいいぜ」

「そういうのを無駄美人っていうんだよ?」

「それはあたしじゃなくて、イヴにぴったりな言葉だぜ?」

そう言った瞬間、金髪美女が入ってきた。
木下イヴ。日本人とイギリス人のハーフである。
黙ってれば可愛いんだけど、動いたり話したりすると駄目。
これこそ「無駄美人」だ。

「なによ、祐弥、喧嘩売ってるの?買うけど」

ほら。これさえなければ、いいんだけどな。
勿論、あたしと祐弥とイヴは同じクラス。

「う、売ってないよ」

「あ、そう。つまらないの」

つまらなくて結構。

「遅れてごめんな、みんなっ」

最後に入ってきたのは、神山優一先輩。
黒髪、黒縁眼鏡。
伊月先輩の次に頭が良い。天使レベル?

さて、これで天文学部の部員が揃った。
部長は神山先輩。
副部長は伊月先輩。

Re: 君と僕と星たち。 ( No.2 )
日時: 2010/01/02 16:18
名前: 藍羽 (ID: RCPVhHnh)

登場人物

■蓮見 ゆずき (はすみ ゆずき
16歳、高校1年生。天文学部の部員。
ショートの黒髪。運動神経がすごく良い。
男っぽい喋り方をする。

■逢坂 祐弥  (あいさか ゆうや
16歳、高校1年生。天文学部の部員。
クセがついた黒髪。ゆずきと同じクラス。
少し可愛い顔をしてるため、モテる。

■木下 イヴ  (きのした イヴ
16歳、高校1年生。天文学部の部員。
肩までの金髪。ゆずきと同じクラス。
日本人の父とイギリス人の母。

■伊月 奈央  (いづき なお
17歳、高校2年生。天文学部の副部長。
長い黒髪を後ろで一つ。
クラスでは「神」的な存在。

■涼城 翔  (すずしろ しょう
17歳、高校2年生。天文学部の部員。
茶髪(染めた)。奈央と同じクラス。

■神山 優一  (かみやま ゆういち
17歳、高校2年生。天文学部の部長。
黒髪黒縁眼鏡。奈央と同じクラス。

Re: 君と僕と星たち。 ( No.3 )
日時: 2010/01/02 16:57
名前: 藍羽 (ID: RCPVhHnh)

僕ら、天文学部は夜に活動する。
夕方とかは、のんびり普通の会話とか、星について、とか。
ちょっとゆるい。
今日はイヴと喧嘩するところだった。危なかった。

「祐弥、今日宿題あったっけ?」

同じクラスの蓮見ゆずきが訊いてきた。
まあ、可愛らしい顔してるんだけど、喋り方がなあ・・・。
男なんだよ。

「ないよ、たぶん」

「そう。なら今日はゆっくりできるぜっ」

ほら、男喋りだろう?
毎日親のように言ってるんだけど、なかなか直らない。
昔から、こんな喋り方なんだろう。
それなら仕方ないけど。

「わはは!奈央、どこから持ってきたんだよっ」

突然、涼城先輩の笑い声が聞こえてきた。
見ると、伊月先輩が黒猫を持っている。
・・・伊月先輩と黒猫、似合う。

「そこにいたわ。捨て猫みたいね」

大人びた声で、伊月先輩は言う。
にゃあ、と黒猫が鳴く。
するとそれを見たゆずきは、青白い顔で後ずさりをした。
・・・・・・??

「おい、ゆずき、どうしたんだよぉ?」

涼城先輩が、意地悪そうに聞く。
ゆずきは真っ青な顔をして、

「あた、あたし、猫嫌い、なの・・・・・・」

ふーん、初めて知った。
ゆずきにも嫌いなものがあるんだな。
・・・こんなこと言ったら怒られるか。

涼城先輩は黒猫を抱き、ゆずきの元へ走っていった。

「ぎゃあああああああああああああああッ」

ゆずきは悲鳴をあげ、逃げ回る。
涼城先輩は、笑いながら追いかける。

「涼城先輩、死んじゃうよ?」

イヴがぽつり、と小さな声で言う。
何で死んじゃうんだろ?

ゆずきは立ち止まり、

「やめてくださいっ!」

と叫ぶ。その瞬間に、すごいことが起こった。
「やめ」で涼城先輩の右腕を掴み、
「てくだ」で涼城先輩を引き寄せて、
「さいっ!」で涼城先輩を床に叩き付けた。
・・・何、この子。

「ははは、翔、大丈夫?」

笑いながら、神山先輩は近寄った。
・・・笑い事じゃないですよ。危ないですからね。

イヴは「ね?」と僕に言った。
こんなことが起こっても、伊月先輩は静かに読書。
みんな、あまり反応しない。

「ゆ、ゆずき・・・強」

涼城先輩は起き上がりながら言った。

「もう、止めてくださいよね」

普通ごめんなさい、だろうが。
黒猫は伊月先輩の足元で座ってる。
・・・もう誰も、ゆずきに近づけないだろう。

「さ、みんな、そろそろ外に行くよ」


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