ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Carrier
- 日時： 2010/02/21 13:23
- 名前： 朝倉疾風 （ID: ikrpTGuK）
クリックありがとうございます。 シリアスで少し暗めで歪んだお話にしていきたいです。 どうぞ。
＜Characters＞
──愛山 優──アイヤマユウ
１６歳 精悍な整った顔立ちと黒い短髪から少年のように見える。 運び屋。 淡々とした性格。
──夜巣咲 洋一──ヨスザキヨウイチ
２５歳 運び屋の上司。 「ヨッさん」と呼ばれている。 見目麗しい好青年。 優の保護者。
──稲辺 セイゴ──イナベセイゴ
２２歳 金髪にサングラスという派手な見た目。 喧嘩が強く、関わろうとする者はごく少数。『捜し人』
──キサト──
１２歳 透明な雰囲気の無口少女。 本名にトラウマがある為、『キサト』は姉であるノドリが付けた。
絵を描くことで相手に気持ちを伝える。 会話手段は筆談。
──柏崎 美影──カシワザキミカゲ
１８歳 学校には行かず、闇に手を染める青年。 タヒんだような目をしており、ストレスからか髪の色素が抜けて白髪。
──驫木 音羽──トドロキオトワ
２０歳 ニート。 藍とは高校時代からの友人。 能天気な性格。
──神授 藍──シンジュアイ
２０歳 ニート。 音羽とは高校時代からの友人。
音羽の暴走に日々つき合わされている。
- Re: Carrier ( No.23 )
- 日時： 2010/02/09 17:03
- 名前： 朝倉疾風 （ID: ikrpTGuK）
- 参照： http://www.youtube.com/watch?v
♪
「珍しい事もあるんっすね」
「いやはや。 アタシは予想してたけどねー。 意外にさ、セイゴさん情あるっつーか」
「・・・・・・・・るせぇよ。 同情ちゃうっつったろ」
ニコニコ笑顔の音羽が、セイゴの子供づれという珍しい光景を目にして頷く。
「いやーやっぱ合ってるんすね♪ お似合いですよ」
「・・・・・・・俺はンな理由で動いてねェよ」
キサトの手をしっかり握り締め、セイゴが照れ隠しで呟いた。
「来い。 お前の部屋、あるから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
こくりと頷き、キサトは大人しくセイゴに着いていく。
「大体さ、大の大人がか弱い女の子に手ぇ出すなんてさー」
「音羽、それは言いすぎ」
藍に止められ、音羽が苦笑い。
「冗談だよ。 ジョーダン」
セイゴに案内された部屋は思ったより片付いていた。
「ここがテメーの部屋。 腹減ったら冷蔵庫にあっから」
高級マンションの一室の主であるセイゴが淡々とそう言った。
キサトに何の反応もない為、セイゴは頭を乱暴に、優しく撫でた。
「っ！」
「姉ちゃんの事は忘れろとは言わねぇよ。 お前にとってソレは大切な 『記憶』 だからな。 だが、無理にお前が悩む事でもない。 そんだけだ」
キサトがセイゴを見上げる。
とてもとても驚いたようにセイゴを見つめ、持っていた紙にサラサラと文字を書く。
『わたしが、こわくないの？』
平仮名ばかりの字を見て、セイゴが笑う。
「何でだよ？」
『わたし、手がほうちょうみたいになるのに』
「ンなのカンケーねぇよ」
肩を震わせて珍しく笑うセイゴを見て、
「明日雨降るかも・・・・・」
音羽がポツリ。
『じゃあ・・・・・・あなたはわたしの家族なの？』
自信が無さそうな文字。
かすかに最後が震えているのが分かった。
目を細め、セイゴが初めて人を愛しそうに撫でる。
「もち」
- Re: Carrier ( No.24 )
- 日時： 2010/02/10 17:54
- 名前： 朝倉疾風 （ID: ikrpTGuK）
- 参照： http://www.youtube.com/watch?v
安芸
- Re: Carrier ( No.25 )
- 日時： 2010/02/10 20:43
- 名前： 嵐猫 （ID: L43yfzZ2）
家族ー！！感動しますね。
これからどうなるだろう・・・。
- Re: Carrier ( No.26 )
- 日時： 2010/02/10 23:02
- 名前： 朝倉疾風 （ID: ikrpTGuK）
- 参照： http://www.youtube.com/watch?v
更新しますね。
- Re: Carrier ( No.27 )
- 日時： 2010/02/10 23:11
- 名前： 朝倉疾風 （ID: ikrpTGuK）
- 参照： http://www.youtube.com/watch?v
♪
シャワー室から出て、乾ききっていない髪をタオルで乱暴に拭きながら、眠そうに優が欠伸する。
その視線の先には、雑誌に映っていた黒髪の美人な女性。
カメラに向かってにこやかに微笑み、優が実際に見たことのないポーズや表情で雑誌を華々しく飾っている。
「また出てるな。 イノハさん」
「・・・・・・わざわざ買って来たんですか」
「気になるかなーとか思ってね」
洋一が雑誌を手に取り、女性をまじまじと見つめる。
次に優に視線を移し、
「なるほど。 よく似てる」
「そりゃまぁ・・・・・・一応実母ですから」
サラリと、でも複雑そうに答えた優はテレビをつけ、ソファに腰を降ろした。
「人気モデルねぇ・・・。 ギャップが凄いよな。 カメラの前と、実際人間の前に出てきた時のと・・・」
「インタビューに答えないから、パパラッチに面白がられて “謎の美少女モデル” とか書き立てられるんですよ」
少々苛立ったように優が言った。
「僕から見ても、あの人は何がしたいのか分からないです。 ──洋一さんは分かりますか？」
「いんや。 俺にもサッパリだ。 イノハさんが何をしたいのか、する気なのか・・・。 多分この人の思考は誰にも読めないな」
諦め口調の洋一が雑誌をテーブルの上に戻す。
「まぁ・・・・しばらくご無沙汰になってるしなぁ」
「僕なんか２年ぐらい会ってませんよ」
「寂しくない？」
洋一の質問に、優は本心で答える。
「いいえ、ちっとも」
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