ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ヒトノカオ、コエ、ココロ。
- 日時: 2010/02/25 19:33
- 名前: 転がるえんぴつ (ID: hKAKjiZ3)
何の変哲もない、ただの都会の方にある町。
そこで起きた、一つの殺人事件。
母と息子が口論になり、カッとなった息子が母親をナイフで刺し殺したのだという。
これはどこで起こってもおかしくない、ただの殺人事件。
——の、はずだったが。
『被告人——本田雷歌——は、何か新種の病気にかかっているらしい。しかも、「大人の」顔と声が「認識できない」らしい』
+ヒトノカオ、コエ、ココロ。+
それが分かってからは、警察・検察・裁判所は大騒ぎになった。
『どうやって判決を下せばいいんだ?』
『というか、どういう病気なんだ?』
誰もが疑問を持ち始め、パニックになりかけた時。
『「レインカスミ研究所兼診療所」に依頼するのはどうですか?』
誰かがそんな発言をした瞬間、周りの空気は凍りついた。
『確かに、いい案だが……』
『「あの」機関に頼るのはいかがなものかと……』
周りが再びざわついていく。すると。
「ウチはいつでも受け付けてますよー」
緊迫した空気に似合わない声が響いた。
続く
応援よろしくお願いします。
- Re: ヒトノカオ、コエ、ココロ。 ( No.4 )
- 日時: 2010/03/26 09:21
- 名前: ゼリー ◆fyvzahlCa2 (ID: OewqiabW)
わあぁ!グロ〜い!!!
血がぁ〜!でも、こういうグロいの大好きです^^
がんばってください♪
早く続きが読みたいな〜
- Re: ヒトノカオ、コエ、ココロ。 ( No.5 )
- 日時: 2010/03/26 09:32
- 名前: アキラ (ID: BLbMqcR3)
はじめまして(^▽^)ノ
アキラです
こういう研究みたいなのが好きです。
血どろーみたいなのも←汗
更新ファイトです
- Re: ヒトノカオ、コエ、ココロ。 ( No.6 )
- 日時: 2010/03/26 13:49
- 名前: 転がるえんぴつ (ID: hKAKjiZ3)
窓のないこの部屋には、日光も月光も差し込まない。
よって、檻に入れられてから、何日経ったかなど、もうとっくの昔に分からなくなっている。
そんな今現在、檻の中には本田しかいなかった。
「光村、何故俺にはワクチンを試さない? 答えろ」
「君は最初に感染したからね。色んなデータが取れるかと思って」
本田の真正面にあるイスに足を組んで座り、コーヒーを飲んでいた光村は気だるそうに答えた。
「光村?」
その日の光村は、少し調子が違うように思えた。表情も、いつもの笑顔ではなく、疲れが滲み出ていた。
「国がねー、非公表だっつってんのに、国民に公表しちゃってねー。全国の高校生が大人からここに引き渡されちゃってさ。対応が大変なんだよねー……」
言って、溜息を吐く。溜息にも疲労は色濃く出ている。
「だからさ、君のとこにも何人かやるかもしんない。はー、面倒臭いことになったなぁ……」
光村は部屋を出ていった。
この時本田はまだ、事の重大さに気付けていなかった。
続く
コメントが二つも来ているっ……!
初めてのコメントなのですごく嬉しいです。
これからも頑張りますので、応援ヨロシクですっ!
- Re: ヒトノカオ、コエ、ココロ。 ( No.7 )
- 日時: 2010/03/26 18:46
- 名前: スペシャル ◆XHKDIsPEFA (ID: 3L0NyJ0C)
なんかおもしろそ
更新ガンバッテクダサイ!!
- Re: ヒトノカオ、コエ、ココロ。 ( No.8 )
- 日時: 2010/04/02 15:15
- 名前: 転がるえんぴつ (ID: hKAKjiZ3)
ある日、光村が一人の少女を連れてきた。
「光村?」
「ああ、この子はねぇ、『実験台』だよっ。どの部屋もいっぱいだから、ここに連れて試すことにしたんだよ〜」
少女を実験机に乗せた途端、少女が騒ぎ出した。
「私は感染してませんっ! 他の感染してた人は私みたいにはちゃんと話せなかったはずですっ!!」
「「!?」」
本田はもちろん、光村さえも驚いて少女を見る。
「君、名前は?」
光村がメモ帳片手に少女に話しかける。
「村上霧江です!」
「霧江ちゃんって呼んでいい?」
「好きに呼んで下さい! というか、このベルトみたいなの取って下さい!」
光村は村上に詰め寄り、真剣な表情で言った。
「それはできない」
「何でですか!?」
返事をしながらも、拘束から逃れようと村上はもがき続けていた。
「君が『ノーボフェイス』に感染していない場合、君は抗体を持っているはず。それを確かめる上でも、君にはワクチンを注射しなきゃいけない」
「でも、もしそのワクチンが失敗だったら、私死んじゃうんですよね……?」
少し涙声になっている。村上も、本田と同じようにクラスメイトが死ぬ現場を見たのだろう。
「いや、死なない。ワクチンが失敗して死ぬのは感染者だけ。君が本当に感染してないなら、何も起こらない」
「……本当ですか……?」
「僕は今でこそこんなだけど元は医学生だ。患者に嘘は吐かない」
やがて、村上は注射を許可した。
そして、注射して——何も起こらなかった。
「霧江ちゃん、抗体があるんだ……」
流石の光村も驚愕が隠せない。光村は檻の鍵を開け、本田を連れ出した。
「霧江ちゃん、この子は本田雷歌くんだよ。一種の催眠状態にしているけど、雷歌くんも『ノーボフェイス』の感染者なんだ」
村上の目には至って普通の少年に見えていた本田が感染者だと聞かされ、村上は目を丸くする。
「雷歌くん、霧江ちゃんの手を握って。抗体が効けば、君は元に戻れるよ」
本田は実験机の前に跪き、村上の左手を両手で包み込んだ。
「あっ、あ、ああああぁぁぁ!!」
直後、本田が頭を抱えて床に座り込んだ。
「雷歌くん、頭痛い?」
光村が聞くと、本田は首を縦に振った。
「それ、効いてる証拠だよ! 調べたらね、効いた時は頭痛が起こるって事が分かったんだ!」
——希望が生まれた。
本田と村上はそう思った。もう誰も死なない、と。
だが、そうはいかなかったのだ。
続く
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嬉しいです、ありがとうございます!
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