ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 紅花と光空 [02(途)up]
- 日時: 2010/04/01 10:46
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
(二人が出会ったのはきっと必然)
(愛したのもきっと必然)
* 紅花と光空 アカハナトヒカリゾラ *
■ご挨拶、
どうも、迷鎖と申します。
ここでは初めましてな方が多いと思いますが、仲良くお願いします。
■注意事項、
荒らしについては暗黙の了解。
迷鎖が気にいらない方、
流血表現等苦手な方はブラウザバック。
そして、感想は3行程度で述べる事、「面白い、頑張って」だけの中身の無いコメントは控えめください。
では、上記の注意事項をしっかりと読んだ上で楽しみながら読んで頂くと幸いです。
■更新履歴、
スレッド生成 2010,3,12
一話完結 2010,3,20
■お客様、
アリス様
*Special Sunkus 、
名前提供 名塚@846様
■目次、
ご挨拶,注意事項,目次 >>0
00 >>1
01〔逢〕 登場人物 >>2
>>3 >>4 >>5 >>8 >>9 >>10 >>11
02〔毒〕 登場人物 >>12
>>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19
■お知らせ、
(今だから言えるありがとう——)
- Re: 紅花と光空 [02(途)up] ( No.15 )
- 日時: 2010/03/26 11:51
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
「ゲーセン……行くんだよね」
「当たり前。早く探し出すよ」
空牙が嫌そうに溜息を吐いて言う。
そして、馬鹿でかい音のする“ゲームセンター”へと私達は足を運ぶ。
まだゲーセンにも入っていないのに、とてもうるさい。人の声に、BGMの音とそのテンポ。ゲームをしなくても不快になりそうな感じがする。
私以外の空牙と蝶子も嫌そうにゲーセンを見つめる。
「うるさい場所よのう……」
口を開いたのは蝶子だった。不機嫌そうな顔をしている。
「……よし、千紅。お前から行け」
「はあ? ちょっ、待って蝶子!」
「問答無用じゃ。早く行け」
蝶子がそう言って私を押す。流石に蝶子の小さい体の力では私には敵わなかったので、空牙を手招きして押す様に言った。
男子の力じゃ敵わない。
「外よりうっさい!」
「では、探してくると良いぞ」
蝶子はにっこりと笑って手を振っている。空牙も居ないし、これは疲れそうな気がする。
——耳が悪くなったらあの二人のせいだな。
- Re: 紅花と光空 [02(途)up] ( No.16 )
- 日時: 2010/03/25 12:14
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
「どこにも居ませんよー、蝶子さーん」
「では居ないと言う事か」
蝶子は、私の言葉を聞き、何とも絶望的な言葉を発した。
蒼真の外見は眼帯をつけてる。後私を見れば飛びついてくる。と言う事だけを蝶子に教えてもらった。眼帯をつけてる人なんて一人も居なかった。
「私の努力どこ行ったのよ」
私は一人で呟いた。その言葉は誰にも聞こえなかったらしい。
「……他の場所を当るしかない……か」
「おお空牙、何か分かるか?」
「……デパートの、ゲームコーナーにならRPGゲームがある、と思うけど……」
蝶子と空牙が私を置いて話している。すると、私は蝶子に声を掛けられた。
「千紅! ゲームコーナーに向かうぞ!」
「了解。確か一階だったよね?」
と私は空牙に訊くと、
「ん? ああ、うん」
と空牙は素っ気無い返事をした。
私達は、エレベーターに乗り、一階に行くまでエレベーターに着いている地図をよく見て、ゲームコーナーの位置を覚えている最中。に、一階に着いた。目的地に着いた時に鳴る、明るい効果音が鳴った。
「確かここから左側……」
「あれって……今有名なゲームじゃない?」
私が声を出して、エレベーターの左側を向くと、空牙はゲームコーナーの近くに貼り出されているポスターらしき物に指を指した。
- Re: 紅花と光空 [02(途)up] ( No.17 )
- 日時: 2010/03/31 09:57
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
「よし行くぞ! 千紅! 空牙!」
と蝶子が言って、先頭に立ってゲームコーナーの方へ向かう。
私と空牙は返事をせずに、ただただ蝶子に着いていった。
ゲームコーナー、か。私は某手持ちゲームのゲームカセットをまじまじと見ていた。“蒼霧探し”も後にして。
最近持っているゲームも飽きてきたし、そろそろ新しいゲームを買ってみようか。と思ったのが最初。
「このRPGなんていいじゃないか、買おうか」
「それ……飽きると思うよ。それよりは、前作の方がいいと思うんだけど……」
私がゲームを見て、選んでいると、空牙が口を出してきた。前作の方が安いしな。どうしようっかなあ。その様子を空牙が後ろから見ている。暇人なのかコイツは。
「……空牙、千紅、ここへ来い」
私がゲームを苦戦して選んでいる途中に、蝶子に呼び出された。私はゲーム選びを一旦中止し、蝶子の居る方に渋々足を向けた。
「……黒蝶が何でこんな所に?」
「居ては悪いのか? 上からの指令じゃ。記憶喪失した紅花と光空、勝手に行動した“誰か”を連れて来い、と言うなぁ?」
私が蝶子の所に来ると、会話を交えている蝶子……と蒼霧、と呼ばれる、左目にガーゼをしていて、白銀に黒の混ざった髪はボサボサの服装はパーカーにショートパンツ、の少女の人物。確実に敵対視してるよね、火花放ってるよね。てか蝶子って結構まともな理由でここに来ていたんだ。驚き。
- Re: 紅花と光空 [02(途)up] ( No.18 )
- 日時: 2010/03/30 23:04
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
「あり。蒼真、友達?」
二人の恐ろしくて入る事すらできない会話に、ゲームが入っている袋を持った、黒髪を適当に纏めて、ジャージ姿の女性の姿があった。身長は私よりも普通に高くて、年齢は推測高校一年か二年生だと思う。
「友達じゃないよ、これだからクズの考える事は」
「拾われたゴミには言われたくないなあ」
蒼霧と呼ばれる人物が、その軽いゲームマニア、別名ゲーマーとでも呼ばれそうな人物に言った後、そのゲーマーさんは笑いながら簡単に言い返す。それから蒼霧は少し黙ってから隠すつもりの無い舌打ちを鳴らした。そして、蒼霧は顔を上げて私の方を見る。
「……千紅!?」
「ふはっ?」
蒼霧は私を見ると私の名前を呼ぶ。なぜ、なぜだ。名前なんて教えた覚えないし、その前に会話すらしてない。たった今会ったばかりなのだから。
私は驚きを隠せず、妙な奇声をだした。
「千紅ぅっ!」
「んなっ!?」
蒼霧が私に抱きついて来た。それと同時に私はまたもや驚き奇声をあげる。
「嗚呼、そう言えば……蒼真は千紅が大好きであったな」
「ませてんねぇ、蒼真は」
蝶子がこの状況を見て言うと、ゲーマーさんはそれを聞いてぼやく。空牙は呆然と立っているだけだった。
- Re: 紅花と光空 [02(途)up] ( No.19 )
- 日時: 2010/03/31 15:12
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
「蒼真、もう帰らない?」
「嫌だよォ? 千紅とずぅっと居たいの、僕は」
「じゃあその子、家に連れてこようか?」
ゲーマーさんが、蒼霧に声を掛ける。どうやら、蒼真と言う名前だそうだ。蒼真は、私を抱き締めたままでゲーマーさんに言う。すると、私をゲーマーさんの家にお呼びすると言う話が持ち上がった。
蒼真の返事は、
「無論おっけい!」
それを聞いていた蝶子も、納得し、結局ゲーマーさんの家にお邪魔する事になった。
とりあえず、ゲーマーさんの家にお邪魔する前に、中止していたゲーム選びを開始し、ゲーマーさんと空牙の助言により前作のRPGゲームを買う事になった。
——二千円を失ったが、まだ安い方であろう。
街中を、賑やかな街中を、ゲーマーにしか見えないジャージ姿の女性、チビ共が三人、少しお洒落した世間では草食系と呼ばれる男性がたった一人、合計五人で歩いている。兄弟と思われても可笑しくは無い人数。
そしてチビ共の中に私が入ってるのが悲しい事実。
「……ねえ、君達名前何? ちなみに私は宮城零って言うのよ。このちっさい子は蒼真」
重い空気。そんな沈黙の中皆で歩いていると、沈黙を切り開いたのはゲーマーさん。兼、宮城零と言う人。零さんは私達に名前を問うた。
「わ——」
「おお、名前か。私は蝶子と申す。この女は千紅、この男は空牙と申すぞ」
私は口を開き、“私は”のわを口にした時に蝶子が全て、滑らかに言ってしまった。私の名前も、空牙の名前も。ちくしょー喋る事がなくなってしまった。
その後も沈黙したまま零さんの家に着くまで歩いた。