ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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血迷う桜
日時: 2010/06/08 15:43
名前: 角砂糖 (ID: FgvmxuFA)

孤独に寄り添う。

闇に吸い込まれるように

僕は

君を抱きしめた。



『 さぁ、一緒に堕ちていこう 』

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Re: 血迷う桜 ( No.5 )
日時: 2010/06/09 14:41
名前: 角砂糖 (ID: FgvmxuFA)

**

ひんやりとした風が頬を撫でる。
その風に乗って血の匂いもする。
かちんと音を立てて、刀を鞘に収めると新羅は苦笑した。
「紫苑、もう終わったぞ」
「もういない?」
「いない」
新羅がそう告げると紫苑も鞘に刀を収めた。
額に付いた血を手の甲で拭う。
新羅と紫苑、二人は双子の兄妹。
血生臭い、そんな場所で育ってきた。
血で出来た水溜りを踏み越える。
そうやって、小さな頃は遊んでた。
「・・・今日も多かったね」
「ああ」
紫苑はごろごろと転がる屍を避けて歩いた。
その隣で新羅も紫苑と同じように歩いた。

Re: 血迷う桜 ( No.6 )
日時: 2010/06/08 17:00
名前: 角砂糖 (ID: FgvmxuFA)

煌謎様**
感想、ありがとうございます。
頑張ります!!

Re: 血迷う桜 ( No.7 )
日時: 2010/06/08 17:03
名前: 角砂糖 (ID: FgvmxuFA)

***登場人物

新羅 (シンラ) ♂

紫苑 (シオン) ♀

Re: 血迷う桜 ( No.8 )
日時: 2010/06/08 17:22
名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)

殺しだッ!
初っ端から殺してる!!

Re: 血迷う桜 ( No.9 )
日時: 2010/06/10 11:41
名前: 角砂糖 (ID: FgvmxuFA)

**

二人は鬼である父親と人間である母親の間に生まれたと父から聞かせれた。
母親は、他の鬼に殺されたという。
「新羅、母様は本当に殺されたの?」
「さぁ、俺も分からん」
母親は死んでない。
そう、紫苑は思ってきた。
紫苑の勘は当たる事が多い。
「父様はなんか違う事を言ってるような気がするんだよね」
「もう、その事は忘れろ。早く帰るぞ」
「分かってる」
紫苑はあまり姫らしくない。
あまり女性用の着物は好まず、男性用の着物に袴といった格好をしている。
その事については新羅も父も頭を痛めているそうだ。
「そろそろ、女用の着物を着ろ」
「いや。私は袴の方が好きなの」
「父上だって、言っている」
「父様がそう言っててもそれだけはいや」
鬼は味方も多いが敵も多い。
新羅と紫苑が生まれた家、暁家は最もそうだ。
父の鎖灰は視野が狭く、強情な性格なために味方も多く、敵も多い。
十八歳の新羅と紫苑もよく刀を振るう事が多い。
「女用だったら、思うように動けないの」
以前、そういう事があった。
紫苑は女性用の着物を着て、戦った事があった。
でも、それはあまりにも動きづらかったのだ。
紫苑の言う事は正論だ。
それが分かっている新羅は何も言えなくなって黙り込んだ。
紫苑がパッと顔を上げ、曇ったままの空を仰いだ。

「・・・血の香りがする」

そして、そうぽつりと呟いた。




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