ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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DEATH GAME 参照200突破!!
日時: 2010/08/09 16:56
名前: ガイ (ID: HQL6T6.Y)

どうも、クリックありがとうございます。ガイです
初投稿です!!!
未熟ですが、頑張って書くのでお願いします!
間違いがあったらどんどん教えてください
コメント募集します
内容は題名通りホラーです

目次
【序】
>>1 第1話
>>2 第2話
>>3 第3話
>>4 第4話

【第1ステージ】     【第2ステージ】
>>6 第5話       >>33 第12話
>>14 第6話       >>34 第13話
>>16 第7話       >>37 第14話
>>17 第8話
>>20 第9話
>>29 第10話
>>30 第11話

登場人物紹介
東条 柊斗(とうじょう しゅうと) 男 22歳 
双葉 千帆(ふたば ちほ) 女 22歳
兼平 翔(かなひら しょう) 男 22歳
霧崎 龍太郎(きりさき りゅうたろう) 男 27歳


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Re: デスゲーム ( No.2 )
日時: 2010/07/14 20:40
名前: ガイ (ID: HQL6T6.Y)

第2話

「記憶が……無い」

 柊斗は思わず呟いた。これから先、何が起きるのか。彼は不安だった。俺たちはどうなるのか。

「私の記憶も無いみたい……」

 消えて無くなってしまいそうな声を発したのは先程、柊斗の名前を読んだ女だ。豊よかな胸に付いているプレートには“双葉千帆ふたばちほ”と書いてある。その横には“22”と。年は自分と同じか。可愛 いらしい顔だが、瞳は力強さが感じられる。

「もしかしてここにいる全員の記憶も無いかもな」
「たぶん……」

 そう会話した時、突然叫び声が聞こえた。何か始まるのか。そう思った柊斗と千帆はとっさに声の主の元へ駆け寄る。そこでは自分と同じくらいの年の男が頭を抱えていた。

「どうかしたのか!?」
「いや、どうもしてないけど突然怖くなって」
 
 柊斗たちは拍子抜けした。ただの馬鹿か。

「もしかして俺を心配してくれたのか。そんならありがとな。俺の名前は……“兼平翔かねひらしょう”だ。ヨロシク」

 つんつんに立たせた短い髪が目立ち、整った顔をしている。明るそうな奴だ。しかし今そんな奴がいたとしても、うざったいだけだ。プレートを見ると柊斗と同じ22歳だった。彼も記憶がないのだろうか。そんな彼に、部屋の隅にいた男が声を荒げた。

「うるせーな。少しは黙ってろ!馬鹿が」

 声がしたほうを見ると、一目見ただけで近寄りたくないと思うような男が座っていた。金髪。獲物を狙う獣のような鋭い眼。服に隠れているが、大きな刺青が顔を覗かせている。プレートには“霧崎龍太郎きりさきりゅうたろう”とあった。年は柊斗たちよりも少し上なようだ。

「まったく嫌な奴……」

 翔がこう言いかけたその時、どこからともなく場内に能天気なチャイムが鳴り響いた。


柊斗達は誰一人気づいていなかった。
これから命をかけた死のゲームが始まるということを。

Re: デスゲーム ( No.3 )
日時: 2010/07/11 16:29
名前: ガイ (ID: HQL6T6.Y)

第3話

「な、何が始まるんだ!?」

 翔を始め、次々と驚きの声が沸き起こった。皆心配な顔をしているのが人目で分かった。
 やがて音楽はクライマックスを迎え、フルートの音で終わった。静寂が部屋全体を包み込む。しかしそれは嵐の前の静けさでしかなかった。

『みなさんこんにちは。これから“デスゲーム”を始めます』

 部屋中に無機質な女性の声が響き渡った。まるで、感情のないロボットのようだ。何だ何だとざわつく室内を無視するかの様に“声”は話を続けていく。

『ルールは簡単、5つのステージをクリアすればゲームクリアすなわちこのゲームから出られます。しかし不正行為をした人は罰を与えるので注意しておいてください。何か質問はありませんか?』

 あまりに事が進みすぎて一体何が起きているのか分らなかった柊斗だったが、部屋の真ん中にいるヒゲ面の男の声で我に返った。

「ふざけんじゃねえぞ、意味がわかんねえ!こんなんやめてやるぜ」

 そう声を張り上げ、この部屋に一つしかない鉄の扉の前までつかつかと歩み寄った。すると、いきなりタックルをし始めた。もちろんビクともしない。

『今すぐ扉から離れてください。これは命令です』

 またあの“声”が聞こえたが、男は止めようとしない。そればかりか“声”に逆らうようにさらに力を強めた。髭に覆われた顔は醜く歪んでいる。

『あなたは不正行為をしました。これから罰を与えます』
「は?」

 次の瞬間雷鳴のような音が響き渡った。それと同時に男の体が重力に逆らったように吹っ飛んでいった。音のした天井を見た柊斗は目を見張った。黒い塊が天井から顔を覗かせている。おそらくあれはライフル。男はボロ雑巾のような姿になっており、床には血だまりがカーペットのように広がっている。
 そこら中から叫び声が上がった。しかし“声”はまるでそれが聞こえていないようにこう続けた。

「第1ステージは……かくれんぼ」



Re: デスゲーム ( No.4 )
日時: 2010/07/11 16:46
名前: ガイ (ID: HQL6T6.Y)

第4話

 かくれんぼだと?ふざけてんのか?
 “声”は確かにそう言った。声自体は変わっていないのだが、この時は何故か冷たく聞こえた。
 ふと気がつくと千帆が自分の腕をつかんでいるのに気づいた。その手はまるでそこだけ震度7の地震が起こってるかのように激しく震えていた。顔は青ざめている。
 翔の口は小さく動き、呪文のように何か言葉を発している。よく見てみると「死んだ、死んだ…」と狂ったように繰り返し呟いていた。よほど大きなショックだったのだろう。
 しかし柊斗は疑問を感じた。人が一人死んだというのに何故これほどにも冷静になれるのだろう。彼は背筋が冷たくなるのを感じた。俺は何なんだ……俺らは誰なんだ……

『ルールは簡単です。この部屋に隣接している建物の中でかくれんぼをしてもらいます。その建物の屋上を目指して元気いっぱい走ってください。ただしかくれんぼなので鬼が徘徊しているのを忘れないでください。制限時間は30分。では頑張ってください』

 おびえる声も気にせずに、“声”がルールを説明した。死ぬのを見るなんて慣れていると言っているようだ。
 すると部屋の隅にある重そうな扉が、耳を塞ぎたくなるような嫌な音を立ててゆっくりと開いていった。中からは眩しい光が輝いている。
 突然後ろから、ピ、ピ、ピ、と規則的に音が鳴り始めた。振り返るといつからあったのかタイマーのような物があり、[29,55]と書かれている。それは、ピ、と音がするたびに一つずつ数を減らしていく。制限時間を表しているのか。
 なんにしろゲームが始まったようだ。
 最初に動き出したのはさっき翔に声を荒げた霧崎という男だった。普通に死体を踏みつけて行った。なんて冷酷な奴だと柊斗は思った。それから、彼に続いて次々と部屋を出て行った。制限された時間まで刻々と迫っている。決意を固めた柊斗はまだ残っていた千帆と翔に向ってこう言った。

「行こう。ここにいても何も始まらない」
「うん行こう」

 3人の決意は固まった。
 彼らは何が待っているか分らない”デスゲーム”の世界へと足を踏み入れたのであった。

Re: デスゲーム ( No.5 )
日時: 2010/07/11 17:38
名前: ガイ (ID: HQL6T6.Y)

第4話書き終わりましたー!

Re: デスゲーム ( No.6 )
日時: 2010/07/12 21:29
名前: ガイ (ID: HQL6T6.Y)

第5話

「畜生っ、迷路かよ!」

 部屋を一番早く出た霧崎は第1ステージの舞台の建物の中で、どこへ行っていいのか全く分らなかった。蜘蛛の巣のように張りめぐらされた薄暗い通路の中で完全に迷ったことを自覚していた。コンクリートで固められた、天井まで3m位の通路では同じような風景なので余計そうなる。先程から分かれ道、行き止まりばかりで、全く自分が進んでいないように思えた。

「ん?なんだ」

 ふと、突き当りで何かが動いたような気がした。心拍数が上がり、体中の血液という血液が駆け巡るのが分った。自然に体が震えてくる。思わずそこから目をそらしてしまった。
 その時だった。どこからともなくとてつもない地響きがした。壁、いや建物全体が揺れた。それと同時に重いもので何かを叩いたような音もした。それもこの近くで。寒気が走り、もう一度何かが動いた場所を見る……と———そこから大きな黒い影がヌッと表われた。

 

「もう……怖いよ。こんな所絶対無理だよ……」
「大丈夫だって、なんとかなるさ」

 弱音を吐く千帆とそれを励ます翔。聞くとこっちまで憂鬱になってくると思う柊斗。あの部屋を出てからというもの3人で行動していた彼らは、霧崎と同じように苦戦していた。今は一本道にいる。時計はないが既に10分は経っただろうか?いや20分?先程から同じような場所をグルグル回っているような気がして、時間の感覚が全くなかった。

「でも一体どこにいけばいいのかさっぱり分からないよ。なにかヒントでもないのかな〜」

 翔がそう不満を漏らしたとき、偶然にもコンクリートでできた壁をじっと見つめていた柊斗は、ある事に気がついた。

「ん?この壁おかしくないか?」
「どうした?」
「なんかシミができてるぞ」

 チラッと見ただけでは分からなかっただろうそのシミは、迷路のような形であった。……迷路?柊斗はもう1度そのシミをよく見てみた。記憶を呼び覚まして、さっき通ってきた道とそのシミを照らし合わせる。

「これ……この建物の地図なのかもしれない」

 柊斗の言葉に続き、翔と千帆もシミを覗きこんだ。

「確かに地図みたい」
「すげえな」

 今がここだとするとゴールは……。柊斗は頭の中で地図をコピー機のように正確にコピーした。何故かそ
れを忘れない自信が彼の中にはあった。これでクリアできる。そう確信した。しかし重大な存在を忘れていた。

「うわぁぁぁ、逃げろぉぉ!」

 声のしたもと来た道を振り返る。そこには何かに脅えて逃げる、霧崎の姿があった。全速力で逃げており、あっという間に柊斗達の横を通り過ぎて行った。彼を追いかけるもの、思い当たる節は一つしかなかった。それは———鬼。




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