ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- SBS ——空の王者—— 参照400突破! ありがとう!
- 日時: 2010/07/25 21:43
- 名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: 97g6Isa9)
今回のこの物語……。
はっきり言って難しくなりそうです。
作者自身、全然完結構想が出来てませんのでバットエンドにもハッピーエンドにも転がっていきそうな小説になるでしょうね。
でも、私が書きやすいクールな男の子、演じる空を支配する戦闘機物語ですのでアクション系になると思います。よければどうぞ見てやってください。
久しぶりに帰ってきましたw
最近、全然小説が書けなくて前までは構想がポンポン思い浮かんで来たんですけど、突如思い浮かばなくなってきてですね……。
それで、少しお休みした方がいいのでは?と考えた挙句少しの間お休みをするとやはり小説を書きたくなってきてムズムズしだしたんで、書きに来ましたw
やっぱり小説を書いてるといいです!
本の虫、バンザイッ!
それでは、まず最初に注意事項にいきましょう。
①荒らさない事。
②出来ればコメント書いて下さると助かります。
③アイディア、誤字脱字等の指摘、大歓迎。
④横文字というものは、詰め詰めに書き過ぎると見にくい物。五、六行くらいで行を空けていますが、これは話が飛んだ訳でも何でもないので、気にしないで下さい。こうした方が、見やすいでしょ?(本当は詰め詰めに書きたいのですが……)
自分も見直して、「あれ? この文おかしい」と思った所は修正してます。なので、もう一回読んでみると「あれ? こんなんあったっけ?」みたいなのが出てくるけど、そこは軽くスルーしてください。
何回読んでも読みごたえのある小説となっていますので、何回も読んでください!
——それでは、青い空の世界へご招待致します——
>>>>コメントして下さった方達
・ぱらどっくすの関連性様
・アキラ様
・SHAKUSYA様
・雉明様
・兎犬様
・遊太様
ありがとうございます!
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- Re: SBS(スカイ・ブルーシップ) ——空の王者—— ( No.1 )
- 日時: 2010/07/09 22:14
- 名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: BwWmaw9W)
カランと出入り口のドアベルが鳴った。
その一瞬で辺りは騒々しくなり耳を塞ぎたくなるほどだ。
ここ「ブラック・キャッツ」というバーは、お昼時というのに、この客の出入りは尋常ではないくらい激しかった。
「いらっしゃい、お客さん」
店長のバーナーがカウンターについた今さっき入ってきた客にそう告げた。
バーナーはその客を見ると息を飲んだ。
美しい程に輝きを持つ金髪に、まるで深い海を覗き込んでいるかのような青い瞳、小柄であまり背の高くないその少年は、しっかりとバーナーを見つめ返してきた。
その時、てっぺんだけが無くなっている頭を覆い隠したくなった。バーナーの最近の悩みの種である。
「ビール一杯」
「こんな早くにビールかい? 奥で飲んだくれているおじさん達に混ざって?」
バーナーはあごで奥の隅を指した。
そこには、酔いつぶれ寸前の四十代の男達がビールを片手に飲んでいた。
青い瞳が射るような目つきでおじさん達を見る。
「そんな風にはならないよ。ちょっと落ち着かせたくて飲むだけだ」
少年が、さらりとした聞き心地のいい声で言った。
バーナーは、ビールを滑らせ少年がそれをうまくキャッチする。
少年は、待ちわびていたかのようにビールジョッキを持つと口に運ぶ。
「あんた、田舎もんだろう?」
少年は動じないまま、ビールを喉の奥に流し込む。
数秒の沈黙が流れた。
叩くようにビールジョッキを置くと、手で口を拭った。
「どうしてわかったんだ?」
「日の焼け方が違う。ここの気候は冬でも夏でも年がら年中高温だからまんべんなく焼けるんだが、よそ者は、ここの気候に慣れてないから変に焼けるんだ。あんたの半袖から見える細い腕をみると一目瞭然さ」
バーナーは、目線を腕に直視する。
少年は、その目線をたどっていく。
確かに、半袖Tシャツから少し白い地肌が見え隠れしていて、あとは真っ黒に焼けていた。半袖を境目にしてくっきりと焼けている。
無表情のまま少年は、グラスをバーナーにさし出す。
「こんな商売やってるとな、観察眼が養われてくるんだ。ここには何し来たんだ?」
バーナーは得意げになって先を続ける。
「SBSに用がある」
短く言うとビールが流れてきた。
今度は、少しずつ口に流し込む。
「SBS……SBSってあのSBSか? 身内にでも誰か選手として出場する奴がいるのか?」
「違う。俺が選手として出るんだ」
……バーナーの息が止まった。思い沈黙が流れる。そんな沈黙をもろともせず、ビールを眺めている少年。
「う……そだろ? 選手として出場!? あのSBSにか!?」
「そうだ」
「ひょっとして、お前まさか……っ! 今、物凄い噂になってるたった十六歳という最少年齢でSBSに行けた、金剛崎 柔(こんごうざき じゅう)じゃないのか!?」
バーナーの声は、バー全体に広がった。
その声は、奥に座っていたおじさん達の声にも止まり、酔いがふっとんだように席から皆立ち上がっていた。誰しもが返事を来るのを期待している目つきだ。
そんな目つきを、払い除ける様にビール一口含むと澄ました声で言った。
「そうだと言っている」
その瞬間、歓声が沸き起こった。
- Re: SBS(スカイ・ブルーシップ) ——空の王者—— ( No.2 )
- 日時: 2010/07/10 23:28
- 名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: BwWmaw9W)
時は二〇三五年。
地球温暖化の所為で、地球の温度は極端にあがり、寒い地域と暑い地域の差が激しくなった。
海面上昇の所為で、ほとんどの大陸が沈没し島が点在。地球は、海と化してしまった。人類は、そんな地球に合わせるように飛行技術が発達し、一家に一台は小型飛行機が持つようになったのだ。
大陸というものがない今、各国の代表は首脳サミットを開き、すべての言語統一、貨幣統一を目指した。一つの国で、一人の代表者としていたルールも改正され、新たに政府が作られた。様々な人種が混ざり合い、差別もなくなった現代は、これ以上海面上昇を避けるため、車などの二酸化炭素排出を大幅にカット。地球は、再びこの状態で平穏を保つことが出来たのである。
ここ、スカイブル諸島の中心、リグレン島は世界が決めた大都市である。空には一日中、飛行機、飛行船が飛び交い、更には航海技術も発達し、豪華客船が港に居ないことはない。騒音は最新技術にそって作られたほとんどしない静かな飛行機、飛行船。街には車も走っている。
SBS——名称“スカイ・ブルーシップ”というのは大都市スカイブル諸島にある、そんな現代に合わせて作られた制度である。
SBSは、ソラニンという犯罪組織を空軍の許可なしで逮捕することが出来るというものである。ソラニンというのは、空を生業にしている犯罪集団で絶対に数人のグループで活動する。主な罪状は空荒らし。豪華客船や飛行船などを襲って人質を取り金品類を盗むというのが手口だ。とても大きな人数で作られ世界的有名なソラニンもあれば、少人数で民間人の機体を襲うソラニン、近年様々な形でソラニンが急増していった。ソラニンを捕まえる為には、SBSの第一試験、第二試験を次々とクリアし、最終試験を勝ち抜いただた一人だけをSBS優勝者と称される。SBSは、リグレン島中心部にあるSBSタワーで毎年行われ様々な各著名人を生み出している。そのタワーの横にはSBS管理局という建物がそびえ立っており、これがSBSを管理、運営するビルなのだ。SBSを出た者は、ほとんどの国の通行許可証をパス出来、大きなソラニン集団であればあるほど多額の報酬が支払われる。そのほとんどのソラニンが空軍で逮捕されるが、SBSというプロに任せなければいけない凶悪ソラニンや、依頼者から直々に依頼されたソラニンを逮捕し空軍に送還する場合もある。SBS管理局は、様々な情報を集めそれをSBS優勝者に仕事として現場に向かわせる。
空軍と管理局の華麗なるコンビネーションで空の安全は守られているのだ。
- Re: SBS(スカイ・ブルーシップ) ——空の王者—— ( No.3 )
- 日時: 2010/07/22 18:05
- 名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: S20ikyRd)
「空の安全を守ってくださる空軍も、SBSや管理局に依頼するようになった。そのSBSに、たった十六歳が最終試験に残ったんだぜ!? それが目の前に! ……ってあれ?」
柔が座っていたはずのカウンターの椅子が、空しく回った。
あれは一体何なんだ。
柔は思っていた。柔はカウンターにお金を置いたまま、あのむさ苦しいバーから早々に出てきた。周りに取り囲んでいた酒臭い異臭から逃れた柔は、大きく背伸びをした。
SBS最終試験ということで周りは、お祭り騒ぎになり様々な人種が、このスカイブル市場を行ききしている。柔は、そんな市場の建物と建物の間の小さな木陰に座っていた。タバコをふかして、座る。
柔のように、建物と建物の間に座ってゴミ箱を漁っている。それは、猫でも犬でもない。人だ。スカイブル市場はあまり治安がよくないらしい。
あのおじさん達は、SBS祭りで仕事がなくなって酔っ払っている人ばかりだろう。そんな人達に捕まって騒がしくしてほしくなかった。騒がしいのは嫌いだからだ。このスカイブル諸島一のおいしいビールを出してくれるという店に入ったのが間違いだった。そもそもそんな店ならば、客が大勢いたって疑問はないし、そんな客の中にあんな客がいたっておかしくない。
自分の不甲斐なさに大きくため息をつく柔。
柔は目線を地面に落した。絶対に日が当らないこの場所は、ひんやりとコンクリートの地面が冷たい。
「金剛崎 柔くん」
柔のフルネームを呼ばれた。柔は、ゆっくりと目線を上に上げる。
そこには、同い年くらいの少年がいた。少年は華やかな笑みを浮かべる。
「誰?」
柔は眉間にしわを寄せる。ゆっくりと立ち上がり、タバコを地面に落として足で火を消す。
その少年の方が少し小さいと思っていた柔は、同じ目線の高さに戸惑いながらも、また聞いた。
「誰?」
今度はすぐに答えた。
「さっきの喫茶店で隅の方に座っていた者です。僕の名前はコーンベルト。コーンベルト・フィッシュ。ベルトと呼んでください」
コーンベルトと名乗るその少年は、とても童顔だった。まん丸い目に笑うと横いっぱいに広がる口、白人だろうか、肌がとても白くそれを輝かせるような黒髪だった。
「なんで黒髪にしてるんだ? 白人だろ」
「僕のお母さんがアジア人で、お父さんがヨーロッパ人。僕、ハーフなんです」
今の時代でハーフの子供など当り前だった。同じ人種で結婚する方が珍しい。
「そうか。それで、俺に何の用だ? ベルト」
柔は苛立ちを隠そうと必死だった。
さっきの騒動で、まだ変にくいついてくるバカがいたのかと、本当にあの場所にいたことを反省する。
柔は一瞬でも隙を見せたら走りだして逃げ出すつもりだった。足には自信がある柔は、周りに目線をちらつかせる。
両側には壁、唯一の通り道をベルトが通せんぼしている形になるからだ。
そんなことを考えているなど知る術もないベルトは続ける。
「SBS出場選手があそこに行くなんて、君はよっぽどここに慣れてない地方客ですね?」
「なんでそんなことがわかる?」
「SBS出場選手があそこに行かないことなんて、絶対の暗黙のルールです。あそこに行ったら君の経験したように根掘り葉掘り聞かれます。もう、神経が疲れるまで帰してくれません。それで、君みたいに何年かに一度は、来る選手がいるんです。それも、ここに来るのが初めてとか、そういう人が」
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