ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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ABILITY 知らない間に参照100越え
日時: 2010/09/26 13:04
名前: 弥一 (ID: QxAy5T6R)

お久しぶりです。弥一です。
こっちを書くのは一ヶ月ぶりですか……読んでいる人がいたならすみません(>人<;)

さて、久しぶりに書いた為に少しキャラの性格が変わったり、文体が変わったりしてるかもしれないし、してないかもしれない

まぁ、そんな事はどうでもいい(よくないけど

本音を言うと
読んでくれ!!




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Re: ABILITY第3夜 ( No.3 )
日時: 2010/07/12 14:36
名前: 弥一 (ID: QxAy5T6R)

2175年7月24日 私立月城学園高等部 校内

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…ここまで来れば大丈夫だよな」
今居る場所は、学園2階の2年3組の教室。

「なんなんだよあれ。男が高校生くらいの女を殺そうとしてやがった」
ありえない、ありえない、ありえない、ありえない。
こんな非日常、ある訳が無い。

「それが、あるんだわ」

「なっ!」
突然、後ろから例の男が声をかけてきた。

「いや〜、まさかこの俺がこんな失態を晒すとは思わなかったぜ」

「お前、どうやってここに」
「あぁ?なんだ、お前一般人か。ハッ、そら残念だったな。俺に目をつけられた時点でお前は……」
男が空中に手を掲げると

「なっ!」
男の手に刀が握られていた。

「俺の餌だあぁぁぁぁぁぁ!!」
男の刀が完全に和志を捉えた。

(俺はこんな所で死ぬのか。嫌だ。まだ死にたくない。それに死ぬなら、全力で抗ってやる!!)

キィィン!!
「なに!」

男はすぐに後ろへ下がり距離を取る。
「……生きてる?」

何故かは分からないが、とりあえず生きている。
「テメェ、能力者だったのか。」
「能力…者?」
なんだ、それは?

「ふん、その反応を見る限り、違うみてぇだな。なら、無意識での覚醒か。何にしろ、面倒だな。扱いが分かってねぇ内に潰すか。」

「なにを言って」
シュン

「えっ」

左頬がばっくりと切られ、血が出ている。
「安心しな。楽に逝かしてやるからよ、変に抗うな。大丈夫だ、自分でも気付かねぇ内に逝ってるからよ。だから……」

男からこれまでとは比べものにならない程の殺気が襲ってくる。

「死ねよおぉぉぉ!!」
刀速度が先程よりも速い。だが……

キィィン。

「またかよ。どうやら決まりだな。」
その言葉に問を返す。
「決まりって、何がだよ。」

「てめぇの能力だ。俺の見立てじゃあ恐らく【不動】だろうな」
「ふ…どう」

「そう【不動】だ。チッ、厄介な能力だ。てめぇ恵まれてるぜ」
なんなんだ。なにを言ってる。【不動】てなんだよ。

「その【不動】て何なんだ」

「……まぁ、教えといても大丈夫か。基礎から話してやるよ。まず始めに能力者についてだが、能力を持った人間…能力者てのは世界に少なくとも10万人はいる。そして、いまはその能力者たちで殺し合ってんだよ。そして最後の1人になった時に、どっかの誰かさんが一つだけ願いを叶えてくれるらしい。」

なんだその非日常は。眩暈がしてくる。
「まぁ、俺は興味ないんだがウチの主人がこの戦いにご執心でね。仕方なく参加してんのさ」

「じゃあ、グラウンドで戦ってた女の子も」
「あぁ、能力者だ。まぁ、んな事はどうでもいい。そんで、てめぇの能力だが、それは肉体に対する攻撃を全てを無効にする能力だ」

マジかよ。てことは……
「あんたは、俺に勝てないって事か?」

「はぁ?フ、フフ、アハアハハハアハハハハハ」
「なっ、何がおかしい!」
「ハァハァ、いや悪い悪い。そうだな、普通ならそうだ。だが…」

「なっ、くっ」
なんだ、急に身体から力が。

「俺がお前の能力だけ知ってるのは不公平だからよ、俺の能力を教えてやるよ。」
「お前…の、能…力だと」

「あぁ、俺の能力は【枯渇】俺を中心に半径5m圏内にあるもの全ての生命力を奪う能力だ。てめぇは今、俺に吸われるだけの餌なんだよ!」

話し終わると同時に、虚脱感が増した。
「ついさっき能力を得たばかりのガキが、調子こいてんじゃねえぇぇ!!」

「ウッガァァァ!!」
マズイ。このままだと確実に殺られる。

「いいぞおぉぉ!もっともっともっとその苦痛に歪んだ顔を俺に見せろおぉぉぉ!!」
「グッ、ガアァァァァ!!」
その時、プルルルル、プルルルル、プルルルル、プルルルル。

「チッ、良い所で。誰だ!俺の邪魔をするのは。」
と、男が携帯を見た途端に顔色が変わった。
「運が良いなお前は。今日はここまでだ。次が楽しみだ」
身体から虚脱感が無くなった。先程まで男がいた場所を見ると、既に男はいなかった。

Re: ABILITY第4夜 ( No.4 )
日時: 2010/07/11 17:44
名前: 弥一 (ID: QxAy5T6R)

2175年7月24日 私立月城学園高等部 グラウンド

学園内は、先程戦闘があったとは思えない程に静かだ。
「くそ!何だよあいつ。メチャクチャ強えじゃねぇかよ」
ボヤきながら男と女が戦っていた場所へ向かう。
すると、そこにはまだ女が倒れていた。

「やっぱ、どっからどう見ても普通の女の子だよな。こんな女の子まで能力者だなんて。」
「うっ、ううん」

「おい、起きろ!」
「うっ、なに。あなただれ?」
「俺は和志、仙堂 和志(せんどう かずし)お前は」
「葵よ。水見 葵(みずみ あおい)」

「水見…どっかで聴いた名前だな」
「あー、私ここの生徒なの。1年4組の」
「1年4組!同じ組じゃないか!」
「えっ。あぁ、仙堂君て同じ組だったんだ」

俺はそんなに影が薄いのか!
「同じクラスである事さえも知らないんだ」(T×T)
「ごっごめんなさい!あんまり学園に来ないから」

学園に来ない?どう言う事だ?
「来ないってどう言う事だ?」
「えっと…仙堂君てさ、能力者?」
「あぁ、ついさっきからな」
「目覚めたって事かな。能力者ならいっか、教えても。私も能力者なんだけど、【世界保安機関】ていう組織のメンバーで、まぁ主に覚醒した能力者の保護が任務でね、今日は本部から「月城学園で能力者が覚醒する」て言われてここに来たの」

「それと、学園に来ない事がどう関係するんだ?」
「つい最近まで、別の支部に研修に行ってて、それで学園に来れなかったの」
研修て、普通の会社みたいじゃん。

「詳しい話は、明日学園でね。私そろそろ帰らなきゃ」
そう言われ携帯で時間を確認すると、
「うわ!もう10時前じゃん!」
「うん。だから、詳しい話はまた明日ね」

「あぁ、わかったよ。」
そう言って、俺たちは帰路についた。




Re: ABILITY第5夜 ( No.5 )
日時: 2010/07/11 20:51
名前: 弥一 (ID: QxAy5T6R)

7月25日 仙堂家

「ハッ、気持ち良さそうに寝てんな。危険が去ったとでも思ってんのか。ほら、起きろ。学園に行かなくていいのか?」
「ん、うんん?母さんあと5分。」

「誰が母さんだ!このバカ!起きねぇなら殺っちまうぞ!」
なんだ?この声、何処かで?
「5・4・3」
そうだ。この声は確か、昨日の男の。

「……てっ、寝てる場合じゃねぇ!」
「2・1」
「ちょ、タンマ!ストップ!起きた!起きました!」
「ゼ…、なんだ起きたのか。つまんねぇな。」

退屈凌ぎに殺そうとすんなよ!危ないわ!
「つか、なんでお前がここにいんだよ。」
こいつの考えが分からん。

「いや、名前、聞いてなかったからさ。聞こうと思ってな」
「それだけか。俺を殺しに来たんじゃないのか」
こいつ考えは分からんが、少なくとも可能性として考えられない訳じゃない。

「俺が、お前を?ハハハハハ、相変わらずおもしれぇなお前」
「ッ……笑うな」
「あぁ、悪い悪い。まぁ、本当に名前聞きに来ただけだよ。それで、名前は?」

「そっちから答えろ」
「おっと、そうだな。名を聞くなら、先に名乗らないとな。俺は牙だ。獅王院 牙(しおういん きば)お前は」
「…和志。仙堂 和志」

「仙堂 和志。憶えたぞ、その名前。次に会ったら、殺り合おうや」
そう言い残すと、窓から何処かへ行ってしまった。

「なんだったんだ?朝っぱらから」そう言いながら時計を見ると、
「……7時58分。…………最悪だ。完全に遅刻だ」
学園についた時には、既に8時30分を越えていた。

Re: ABILITY第6夜 ( No.6 )
日時: 2010/07/12 14:24
名前: 弥一 (ID: QxAy5T6R)

7月25日 私立月城学園高等部 1年4組教室

結局、学園に間に合わず、生徒指導の教師にかなりの時間怒られる羽目になった。
教室に入るなり、瞬が話しかけてきた。

「よう。お前が遅刻するなんて珍しいな」
全く持ってその通りだ。

「いや、起きたら部屋に魔王がいてさ」
「マジか!今すぐにお前の部屋に行きたくなったよ」
「もういないよ。窓から飛んで行ったから」
「マジか!窓から飛んで行ったの」
「あぁ」
「俺の部屋にも来ねぇかな、魔王」
いや、10秒で死ぬと思うぞ。魔王来たら。

「あっ、そんなことよりも、今朝のニュースみたか?」
「ニュース?」
「見てねぇのか。この地区で住民が家と一緒に消えたそうだぜ。」
「なっ!マジかよ、それ」
「マジだって!六軒消えたそうだけど、内一件は俺ん家の真横だからよ」

なんだそれ。そんなもん、能力者がやったとしか思えねぇじゃねぇかよ。
「和志?どうした?顔色悪いぞ。」
「いや、なんでもねぇよ」
そう言いながらも、彼の頭の中はその事件の事で一杯だった。

Re: ABILITY第7夜 ( No.7 )
日時: 2010/07/18 13:26
名前: 弥一 (ID: Btri0/Fl)

7月25日 月城学園高等部 屋上

「遅い!どれだけ待たす気だ!」
和志はいま、屋上にいる。弁当を食べに来たのではない。昨夜出会った水見 葵に呼び出されたのだ。
しかし、既に和志が屋上に来てから20分程の時間が過ぎている。

「あっちから「屋上にこい」て誘っておいて、何でこんなにもまたなきゃならないんだ!」
そんな事を愚痴っていると、

「ごめんなさい。委員会の仕事で遅れしまって」
「委員会?学園をサボり気味なのに、委員会に入ってるのか?」
「ええ。私が学園を休んでる間に、勝手に決められてたみたい」

なんだそりゃ?俺なら面倒くさいつって、無視するだろうな。

「まぁ、遅れたことはもういい。それで、俺を呼び出した理由は?」
葵は思い出したかの様に話し始めた。

「そうそう、話があるから和志君を呼び出したの」
「お前なぁ…。しっかりしてくれ」
「ごめんね。まぁ、前置きは省略するとして……う〜ん、なにから話そうかな。」
「おい、まて。話しって何分くらいかかる」

「多分、15分〜25分くらいかな」
「昼休みが終わっちまうじゃねぇか!」
「……まぁ、いいじゃない。こんな可愛い女の子とお話しできるんだから」
「自分で言うと株が下がるぞ」

「それで、話って言うのはね」
無視しやがった!
「貴方はね、ハイランクの能力を持ってるの。ランクの話しは後でするとして、まずは貴方の今後について」
「俺の…今後?」
「ええ、成り行きだけど貴方は能力者になった。昨日の男から聞いたかもだけど、能力者たちは、今殺し合ってるの。貴方も能力者である以上、他の能力者に狙われるわよ。」

「じゃあ、お前も殺し合ってるのか?」
「私の答えはノーよ。私たち【世界保安機関】はこの戦いを終わらせたいと思ってるわ」

なるほど。なら少なくとも、こいつとは戦わなくて済みそうだ

「どうやって終わらせるんだ」
「まず、能力値の高い能力者を他の組織よりも多く集める。そして後は、一つ一つ潰して行く」
「なっ!おい、さっきと言ってることが違うじゃねぇか!」
怒りを込めて言い放つが、葵は極めて冷静に言い返して来た。

「違わないわ。言ったじゃない、「私の答えはノー」だって。私以外のメンバーのほとんどは、力を示して他の勢力を黙らせる武闘派がほとんど。私を含む少人数が、話し合いで穏便に解決しようとしてる温厚派。優劣なんて言うまでもないでしょ」
葵の話しはなおも続く。

「昔はこんな組織じゃなかった。覚醒した能力者に、正しい能力の使い方を教える。それだけだったのに」
「………」
「ごめんね。今の話しは忘れて」

葵は深呼吸をすると、再び話し始めた。
「それで、和志君はいま2つの選択肢がある。【世界保安機関】に入るか、1人でこの先生きて行くか。どっちにする」

正直な話、和志は迷っていた。能力者になったばかりの彼にとって、1人は余りにも危険過ぎる。かと言って、さっきの話しを聞く限り【世界保安機関】も絶対に安全とは言えない。他勢力を潰し終われば、恐らく仲間同士で殺し合いになるだろう。だが……

「【世界保安機関】に入るよ。1人じゃ危険だからさ」
「そっか。なら、今日から仲間だね。よろしく和志」
葵が手を差し伸べてくる。
「こちらこそ、えっと…」
「葵。そう呼んで」
「じゃあ、よろしく葵」

お互いに握手を交わしたところで、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。


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