ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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モザイク
日時: 2010/11/20 10:55
名前: 出雲 (ID: kDmOxrMt)

はじめまして、ひっそりと始めさせていただきます。

新参者、出雲というものです。

一言《参照が100を突破いたしました、これからもよろしくお願いします。》

もう一言《こんな感じのシリアスでなかったら番外編とかで遊んだりできたのにな、とか思ってます》

さらにもう一言《アドバイス、またしてほしいことなどあったらどうぞ》

登場人物 >>1
プロローグ >>2
参照100突破 >>27
 
《1》>>3 《2》>>4 《3》>>7 《4》>>13 《5》>>18 《6》>>21 《7》>>36 《8》>>38
《9》>>42

《お客様》
・月兎様
・阿嘉狐様
・詩様
・アキラ様
・神無月様

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Re: モザイク ( No.1 )
日時: 2010/11/14 20:30
名前: 出雲 (ID: kDmOxrMt)

      —登場人物紹介—


キセキ
輝石 ハル
【160㎝/46㎏/16歳/男】
過去のある出来事で感情が欠落した少年。
敬語と標準語が混ざった口調で話す。
トラウマを抱えていて、自分をだそうとせず自分から他人と関わりをもとうとしない。
『いつかは壊れやすい、優しく扱ってやらないと』


カナメ
要 いつか 
【158㎝/40㎏/16歳/女】
ハルのクラスメイトだが不登校。
歳に合わず幼く、壊れやすく脆い、自虐的。
彼女もまた心に闇を抱えている。
『ハルは私に会いに来てくれる、ハルはいい子だよ』


キセキ
輝石 ナツ
【172㎝/52㎏/18歳/男】
ハルの兄。
弟と二人暮らしだがひきこもり。
ハルと同じく過去にトラウマを抱えている。
動作が可愛い(幼い)のは弟談。
『ハルはもう笑えない、全部俺のせいだ』


イクスエ ユキ
郁末 幸
【163㎝/48㎏/16歳/男】
ハルのクラスメイト。
クラスの中心的人物であるが、ハルといつも一緒にいる。
親がいない。
『俺も輝石と一緒、笑ってるようで笑ってないし』


キセキ
輝石 アキ
【165㎝/44㎏/13歳/男】
輝石家の長男でハルとナツの兄。
13歳の時に死んだ。
『ハルもナツも何も悪くないです、誰も悪くない』


フヨジョウ アオイ
不夜城 蒼
【?/45㎏/?/?】
よくわからない人物。女だと思う。
ハルとナツのお隣さんで車いすに乗っている。
『引きこもりの兄貴とよくやってる、アイツも辛いのに、アイツは自分を捨てすぎ』


イッシキ ヒフミ
一色 一二三
【175㎝/56㎏/28歳/女】
精神科の先生。
ハルを担当していた、というか今でもしてる。
若い為ノリがいい、だが若さゆえ患者に感情移入をする。
『あの子らはもう十分苦しんだ、十分だよ』

Re: モザイク ( No.2 )
日時: 2010/08/15 18:36
名前: 出雲 (ID: QuEgfe7r)






『××は何もやってません』


じゃあ、なんで?


『悪くないから、こうするしかないんですよ』


僕、どうなるの?


『どうにもなりません』


××は?


『安心してください』


ねぇ、なんで、なんで—


『いつまでも幸せに暮らせます』


そんなに悲しい顔をするの?



『              』



いつもみたいに笑ってよ。


いつも、いつも


優しく、笑っててくれたのに





Re: モザイク ( No.3 )
日時: 2010/11/20 10:54
名前: 出雲 (ID: kDmOxrMt)

《1》

—兄が、俺といるとまた壊れてしまいそうで—



「おい…ハル、学校、いかないのか」
いつもならすでに外に出てるだろう時間。


輝石 ナツ—俺の兄貴。


兄貴は俺が家にいたことに驚いてか、驚いてないか真意はよくわからないけど、多分驚いてないよ、多分。

「いかないことにする、今日は」
兄貴みたいにはならない、そう決めたから。


輝石 ナツ—俺の兄貴でひきこもり。


「そうか」
兄貴は無表情でその場から立ち去った。

7年前だ。
兄貴が、壊れたのは。
11歳で、まだそんな年齢だったのに笑えなくなった。
笑わせることもなくなって、俺が大好きで尊敬してて自慢の兄は消えてしまった。


そして、俺が壊れたのも。
7年前。

「多分、7年前」
誰にも聞こえない小さな声で呟く。

独り言なんだけどね、そうは言わない。


7年前、俺は9歳。
記憶力が無いわけじゃなくて、忘れただけ。
忘れたかったから、思い出したくなかったから今はきっと記憶の中のずっとずっと奥にある。


輝石 ハル—それが俺の名前。


少し前まで精神科に通ってた、今も通わなくちゃいけないらしいけど止めた。
あそこに行くと、記憶の奥底からどろどろとした何かが思い出されてしまうから、いけなくなった。

兄貴こそ行かないといけない、でもあの7年前からひきこもりで外に出ていないから一度として行ってないんだと思う、多分。

「多分、か」
自分で思ったけど多分という言葉を使うと不安しか生まれない。

俺の知らないところで兄貴はなにをしてるのか。

何も思っているのか。

それは分かる筈もなくて。


輝石 ハル—俺の名前で《多分》が口癖。


「ハル、昼はどうする」

「え」
いたのか、と思うほど驚いた、というか驚かなければいけない所なんだと思う。

俺も兄貴と同じ、感情表現が分からない。


忘れた。


「昼、御飯はどうする」
死んだような目でそう言われても。

切っていない髪は目を隠してしまっている、兄貴は引きこもりをしているのに何をするわけでなく、俺の見た限り一日中ぼーっとしてるだけだ。

「買ってこようか?いつも出前、なんだろ」
買ってくるって言ってもコンビニだけど。

少しは外に出ないと引きこもりの空気に慣れてしまう。
というか空気を吸ってるとうつってしまいそうだから


兄貴が頷いた。


可愛いな、なんか。
いや、18歳でこの行動は、ってことだよ。

「何がいい?」
一応聞いておこう。

兄貴の好きなものとか昔のは分かる、でも今のnew兄の好きなものはさっぱりだ。

「なんでも、いい」
やっぱ、そうだよな。


「じゃ、行ってくるから」
俺は財布を握って玄関に向かうことにした。

やっぱりそう言うと兄貴は頷く。

キュンとくるな、ひきこもりの兄だけど。



—怖いから—


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