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鬼[オニガリ]狩
日時: 2010/09/19 16:40
名前: 黒ネコ^・д・^ (ID: q9W3Aa/j)

おはつです。気軽に参照、コメお願いします♪


...ご紹介...>>3>>15
...Prologue...>>4
...鬼狩り...>>5>>6
...水那の危機...>>7>>8>>9>>10>>11>>12
...宇津木の正体...>>13>>14
...西の鬼狩り...>>16>>17>>18>>21>>22
...鬼の変化...

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Re: 鬼[オニガリ]狩 ( No.12 )
日時: 2010/08/21 15:11
名前: 黒ネコ^・д・^ (ID: q9W3Aa/j)



「水那・・・っ!!」
人通りの少ない片隅に10体の鬼。その中に青ざめて座り込んでいる女の姿が一つ。
彼女は俺の姿に気付くと安堵したように、頬に涙を伝わらせる。
幸い、まだ喰われていなかったようだ。
だけど、腹部から赤い染みが広がっている。鬼に引っかかれたか・・・。
俺は舌打ちしてから水那に聞こえるように呟く。
「目ぇ、・・閉じてろ」
水那は静かに頷き、ゆっくりと目を閉じた。
それと同時に背中から太刀をゆっくりと引き抜く。
「・・・・・・死ね」
抑えられない怒りを鬼たちにぶちまける。
3,4体を粉砕させて、2体ぐらい頭や腕やらバラバラにしてやった。
残り3体・・・。 鬼たちは恐れを知らない。
ただ生き胆を求めて這いずり回る。
ものすごい勢いで襲い掛かってくる鬼。
その刹那、
辺りに鮮やかな鮮血が舞う。まるで桜の花びらのように・・・。


「・・・悠夜・・・?」
水那の声にハッとして振り向く。
彼女は目を大きく見開かせ、カタカタと震えていた。
「・・目、閉じてろっていっただろ」
だけど彼女は何も言わない。
・・・愛想つかされたか。こんな返り血に染まったヤツ・・・殺人鬼にしか見えねえよな・・。
肩を落としながら太刀についた血を拭き取り、鞘に戻す。
ついでに顔についた血も手のひらで強引に拭き取る。
この間の真田と違って、今度は俺が袖を真っ赤にぬらしちまった。
なんともいえない複雑な気持ちになる。
助けれたけど、“鬼狩り”を見られてしまった。
顔を拭いた後、水那に向き直る。
「俺が怖くなった?“鬼狩り”だから」
水那はいっかいビクっと震えた。 図星つかれると震える癖、直ってねえのな。
「怖いよ・・・。だけど“悠夜”は“悠夜”変わりない」
今度は俺が目を見開く。
「一人で抱え込まないで・・。あたしにも頼ってよ」
水那はそういうと、ぎこちなく笑う。
・・・さっきまでグチャグチャだった気持ちがすっと消えていく感じがした。
あぁ、そうするよ・・・。 俺も微笑む。


「立てるか?」
水那は頷くけど、足が震えている。
・・力抜けちまってるな。・・しゃーねえ。
「ゆ、悠夜っ!!」
「いーから」
水那はお姫様抱っこされて戸惑っていた。
真っ赤になるなよな、こっちも恥ずかしくなるから・・・。
「・・・浅葱君?」
「真田?」
名前をばれて後ろを向くと、真田が驚いた顔で俺を見ていた。
「・・・一人で倒したの?」
「・・あぁ、・・どうした?」
「仁谷君が援護に行ってくれ・・・って」
そういうことか。いつもだったら5体以上から二人で殺ってたからな・・・。
しかも今回は10体を一人で殺ったから驚いてんだろう。
「じゃあ、俺コイツ送ってくから。明日みんなで話そうぜ」
「・・・わかった」
俺は頷いてから歩き出す。
「・・・そういうことだったんだ」
「・・・・なにが?」
ボソと呟く水那に問うと、顔を真っ赤にしてから「こっちの話」と返した。
・・・どっちの話だ??
疑問に思いながらも俺はスルーしておくことにした。
明日は大変だろうな・・・・——



Re: 鬼[オニガリ]狩 ( No.13 )
日時: 2010/08/26 11:03
名前: 黒ネコ^・д・^ (ID: q9W3Aa/j)


...宇津木の正体...



「失礼しまーす」
放課後、俺と水那は生徒指導質に向かった。
「失礼します・・・・」
なんでそんな緊張してんだ??
となりで猫背になってキョドる水那。
「・・やめるか?」
「やめないもん」
俺はため息をしながらもフッと笑う。
昨日の騒動で水那は鬼狩りに入ることを決意したらしい。
そこは水那らしいといえばらしいけど・・・・。
“アイツ”に会わせたくないんだよな・・・。
「悠夜にばっかり背負わせないんだから」
ボソっと俺に一言いってから先に足を進める。
・・・かっこいい台詞いっときながら、猫背ですよ?水那さん。


「お、きたきた」
教室の奥のほうで英助がパソコンをいじりながら視線を俺によこす。
「おう」
それだけいって俺は鞄を近くの机に置く。水那も同じように隣に鞄を置く。
周りを見渡すとアイツの姿がない。
「英助、宇津木は?」
「宇津木さん?もうすぐ来るんじゃない?」
俺はそうかといって椅子に座る。
「・・・顧問の人、宇津木先生なの?」
「・・・そんな感じ」
顧問と言えば顧問。一応俺たち鬼狩りの保護者役だ。
「宇津木先生って生徒にモテてるのに、・・鬼狩りなんかに興味あるんだ」
宇津木ってモテんのか!?初耳だぞソレ!??
そんな疑問もでたがスルーすることにした。(ただイラつくから)
「悠夜、なんで宇津木先生が顧問なの?」
「・・・それは」
・・・いっていいのか? 
俺は視線を英助に向ける。 英助は苦笑いをしてから再びパソコンに目を向ける。
わかんねえってか・・・。 
どうしようと戸惑っていたとき、ガラッと扉が開いた。


「知りたいー??」
うわー、でやがったでやがった。噂をすればなんとかってやつか!?
本人登場です☆
「はい」
水那は素直に頷く。
水那に微笑んでから先生用の椅子に座り、足を組む。
そして宇津木は「あとでな」といってから視線を俺に寄越した。
「英助から聞いたぞ。10体一人で殺ったそうだな」
フッと不適に微笑む。
その笑い方嫌いなんだよ・・・。俺は宇津木を睨む。
「怖い顔すんな、褒めてんだぞ??」
「おめぇに褒められても嬉しかねえよ」
宇津木は更に笑みを深めて「相変わらずからかいがいがある」とボソッと呟く。
だけどそんな言葉俺の耳に届くはずもない。小さすぎるからな。
「・・・本題に入るか」
しばらく沈黙が続いた後、宇津木が口を開く。
「・・・で、悠夜はなにを言いに来た?」
俺は何も言わない。ただ視線を水那に向けるだけ。
「・・・正確に言えば・・・・、水那、さんだけど」
彼はそういって水那に視線を向ける。
水那はそれがわかっていたかのように、静かに口を開いた。
「鬼狩りに入りたいです」
「どうして?」
いったすぐに宇津木が攻めに入る。
水那は少し戸惑ってから再び口を開く。
「昨日みたいに役立たずは嫌です」
「それだけ? 鬼狩りは最悪の場合・・・命を落とすかもしれないんだぞ?」
「助けられてばかりは嫌なんです!!悠夜の支えになりたいんです!!」
再び沈黙が流れる。
「・・・覚悟はいいな?」
「はい!!」
そして宇津木がそう呟くと、水那はやる気に満ちた返事を返す。
その言葉を聞いて、宇津木は微笑んだ。
「いいだろう・・・白石水那、・・・お前は今日から鬼狩りだ!!」
水那は安堵したように微笑んでから俺に近寄る。
「悠夜っ・・!!」
「・・・・よろしくな」
「うんっ!!」
鬼狩りに入った以上、毎日が命取りになる。
・・・いつも俺の傍にいてくれないと困るな・・・。
「ただし、俺の傍から離れんなよ」
万が一の事もあるしな・・・・。起きてからじゃ話になんねえ・・・。
水那は頬を染めながら、「うん」と笑顔で頷いた。




Re: 鬼[オニガリ]狩 ( No.14 )
日時: 2010/08/24 23:28
名前: 黒ネコ^・д・^ (ID: q9W3Aa/j)

「せんせーい!水那ちゃんの質問忘れてますよ?」
結構いい空気になったとき、英助が思い出したように口を開く。
あぁ、そういえば・・・。
「・・・教えちゃっていいのかよ?」
「悠夜〜、心配してくれてんのかあ?」
「死ね」
いっそ俺が楽にしてやる。
俺は殺気をみなぎらせて宇津木を睨む。
宇津木は「冗談冗談」とせせらと笑う。
なにが冗談だよ・・・・・。
「まあ、・・・別に普通だよ?」
俺と英助はその言葉に口をあんぐりとあける。
・・・・普通じゃねぇから。
俺と英助は心の中で突っ込む。



「単刀直入に言うと・・・・俺、“鬼”なんだよね♪」
水那は放心状態。
俺は深〜いため息を、英助は前髪をグシャっと掻いてから再びピンで留める。
「だっ、・・・大丈夫なんですかーー!!??」
なにがだよ。 ツッコミどころちがくね?
一応シリアス・ダークの小説だから!
(コメ・ライトのものでもあります。でもグロイため・・・←)
「親父は鬼頭で、俺は8人目の息子だ」
「8人目!??」
驚くポイント違うから。
「俺の兄弟は12人いるぞ♪大家族だ☆」
宇津木もはちゃめちゃに答えすぎだ。
大家族だ☆って言ってる場合じゃねえだろ。
「鬼っつっても、俺から下の兄弟は血が薄くなってんだ。
しかも俺は正真正銘の鬼。体は人間じゃない。
だから体を闇・憎しみに喰われることないし、生き胆なんて興味もねえよ」
「・・・・闇に飲まれると、人を食べてしまうんですか?」
水那の言葉に宇津木は小さく首を振る。
「生き胆を喰うのは、人間が鬼の力に耐え切れないからだ・・・。
しかも、ヤツらが動けるのは深夜しかない。
昼間喰えない分、腹ペコなんだよ」
「・・先生、なんで鬼狩りなんて?・・・先生は鬼なんですよね?」
本題を戻す水那は少し脅えていた。きっと聞いていいのか戸惑ったんだろう。
遠まわしに話をそらされたのだから。
「親父は今、病気になってて弱ってんだ。 そんでどっから聞いたか知らねえけど・・・
“人間の生き胆を喰うとどんな病も治る”って・・。
・・・・本当、バカだよな」
だれも相槌を打たなかった。
俺と英助は一度聞いたから知っているが、慣れているわけではない。
むしろ、一度でも聞きたくなかったに近い。


「親父は全ての鬼に命令した。“生き胆を喰え、そして俺に捧げろ”と・・・・。
親父の命令は絶対だ。最後は親父に喰われて果てる。
・・・最初にいっただろ?俺から下は血が薄いって・・。
鬼の薄い分、親父の人喰いが不快に思ったんだろ、下の兄弟はその命令に背いた。
上の兄貴たちはそれを放って置くはずがない」
「・・・下の兄弟さんたちは、・・・どうなったんですか?」
しばらく間が空いた後、ポツリと宇津木がつぶやく。
「喰われたよ」
言ったあと、不適に微笑む。
水那の肩がビクッと震えるのが分かった。
「兄貴たちに喰われた。・・・俺も薄い方だったから、下のヤツと同じで命令を背いたんだ。
逃げ切れたのは、・・・俺だけ」
宇津木は足を組みなおして、ひとつため息を吐いてから、
「・・・・・復讐ってやつ」
先ほどより深く、おぞましく微笑む彼は、今まさに“鬼”といって過言ではなかった。


———ガラッ
重い沈黙時に扉が開く。そこにいたのは、
「失礼します」
——真田だった。
俺たちはいきなりの真田の登場に目をパチクリさせていた。
真田はそんな俺たちにおかまいなしにスタスタと近くの椅子に腰を下ろす。
「・・・入るタイミングがわからなかったの」
すこししどろもどろに言う真田を見てから、みんなで顔を見合わせた。
——っぷ、
「「「あはははっ・・・・!!」」」
「???」
「悪いな。んじゃ暗〜い話は終いにして、話し合いするか」
「「おう!」」
重い沈黙が笑いに変る。
やっぱ真田は変なやつだけど、おもしろいやつだな。
たぶん、この場にいたやつら全員思ったと思う。




Re: 鬼[オニガリ]狩 ( No.15 )
日時: 2010/08/26 10:43
名前: 黒ネコ^・д・^ (ID: q9W3Aa/j)

<ご紹介>


黒田 琉々...Kuroda Ruru...♀

容姿...黒髪で腰ぐらいまである。160ぐらいで着物を着用。

参照...西で活動してる鬼狩り。高校二年生。なんとなく鬼狩りに。


和久田 夾...Wakuda Kyou...♂

容姿...紅髪の短髪。制服着用。177の身長。

参照...西の鬼狩り。あんまり喋らない。
霊感が強いため鬼狩りに。


出島 瀧汰...Idezima Souta...♂

容姿...160と男としてはちっさめ。茶髪くせっけ。

参照...西の鬼狩り。親が鬼に喰われて鬼狩りに・・。
口は悪い。

Re: 鬼[オニガリ]狩 ( No.16 )
日時: 2010/08/25 00:14
名前: 黒ネコ^・д・^ (ID: q9W3Aa/j)



「っと、その前に・・・」
机を真ん中へ移動させてる時に、宇津木がはっと呟く。
呟いたと思えばスタスタと水那に近づく。
・・・・?どうしたんだ?
すると、何処からか注射器を出す。
俺はギョッとして止めに入ろうとした。
水那はいきなりすぎて体が反応してないみたいだ。
「・・・宇津木っ!?」
「ハイ、完了」
・・・・・——。10秒ほど間が空いた後、俺は宇津木に蹴りをくらわす。もちろんみぞだ☆
「・・・悠夜、・・・かなりききましたよ☆?」
「許可をとれ、許可を」
許可なしにブスッと勝手に刺してんじゃねえよ。
「別に毒じゃねんだから。つーか、お前も注射したろ」
俺は宇津木を無視して水那に近寄って、顔を覗き込んだ。
「大丈夫か?」
「・・・平気、驚いただけ。・・・何の注射?」
「“身体能力増幅薬”だ」
その言葉に水那は首をかしげた。
宇津木は人差し指をピンと立てながら笑顔で答える。
「簡単に言うと、運動能力を倍増させる薬(注射)だ。
並みの人間より、はるかな身体能力を有する。・・・・“超身体能力”ていうもんだ。
もちろん悠夜たちもしたぞ」
その言葉に水那は俺を見つめた。
「悠夜、運動神経いいじゃん」
「鬼と戦うとなると、そんなの関係ないだろ」
「あ、そっか」
しっかりしてくれ・・・・。
コイツもかなりの運動神経の持ち主なのに、・・・頭がなぁ・・・。
「ってことは、真田さんと英助君も??」
「あぁ。英助は基本データとかPC担当だけど、もしものための助っ人役」
英助もかなりの腕前のヤツだけど、霊感弱いからな・・・。
しかも、頭はこの中にいる俺たちよりかなりキレる。
だから指示とかはコイツが一番適してるんだよな。


「浅葱君、話し合いはじめるよ」
「おぉ」
真田に呼ばれ、俺と水那は席に座った。
宇津木がそれを確認してから「じゃあ、始めるか」と言った。
その言葉と同時に英助が手を上げる。
宇津木は口を開くのがめんどくさいのか、顎をしゃくってあいずをおくる。
・・・まじめにやれよな。
「んじゃまず俺ね。えーと、西の鬼狩りが今夜来るよ♪」
・・・・————
「まじかよ!?」
俺は驚きのあまり大声を出す。
英助は「マジだよ♪」と笑って俺をなだめた。
まじで西のやつらが・・・・
「・・・西の鬼狩り??」
「そっ!西っつっても池袋のね。 西の方にも鬼が大量に出現するんだ。
だから、俺たちと同じように鬼狩りはちゃーんといるんだよ」
水那は「そうなんだ」と感心している。
つーか、んなことより・・・・・
「なんであいつらが来るんだよ!?」
俺の言葉に英助は先ほど宇津木がやったように、人差し指をピンと立てた。
・・・・なんでマネしてんだ。
「西の鬼がココ、南池袋に移動して来たみたいなんだ」
「・・・・まじかよ」
つーことは、更に鬼の量が増えたってことだよな?
しかも西鬼狩りも来るし・・・。
俺は深〜いため息を吐いたのであった。




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