ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ミサイル。
- 日時: 2010/09/02 19:11
- 名前: 神酒 理 (ID: QCkuis7p)
はじめまして。こんにちは。……こんばんは?
神酒 理と申します。
コメディ・ライト小説でも小説を書かせていただいております。。。
え〜っと、広い心&温かい目で見ていただけると嬉しいです。
あと、コメントしていただけると、家の周りを一周してくるぐらい嬉しいですww
では、始まります。よろしくお願いします!!≧△≦
ミサイル。
- Re: ミサイル。 ( No.15 )
- 日時: 2010/09/03 19:55
- 名前: 神酒 理 (ID: lD2cco6.)
「まさか……貴方、秋野さん…覚えていない…とか?」
どうやら、高木に僕の心が伝わってしまったようだ。あからさまに焦った表情を浮かべている。
「覚えていないのが…何かやばいのか?」
「……そんな…。」
高木は脂汗を浮かべ、みるみる顔色が青くなっていく。
息も荒い。
分厚く広げた本を閉じると、ぎゅうっと抱え込み、俯いた。
そう例えるならば———今すぐにも嘔吐してしまいそうな———……。
「って、おい、大丈夫!?」
「ええ、だいじょおうえッ」
言うが早いか高木は床に見たくない物を吐き出した。って、こうも暢気にモノローグを語っている場合じゃない!
「ぎゃああああああああ!!!ちょ、た、高木!!なんで吐いてんだ!!」
「はぁ…かはっ…!はぁ…はぁ…」
高木は気分を落ち着けたらしく、「すみませんでした。」と弱々しく言うと、どこからか取り出したビニール袋と雑巾、それとアルコール消毒液でテキパキと自分の吐き出した物を片付けた。それほどの量でもなかったことが幸いだった。
言ってしまえば、自分が吐くことをわかっていたような手際の良さだったのだが。
「ねえ、もしかしてそれって僕の家の雑巾とアルコール消毒液じゃないか?」
「何をおっしゃっているんですか、秋野さん。変な言いがかりはやめていただきたいですね。」
いや、思いっきりアルコール消毒液に「秋野」って書いてあるから。
「おや、そんな文字、己にはまったく見えませんが。」
「いい加減にしろ。死神だか、天使だか、野菜だか知らないが人の家で勝手に吐瀉物まき散らして、勝手に人の家の物を窃盗するな。」
「いえ、拝借しただけです。」
「同じだよ!」
もう自分の物でないこと認めちゃってるし。
「話を戻します。秋野さん、貴方覚えていない…と?」
「そうだよ。」
記憶の欠落。本当に不思議なものだ。自分の中に霧がかかっているような。気持ち悪い。
「え……。」
「?どうかしましたか?秋野さん?」
解かった。
今、わかった。朝方の理由が。
朝、僕は確か……
【僕の頭の霧が一瞬にして晴れた。】
【……気持ちが悪い。だが今はそんなことを考えているときじゃない。】
と、そう思ったじゃないか。
まさか、記憶の欠落によるものだったとは……。
- Re: ミサイル。 ( No.16 )
- 日時: 2010/09/03 20:27
- 名前: 九蛍 ◆WpSnIpcg.c (ID: Omw3dN6g)
おお、更新したんですか!
俟ってましたよ(埃のように……)
という冗談はさて置き、すごいよ、すごいですよ!?
- Re: ミサイル。 ( No.17 )
- 日時: 2010/09/03 20:52
- 名前: 神酒 理 (ID: lD2cco6.)
九蛍様
更新しました〜><
というか、僕何かすごいことしました!?
褒めていただけるのはすごい嬉しいです((照
ありがとうございます!!
- Re: ミサイル。 ( No.18 )
- 日時: 2010/09/03 22:18
- 名前: 神酒 理 (ID: lD2cco6.)
それにしても。気になることが一つある。
「高木、聞いていいか?」
「ええ、どうぞ。」
高木は気分が元に戻ったらしく、正座に座りなおし、安心させる笑顔で答えてくれた。
「普通は死んだ人は自分の記憶があるのか?」
高木は真剣な顔になった。対する僕も緊張してしまう。
「一般的には。死んだ人間は自分自身が死んだということ、自分の死因も覚えています。ただし、例外もあります。まず、第一、第二者、まあ簡単に言ってしまえば『加害者』と『被害者』の双方の同意による死だった場合、記憶は分割され、曖昧なものになってしまいます。また、自殺。自分の内部、人間のエゴによるもの、外部や他者によるものでも関係なくです。そういう場合は記憶だけでなく存在も消失してしまいます。」
いきなりの大量の言葉の波に、僕は言葉を失う。なんだか、法律でも説明されている気分だった。
しかし、矛盾がある。
僕は自殺でも同意他殺でもない。事故死だ。何故記憶が無い?
「それが解かっていれば、こんなことにはなっていないでしょう?」
「だけど、お前達は死者を試験にかけるだけだろ?何で死者の死因や死んだときの状況の情報が必要なんだ?」
「その人間自身が死んだということを自覚していただかないと、この世界の均衡が壊れるからですよ。」
「は?どういうことだ?」
僕の間ぬけた答えが気に障ったのか、高木は一気にまくし立てる。
「お解かりになりませんか?現世は『生きている人間』の物です。死んでも尚、未練たらしく、死者が存在していい所ではないんです。現世は、『生きている人間』が死に向かって、希望を持ち続け、生きること感謝し、死に対して恐れを抱く。そういう美しい世界なんですよ。醜く、汚らしい、死を受け入れない餓鬼共が居ていい所ではないんです。」
圧倒的な勢いに、僕は体の血の気が引いていくのが解かる。
純粋な事実。純粋な恐怖。
それを体全体で感じた瞬間だった。
だが、僕はひるまず、質問する。
これは、『生きている人間』が誰もが疑問におもうこと。
「あの世って存在するのか……?」
高木は、一瞬呆けた顔をすると、大声で笑い出した。
一頻り笑った後、高木は笑顔で答える。
「ないですよ。」
「え」
「あの世っていうのは人間の勝手な想像です。あの世はありません。ただの『無』。人間は何も知覚できない、自分が存在していることすら知覚できない。そういう寂しい場所ですよ。本来のあの世っていうのは。」
何もない『無』。
自分が存在していることすらわからない『無』。
僕の頭は、その事実を受け止め、そして。
「死にたくない。」と、そう結論した。
- Re: ミサイル。 ( No.19 )
- 日時: 2010/09/03 22:26
- 名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: Da9K.gCv)
どうもハジメマシテ紅蓮の流星という者です。
なんとはなしにふらりと寄ってみたらこれまた面白かったという。
更新頑張ってください、応援しています。
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