ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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木漏れ日の姫。
日時: 2010/12/02 21:20
名前: 栞。 ◆KsWCjhC.fU (ID: Omr4T4uD)

 こんにちは。栞。(シオリ)といいます。

†注意書き†
 ※更新遅いとかありえない!
 ※駄文とかマジ無いわ〜
  以上にあてはまる方は読まない方がいいと思います。

 あ、コメントは大歓迎です♪

 それではよろしくお願いします。

〜目次〜

 >>01 プロローグ      >>39 第十一話「母親」
 >>06 第一話「森」     >>43 第十二話「神獣」
 >>07 第二話「人」     >>45 第十三話「海」
 >>13 第三話「王国」    >>56 第十四話「聖騎士達の仕事」         
 >>17 第四話「聖騎士」   >>80 第十五話「ユエの存在」       
 >>21 第五話「王女」    >>83 第十六話「ユエとレオ」   
 >>22 第六話「リョウの決意」>>89 第十七話「ユエの思いとレオの思い」
               >>94 第十八話「王女セリシア」
 >>25 第七話「外」
 >>29 第八話「独立」
 >>34 第九話「出発」 
 >>37 第十話「新しい世界」

オリキャラ募集用紙…>>47


〜お客様〜 現在11名

 +黒帝様 +浅葱様 +みな様
 +夜兎__〆様 +風華様
 +d o c t o r・w e v e博士様
 +唄李様 +るぅら様 +うにょる様 +かりん様
 +黒影様

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Re: 木漏れ日の姫。オリキャラ募集にご協力お願いします!! ( No.79 )
日時: 2010/11/22 22:05
名前: 栞。 ◆KsWCjhC.fU (ID: yycNjh.Z)

いえいえw

Re: 木漏れ日の姫。オリキャラ募集にご協力お願いします!! ( No.80 )
日時: 2010/11/23 11:53
名前: 栞。 ◆KsWCjhC.fU (ID: yycNjh.Z)

第十五話「ユエの存在」

「今日は町に出かけましょうか」
 エレナはユエとカイを見て言った。
「行ってみたいです」
 ユエはエレナの方に駆け寄った。
 カイもユエの様子を見て椅子から腰を上げた。
「決まりね」
 エレナは二人を見渡して満足したように頷いた。


「ユエ、私はカイと一緒にカイの服を探して来るからここ
にいてね」
 エレナはユエに待っている様に告げて、カイと共にどこかへ行ってしまった。


 ユエはぼーっとして、海を見つめながら歩いていると、一人の女にぶつかった。
「…す、すみません!」
「いや、大丈夫だ」
 女は茶色の髪を肩まで伸ばし、黒のズボンに、黒のコートを着ていた。
「ナイフ…?」
 ユエはぶつかった拍子に左肩から飛び出したモノを手に取った。
「返せ」
 女はユエからナイフを奪い取るとスタスタと歩いて行ってしまった。



———あの娘、他の者とはなんだか雰囲気が違った

 女—デージー—は愛用のナイフを左肩のケースにしまいながら考えていた。
 考えているのは、さっきぶつかった少女—ユエ—のことだ。

———フードをかぶっていて、顔の多くは見えなかったが黒髪だった様な…

———それは無いな。黒髪は王族の証。あの娘が黒髪のはずがない。

———それに私には関係ない。私は聖騎士の仕事さえこなしていればいいのだから。

 デージーは自分の考えに一人頷くと、自分の仕事場、王宮に向かった。


「カイ、貴方なら気付いていると思うけれど……」
「ユエのことですか?」
 エレナは買い物袋をベンチに置いて、自分もベンチに腰掛けた。
「そう。今はフードをかぶせているから黒髪は隠せているけれど……、あの子の過去、話してくれない?」
 エレナは珍しく神妙な顔でカイを見つめた。
「……俺が知っているのは…あいつが捨てられた子というだけです」
「え?」
「あいつが何故黒髪なのか、どうして捨てられたのか、誰が捨てたのか……俺は何も知りません」
 カイは目をつぶったまま静かに言葉を紡ぐ。
「…そう」
 エレナも悲しそうに目を伏せた。

Re: 木漏れ日の姫。オリキャラ募集にご協力お願いします!! ( No.81 )
日時: 2010/11/23 14:22
名前: かりん (ID: ueXHoJNS)

面白い展開になってきた

Re: 木漏れ日の姫。オリキャラ募集にご協力お願いします!! ( No.82 )
日時: 2010/11/23 14:56
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)

ごめんねぇ!! 最近、掛け持ち小説でいっぱいいっぱいだったから、コメしてなかった……(泣)
でも、相変わらず面白いよね! ユエちゃんかわいい! キュン死にすr(←殴

Re: 木漏れ日の姫。オリキャラ募集にご協力お願いします!! ( No.83 )
日時: 2010/11/23 15:04
名前: 栞。 ◆KsWCjhC.fU (ID: yycNjh.Z)

第十六話「ユエとレオ」

「さ、そろそろ帰りましょう」
 エレナがカイに膨らんだ買い物袋を押し付けながら言った。
「はい」
 ユエは素直に頷いた。
 後ろでカイが「重い…」と呻き声をあげた様に聞こえたのはきっと空耳であろう。



「レオ、仕事頼んでも良いか?」
 セシルは頬杖をついて、レオに頼む。
「…嫌だって言ってもやらせるんでしょうが……」
 レオは諦めた様にため息を漏らした。
「町の外れの海の近くに神獣の研究者がいるんだが…」
「エレナ・レットのことでしょうか」
 セシルは何事もないように話を進め、レオも諦めたのか話に乗る。
「知ってるのか?」
 セシルは驚いた様に声をあげた。
「神獣に関する本をかなり出版されていらっしゃる有名な方です」
 レオは「知っていて当然だ」というように紅茶を啜る。
 セシルは「ふーん」というだけで、たいして気にしていないようだった。
「その研究者のところを訪ねて、神獣に関する本を幾つか譲ってきてもらえないか。いつもはエセルに行ってもらってるんだが…」
「今いませんしね」
「そう。だから行って来い」
 なぜかレオがセシルからの頼みを承諾したことになっているが、二人ともいつものことらしく、そのままレオは身支度をするために席を立った。


「はい。お疲れ様」
 エレナは買い物袋を抱えたカイの肩を軽くたたく。
「ユエも髪を洗っていらっしゃい」
「はい」
 ユエは素直に頷いて風呂場に走った。
「はい、紅茶」
 エレナがカイに紅茶を渡す。
 カイは紅茶を受け取ると、少しその紅茶を見つめてから啜った。
「…貴方は?どうして森に?」
 カイは唐突に聞かれ、少し紅茶をのどにつまらせたがすぐに落ち着いて質問に答えた。
「自分から森に入ったんです。俺は瞳の色が他者と違う。だから迫害された。それが辛くて……。最初は死ぬために森に入ったんです。「あの森に入ると犬神に食われる」という噂があって…」
「そしたらリョウがいたんだ」
 カイは黙って頷く。
「はい。母様は優しく受け入れてくれました」
「そう…」
 エレナは優しく微笑むと紅茶を啜った。

 しばらく二人で喋っていると、風呂場の方からユエが見えた。
「私にも紅茶頂けますか?」
 ユエは髪を乾かしていたのか、大分いつもより風呂からあがるのが遅くなってしまった。
「ええ、勿論」
 そういってエレナが立ち上がった時、扉をたたく乾いた声と、どこか聞き覚えのある男の声が聞こえた。
「エレナ・レット様はご在宅だろうか?」
「ええ、今開けるわ」
 エレナは扉を開けるとそこには森で見たことのあるあの男が立っていた。
「あの時の…!!」
 ユエがその男—レオ—を指さして言ったのと同時に、レオも同じことを言っていた。
「あら、お知り合い?さ、どうぞ」
 エレナは呑気に声を上げながらレオを家の中に引きいれた。
 エレナはレオを椅子に座らせ、紅茶を取るために席を立った。

「貴方…なんでこんなところに?」
 沈黙を破ったのはユエだった。
「俺は王族を守る聖騎士という職についている。ここにきたのは聖騎士の仕事のためだ」
 レオは順序良くユエに説明する。
「私はここでお世話になっているの」
 ユエもレオに簡単に説明した。
 また二人の間に沈黙が流れたが、今度はレオが破る。
「名を聞いていなかったな。俺はレオだ」
「私はユエ」
 二人とも、完全に。とまではいかないが、それなりに打ち解けたようだった。
「はい、紅茶。神獣の本はこれよ」
 エレナはレオに紅茶をだしながら本を渡す。
「ありがとうございます。俺は仕事が終わりましたので。お邪魔しました」
 レオは紅茶に手をつけることなくエレナを出て行ってしまった。
 ユエはレオの背をじっと見つめていた。

 エレナはそのあとレオに出した紅茶を見つめてため息をついて、飲み干したのは誰も知らない。


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