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殺人鬼の日常。
日時: 2010/12/15 20:07
名前: 戯言+α人間 (ID: O/vit.nk)

 初めまして。
 これから、ちょっとした小説を書いていきます。

 応援宜しくお願いします。

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Re: 殺人鬼の日常。 ( No.18 )
日時: 2010/12/18 19:49
名前: 戯言+α人間 (ID: O/vit.nk)

第五章『殺戮学校・玖渚学園』

「ど、どうしよう?」
「棄権なんかしたら、さっきの子みたいに……」

 蒼井が、怯えた様子で語尾を濁す。
 殺戮式が開始してからまもなく、生徒達には武器一式が手渡された。

 拳銃。
 サバイバルナイフ。
 その他の武器。

 まさか、入学した学校で、こんな目に遭うなんて。

 人を殺すのは、悪いことだ。
 正否はともかくとして、最悪の罪だ。
 
 だって、人の命は償えない。

 命の価値はいつだって、平等じゃないからだ。
 命に対価が存在しないのは、この世が不平等だからだ。

「人を殺すなんて、無理だよ……」

 私が呟いたそのとき、

「俺は、人を殺せるけどね」

 と。

 退屈そうな、つまらなさそうな、けだるい声が聞こえた。

「誰?」

 さっきの——刺青の少年だった。
 またもやにやにやと笑っていて、刺青が醜く歪んでいる。

「人を殺せるって、どういうこと?」
「そのまんまの意味。俺は人殺しになれるし、殺人鬼にだってなれるね」

 刺青の少年は、肩を竦める。
 冗談で言っているというわけでは、なさそうだ。

「あんた、人を殺してもいいって思うの? そんなの——」
「思うね」

 私が何かを言いかけたところで、刺青の少年は断言した。

「死ぬべきやつは、死ぬべきだと思うよ」
「……あ、あんた——」

 ああ、怖い。
 そう思った。

 にやにやと笑っているのに、怖い。
 絶対零度まで冷やされた感覚。

「きゃ、きゃあああああああっ!」

 その時。

「っ、——蒼井!?」

 蒼井の声だった。
 叫び声でも、分かった。


 蒼井は、中庭で襲われていた。

 大柄の男子生徒が、突撃銃を持って、蒼井を追い詰めていた。

「あ、蒼井っ!?」

 私は、発見した。
 発見して、しまった。

 白い太ももにつけられた——切り傷を。

 と、その時。

 
 何かが、切れた。



「                」


 次の瞬間。
 走り出していた。

 驚くほど手馴れた動作で、拳銃を構えていた。
 銃口を、男子生徒に向ける。

「な、!? お前、まさか、撃ち——」
「死ね」


 むしろ、殺す。


 殺意。
 殺人衝動。

 満ち溢れて、血に飢えた獣のように。
 
 虐殺し。
 惨殺し。
 斬殺される男子生徒が、脳内に浮かんだ。

 そう言った時。




「ちっ、洒落になんねえな!!」





 私の手から拳銃が——弾かれた。


 振り返ると、刺青の少年が立っていた。

 

 

Re: 殺人鬼の日常。 ( No.19 )
日時: 2010/12/20 17:35
名前: 真理★ (ID: wC6kuYOD)

だんだん怖くなってきますねぇ〜。
たしかに『さりつく』は読めませんでした。
人を殺せるって何で?って思いました。
読むとまた次が楽しみです。
楽しみにしてま〜す!!

Re: 殺人鬼の日常。 ( No.20 )
日時: 2010/12/21 16:29
名前: 戯言+α人間 (ID: O/vit.nk)

第六章『人を殺せる自分』

 刺青の少年は、当たり前のように、そこに立っていた。拳銃を弾いたのも、また彼の拳銃だった。

「……、——…、 」

 私は何かを言い、駆け出した。
 その少年に、怒っていた。

 ……怒っていた?

 ちょっと待て。
 この少年は、敵ではないのに。

 この少年は、私が人を殺すのを止めてくれたのに?
 なんで、それで、怒っているんだ?

 もしかして——私は、





 人を、殺したがっている?






 襲い掛かってきた私を、刺青の少年は、軽い動作でかわす。

 私はそれをやろうと思ってないのに。
 私は、サバイバルナイフを握っていた。

 そして、少年の頚動脈(けいどうみゃく)をめがけて——振り下ろした。

 ちょっと待って。

 このままだと、この少年を、





 殺してしまうんじゃないの?





 人殺しは嫌だ。


 嫌だけど、人を殺したいと思っている自分がいる。
 嫌だけど、人殺しに成り下がろうとする自分が、





 ここにいた。






「あ、菖蒲ちゃんっ!!」





 蒼井の声がした。




 血が飛び散る。
 

 きらきら、ぎらぎらと。
 美しく、光っている。

 血しぶきが、空に乱舞し、
 飛び散った。


 目の前に、倒れていた。


「——あ」


 我に返る。


「蒼井ッッ!」




 塵宮蒼井が、血まみれで倒れていた。




 

 

Re: 殺人鬼の日常。 ( No.21 )
日時: 2010/12/21 16:39
名前: チョコアイス (ID: tlN/f6gH)

え?!
読んでいて予想外の連続!?

続きが気になります!
頑張ってください!

Re: 殺人鬼の日常。 ( No.22 )
日時: 2010/12/21 18:35
名前: 真理★ (ID: wC6kuYOD)

蒼井はどうなるの?
そして菖蒲もどうなるの?
チョコアイスsと同じで予想外の連続です!!

次が早く見たいです!

蒼井と菖蒲はどうなるのか!?
あ〜〜〜〜〜、待ちきれません。
どうなるの、どうなるのぉ〜〜〜〜〜〜!?


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