ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- この糸が千切れるまで
- 日時: 2011/01/04 12:51
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
クリックThanks!!
初めましての方もそうで無い方もこんにちは、こんばんは、おはようございます。涼原夏目です。
懲りずに掛け持ち三作目です(( 更新は微妙です((
今回は「妖怪」が主人公の話を書こうと思いますvv
温かい目で見守ってくださると幸いです。
お客様
ポアロン様 かりん様 リア様 蜜蜂様
血液嗜好症様 夢樹様 ほし様
目次
>>01 登場人物紹介
第一話「兄=蜘蛛?」
>>06 >>13 >>24 >>25 >>28 >>29 >>33
第二話「蜘蛛の寿命」
>>54 >>58 >>59
それではどうぞごゆっくり……
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
- Re: この糸が千切れるまで 一話終了 ( No.58 )
- 日時: 2010/12/30 21:05
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
「そんでさ……何用?」
昨日夏苗と話した時のように向かい合わせで椅子に座り、時雨は自分でも分かる程むすっとした表情で雪芽に疑問をぶつけた。
雪芽は相変わらず笑ったまま話し出す。
「お前の寿命が短くなってんの知って、ちょい様子見的な?」
「…………はっ」
(……短くなったどころか、死ぬかと思ったな)
此処まで話し終え、先ほどに比べかなり深刻そうな表情になる雪芽を時雨は(勿論、皮肉的な意味ではないだろうけど)鼻で笑った。
内心自分に対して皮肉を言いつつ右肘を机について頬杖をつくと溜息を着きながら話し出した。
「わーってるよ。人間界に来て突然俺に対しての衝撃が来れば俺の寿命が短くなる事くらい、さ」
「ふーん……分かってるなら良いけどさ」
雪芽はじっと、そして訝しげに時雨を見つめてから突然視線を時雨からずらし、外の風景を眺めるような形になった。
妖怪とは、基本は不老不死の生き物である。人間よりはるかに丈夫で歳もとらない(と言うよりは容姿が変わらないと言うべきだろう)。
しかし吸血鬼が十字架や聖水が弱点であると言われるように、妖怪にもそれぞれ固有の弱点が存在する。
身体の一部が弱点の場合や、特定の物質がアレルギーのように弱点である者も存在する。勿論それは妖怪である雪芽と時雨も同様だ。
そして、弱点である身体の一部が攻撃されたり、特定の物質が身体に入り込んだりすればその妖怪の寿命は縮まるか、あるいは死に至る。
尤もその弱点を攻撃されたりしなければ寿命が縮まることも、死に至る事も全くないのだが。
そして雪芽の言う寿命が縮まると言う事はその弱点が攻撃された事に類する。
「分かってるよ」
時雨は何処か自分に言い聞かせるかのようにそう呟く。雪芽は周りの風景を見ていたその視線をずらして時雨を見た。
「……お前、弱点を攻撃された奴の元から何で離れねぇんだよ? 分かってんのカ? お前の弱点は……「言うな」
やや力んでいる風に言う雪芽の台詞を遮り、紙も切れそうなほど鋭い視線を雪芽に送る。
その迫力に圧されたのか雪芽は部が悪そうにまた時雨から目をそらした。
「悪い………………」
気まずい雰囲気が二人を包む。あぁ何であんな事言ったんだろ、俺、と雪芽は自分の行動を悔やみつつ沈黙を続ける。
時雨はいつの間にか頬杖をつくのを止め、腕を組んで顔を俯かせ、これまた黙り続けていた。
そんな沈黙が暫く続き、ふと時雨が顔を上げた。
そして、
「………………あぁ」
と何とも短い返事を雪芽に返す。
しかし雪芽はその返事を聞くと表情をぱぁっと明るくさせ、八重歯を見せてお決まりの笑みを見せた。
時雨はそんな様子の雪芽を見ながら苦笑して、やや満足げに溜息をついた。
(まぁ、八つ当たりっぽくなっちゃったからな……)
そして時雨はふと自分の言った言動を思い出し羞恥からか顔をやや赤くして、照れ隠しのように頭をかき始める。
しかし幸いと言うべきか、雪芽はそんな時雨の様子には全く気付かずに二カッと微笑んでいた。
「んじゃ、俺もう帰んな! シーユー!!」
「は? ちょっと待、」
時雨が言葉を言うか言わないかのうちに雪芽は窓から家の中へと飛んだときのように椅子の端を両手で掴み、家の外へと跳躍した。
改めて人間離れした能力を持つ雪芽に時雨は苦笑しつつ一応手を振っておく。
……寿命、ねぇ……。
ふとその言葉を頭に過ぎらせ、時雨は深く溜息をついた。
- Re: この糸が千切れるまで 一話終了 ( No.59 )
- 日時: 2010/12/31 12:29
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
今まで死ぬ事なんて考えた事は全く無かった。
否、考えようと思った事すら無かった。
どうでも良かったし、何より死ぬ事が迫った事が無かったからだろう。
だから今、余計に考えているのかもしれないし。
……何てこったい。
「くあぁ〜……」
時雨から言わせれば騒音猫である雪芽が去った後、時雨は椅子から立ち上がり大きく伸びをしてから窓の方へと歩く。
今更だが、季節は秋。肌寒いが寒い! と叫ぶほどでもない微妙な寒さに時雨は複雑な感覚を覚えていた。
と、それはさておいて時雨は窓前へと着く。まず目に入ったのは枯葉が風に舞っている光景。
改めて寒さが押し寄せているだとしみじみ感じさせられた……わけではないが、時雨は外を食い入るように見つめた。
あいつは、悠は……どう言う奴だったのだろう。
容姿は俺に似ているらしいが性格や職業や何で出て行ったのか……そう言う色々な素性(?)が全く分からない。
ふと気付けば時雨の足は物置のある襖の前へと進んでいた。
(悠の写真を家中に貼る奴だ……日記とか、アルバムとか……何か奴を知れる物があるだろ……多分)
そう心の中で呟き、一人で頷いてから襖を静かに開けた。やや埃っぽかったが、妖怪である時雨にとってあまり気になる事では無い。
そして探してすぐに目前、つまり二段目の物置に悠の物を保存しているのであろうダンボール箱を見つけた。
時雨は早速それを下ろすとやや乱暴に開けて中の物をとりあえず床に出してみる。
と、同時に唖然とした。
入っていた物は体操着、ジャージ、制服、私服、パジャマ、運動用のユニフォーム、運動靴、時計、ベルト、ハンカチ、ティッシュ、生徒手帳、筆箱、シャーペン、消しゴム、消しかす、ノート、教科書類、日記、メモ帳、抜けた髪、菓子の食べかす、爪、抜けた歯……。
全てがジップロックに包まれ、大切に保管されており、出した事が無いのか全部綺麗に収まっていた。
(何だよ、これ……!)
まるで死んだ子供の物を大切に保管する親かのような、恐ろしい執着心の塊とも呼べるものが其処に存在している。
そしてまだ子が親なら成長を記録したいとかで分からない事はないが、(恐らく)妹が兄の物を保管するというのは何なのだろか、と時雨はやや恐怖する。
その保存されている物は間違いなく全て——— 悠 が使ったり、触れたりした物。
それを保存している人物はこれまた間違いなく——— 咲 なのだろう。
「何てこったい……」
時雨は目前の事実に対しそう呟いてから、何も言えなくなった。
驚きとは呼べない恐怖。背中がぞわりとするような悪寒。身体の芯からさーっと冷えていく嫌な感触。全てが一気に襲ってくる。
何故、咲と言う人物は此処まで悠に執着できるのか……考えただけでも時雨は身震いした。
表だけ平静を保っていられたのは保存されている物の持ち主が時雨自身でないからなのだろう。
(こりゃ、レベルが病気並だろ……)
冷や汗が頬をつたっているのを感じつつ、時雨はとりあえず震える手で日記帳(とそれを包んでいるジップロック)を掴む。
そしてやや乱暴にジップロックを開け、日記帳を取り出す。紙がヨレヨレになっていなく、咲は読んでいないようだ。
ぺらり、と時雨は日記帳の一ページ目を捲った。
- Re: この糸が千切れるまで 一話終了 ( No.60 )
- 日時: 2010/12/31 09:24
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 皆様良いお年を!!
にゃああああん!!?更新されてるしーーー!! 御免、コメ出来んくて!!
いや〜、咲ちゃん、もう俺の嫁になれy((
御免なさい嘘です。どちらかというと雪芽君が欲s(ry
そして毎度のことだが文 才 を く だ さ い 我 が 師 匠 !
- Re: この糸が千切れるまで 一話終了 ( No.61 )
- 日時: 2010/12/31 10:56
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
ポーちゃん
いえいえ〜^^ どんな時でもコメいただけるだけで感涙するから!←
咲のヤンデレっぷりが次回公開……?←
雪芽君は……俺のものだし!!(笑
文才? 君に溢れてるけど?(オイ
- Re: この糸が千切れるまで 一話終了 ( No.62 )
- 日時: 2010/12/31 11:56
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 皆様良いお年を!!
なんだとっ、雪芽君はなっつんのものなのかっ!!?
いや、それでもいいさ!奪ってやr(ry
片思いで通すんだから!!
そしてマジでどうでもいい余談。くしゃみが止まらん←また風邪か?
昨日友達と外で1時間ほど薄い格好で喋ってたからかな?
そういえば雷鳴ってたや。別に怖いとか思ってなかったけどさ。
てなわけでチャオ〜←ちょ
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17