ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 彼女日記。
- 日時: 2011/01/11 19:01
- 名前: 氷兎 (ID: 8hgpVngW)
愛って面白いと思う。
- Re: 彼女日記。 ( No.24 )
- 日時: 2011/01/15 19:03
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
- 参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y
きゃああああああ
あんなにラヴラヴだったのにどうしちゃったのかしら(←お前こそどうした
- Re: 彼女日記。 ( No.25 )
- 日時: 2011/01/16 15:13
- 名前: リオン (ID: ucUVqCzD)
おひさしぶりですー。黒蝶ロックしちゃったんですね…
……面白い!面白過ぎる!やっぱり氷兎さんの小説はどのスレでも
面白くて、深いですね〜。これからも応援してます!(私ただいまスランプ中です。)
- Re: 彼女日記。 ( No.26 )
- 日時: 2011/01/18 17:17
- 名前: 氷兎 (ID: 8hgpVngW)
Dear⇒ひろあ様
もう二重人格分かりません/(^q^)\ゲフンゲフン
Dear⇒Aerith様
どうかしちゃったのです!←
Dear⇒リオン様
此方の方では初めましてですよね?
ロックです。身勝手ですみません……。
ありがとうございます(^^)
スランプには大変です。まぢでネタ思いつかん!
- Re: 彼女日記。 ( No.27 )
- 日時: 2011/01/18 19:40
- 名前: 氷兎 (ID: 8hgpVngW)
彼女は、苛められていた。
日和 白亜は、苛められていた。
その人目を惹く美しい容姿の所為で。
僕が小学四年生の時。
‡
彼女は泣いていた。
毎日毎日、彼女の顔を見れば泣き腫らした後がくっきりと残っていた。
美しい顔を涙で濡らしていた。
僕はと言うと、地味で暗めの男子で苛められては無いけれど、それなりに嫌われていた。
別にどうでもいいんだけど。
「返して!やめてよ!お願い、返して!」
彼女は手作りらしき筆箱を苛め女子グループに取られていた。
その中にいる男の僕より背の高い女が高い所に隠そうとしていた。
「何でも……っ何でもするからぁ!」
「へー、ほんとに?」
ナホベ ユカリ
そう言ってニヤリ、としたのは学級委員長の茄保延 紫だった。
茄保延は彼女の肩をぐっと掴んで内緒話をする。
その様子をニヤニヤしながら見る者もいれば、先生を呼ぼうとしている者もいた。
僕はその雰囲気の悪い教室に居たくなくて、立ち上がり、教室のドアに手をかけた。
「ねえ七瀬ぇ」
茄保延が僕の後ろまで来て小さな紙切れを出してきた。
それを僕の堅く閉じられた右手に無理矢理ねじ込んで、右の人差し指を口まで持っていき、「内緒だよ」のポーズをとった。
軽く吐き気がした。 こういうの、ほんと苦手だ。
「絶対ね、絶対だから!」
「は?」
僕は紙切れを見た。
<<七瀬へ
今日のお昼休みに、屋上に来てね。
ずっと待ってまーす!
紫>>
綺麗な字で、そう書かれていた。
うん、これはあれだ。
呼び出して茄保延グループ+彼女で、僕をリンチとかかな。
***
「……おえ、」
僕は喉を押さえて気持ち悪そうに言った。
給食食べた後に階段を上ると気持ち悪くなるのはどういう事だろう。
誰か、教えてくれ。
それにしてもフェンスが小学生中学年の身長くらいってどんだけだよ。 飛び降り出るぞ。 今日辺りに、とかな。
「七瀬、ほんとに来たんだぁ。 えっらいねぇ」
妙にねちっこい言葉を使いながら茄保延はやってきた。
後ろからは取り巻きと彼女が。
「ちょっと、何で振り向かないのぉ」
すると、女子グループの一人が笑いながらこういった。
「あれだよぉ、紫の可愛さがヤバすぎて振り向けないんだよぉ」
「やだ、美しさってほんと罪ね」
とか言って高らかに笑い始めた。
最早お前の存在自体が罪だよ、悪い意味でな。 とか言ってやりたいよ。
「ほら、日和ぃ、行きなって」
「やだよ……っ。何でアタシが……っ!」
「じゃねーとバラすぞ!」
彼女が僕の後ろにやってきた気がした。
彼女はあ、とかう、とか言葉を選んでいる。
「あ、たし、は」
「何やらせるの?」
「は?」
「僕に何やらせたいの」
僕が少し、怒りを込めて言ったからか、彼女は嗚咽を漏らした。
彼女は僕の背中に手を添えてきた。 とても、震えた手で。
「飛び降りしたらいいんだ? うんうん。 了解したよ」
「え、あっ」
僕は、フェンスに手を掛けた。
- Re: 彼女日記。 ( No.28 )
- 日時: 2011/01/19 21:40
- 名前: 氷兎 (ID: 8hgpVngW)
僕はフェンスを越えたその先の細い足場に立つ。
吹き抜けていく風が余計虚しさを際立たせる。
茄保延達も予想外だったのか、口を開けて僕を見ている。
彼女も、日和もこの世の終わりみたいな顔をしている。
真っ青かどうかは、彼女等自身に聞いてくれ。
色は分からないんだから。
「飛び降りれば、いいんだろ」
僕がそういうと茄保延が、
「と……っ、飛び降りれば?でも、死ぬわよっ!」
「別に。 こんなとこから垣根に飛び降りたって死ぬ訳ないだろ」
「ば、っかじゃないの!」
まあ、正論だけど。
僕は両手を大きく広げて、茄保延達を見ながら後ろ向きに倒れ始める。
「だめだよ……っ、死んじゃだめだよっ」
倒れ始めている上半身を無理矢理起こそうとしながら、言う。
「お前が僕を殺そうとしたんだろ? 良かったじゃないか、これで苛めから開放されるぜ?」
日和は僕の方に手を伸ばす。
僕は伸びてきた日和の右手を辛うじて足場についている右の足で勢い良く蹴った。
当然反動で僕はそのまま地面に真っ逆さまに落ちていく。
この感情は何なのだろう。
絶望か、孤独か、虚無か、後悔か。
どれとも違う。
歓喜だ。
***
その後、僕は病院で目が覚めた。
別に僕はハクに味方した訳じゃないし、茄保延に味方した訳でもない。
終わった後に茄保延が病院にやってきて、
「偽善者!アンタなんて死ねばよかったのに!」
と、ボロボロ涙を流しながら言っていた。
「怖かったん、だから」
そして、廊下を走って去っていった。
途中、誄先生の声が聞こえたのは言うまでも無い。
ガラリと病室のドアが開いて、ドスドスという効果音が似合いそうな足音を鳴らしながら誄先生が入ってきた。
茄保延が走り去っていった方を睨みながら。
「なんなの、あの子。 病院は走るなっての」
「先生も足音うるさいです」
「ばっかじゃないの! つかうるさくない! キミがばかな事するからでしょう!」
誄先生は僕の方を向いて、叫ぶ。
だからうるさいんだってば先生。
「父親と同じね! 無茶ばかりして! どうせ佐伯に会えるからとか、そんなんでしょ!」
「強ち間違ってはないです。 そしてうるさいです」
「冗談。 まさかホントとはね、ばかな子」
先生はやれやれと手を横に振って、ドアに手を掛ける。
何しに来たんだ、この人は。
先生は「そうだ」と言い、白い壁にもたれた。
「七瀬の坊や。 キミは今日から退院日までこの病室から出るの、禁止ね」
「え」
「えじゃない!」
先生はピシャンとドアを閉めて、去っていく。
ドアの向こうから「更科先生、静かになさい」「え、あ、すみませんっ」と会話が聞こえてきたので思わず笑ってしまった。
「何だ、先生も子供だな」
僕がそう、独り言を言った時。
「なーなーせーっ!」
声が、綺麗で透き通るような声が聞こえた。
「ナナセが来てくれないと、寂しいの」
悲しそうな、声が聞こえた。
窓の方を向くと、顔が出ている。
ここは二階だよ? 無茶な。
「ねえ、ナナセに聞いてほしい事があるのっ。 ハヤミのお話、聞いてほしいのーっ」
左右の長さが違う、珍しい彼女の髪は美しく。
光を帯び、無邪気に微笑む瞳と。
病院が貸し出している服。
「ハヤミ、危ないよ」
紛れも無く、僕の愛するハヤミだ。
この掲示板は過去ログ化されています。