ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 星空—ほしぞら—
- 日時: 2011/01/18 17:31
- 名前: 蝶々魔 (ID: /DGSB/Uw)
蝶々魔と申します。
どうしようもないくらいの駄目文です。
亀のように遅い更新だと思いますが温かい目で見守っていただけるとありがたいです。また荒らしの方はご遠慮ください。
- Re: 星空—ほしぞら— ( No.8 )
- 日時: 2011/01/18 17:44
- 名前: 蝶々魔 (ID: /DGSB/Uw)
「二〇三号室に住んでいた男子高校生・・・ねぇ」
部屋に戻った私は先ほどの話しを思い出していた。ちらり、と時計を見る。
時刻は七時二十分。
なんだかんだでおばさんの所で夕飯を食べてしまったため夕食を作る事はしなくていいし、お腹も満たされているので食べる必要もない。
つまり、現時点で私はやる事が無く——暇だ。
おばさんに教えてもらった殺人現場は人通りが少ないため警察に報道される事もない。
ならやる事は一つ。
「行くっきゃないっしょ。気にならないと言えば嘘になるし」
誰に聞かせる訳でもなく呟いて、私は制服のまま必要な物だけを持って外に出た。
現場は歩いて数十分の林、というか森に近い林。私が住んでいるこの町は今の時代には珍しく、少し歩けばそこらへんに木々がある。言ってしまえば田舎なのだが、しかし田舎と言って片づけてしまうほど田舎という訳ではない。現にここは自転車でいける距離にデパートとかある。
持ってきた懐中電灯を点け、いざ森もとい林へ出陣。
ガサッ、ガサガサッ。
歩いて数分、右斜め前から不審な音。なんだろう。ほんとに幽霊とか・・・?だとしたら笑えない、これでも私は怖がりなんだ悪いかこんちくしょう。
ガサガササッ、ガサッ!!
「・・・・・・・・・・・・・こ、こんばんは狸さん」
そう、そこに居たのは狸。大きな丸い目をクリリとさせていて何とも可愛らしい。やばい持って帰りたい。
狸は私を見て驚いたのか逆方向に逃げて行ってしまった。・・・ああ、残念。
気を取り直し探索開始。暫くすると木が生えていない、細かい草が地を覆うほど生えているあけたところに出た。
上を見ると月の光が淡く差し込んでいて、まるでここだけ違う世界の様・・・。
「今夜は三日月か・・・」
「ここに来て言う事はそれだけか」
私の声ではない人の声。視線を下ろし、声のした左に視線を向けるとそこに在ったのは——
「・・・祠」
それは小さい祠。もう何年も人の手が加えられてないのか、祠には苔やら草の蔓がたくさん生えていた。そしてその祠の隣には私の身長より少し低いぐらいの岩。
そしてその岩の上には————
「・・・どうやら拝みに来た訳ではないようだな」
私よりも年上の男の人がいました。
あれ?おかしいな、あの人お面つけてる。しかもこの時代には珍しい着物姿・・・果たして私の頭は正常に活動してるのか?この時私は、自分の頭に疑問と不安を初めて感じました。
- Re: 星空—ほしぞら— ( No.9 )
- 日時: 2011/01/18 17:45
- 名前: 蝶々魔 (ID: /DGSB/Uw)
日記二「褒めよ称えよ我は神様である」
- Re: 星空—ほしぞら— ( No.10 )
- 日時: 2011/01/18 17:46
- 名前: 蝶々魔 (ID: /DGSB/Uw)
あれから暫く男の人を見ていたが、どうやら私の頭はおかしくないことが判明した。
——改めて、男を観察してみる。
男の髪は肩までの長髪で、人の色ではない青色の髪、でも所々水色の線が入っている。お面を着けていると言っても右目を隠すためだけに着けているのか左目と鼻、口が丸見えで、お面としての機能を果たしていない。そして左の頬には黒い三日月模様の刺青がある。男がしているお面は全体が灰色で、真ん中に青い雫が一つ描かれているなんともシンプルなものだった。服は先ほども言ったように着物だ。中に緑、上に青着物。水色の雫模様がある着物に灰色の帯、そして紺色の羽織を身に着けている。
「・・・さっきっからじろじろと見よって、人ではない者がそんなに珍しいか」
男の言葉で視線を顔に移動させ、目を合わせる。
「・・・そりゃ、今の時代は珍しいから。ごめんね」
「ふん、面白味がない奴だな。我の姿を見たのに驚かん」
そう言いつつも男の顔に不満そうないろは見えない。むしろ楽しそうに見えるのは気のせいだろうか・・・?
「・・・・ねぇ」
「なんだ」
「なんで神様やってるの?」
「・・・それはどう言う意味だ?」
途端、先ほどまでの楽しそうな雰囲気消え、鋭い目で此方を見てきた。
「深い意味は無いよ。ただ・・・人は欲が強く傲慢で、そして必要ないものとわかればすぐ忘れる生き物・・・って誰かが言ってた。でも見た感じ君は神様で、もう人なんて来ないのにまだ此処に居る。それが気になった」
「・・・ああ、それか。さあな、知らないさそんなこと、我は此処に居た奴の代わりをしてるだけ」
「代わり・・・・じゃ、君は五年前不良に殴られて死んだ男子高校生?」
「・・・・その理由は?」
「女の勘」
「非科学的だな」
「君の存在の方が非科学だよ・・・・で、返答は?」
「はいそうです。・・・・・とでも言うと思ったか?」
「違うの?」
「いや正解だ」
「なんじゃそりゃ」と私が言うと男は何も言わず、私を見て笑うだけだった。
「なに、簡単な話さ。此処に元々居た土地の守り神が人に愛想を尽かし出て行こうとしたが、根が優しい奴でな。いや、もしかしたら願いを捨て切れなかっただけかも知れんが、たまたまそこに居た《俺》を捕まえ力を託し出て行ったという訳だ・・・・・わかったか?」
「ええ、それはもうバッチリです」
「棒読みで説得力が全くない。・・・・・・しかし可笑しな奴だなお前は、我は己の事を普通ではないと思っているが・・・お前の方が普通じゃないな」
男は笑って、でも声は冷たく、淡々と言う。
「・・・・本人を目の前にしてそれはないよ《元人間》」
「事実を言ったまでだ。現に、お前には《死》が二つも付いている」
「・・・・・・・・・・は??」
「保けた面の真似をするな、そう《人間らしい事》をしても唯の人は騙せても我は騙せない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「安心しろ、死相ではない。だが、人ではない誰かの手によってお前は死を迎えようとしている」
「・・・・へぇ、そう」
「あっさりしてるな」
男は呆れた顔を——同時に憐れんでいるような視線を私に向けてくる。
やめて。そんな目を向けないで。苦しいじゃないか、辛いじゃないか、だから———
「そんな目で見ないでよ。・・・私だって死にたくはないさ、でも人の手が加わってないのなら、人である私に《これ》を避けることは不可能なんだ」
「自分は《人》だというのか、——面白い」
「・・・・あのさぁ、さっきっから何?まるで私を化け物みたいに・・・いい加減にしてよ」
「本当の事だ。現にお前は怒ってない、《怒った振り》をしているだけだ」
好き勝手言いやがってこのクソ守り神。怒ってないだって?実際問題怒ってるんだよこっちは。
- Re: 星空—ほしぞら— ( No.11 )
- 日時: 2011/01/18 17:46
- 名前: 蝶々魔 (ID: /DGSB/Uw)
「・・・・・・まぁ、此処のとこ人にも会ってないし、いい加減この役も疲れた。奴はもしかしたら来るかもしれないと願っている人の為にとは言ったが、この様子ではもうここに人が来る事もない。よって、今から我は《土地の守り神》と言う地位を捨て、お前の《守り神》になろう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?え、あ?いやいやいやいや、何言ってんの神様。君ここの《土地》の神様なんでしょ?なのに君が居なくなったらこの町どうすんのさ」
まるでもう決定事項のように男は此方に歩きだしてくる。そんな君にすかさず突っ込み!!
「神は禍があった時のみ動く、科学が発達し禍などない今この時代に神など居てもいなくても同じような事。そして神の力は人の信仰によって変わる。人が途絶えた今では俺はこの町を救う事などできない。・・・・言いかえればそれは栄養失調でフラフラのヒーローが悪役と闘うようなものだ」
「ずごい例えだね。それ。でもそれじゃあ私を守るにしたってフラフラの状態じゃあ守れないんじゃない?」
と言うよりそんな神様に守られたくない。こっちから願い下げだ。
「人の信仰によって変わると言うのは人数によって変わると言う事。信仰が多ければ多いほど本来の力より強く出せる。そして土地神はその土地全体を守る為に力を溜めるが、無限に留めることはできない。ため続ければ使わなかった力は、いつか悪しきものになり己の身に害を及ぼす。そうならない様に地に気を流しまた新しい力を溜める。それの繰り返しだ」
「・・・で、だから何」
「わかりやすく言えば、昔は人の信仰が多いためメーターを最大限にして力を溜めてたが、今の信仰でそのメーターでは溜まりきらない。だからメーターを人一人分の信仰でも力が使えるようにすればいい、そうすれば本来の力より強い力は出せないが、本来の力は出せると言う訳だ」
「へぇ」
「まぁ、信仰など無くても本来の力は使えるんだがな」
「・・・・ってオイ」
「だが神は己の為には動かない、必ず人の為に、生き物の為に動くもの、我がお前の為に動くと言う事は、我はお前の《心》に少なからずとも、まぁ少しぐらいは左右される」
「じゃあいいじゃないか、少ししか左右されないのなら」
「人の心は時に神おも超える。お前の闇で俺が魔神にならないよう気おつけてくれよ?」
「・・・・・・・・・・・・ずごいプレッシャーなんですけど・・・・」
「深く考えるな。ああ、忘れてた。お前名は?」
身長差の為、当然男は私を見下ろす形になるのだけれども・・・・なんでだろう、腕組をして見下ろす様が凄くムカつく。
「・・・・星空 朽葉【ほしぞら くちは】」
「朽葉か・・・我の名は零【れい】」
「霊?」
ゴンッ!!
無言の鉄拳。いい音がしました・・・・ハイ。
「まったく・・・我の盛大な心に感謝しろ、さぁこれからは毎日褒めよ称えよ我は神様である。崇【あが】めないのなら三世代まで祟【たた】ってくれよう」
「立ち悪いなっ!?」
・・・・天国のお母さん、やっぱり今日は厄日のようです・・・・・・・。
この先に不安を覚えながら私は重い足を動かし、家に帰るのであった。
- Re: 星空—ほしぞら— ( No.12 )
- 日時: 2011/01/18 17:47
- 名前: 蝶々魔 (ID: /DGSB/Uw)
日記三「人間じゃ対処しきれない殺人犯」
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