ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- I 真に勝手ながらこの小説の更新を止めます 申し訳ありません
- 日時: 2011/06/23 16:00
- 名前: 風(元;秋空 ◆jU80AwU6/. (ID: .cKA7lxF)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=17023
初めまして,二次小説の方で中心的に活動していました風と申します。
〜作者状況〜
執筆していない【〇】執筆中【】
申し訳ありませんが執筆中に〇が付いている時は書き込まないで下さい。
〜更新履歴〜
>>1 第一章 第一話「初めてのお使い」
>>5 第一章 第二話「初めてのお茶会」
>>10 第一章 第三話「初めての多人数殺人」
>>16 第一章 第四話「本当の始まり」更新
>>20 第一章 第五話「本当の始まり Pary2」
>>27 第一章 第六話「嘘も偽りも Part1」
>>36 第一章 第七話「能力者達」
>>41 第一章 第八話「夫々の日常」
>>48 第一章 第九話「能登潤ラヴァーズ」
>>55 第一章 最終話「I〜幻想夢花火〜」
>>86 第二章 プロローグ「祭リ染ミテキタゼ!」
>>109 第二章 第一話「藍沢竜牙」
〜設定資料&番外編〜
>>62 設定資料集&番外編【1】 素敵作曲家様や詩人様から貰った歌の数々を掲載!
>>67 設定資料集&番外編【2】 自分の造ったキャラのプロフィールを掲載する場所
>>74 設定資料集&番外編【3】 キャラクターインタビュー Part1(藍沢&K&フリーダ&条の内)
>>77 設定資料集&番外編【4】 キャラクターインタビュー Part2(能登&渡会&楢崎&仙道)
>>82 藍沢竜牙 絵掲載(依頼絵師・生死騎士様
>>114 設定資料集&番外編【5】 アンケート用紙掲載
〜お客様〜
闇子様
しずく様
羽百合 蕾様
提供オリキャラ 紅 雪 >>32
華世 様(元rara様
祠堂静雄様
楓様
提供オリキャラ 永井 優 >>31
disco様
かにゅ様
提供オリキャラ 燐桐 紀 >>30
Neon様
提供オリキャラ 中道 虚 >>28
ヴィオラ様
提供オリキャラ 風月 春 >>29
パーセンター様
提供オリキャラ 凍戈 潤 >>33
ひふみん様
提供オリキャラ パトリシア=モンロー >>37
葵様
提供オリキャラ アリス・クイーン >>39
紅蓮の流星様
アキラ様
りま様
なさにえる様
玖龍様
以上,十八名のお客様が来て下さいました!
感謝です^^
===注意事項===
1.荒しやチェンメ・中傷等は止めて下さい。
2.グロテスクな表現やエロ描写等苦手ない人はNG。
3.更新は亀以下ですがどうか温かく見守っていやって下さい。
4.作者状況の執筆中の所に○が付いている時は書き込みを控えて下さい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜I〜〜〜〜〜〜〜〜〜
第一章:幻想夢花火
プロローグ「Welcome」
西暦2054年
2010年位から世界は余り変って居ない……詰らない。
機械の技術も何もかも殆どは環境回復や肥大しすぎた人工の為に不足する食料を護る為に周っている。
だから,PCも携帯も何もかも大した変化は無い…寧ろ退化したのでは無いだろうか…
あぁ,詰らない…溜息が出るほどに。
そんな事を思いながら高校三年生の藍沢竜牙は今日も朝からその成長無いPCで遊んでいる。
黒髪に漆黒の黒の瞳…服装も黒尽くめ,表情の変化も無く世界に対しての不満が滲み出ている。
細く長い漆黒の瞳と筋の通った日本人離れした鼻,造形からすれば中々の良い男なのだが
彼自身の不の感情が其の魅力を損ねている様に見えた。
そんな男,藍沢竜牙は一日中ネットを眺めながら世の中の不登校児達と語る。
学校__?学校に顔出したら負けだと思ってるね…と。
「何だこのサイトは?何て色気ねぇ名前だよ?」
そう思いながらクリックしたサイト…「ある組織」詰らないサイトだろうと思っていたこの名前
ネットの最奥に潜んでいたその名前が彼の人生を変える事になる。
『アンケート…?』
クリックした先には唯アンケートと言う言葉がある。
其れを彼は更にクリックする。
質問が出る。
質問1「貴方は引篭もりですか?」答「YES」
質問2「今の生活に満足していますか?」答「NO」
質問3「貴方は今,楽しみと言える物が有りますか?」答「NO」
質問4「人を殺す事は悪い事ですか?」答「」
質問4…手が止まる。
人を傷付ける事は悪い事だと再三親に言われて成長してきた。誰しもそうだろう。
だが,彼の心の中には人の死体を見たい…人を自らの手で殺めて見たいという意思が有った。
それは唯,好奇心だけではない。この増えすぎた人口は世界に悪影響だと彼は考えて居たのだ…
だが,彼は暫し逡巡し結局「YES」と応える。
そして,次の質問…質問の内容が急に変化していく。そして,是がこのサイトの趣旨なのか藍沢は唐突に理解する。
然し,その時はもう遅い。戻ろうとしても戻れない。PCの電源を切ろうとしても切れない。
「本当は殺したいんだろう?なぁ……」
「何だってんだ!?」
PCの中から突然無機質な声が聞こえる。
ヘッドホンは付けているのにヘッドホンから聴こえて来る感じじゃない。
藍沢は慌てふためく。
質問5「貴方は人を殺してみたいですか?」答「YES」
YESと応えろという声が脳内を駆け巡る。
大きな声だ…こんな大きな声なら下に居る妹や母親にも聞こえる筈なのに……全く反応は無い。
時間帯は夜の7時正に一家団欒の時間の筈だ。
質問6「最後の質問です…人を殺すことに罪が無いとすれば貴方は人を殺せますか?」
その質問に対する自分の答は決っていた。
不気味な無機質な声…自分にしか聞こえない…
40年位前のその代から言えば旧式言ってと何ら遜色ない筈のPCでそんな事を出来る連中が居る。
間違いなく今の警察機関の目を逃れて殺人をしているのだろうと想像出来る。
やってみたい———
藍沢竜牙は口角を吊上げて笑みを浮べYESをクリックした…
瞬間PCから聴こえる無気力な声に変化が現れる。
YES?
Y・E・S……YES!?
YES!!
YES!YES!YES!YES!YES!YES!YES!YES!!!!!
先程までの無気力な声とはまるで違う歓喜するかのような狂気染みた声…
そして,最後に静かに歓迎の言葉が藍沢竜牙の脳内に響いた。
会員番号100788
数秒後,スクリーン全体に自分の会員番号が表示された。
END
NEXT⇒第一話「初めてのお使い?」へ
_____コメント
題名の通りです。
多くの読者の方々は申し訳ありません。
オリキャラを投稿して下さった方々やアンケートにお答え下さった方々には、感謝しています。
有難う御座いました。
しかし、このIを持続していく気力が作者にはもう、有りません。
真に勝手な理由ですがお許しください……上進してもっと素晴らしい作品を提供したいと思います。
では……
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- Re: I 第一章〜幻想夢花火〜 第二話更新 コメ求む! ( No.7 )
- 日時: 2011/01/27 20:39
- 名前: しずく (ID: sluLeqWs)
小説にいらしてくれてありがとうございます><
とても嬉しかったです!
藍沢くんみたいなキャラ好きですね・・ww
武器は斧ですか・・。
カッコよくていいなぁ・・
俺も組織にはいりたいです・・。
これからも楽しみにしてます!!
頑張ってください♪
- Re: I 第一章〜幻想夢花火〜 第二話更新 コメ求む! ( No.10 )
- 日時: 2011/05/04 20:18
- 名前: 風(元;秋空 ◆jU80AwU6/. (ID: 4.ooa1lg)
コメント下さった方々有難う御座います。
ねこうさぎへ
めんどいから是で良い〜?ネェネェ??
取り乱してくれて有難うだぜ^^
しずく様へ
此方こそ律儀に挨拶に着て下さり真に有難う御座います!
本当に凄く嬉しいです!
そうですかぁ…私は藍沢嫌い(黙れ
斧は良い…斧は…良いですよ^^
組織になりたいですか??何だか嬉しいような何だか…分らない気分です(苦笑
其方も頑張って下さい!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜I〜〜〜〜〜〜〜〜〜
第一章:幻想夢花火
第3話「初めての多人数殺人」
初めてお茶会に行った日から六日が過ぎた。
藍沢は何度かKと話す機会は有ったが藍沢とKの関係は全然進展は無い。
Kが適当にはぐらかしてしまうから藍沢は何も知る事が出来ない。
そんな一週間…3人の人間の命を奪った。命を奪うその行為に少しは慣れると思っていた。
然し,藍沢は全く慣れる事は出来ず魘されるばかりだった。
特に人を殺した日の夜は辛く深淵の闇の中で殺した人間と対話をすると言う夢を見る。
対話は全て自らへ対する非難…自分が自分を責めているのだと言う事を良く理解出来る。
「やめろ…もう,止めてくれ」そう,頭を抱えると突然,目の前に居た人間は紅く染まり
血塗れになり骨が透けて見え内臓が頭を抱え震えながら地面に蹲る自らの直ぐ近くに堕ちる。
恐怖に大声を上げる…
何時も其処で目を覚ます。何時も…何時も何時も其処で目を覚ます。
一週間,一度たりとも一夜の間に魘されず悪夢で目を覚まさず眠れた事は無かった。
明らかに憔悴を感じる。体の節々がだるい。今までもだるかったが今迄以上に…
最初から目の熊は有ったがその目の熊も更に酷くなった。
両親とも学校とも関係を断絶しているから全く誰も気付いては居ないが…
ブゥン…
「K?」
「明日…お茶会だな」
「あの子は大丈夫かな」
「おいおい,人の心配をしている場合か…
自分の管理も出来ない奴に心配されたってソイツが辛いだけだぜ」
「俺には最初から向かなかったんだ…」
「………本当に殺人に向いてる人間なんてそうそう居ないぜ?
かと言ってお前は契約の都合上一年は止める事が出来ない。
精神的にもまだ戦えるし手術や入院をしないといけない様な状態に有るわけでも無い」
「分ってるさ…戦って殺して行くしかない…」
「俺も…何時も,悪いと思ってるんだ」
何時も通り目を覚まし時計を見る。
未だ三時を少し過ぎた所だ。荒げた息を深呼吸して整えていた所にKが来た。
完全にKは此方の動きを把握しているだろうことは当に知っていて驚く事でも無い。
Kの言葉にふいに心の中に映るのはあの気弱な彼女,能登だった。
あんな優しくて怖がりな少女が手を血で染めていると思うとゾッとする。
そんな他人の心配をしているとKは自らの体も管理できず他人の心配をするなと厳しい。
最もだ。こんな暗い表情で彼女に大丈夫かと言っても彼女が喜んでくれる筈が無い。
自分には向いていなかった…あの時は,唯流れに身を任せた。
一時の感情に従った…愚かな自分が悪い事をKは厳しく付き付ける。
不意に疑問が湧く。こんな正しい事を言える男が何故自分をこの組織に迎えたのか?
本当は何度も湧いた疑問だ。一週間の間にKに問い質した事もあった。
結局ははぐらかされたが……
だが,Kの言質からその声音からKは本気で自分を思っている事を理解出来る。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
朝7時半,藍沢は何時も通り親が出勤に行った事を確かめて下の階へと行き食事を済ませる。
そして,ニュースを見て自分の仲間たちが起したであろう事件を聞いて嘆息して部屋に戻る。
何時も通りの事だ。
そして,部屋に入ると同時に自分のPCの電源が突然入り男の声が聞こえてくる。
「お早うK…」
「藍沢,少し前までのお前は死んでいる様だった…唯,何もせず生かされているだけだった。」
「………?」
「だが,今のお前は悩み苦しみもがいて自分の選んだ結果に邁進している…
例え其れがお前にとって良い事じゃなくても…お前は今生きている」
「どうしたんだ……神妙な口調で」
突然PCの電源が入るのももう慣れた物で何時も通り竜牙はKに挨拶する。
其れに対し珍しくKが挨拶を返してこない。そして,Kは挨拶のかわりに言葉を発する。
その言葉は今までの自分は自分の足で立っていなかったという説教染みた事で…
だが,事実で思えばKの言葉が有ったからとは言え自分で判断を下したのは久方振りだった。
あの時は唯,殺人をして見たいという妄念に囚われマウスをクリックしていた。
いざ,殺戮を行う場面に遭遇した時本当に遣るのかと戸惑い離脱を選ぼうとしたが
彼等の行動理念と目的を読み自らの思想に合致していると感じ殺人の決行を承諾した。
全て,何かに流される様だが結局は自分で意思決定した事だ。
「お前は今,お前のやっている事が世界の変革になると思っているか?」
「いや…ならない上に,罪も何も無い普通の女の人ばかり殺して辛いだけだ」
「そうだろうな…だが,物事には順序ってのがある」
「第一段階とかそう言うのか?」
「あぁ,是は俺達の理想の世界への第一段階なんだ…今まで四十年以上対やしてきた。
だが,後五年で第一段階が終了する…
そして,最も大きな第二段階を終え第三段階で計画は終了する。
俺達の計画は後,10年掛からず終わる所まで来た…お前には変革された世界に立って欲しい」
「………変革された世界」
Kは何時も人を食った様な態度を取っているが人の姿を多面的に良く捉えている。
殺戮の世界に身を染めながら驚くほどに人情味が有るのかも知れない。
Kは藍沢の殺戮に加担する理由を見抜いた上で問いかける。
其れに対し藍沢は今,正に思っている良心の呵責を嘆く。
るとKは計画と言う言葉を持ち出して語り始める。組織のプラン…その計画に要する時間。
藍沢の一見何の意味も無い無罪の者達の消去もまた計画の内…
その計画も残り10年程度で終ると言う事…
其れを聞いて藍沢は何だか無性に変貌した世界を見たくなった。
それと同時に計画を知っているのに変革を他人に任せて楽をしてその変革後の世界に立つ事に
大きな抵抗を感じた。
自分も変革の渦中に身を投じ変革され行く世界を直に体感したい。
何故か,沸々とそんな感情が沸き上がる。本来こんな性格ではない筈なのに
まるで,自らの本能に誘導される様に…
視てみたい…変革された世界,組織の言う不自然から自然へのチェンジを……
喉から手が出るほどに…今の造られた平和の変革を渇望している事を理解する。
「藍沢……行くか?」
「あぁ,頼む…俺は,組織の望む本当の世界を渇望している」
「そうか」
握った拳が震えている。
自分が人を殺して罪に穢れていく事は嫌だ…だが,既にこの手を血で朱に染める程度には殺してる。
罪に穢れてしまったなら最後まで嗚咽に歪みながらでも進んでやる!
藍沢は覚悟にも似た感情を覚えた。そして,其れは存外に強く簡単に緩む覚悟ではなかった。
藍沢は目を開けると其処は人気の無い地下の様な場所。
耳を澄ませると若い女性の声…恐らくは其れが今回のターゲットだと理解し声のした方へ進む。
そこには青いツインテールのジャケットを羽織ったスラッとした長身の女性。
どうやら友人と話をしている様だ。
「有難うあたしの恋のキューピット」
「どう致しまして!まぁ,あたしとしては
あんたがあたしのお陰で結婚まで漕ぎ着けたってんだから誇らしいよ」
「そうか……お前も早く結婚しろよ紗希?」
「あたしはまだ25だっての!」
「そうか…同期のあたしも同じだが其処は無視か?」
「うっさいなぁ!あたしは飛びっきり金持ちで飛びっきり格好良くて強くて良い男と」
「言って置こう。そんな夢の様な男は世界には居ない!」
「はっきり言うなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「涙声で言うなよ…あたしが悪人みたいじゃないか?」
「悪人〜!!」
スッ…
彼女達の会話…最後の会話を一頻り聞いて藍沢は動き出す。
結婚と言う彼女の新しく造った絆を断つ裁きの鉄槌にも似た大斧が振り上げられる。
そして彼女の背中の中心に命中する。肋骨と頭蓋骨に命中した其れは
バキバキと嫌な音を立てて其れを粉砕し同時に大量の血を噴射させる。
彼女は苦悶の表情を浮べ斧による圧迫で声を上げる事も出来ず携帯を落とし
アスファルトの地面に倒れ込む。そして,最後にノロノロと携帯に手を近付けて言う。
「助けて……警察を呼んで…」と今にも消え入りそうな声で。
其れを藍沢は目を瞑り見て見ぬ振りをして溜息を付く。
紗希と言う女性の焦った声が響き渡る。恐らくは警察が来る前に此方に掛け付けるだろう。
「急がないと…陽子の所に急がないと」と言う絶望と焦燥に彩られた声が漏れていた。
Kの声が聞こえる。脳内に語りかける手法で…
「待機していろ。その女の友人も対象だ…」
「分ってる…警察は?」
「彼女の方が三分以上早く到着するだろう」
Kの言葉は真実だった。
階段を降りる音が木霊する。音の数から1人だと分る。
急いでいる,親友の命の危機だと理解している。
「陽子!!!——————嘘」
彼女は地下で倒れている親友の亡骸に気づく。
何故こんな場所で陽子と言う女性が電話を通じて友人と会話していたのか…
知る由も無い。藍沢は泣いて友の亡骸を抱擁する紗希の下に歩を進める。
そして,声に成らない慟哭を続ける彼女の体に斧を叩き込む。
「あっ」と声をあげだらしなく倒れた紗希と言う女性は最後まで友の名を呼びながら逝った。
一日の間に初めて1人以上殺した…良心が悲鳴を上げる。
藍沢は徐々に体温を失っていく先の亡骸を動かし友人である陽子と手を繋がせて並ばせた。
出来るなら二人で同じ場所に逝けます様にと願った。
涙を堪えて藍沢は二人の亡骸の有る地下道を後にした。
カツンカツンと藍沢には音がするが周りには聴こえない。
今頃になって一部始終終った頃になって警察の車の警笛…溜息が出る。
<貴方は所定の人数を殺しました。Lv2に昇進です>
脳内にKの声とは違う声が響く。女性の声。
Lv1に昇進したときにも響いたのと同じ声だ。恐らくはLvアップを知らせる報告なのだろう。
ザッ
「ヨォ…俺,サルコジ……エンヴェンス・ヴェノ・サルコジ♪
オ前,藍沢竜牙ダヨナ……知ッテルゼ?オ前殺ス」
『こいつ…俺が見えてるのか!?」
ビュッ!
ガアァァン…
『重い…あんな小さな短い武器なのに……』
誰にも見えていない…
だから,少し歩いて頭を冷やそうと考えて居た。
頭を冷やそうと袋小路に入った瞬間だった。
青い手入れのされていない長髪の茶色と赤のオッドアイが特徴的な
面長で人を馬鹿にした様な笑みの口の大きい男に遭遇する。
中国人男性が着そうな白の服装で両手には指一本一本に刃物が付いている。
明らかに怪しい奴だが見えている筈は無いと思い素通りしようとする藍沢。
然し,その判断は間違えだった。
突然男は藍沢に語りかけ名前を呼び殺すと明言して切掛って来た。
竜牙は咄嗟に大斧の腹でサルコジと名乗る男の斬撃を弾く。
然し,その攻撃の重みに藍沢は吹飛ばされる。細身のサルコジの腕力とは思えない一撃だった。
ばれれば命を狙われる様な事を続けては来た。然し,一般人は誰も気付くはずが無い。
そもそもこの男は完全に藍沢を視認している様だった。
藍沢は訳の分らぬ出来事に逡巡しながら自分ではこの男に勝てないと悟り逃げ出す。
「鬼ゴッコオォォォォォォ♪」
ダン
藍沢の後姿を見て奇声を上げるサルコジ。
その声を全力で振り切ろうと逃げる藍沢。然し,サルコジの動きは人間の其れとは違い…
跳躍一つで藍沢が三秒掛けて走る距離を移動する。
ダダダダダダダダダ…
「化物か!?」
「情ケネェナァ藍沢チャーン!逃ゲル後姿ガ小サイゼ!!」
クルッ…
ズガアァァン…
「ハッハッハッハッハ」
「鼠ノ藍沢チャンヨォ…鬼ゴッコハ楽シイカイ?俺ァチットモ楽シクナイネ?」
藍沢をまるで弱者を追い回す百獣の王の如く追詰めるサルコジ。
本当なら初撃で藍沢を殺せるのだろう事は明白だった。
サルコジの影が見え逃げ切れないと悟った藍沢は斧でサルコジの攻撃を防ぐ。
体中に衝撃が奔りサルコジの爪は地面を抉る。
竜牙は後へとヨロヨロと後退し呼吸を整えようとする。
それを見詰めながらサルコジは散々藍沢に暴言を吐き攻撃を再開する。
その瞬間,藍沢は斧を振いカウンター気味の反撃をする。
然し,サルコジの速度と藍沢の斧を振る速さでは差が有り過ぎた。
サルコジは其れを軽々と回避して藍沢の後ろに回る。
死んだ……藍沢は思った。
ザァッ…
「サヨナラ鼠ノ藍沢チャン!!!」
ブワァ…
『黒いマント?』
ボゴォン!!!
ズガァ…ン
「ぐふあぁっ!!」
何が何だか分らず逡巡する藍沢。
目の前の黒いフードの大柄な体格から察するに男だろうそれに助けられた事を理解する。
男は突如,上空から音も無く現れ後から攻撃を仕掛けるサルコジを吹飛ばしたのだ。
「…アンタも俺が見えるのか?」
「当たり前ろう……俺だよ俺」
「まさか…」
其の男の声には心当たりが有った。
此処一週間何時も話している男だ。だが,その男は少なくとも50代位の筈だ。
目の前の自分を振り返り見る男は如何視ても50過ぎには見えない。
否,20代と見るのが妥当だろう。
切れ長の緑の瞳に整った漆黒の長髪…性格や言動に反して余り感情が無く面長で綺麗なマスク。
男の藍沢でも惚れ惚れする様な美貌……
是が…
_______K________?
自分の予想していたKと余りに掛け離れていて驚く。
驚愕の表情を浮かべている藍沢竜牙にKはニヤリと笑みを見せて直ぐにサルコジの方に向き直る。
「お前は此処で待ってろ」
唯,アスファルトの地面に座ったまま藍沢は動けなかった。
悠然とサルコジの吹飛ばされた人気の無い広場へとKは歩む。
ボゴォ……
「Kエェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!会イタカッタゼエエェェェェェェェ」
「相変らずウルセェ狂犬野郎だなサルコジ…俺は会いたくなかったぜ」
「兄貴ノ仇………ムカツクンダヨオォォォォォ」
サルコジは怒りを滾らせて余裕綽々のKへと突進していった。
此処にKとサルコジの因縁の戦いが勃発した。
サルコジは唯でさえ大きい口を吊上げ更に大きく見せ目を爛々と輝かせながら
Kに突進していく………
∞END∞
NEXT⇒第一章 第四話「本当の始まり」へ
- Re: I 第一章〜幻想夢花火〜 第三話更新 コメ求む! ( No.11 )
- 日時: 2011/02/02 15:37
- 名前: 闇子 (ID: 1zbdCkxK)
先程はコメント、ありがとうございます!
とうとうKの姿が現れましたね^^
サルコジっていう人は一体何者なんでしょうか…?
Kと親しそうでしたけど…。
続きが凄く気になります!
更新、頑張って下さい^^
- Re: I 第一章〜幻想夢花火〜 第三話更新 コメ求む! ( No.13 )
- 日時: 2011/02/05 10:43
- 名前: 闇子 (ID: 1zbdCkxK)
私がコメントをしているのは本当に面白いからなんですけど…
誤解をさせてしまってすみませんでした…。
風さんの小説はとても面白くてコメントをしていたのですけれど
今度からは、ほどほどにいたしますね。
本当に申し訳ありませんでした…。
- Re: I 第一章〜幻想夢花火〜 第三話更新 コメ求む! ( No.14 )
- 日時: 2011/02/05 10:59
- 名前: rara (ID: 9QYDPo7T)
来ました〜^O^
独特な書き方で面白いですっっっ!!!!!!
セリフもかっこいいし〜>w<
これからも頑張ってくださいね☆
時間があるときまた来ます!
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