ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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—  ア  リ  ス  —参照100、まじ??
日時: 2011/03/25 15:16
名前: 憬ネ (ID: 3ZeOyjRh)

この穴はなあに??

   

        知りたいなら自分でいってごらん





何も教えてくれない魔法の国の不気味な住人は
ケタケタ笑って私を突き落とした。

その瞬間、目の前が真っ黒になって気がつけばどこまでも続く螺旋階段。

悲しい 寂しい 苦しい 憎しい そんな感情がたくさん積もって出来た階段を今日も上って行くのだろうか。

この先に何があるのかも知らないで————


— ア リ ス —


+オリキャラ用紙+>>05

+登場人物+>>01


+お客様+※オリキャラ出してくれた方も勝手に入れられます←

葵 さん

+第一章+ 【ワンダーランドの入口】

+1>>02 +2>>03 +3>>04 +4>>06 +5>>8 +6>>012 +7>>013

+第二章+ 【狂った懐中時計】

+8>>014 +9>>15     

*ごあいさつ*

クリックありがとうございます(*´Д`*)
不思議の国のアリス大好きな「りんね」です^^
初めて小説書くんだから好きなやつ書きたいなぁと思って書いてみました(●´・ω・`)ノ

神作希望・荒らし・チェンメをする方はまわれ右で!!お願いします。

オリキャラを出して下さった方・出そうと思っている方に忠告ですが、
自分の考えたオリキャラがイメージと違っちゃうかもしれませんがご了承ください!!

☆コメントヨロシクお願いします☆

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Re: —  ア  リ  ス  — ( No.22 )
日時: 2011/03/24 19:03
名前: 憬ネ (ID: 3ZeOyjRh)

+12+


今まで曇りだった空はさらに黒くなり、雷がいたるところに落ちている。
雨も振ってきて、天気としては最悪だ。
まるで私の心のように最悪な天気。

空の下を散歩していると


「アリス。白の女王は覚えてる??」

「白の女王??赤の女王と色違いね…」

「そう。彼女達は姉妹なんだ。だがある日を境に縁を切った。」

「え??」

「赤の女王が受け取るはずの王冠を両親が白の女王に授けたんだ。
 赤の女王のイラサベースは残酷で醜いと言われているから、
 女王にふさわしいと思ったのは白の女王のミラーナだったってわけ。」

「ふーーん。」


「アリス!!」

私は歩きながらあくびをしていると、マッドハッターが私を押した。

「キャァ!!」

私は茂みに倒れた。
手にかすり傷が出来たが、全然気付かなかった。

マッドハッターは私を隠すように前に立っている。

マッドハッターの体の横から前をのぞくと私の何倍もあるという斑点模様の熊のような動物がいた。
それをペットのように後ろに構え、マッドハッターの目の前にいるのは背の低めの女だった。


「いかれ帽子屋。邪魔よ、どいたほうが身のためよ。」

厳しい顔をする女の後ろで怪物がうなり声をあげて今にも飛びついてきそうな態勢をしている。

「その後ろにいる奴はアリスでしょ??」

「何の用だ??」

いつものハッターとは違う真剣な表情で吃驚した。

「ふん。私はイラスベースに頼まれてアリスを探してるの。邪魔する奴は始末してしまいなさい。バンダースナッチ!!」

バンダースナッチは息を荒げた。

「ハッター!!危ない!!避けて!!」

バンダースナッチは予想通りハッターに襲いかかってくる。
ハッターはとがった爪を軽々と避け、腰に刺さっていた剣を振りかざした。

「アリス!!アブソレムのとこに走れ!!」

「アブソレムって??」

「ヤマネと三月うさぎが知ってる!!さっきのところに戻るんだ。」

「う、うんっ」



Re: —  ア  リ  ス  — ( No.23 )
日時: 2011/03/25 14:11
名前: 憬ネ (ID: 3ZeOyjRh)

+13+



「ヤマネ!!三月うさぎ!!」


「なによ!!騒がしいったらありゃーしないわ」

「なんだよ!!」


二人はまだお茶会を続けているようだったが、今はそんなことをしている場合ではない。

「マッドハッターが襲われてるの…私を助けてくれた!!アブソレムさんの所に行けって…」

「アブソレムさん??わかったわ、ついてきて」

そう言って足が速いヤマネは茂みを走っていった。
それを私は一生懸命追いかけたが、
後から三月うさぎも追いかけてきて、知らない間に追い抜かれていた。


しばらく走っていると、宮殿のような場所についた。

「ここは??」

真っ白な建物は天に向かってのび、白い薔薇はそれを引き立たせるように美しく咲いている。
暗かった空がここだけ光がさしていてますます綺麗に見える。

「ここは…白の女王の城だよ。ここにマッドハッターが言うアブソレムさんがいる。」

息を切らしながら三月兎は言った。

「まずは女王に合いましょ」

ヤマネは堂々と建物の最上階を指さした。





Re: —  ア  リ  ス  — ( No.24 )
日時: 2011/03/25 14:59
名前: 憬ネ (ID: 3ZeOyjRh)

+14+



優雅に舞う蝶。
小鳥の歌う声。

そして————・・・庭園に立ち込める煙。

女王に遭いに行く途中、不思議な光景を目にした。


「「「うわクサッ!!」」」

私達は声をそろえてこういう。
目の前が真っ白になって何も見えない。

「ゴホゴホッ…くさい…」

「…全く。失礼な奴らだ。」

「アブソレムさん…こんなところにいたんですね…それより、煙草の火を消して…」

ヤマネは咳をしながら訴えた。

「煙草はおれの命でもあるんだ。そう、そしてお前らは俺に死ねと言っているのと一緒だ!!」

そう言いながらも謙虚に煙草の火を消したようだ。
煙はどんどん薄くなって、やっとあたりが見えるようになった。

アブソレムとは青い虫の事だった。
黄色い大きいきのこにのったこの芋虫は、
偉大そうな雰囲気を醸し出しているが、一体何者なんだろうか。



「…さん付けよ!!」

私の肩に乗ったヤマネが私の耳元で囁いた。

「あ…アブソレムさ…「君は誰だい??」

言いかけたところで止められて、私はむっとしながらも、できるだけ御淑やかに返事をした。

「私は亜璃抄よ。」

「アリス??そうか。何か見たことがあると思ったが…ん??君は本物の『ありす』なのかな??」

アブソレムさんは首をかしげ、また煙草に火を付けた。

「えぇ…自分が誰なのかこっちが知りたいわ。此処に来てから名前を言わなくても皆私を知ってたから、
初めて此処に来て名前を聞かれて、とっても新鮮。」


「そうなのか…皆がそういうならお前は本当に『ありす』なのかもしれない。」

ふと下の方を見ると、アブソレムさんが座る巨大きのこの根元に、真っ白い毛に青いチョッキをきたうさぎが、
おびえた表情をして私を見ていた。

この子は…私をワンダーランドに連れてきた白うさぎ…


「白うさぎ。アリスにあれを見せておやり。」

アブソレムは赤々と光る煙草をくわえながら、ゆっくりと言った。
すると白うさぎは急いで何かを取りだしてきた。

「はい。どうぞ…」

「見ろアリス。これが''預言の書''だ。」

「預言の書??」

「歴史表だよ。」

「なんかシミついてる。」

「シワもついてる。」

「ああ!!触るな!!これは女王様のものだぞ。」

初めて見る歴史表に皆はくぎ付けになった。

「今日はここだ。グリブリッグ。」

「グリブリッグの日だって。変なの!!」

「そして、じきに訪れる、フラスジャスの日…!!」

「あ、コレ、荒れ地の花達が話してた。」

確かに花達が歌うような口調で言っていた。

「おお。早く知るほうが良いだろう。君がジャバウォッキーの首を切り落とすのだ。ボーパルの剣で…」

「私が…??やっぱりあの花が言ってたことは本当だったんだ…。
 ジャバウォッキーに勝った時の事はわかったけど、負けたときの話はしてくれなかった。」

「…アリス。みんなは負けることなんて一切考えていない。」

アブソレムは意味深な事を口にした。

「え??」

「此処にいるみんな、ネジがゆるんでいる。だからもしもアリスが負けたらなんて考えられない。勝つしかないんだ。」


勝つしかない———・・・??

Re: —  ア  リ  ス  —参照100、まじ?? ( No.25 )
日時: 2011/03/25 16:59
名前: 憬ネ (ID: 3ZeOyjRh)

+15+




「まぁ頑張るんだ、アリス。君ならできるよ。よくしらないけど。」

「!!」

そう言うとアブソレムは私に煙草の煙をはいた。
一瞬周りが煙に包まれ自然と白に染まった。






「まぁ!!あなたがアリスですね!!どうぞ座って。」

白の女王ミラーナは優しく微笑み、部屋の中に入れてくれた。
そんな笑顔を見ているとさっきまでの事を一瞬にして忘れさせられた。


「ねぇアリス。私達はあなたがいつ来るか楽しみにしていたの。」

私はお茶を一口飲んで、テーブルに戻した。


「フラスジャスの日の事ですか??」

「ええ、そうよ。皆があなたに期待してる。自由になれる事を夢見て。」



「私にできると思いますか??剣も持ったこともない、ただの凡人に。」


私は不安だった。
皆の期待を裏切り、ジャバウォッキーとの決戦に敗れたら。
これから私は何のためにワンダーランドにいるのか、理由もわからなくなるから怖かった。

「あなたは選ばれた人よ、アリス。」

「女王様??」

「あなたならできますわ…私の王冠を、取り戻すことも!!」






「・・・え??」

王冠を取り戻す??

「私、イラスベースに王冠を奪われてしまったの。情けない以上に、悲しいわ…。
そしてあの時一緒にいたマッドハッターのご家族も殺されてしまった…」

マッドハッターの家族が??

「…後で知らされたことだけれど。」


なんでそんな悲しい事実を隠して、あんなに笑っていられるの??

「あれからマッドハッターは変わったわ。よく笑うようになって。
  きっと悲しみを紛らわすためなのよ…」

そしてミラーナは純白のハンカチを取りだすと、思い切り鼻をかんだ。


「女王様!!イラスベースが白の表口に!!」

「え!?なんですって」

Re: —  ア  リ  ス  —参照100、まじ?? ( No.26 )
日時: 2011/03/26 21:22
名前: 憬ネ (ID: 3ZeOyjRh)

+16+



「妹、やっと出て来てくれたのですね。またシカトされるかと思いましたよ。」


姿がばれないように、私は城の窓から外をのぞいていた。
赤の女王は漆黒の一角獣に乗り、血のように赤いドレスを身にまとっている。


(あれが赤の女王…!!)

この美しい白い女王とは比べられないほど違いがある。
似ても似つかない姉妹。

違いのせいでひどい目に遭ったのだろうか??
白の女王を見る目は憎しみであふれていた。

「なんのようですか??それとも王冠を返していただけるのでしょうか。」

白の女王は姉の頭にのっている王冠を見ながら言った。

「ククッ。哀れな奴……お父様から頂いた大切な王冠を簡単に奪われてしまうとはな。
 思い出したら笑ってしまう。
 だがこんなもの、あっても仕方が無いと気付いた。お前が大切なものだから奪いたくなっただけだ。
だが、もうこれは私のモノとなったのだ。」

赤の女王は馬鹿にしたような口調で言った。

「フラスジャスの日を楽しみに待っておるぞ。まぁ、結果は言うまでもないがな。」

「何が言いたかったの??あなたが来ていい場所ではないのよ。用がすんだら早く帰って下さい!!」


「用??すっかり忘れていたわ。『アレ』を連れてきて。」

すると赤の衛兵の中に道が開け、衛兵3人がかりで何かを引きずってくる。



「あなたは…っ!!」


それは紛れもない、マッドハッターの姿であった。


「マッドハッター!!」

「ふはは!!そうだ。こいつは私の部下、アリサが捕まえてきてくれた。
''偶然''な。」


「ハッターが…まさかあの時の———…」


アリサってバンダースナッチとか言うでかい動物を連れてた女の事…??
ハッターがやられるなんて…

「ハッター…!!」

白の女王はひどくショックを受けているようだ。


「用と言うのは一応コレを見せに来ただけだ。お前のそんな顔が見れてよかった。」


「お前等、帰るぞ。」


ハートのジャックと赤の衛兵を引き連れ、赤の女王は去って行った。


私は急いで城の女王のところに急いだ。

女王はドレスを握りしめて赤の女王が去って行った方角を睨んでいる。





「女王様っ!!大丈夫ですか…??」



「…また私は、マッドハッターを苦しませてしまった———…」



城の者は皆、イラスベースのいきなりの訪問にざわついている。



「あっ、女王様——…」

どこかへ走って行った女王様を追いかけようと、一歩踏み出そうとすると、白うさぎが道を遮った。

「ああっアリスは来なくていいんだよ!!」


「白うさぎ…」

「今は一人にしてあげて!!」

そう言って、白うさぎは城に戻って行った。





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