ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

古式騎士ゼロ式 Ancient Remains
日時: 2011/06/06 11:09
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xr1in99g)

まあ、更新遅いし、どうしようかこの野郎
と、脳みその足りない私が悩んだ結果、二条投稿しちゃえばいいか思考が発生した結果の産物です
ggればオリジナルが出ますが、オリジナルと話の内容は大体同じです
一応注意書き
荒らしは止めてちょ
荒らされ中のコメントも止めてちょ
以外特になし


退学危機の今日この頃
喧嘩しかけてきた相手は何故にお咎め無し……?
謎だ

>>1
プロローグ

 一章 始まりは静かにゆっくりと確実に

>>2-5§>>8-15§>>20-23

Page:1 2 3 4 5



Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.19 )
日時: 2011/06/01 13:02
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)

ええ、クマムシは乾燥状態で水を与えられるとインスタントラーメンのようにふやけて行動を再開しますよ^^

Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.20 )
日時: 2011/06/06 11:07
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xr1in99g)

 ロアが能力により、ライターの小さな種火を増幅し、周囲に放つ。 さながらそれは、広範囲、前後360度有効な火炎放射器とでも言うべきだろうか。
 ただ、できれば能力は使いたく無かった。 能力の詳細が知れれば、自分の正体がばれることに繋がる。 故に、炎を操る能力とだけ言っておけばいいのか?
 いや、しかし、あの身体能力を能力で発動したと隊員たちは思い込んでいるだろうし、どうやってこれを誤魔化せば……。
 そんな考えの最中、黒い塊がロアへと目掛けて襲い掛かる!

 「な……焼き豚になったんじゃなかったのかよ!」

 それを見て、メリエルが咆えるが、ロアはそれの牙を片手でむんずと握り締めると、その飛び掛ってきた勢いを生かし、自分の背後から今正に襲い掛かってきた焼き豚に叩き付ける!
 今度は、叩き潰さぬよう気をつけて。

 「いや、焼き豚になったよ。 ただ、まだ動くだけじゃないかな?」

 ロアがポツリと呟く。 恐らくそれは、ロア以外の誰にも聞こえていない。
 今飛び掛ってきた奴も、最後の攻撃だったらしく、次々と黒焦げになったクマムシたちは地に伏した。

 「髭オジ様、ライターありがとうございます」

 ロアが礼を言うと同時に、ライターをゲイルへと投げる。 ゲイルはそれを片手でキャッチし、ロアへと投げ返した。

 「そいつは持っておけ、種火がないと火が出せないとはいえあの威力。 さすがレベルⅤとでも言うべきだな。 さあ、今は亡き先客に挨拶かましにいくぞ」

 ゲイルは面白くないようにその言葉を吐き出すと、クマムシの来た方向をたどり始める。 クマムシの来た方向、移動通路は、点々と地面に落ちている血痕でわかる。
 恐らく、この遺跡の中央から来ているのだろう。 血痕は、どこで曲がることなく、迷いなく、調査員たちを遺跡の中央へと誘う。
 そして、捜索開始から五分もしない内に予想通りの場所へ。 遺跡の中心に建っていた巨大な塔へと行き着いた。 そして、思ったとおり、遺跡の閉ざされていたはずの塔の扉は開け放たれている。
 どこか別の部隊が捜索したのだろう。 だが、ここはゲイル率いる捜索隊以外は捜索の対象外だ。
 いったい、どこの部隊が……?
 ゲイルが頭をかしげる横で、ロアは塔の外壁に記されている文字を凝視する。

 「不死鳥の塔……?」

 炉あの知る限り、そんな建造物はセフィロトには存在しなかった。 つまりここは、セフィロトではない。 そして、地理関係を見ても、温暖な砂漠に近い環境だったセフィロトに対し、ここはあまりにも寒い。 
 つまり、ここはセフィロトと接点のある、別の国の遺跡ということだ。 作りは似ているし、町の形状も同じ。

 「何だ? 不死鳥の塔って……?」

 ロアの後から、ゲイルがその文字を覗き込む。
 それに続き、ルイスもその文字を覗き込み、なにやらメモを取っている。

 「さあ、さっぱりです。 髭オジ様は何か心当たりは……?」

 「さあな、心当たりは一切ない。 それに、不死鳥の塔だろ? 永久不滅のシンボルってだけだろうな」

 ゲイルは躊躇なく、その開け放たれた扉から塔の中へ踏み入っていく。
 それを見つめる人影がひとつ。
 巨大なその塔は、天井が崩れ、中心を瓦礫が陣取っている。 そして吹き抜けになった天井から、ものすごい勢いで空気が落ちてくる。

 「なかなか、居心地がいいところだな」

 ゲイルは満足そうに塔の階段を上る。 その時だった。
 『それ』がやってきたのは。
 静かに、そして確実に、その足音はゲイルへと迫り寄る。
 そして……

 「音無? 何が……! っぶねえ!」

 ゲイルに視認できなかったその人影は、今しがたゲイルの居た床に突き刺さった刀を引き抜いている。 だが、その直前にゲイルは『何か』によって弾き飛ばされ、その直撃を避けた。
 そして、その蒼い瞳で、ゲイルに続いて塔に入ってきた隊員を見渡す。 

 「私はこの塔の守護者にして、四守護の一人。 私は人殺しは好きではない。 だが、私はこの塔へと侵入した“人間”をすべて殺せ。 と、命を受けている。 恨みは特にないが……死んでいただきましょう」

 それに対し、ロアが前へ出る。

 「四守護の一人。 その容姿は多分、力の守護者、フランシスカ・シュリアーノ……だっけ? 100式には数えられていない数少ない個人製作の魔式騎士だったね。 ……邪魔立てするなら……私が相手をしよう」

Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.21 )
日時: 2011/06/06 11:07
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xr1in99g)

 「そのいでたち……嫌なほど似ているな」

 「似ているじゃないよ、本人なんだから」

 ロアとフランシスカは睨み合い、互いの間合いを詰める。 そして、後数歩と両者が迫った所でだ。
 明らかに、フランシスカの身長では、体格では詰められない5メートル以上の間合いを、一瞬で駆け抜け、ロアへと詰め寄るとそこで一閃。
 ロアはフランシスカの手刀一撃で地に伏した。 だが、ロアは即座に起き上がり、反撃する!
 右の蹴りを、フランシスカは易々と受け止め、その受け止められた足を軸に、体全体を持ち上げ、放たれる蹴りも、フランシスカの顔面に直撃したが、ダメージが有るようには一切見えない。
 その奇妙な手ごたえに、ロアは顔をしかめる。
 数千年の眠りが、ロアの記憶を所々消し去っているらしく、ロアは力比べでは勝てない相手にただ無謀にも数十の拳の連弾を叩き込み、あっけなくそれに弾き飛ばされ、塔の内壁に衝突する!
 さて、騎士には能力が効かない。 どうするべきだか……。

 「能力は使わないのか、知恵の守護者が……頭を使わなくてどうする? そこの人間たちを守るのが、お前の仕事だろう?」

 ああ、できれば使いたくないんだよ! 
 騎士ってバレれば、何かと大変なことになるってメリエルに散々言われてきたから、能力は、使いたくなかった。
 ケド、

 「そうだね、改めて力を発揮しようか」

 お前が知恵の守護者だと私の正体を喋ってしまうのなら、お前の排除が先だ。

 「ねえ、怪力馬鹿の……フランちゃん」

 「貴様ッ!」

 金色の長い髪をなびかせ、塔の内壁を飛び回り、フランと呼ばれた騎士は目にも留まらぬ速さで塔の中を飛び回る! だが、その程度、

 「相変わらずだね、少しずつ、思い出してきたよ」

 ロアは天に手のひらを掲げ、塔の内部の空気を祓うかのように手を振った。 すると、そこから衝撃波がフラン目掛けて放たれる!

 「こんなものッ! 効くと思って——……!」

 衝撃波は目くらまし。
 これだけ古ぼけた塔だ、埃も積もっていれば、空気の流れも淀んでいる。 そして、壁一面を覆うように並べられた本棚にぎっしり詰まった本は、埃を溜め込み、ほんの少しの衝撃でそれを吐き出す!
 詰まり、フランから見て劣るロアの身体能力でも易々と近づき、能力によって直接破壊ができると言うわけだ。

 「さあ、対魔式騎士用の能力ちから……エナジーブレイクでフランちゃんはどれくらい……壊れるのかな?」

 フランの胸元に、ロアの交差させた両腕が押し当てられる。
 そして、その言葉の直後。 フランは胸元から崩れるかのように爆発する! そして、地面に膝を突き、その機能を停止。
 機能を停止するとともに、フランは小さな金色の箱へと姿を変えた。

 「懐かしい友達とあえてよかったよ。 この様子だと四守護の男衆も、目を覚ましているのかな?」

Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.22 )
日時: 2011/06/06 11:08
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xr1in99g)

 「おい、お嬢ちゃん……お前……」

 「ええ、私は騎士ですよ。 今更、隠し立てしたってどうしようもありませんし。 髭オジ様にも、そこの隊員さんにも、全部話します」

 ロアはフランを拾い上げながら、ゲイルの問いに答える。 だが、今まで少なからず感情の篭っていた言葉には、一切の感情も無く、ただ、機械的に淡々と音を吐き出すだけ。

 「私は2500年前の文明。 セフィロトで製造された、個人製作の騎士の一機です。 その時の私が籍を置いていたのは、国家に対抗するレジスタンス、“栄王旅団”の主要機関の守護を担当していました」

 ロアはフランをポケットにしまい、ゲイルに歩み寄る。
 その言葉に、相変わらず感情は無い。

 「そして、私の仕事は、平らにすること。 と、栄王旅団の知識の守護を担う機械でした。 感情も無く、私たち四機を統括する騎士。 ルーラが私たちを統括し、私たちはセフィロトに勝利しました。 そこから、私たちは数年間使役され、“平和”を創るために私たちは、この遺跡に破棄されたんです」

 ロアは機械として、ゲイルにフランを手渡すと、ゆっくりと塔の端から伸びた五本のうちの一つの階段を登る。 

 「私は、そこで眠りに着きました。 それからどれくらいしてかは分かりませんが、もう一度。 目を覚まします。 これよりもまだ何年も昔。 悪魔と名乗る女の手によって」

 ロアは歩みを止め、階段の手すりをなでる。
 装飾の施された木製の手すりは、金属が装飾に沿って埋め込まれ、ゴシックなかび臭い匂いと、アンティークな金属臭が一緒になったような独特の雰囲気を放つ。

 「そこで、私はこの塔の中で……目を覚ました。 永い眠りから。 数百年前の出来事です」

 ロアは再び手すりから手を離すと、最上階へと歩みを進める。
 しばらくの沈黙の後、ロアは屋上にたどり着き、

 「真実を見る勇気は有りますか? 真実が見たいのであれば、お見せします。 私もまだ、真実は知りません。 そしてこの扉が何に通じているのかも分からなければ、話で聞いただけのもの。 生きていられる確証も、ありませんよ?」

 ロアは、その言葉の後に誰が自分に続くのかを待つ。
 一番最初に階段を駆け上ってきたのは、メリエル。 次に、ルイス、隊員が何人か一緒に。 そして、長考の末にゲイルが。 そして、ゲイルの命令によってその全てが。

 「この扉が、私の居た世界へと通じています。 貴方達は死ぬかもしれません。 ですが……いいのですか?」

 ロアは、最上階の瓦礫に埋まりかけた美しい紅の扉に手をかける。

 「そりゃ、良いに決まってるだろ? じゃなきゃ、誰もこねえよ。 ゲイルの命令でも、命までかけろとまで上の奴は言ってなかったしな。 命が惜しければ、ついてこないって」

 ルイスが明るく言い放つ。
 それにゲイルがうなずき、

 「ほら、早く行こう。 俺たちはここの探索を任されたんだ、これの向こうも探索対象。 ……だろ?」

メリエルがロアを急かす

Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.23 )
日時: 2011/06/06 11:08
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xr1in99g)

 ロアが扉の取っ手に手をかけたその時だった。

 「記憶を完全に失くしているらしいな。 私の能力に警戒もせず……勝利に酔いしれるとは貴様もずいぶんと落ちぶれたものだ」

 扉の向こう側から、今しがた機能停止させたはずのフランの声。
 まさか、瞬時に力を発動した? いや、そんなそぶりは見せなかった。 だとすれば、最初からずっと?
 フランの言葉とともに開く扉から、ロアは全員を遠ざける。

 「髭オジ様、皆さんをはやく安全な所へ。 この塔から脱出してください、機能停止させたらまた私が呼びます」

 「待てよ、俺も残るぞ」

 メリエルがロアに食って掛かる。 だが、如何に人間の最高レベルの能力者といえど、ゼロ式に、ましてや四守護と呼ばれた攻撃型の騎士に敵うはずがない。
 メリエルも早く、

 「避難して!」

 「嫌だ、保護者の義務がある」

 「保護者面しないでくれませんか? 私は確かに、貴女に従わなければいけません。 ですが、死んでもらうのはもっと困ります」

 ロアは有無を言わさず、メリエルをその血に飢えた猛獣の如き眼で威圧する。
 
 「わ……わかったよ、殺されるなよ」

 「壊される、の間違いでしょう。 さあ、危ないです」

 メリエルが塔から出て行くのをロアは見送り、改めてここでフランシスカと対峙する。

 「フランちゃん、何で大人しかったのかな?」

 「私は、塔から出て行くものには攻撃するなと言う命令が下されている。 故に、塔に入ってきた貴様を排除する」

 フランと呼ばれた彼女は、改めてその身体能力と、厄介な能力を発動する!

 「さあ、夢や幻想の世界から……逃げ出すことは出来ますか?」

 その言葉とともに、フランの姿が前に後ろに、すぐそばの本棚の上に、階段の手すりに腰掛け、至る所から、物陰と言うもの影から。 その姿を現した。
 夢幻想とはよく言ったものだ、ほかに現れた影に気をとられて……本物を見失った。

 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 塔からメリエルが出るとすぐに、彼女はその異変に気がついた。
 先に塔から脱出したはずの隊員たちが、何かを相手に戦闘を行っているのだ。 ただ、その戦闘は圧倒的で、敵は攻撃を受けてばかり。

 「何するんですか、俺はまだ何もしていないと言うのに」

 「な……ッ、黙れ!」

 隊員の一人が、手に持っていたマシンガンをその人影目掛けて連射する。 その人影は弾が当たるたびに小刻みに揺れる。 そして、前のめりに地面に突っ伏した。
 だが、何事も無かったかのように、その人影は起き上がる!

 「だから、俺はあんた等に危害を加える気はないんだって」

 「撃つのを止めろ、馬鹿共が!」

 メリエルが隊員に向かって咆える。
 その声に、隊員たちは硬直した。 いや、メリエルが動けなくした。 それが正しい表現だ。

 「へえ、能力者なんだ」

 その人影は、十代半ばの少年。 
 よくもまあ、いい大人がこんな餓鬼相手に銃を向けられたものだ。

 「ああ、俺は能力者だ。 それがどうかしたか?」

 メリエルの言葉に少年は黙り込み、少し考えた上で躊躇無く、

 「あのさ、何で俺って言うの? 私とかいったほうが可愛いと思うぜ?」

 メリエルの中の一番大きな地雷を……踏んだ。


Page:1 2 3 4 5



この掲示板は過去ログ化されています。