ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

ふたりと、きみ。
日時: 2011/10/17 17:42
名前: 朝倉疾風 (ID: QHlX.g1E)
参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/

朝倉の小説の題名は、必ず最後に「。」が
つきますよね。
これつけないと、なんだかムズムズします。

執筆開始 10月1日〜


登場人物 主要キャラ

清川暁人>>3
霧島レイ>>3
江藤マヤ>>7
西滝音羽>>20
古里嘉一>>20


サブキャラクター

浅沼小夜葉>>25

Page:1 2 3 4 5 6



Re: ふたりと、きみ。 ( No.16 )
日時: 2011/10/13 17:49
名前: 風猫(元:風  ◆jU80AwU6/. (ID: rR8PsEnv)

新作乙です♪
さっと流し読みしたていどですが江藤さんが良いですね^^
相変わらず、個性に溢れる描写で私は賛嘆するばかりです!
今後も頑張って下さいね

Re: ふたりと、きみ。 ( No.17 )
日時: 2011/10/14 21:05
名前: 朝倉疾風 (ID: HhjtY6GF)
参照: Skypeやってる人カモンです

個性的なキャラを目指して!
江藤はなんだかんだいいやつです。
好きでいてあげてください

Re: ふたりと、きみ。 ( No.18 )
日時: 2011/10/14 21:06
名前: 朝倉疾風 (ID: HhjtY6GF)
参照: Skypeやってる人カモンです







ときどき、人間はこの世界で力をつけすぎたと思うことがある。
人間ほど貪欲で、残虐な生き物はいないだろう。 そうだな。

例えるなら、殺人。

幼稚園児が無邪気にバッタを引きちぎったり、カエルをボールがわりにしてバットで打ったり。
それとは違った、まったく正反対の残虐さ。
生きることよりも、ある意味死ぬことのほうが簡単すぎる。 人を生かすよりも、殺すことのほうがよっぽど安易にできる。

「レイが見つけたんだよ」

群がる野次馬たちを警察が追い返しているのを一瞥し、すぐに視線を霧島さんに戻す。
日曜日だからか、制服ではなく私服だった。 霧島さんによく似合っている、レトロ系のガーリーなやつ。

「あの死体、レイが見つけた」

言って、ブルーシートに包まれて、担架で移動しているアレを指差す。
江藤は黙ったまま、怪訝そうに霧島さんを見ていた。

「え……第一発見者ってこと?」
「うん。 本当はね、昨日の夜にアレを見つけてたんだけど。 レイは、郵便局に用事があって。 だから……えーと、時間がなくて」

一般市民の意見とは思えない、どこか不安定な理由。 けれど霧島さんがそう言うのなら、そうなのだろう。
現にいま、白い封筒を持っているし。

「ここで何してたんだよ」
「死体、どうなったかな〜て。 そこの草むらにあったから覗き込もうって思ったんだけれど。 他の人が見つけちゃったみたい」

ゲームの犯人当てっこのように、この非日常をなんとも思っていない様子の霧島さん。
彼女は特殊な価値観を持っているらしいので、そこはオレも無理に否定しない。 簡単に受け止める。

「そっちの人、ともだち?」

霧島さんが、自分を珍しそうに見ている江藤に気づいた。

「江藤マヤっていうんだ。 霧島さんに言ったろ。 喧嘩してる友だちがいるって。 あのあと霧島さんのおかげで仲直りしたんだよ」

もっとも、江藤は喧嘩のことすら忘れていたみたいだけど。
霧島さんの目が、江藤の火傷の痕にこびりつく。 穴があくほど火傷の痕を凝視する。 表情は至って平常。 無表情だ。

「ソレ、どうしたの?」

初対面の常識ある人間ならまず聞くことはないだろう。 それほどまでにケロイド化している江藤の顔の半面。

「事故」 短く答える江藤は、慣れているようだった。
「そう。 とても痛そうだね。 でもレイとおそろいっぽい」

人の波が徐々に散らばって、事件現場から遠のいて行く。 直訳すれば野次馬は帰れと遠回しに言われ、そこから離れる。

「霧島さんはこれからどうするの? 家に帰るの?」
「帰る。 レイはまだご飯食べてないから」
「わかった。 じゃあね」

名残惜しいけれど、家には嘉一もいるし。
道路をゆっくり歩く彼女の後ろ姿を見て、初めて霧島さんが裸足であることに気づいた。

「あの女が友だちになったっていうやつか?」
「うん。 少し変わった子だけど、気に入ったんだ」
「オレもべつに嫌いじゃねえけど」
「え、そうなの?」

さっき火傷について触れられたから、苦手意識を持つかもと思ったのに。

「直球で質問してきたろ。 同情とかじゃなく。 ああいうの、聞かれるこっちとしては楽になるんだよ」

昔のお前もそうだったよな、て。

江藤がオレの頭をくしゃっと撫でる。 ああ、そうか。
初対面のとき、江藤の怪我が気になって、何も考えずに火傷の理由を聞いたことがある。
江藤は、どう答えてくれたっけ。

「霧島、俺も少し気に入った」
「だろ? なんかすっげえ雰囲気が不思議だよな」
「ああ」

霧島さん。
明日の学校で彼女に会えることを思うと、嬉しすぎる。
高ぶる気持ちを抑えながら、チャリの後ろに乗る。 ああ、そうか。
これは恋なんだろうか。
昔、親の一件でいろいろあって、恋愛なんてものはただ性欲を満たすだけの、男女の馴れ合いだと思っていたけれど。
どうやら違うらしい。

Re: ふたりと、きみ。 ( No.19 )
日時: 2011/10/16 10:51
名前: 朝倉疾風 (ID: QHlX.g1E)
参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/




            ──♪──



何度、彼との淫らな関係を想像しただろう。

成長するにつれて高まる欲求を、誰が慰めてくれただろう。

嘉一、と呼んで返事はしてくれるのに。
求めると必ず拒まれる。

そんなに自分は汚い人間だろうか。 
厭らしい、不潔で、鈍感で、穢らわしい、娼婦のような人間だろうか。
手を伸ばせば届く距離に彼はいるのに、どうしてか触れることができない。

もどかしい。 苦しい。 触れてみたい。 抱いてみたい。

こんな欲求があるのは、おかしいことだろうか。

Re: ふたりと、きみ。 ( No.20 )
日時: 2011/10/16 10:57
名前: 朝倉疾風 (ID: QHlX.g1E)
参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/



登場人物ファイル04


西滝音羽(にしたき おとわ)

35歳 暁人の保護者で遠縁の親戚。男性。
メンタル面をケアする仕事(精神科医)を
しており、少々独創的な価値観を持つ。
子どもから好かれる性格。




登場人物ファイル05


古里嘉一 (こざと かいち)

25歳 暁人の家庭教師で6年の仲。 男性。
非常に真面目な性格で、暁人の母親のような存在。
よく怒るが心は広く、偏見の目がまったくない。


Page:1 2 3 4 5 6